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竜と人間との深い絆と愛を綴った「竜人シリーズ」三作目で、作者さんがおっしゃられてる通りシリーズ集大成とも言える作品になります。
こちらですね、新カップルとなる表題作のお話も甘くてあたたかくて優しくてととても良かったんですけど、書き下ろしが更にめちゃくちゃ良かったですよ。
シリーズ全てのカップル登場とまさに集大成なんですけど、彼等の深い絆と愛に、思わずホロリと来たりして。
命をかけて愛する事。
最期まで離れずに、共に生きる事。
そして、失う覚悟。
いや、世界ってこんなにも美しいし、そして優しいよねと、読み終えた後は感動で胸がいっぱいになると言うか。
素晴らしい作品だと思います。
ちなみに、そんな感じで今作だけでも読めるようには書かれてるんですけど、シリーズを通して読んだ方が絶対萌えるし心に響くと思います。
あと受けですが、目が不自由だし顔面に火傷の痕とかなり不憫なんですよね。
この手の題材が苦手な方は最初から避けた方がよろしいんじゃないかと思います。
内容です。
珍しい白銀の鱗を持ち、王都で育った竜人族・シリル。
決まっている未来に窮屈さを覚えている彼は、竜の姿で空を飛ぶ事で、その鬱屈を晴らしてるんですね。
そんなある日、たまたま訪れた森で彼が聞いたのは、美しい歌声。
その声の持ち主に話しかけますがー・・・と言ったものになります。
まずこちら、ものすごく王道ではあるんですけど、とにかく優しいし甘いし可愛いお話でして。
えーと、受けであるレヴィがかなり不憫だったりするんですよ。
彼は幼い頃の火事で両親を亡くし、更に自身は顔に火傷を負った上に目が不自由に。
そのせいで、日銭を何とか稼ぎつつ貧しい生活を送っていると言うか。
これが、そんな境遇にも関わらず、本人はとても健気だし心が美しいんですよね。
で、そんな彼の前にある日突然現れたのが、不思議な騎士様。
通りすがりに自分の歌声に誘われてやってきたと言う彼ですが、それから何回もレヴィの元を訪れては、共に過ごすようになる。
これね、本当にベタではあるんですけど、レヴィがめちゃくちゃいい子だし、なのにと言うかだからこそと言うか不憫なんですよ。
小さい子ども達からは火傷の痕で「バケモノ」だと蔑まれ、まさに極貧生活を細々と送る。
彼は既に一人で生きて行く覚悟を決めてるんですよね。
で、そんな所に格好良くて優しくてついでに権力もある攻め登場!
何だろうな、こちら両視点で進む為、互いが互いに惹かれ合って共に過ごす時間をとても嬉しく思ってる事が読者には丸分かりなんですよね。
レヴィが食べた事もないお菓子を貰ったり、そしてそれを二人で食べたり。
また、シリルがただただレヴィに会える事が嬉しかったり。
そんな二人のあたたかくて優しい日常が嬉しくて仕方ないし、そもそも不憫な受けが初めて大切に扱われ、これでもかと甘やかされるのも嬉しくて仕方ない。
もう本当、こういうの理屈じゃなく好きで好きで堪らないのです。
この後、シリルが自分の正体を隠していた事で、レヴィが事件に巻き込まれたりと波乱はあるのです。
波乱はあるのですが、全体的な印象としてはとにかく優しいしあたたかい。
何より、シリルがかなりの溺愛攻めですしね。
もう、レヴィ、幸せにおなり!って感じで。
で、ここまでが甘くて可愛い表題作。
この後、シリーズキャラ総出演の書き下ろしになります。
内容としては、シリルと共に王都へと居住を移したレヴィ。
そこでは、シリルの義父となるアゼル達が待っていてー・・・って感じでしょうか。
えーと、ここで二人ですが、竜人の「血の絆」の真実を知る事になります。
これな、アゼル達やシリル達は寿命の恩恵に預かれるワケですが、黒竜であるアラン達はいずれ別れが訪れるんですよね。
そこが書かれた部分が、とにかく良かった。
読みながら、思わずホロリと来ちゃいましたよ。
彼等の深い愛情に、グッと来ると言うか。
例え、気が狂うほどの絶望と悲しみに襲われても、それでも出逢えて愛し合えた事が幸せなんですよね。
なんて、なんて切ないのに、同時に優しい。
と、そんな感じで、めちゃくちゃ感動だし素晴らしい作品でした。
これは集大成に相応しいですね。
シリーズ集大成とも言うべき三作目です。
雑誌掲載の表題作と、書き下ろしの「竜たちは愛を育む」です。
今回のカップルは年齢が近くてとても可愛らしくて、初々しいやり取りに思わずニヤニヤしてしまいました。
殆ど同時期に発売された「王弟殿下の甘い執心」も良かったですが、こちらも凄く良かったです。名倉和希先生の作品は外れが無いですね。
とても凄い事だと思いました。
レビィの出自や見た目じゃ無くて、その無垢な魂や歌声に惹かれて行くシリルが凄く良かったです。シリルのレビィに対する心の叫びに何度もホッコリするんです。かなり萌えました。
レビィも過酷な境遇にありながらも前向きで、とても強い気持ちの持ち主であるところに共感を持てました。
こちらの作品では前の二作のカップルのその後も読めて嬉しかったです。
アゼルとランドールにはクスッとしたし、アランとエリオスにはちょっとしんみりしつつも幸せそうで、アランの深い愛情にウルっと来るんです。
大人たちはそれぞれ素敵なんですが、若いカップルはなんだか微笑ましくて思わず応援したくなります。
ちるちるさんのあらすじには「いずれ血の絆を結ぶ相手も決められていたが…」とあったので、「???」って思っていたんです。だって前の二作を読んでいたら、血の絆は相手を決められて結ぶものではないですから。
その経緯と結末も読んで納得出来ました。
決められてた相手の落胆具合を知ると、シリルに対して特別な気持ちがあったように思えてしょうがありませんでした。
でもシリルはレビィに出逢えた事で人を愛する事を知り、自分の未熟さを痛感して己の役割を改めて考えるようになって成長するんです。
だからレビィでなくてはダメだったんですよ。
こちらの作品だけでも楽しめますが、是非「竜は将軍に愛でられる」「王子は黒竜に愛を捧げる」め併せて読んで欲しいと思います。
シリーズ3冊目です。
ラヴィの境遇が切なくて。17歳なのに13歳くらいにしか見えない程成長できてなくて。
孤児院を出て一年。鶏小屋みたいな粗末な小屋で暮らして。十年前の大火事で両親を亡くし左目は見えず右目もかろうじてうっすら見えるくらいで。しかもひどい火傷のあともあり。
それでも孤児院にいるより良いようで…。
そんなラヴィと白い竜人のシリルが出会い。
シリルが2歳でアゼルたちの養子になって将来も決められ息が詰まるような生活で。息抜きに飛び回っていたら森の中で美しい歌声のラヴィに出会い。
シリルがやっぱり箱入りだからか世間知らずで脇が甘いんですよね。
そのせいでラヴィが危険な目にあい、結果的にラヴィと血の絆を結ぶことになり。
ラヴィを王都に連れて帰り甘々新婚生活!
そこでアゼルに血の絆についてや色々教えてもらうんですが…。
ラヴィの火傷のあとが治ることが、治れば治るほど理由がバレることがわかり、ラヴィは恥ずかしくてシリルを避けるようになり…。
シリルもエッチもエスコートも上手ですが、恋人の心の中まではわからず。
でもある事件がきっかけできちんと話し合い。もともとその夜に話すつもりだったのですが、もうそんなこと気にしなくていいや!って。
ラヴィが王都に来てから明るく生き生きとして、シリルにも愛の言葉を惜しまず、変に卑屈になったり遠慮しなくていいですね!
シリルもラヴィが可愛くて仕方なくて。
俺のラヴィ。僕のシリル様。
とっても良いお話でした。
集大成的で他のカップルの覚悟や生き方をシリルを通して知ることができ。
続きはあるのかな?
あとがきのランドールとシリルくんでは、ランドールが相変わらず小動物や可愛いものが大好きで微笑ましかったです。
「竜は将軍に〜」からこちらを読みました。どちらもスパダリエリート攻と可愛い不憫少年受で、語尾が「可愛い」になる程攻めが受を溺愛します。
大火事で家族を失い、火傷の傷と目の損傷を負ったレヴィ。偶然竜人シリルと出会い心を通わせるシンデレラストーリーですが、二人が逢瀬を重ねるのが読者も待ち侘びるほどに可愛いです。美味しいお菓子とお茶で話をしたり、レヴィの荒れた手をシリルが香油で包み込んだり(この挿絵の、照れシリルと細っこいレヴィが可愛すぎる)。可愛いだけでは無く、レヴィの生活を心配し、「こんな火傷を負っても生きていてくれてありがとう」と言葉をかけるシリルは、レヴィにとってどれだけ心強かったか…泣。
身体が少し重くなったレヴィを抱いたシリルの「この重さは人生の重みだ、幸福の重みでもある」という言葉には泣きました。
特殊な竜であるシリルと結ばれた事で起きるレヴィの身体の変化が、事情を知るアゼル達には情事が筒抜けだと知ったレヴィの焦りが萌可愛かったです…!レヴィの天然な誘い文句もたまりません。
そして彼らの寿命に対する生き方の覚悟は3作通して異なり、言い合う事なく、普段の性格からは垣間見ることのない切なさがあってジーンときました。
名倉さんの小説ってとっても読みやすくて甘くて幸せな気分になります。主人公達の愛はもちろん、情景が目に浮かぶ様なエピソード、話が進むにつれての登場人物や世界観のさりげない説明だったりが大袈裟にならずそつなく流れていて。
そして後書きのランドールが最高でした!本文でもレヴィに対して小動物好きの血が騒いでる様子が見えましたが、ム◯ゴロウ並みに動物(とレヴィ)を可愛がりたい厳ついおじさまの様子に笑いました。
3部作の3作品目ですが、知らずにここから読んでしまいました。でも、この作品だけでも十分に楽しめます。レヴィのピュアさにもキュンキュンするし、シリルのスパダリもカッコいい!BLの小説はこの作品が初めてでしたが、とても読みやすく挿絵も素敵でお薦めです。