イラスト付き
十秒待ってください。ドキドキするの、止めるので。
「レンタル彼氏」と「客」として出会った二人の、超甘くて可愛い恋愛をじっくり丁寧に綴った作品になります。
これ、両視点で進む為、二人が両片思い状態と言うのは早々に分かるんですよね。
あと、本当に王道って感じで、オチもかなり早めに想像がつく。
まぁそんなワケで、刺激を求める方にはちょい物足りないかもしれないんですけど。
ただ、その分、甘くて優しいお話を安心して楽しめると思います。
いや、本当、攻めがベタ甘だからね。
そして、受けのまさに初恋と言った、初々しい心情がかわいすぎるからね!
ちなみに、出会って早々に受けに陥落し、以降ひたすらデレデレしてる攻め・ナオ。
初っぱなからこんな感じだった為、彼はもともと、こういうベタ甘・溺愛男なんだと思ってましたが。
それが終盤で、意外な本性と言うのが分かって驚きましたよ。
もともと好い人が優しいより、こういう男が受けにコロッと参ってめちゃくちゃ甘くなるってのが、個人的には美味しかったりします。
ザックリした内容です。
病床の祖父を安心させる為、レンタル彼氏を恋人に仕立てあげて紹介する事にした大学生・朔。
現れた優しく紳士的なレンタル彼氏・ナオに胸のときめきを覚えるんですね。
一方その頃、レンタル彼氏の依頼主・朔を一目見て、強い吸引力を感じるナオ。
朔のあまりの愛らしさに、恋に落ちてしまいますがー・・・と言うものです。
まずこちら、主人公である朔ですが、父親は行方不明、母親は亡くなっています。
その為、裕福な祖父に育てられたんですね。
で、朔がゲイだと悟っていた祖父から、「男性で構わないから、生きてる間に伴侶を見つけて安心させて欲しい」と、お見合いを勧められる。
そこで、とりあえずレンタル彼氏に恋人のふりをしてもらい、祖父の心労を取り除こうとした。
と言うのがレンタル彼氏を頼んだ経緯になるんですけど。
で、こちら萌え処ですが、レンタル彼氏と客でありながら、二人が二人とも互いにメロメロで両片思い状態だと言う事。
いやこれね、朔は朔で、ナオの優しくて思いやりある言動に胸をときめかせて、いちいちドギマギする。
そしてナオは、朔のその可愛らしい見た目とは裏腹の、芯の強さに心を撃ち抜かれる。
要は、「なんて素敵な人だろう」だの「なんて可愛いだ!」だの、二人が延々とやってるのを、「か~っ! 甘すぎか!!」と読者がニヤニヤしながら見守るって形になるんですよ。
あと、個人的に面白くて仕方なかったのが、朔から見たナオと、彼の内心のギャップでして。
えーと、朔から見たナオと言うのは、スマートで爽やかで頼りになって気遣いが出来てと、まさに完璧です。
で、これがナオ視点になると、朔の愛らしさに「神よ・・・っ!」とかってやってる。
こう、スマートどころか、ひたすらデレデレとヤニ下がってんじゃん!?みたいな。
いや、こういう攻め、大好きだけど!
と、デートを重ね、心を通い合わせてゆく二人。
しかし、ナオはあくまでレンタル彼氏としての演技をしてくれてるに過ぎないと、好きになってしまった事で心を痛める朔。
そんな中、なんとナオは人気の若手小説家で、更に女優と交際してる事が分かり・・・と続きます。
えーと、夕映作品の魅力の一つって、丁寧な心情描写にあると思うんですけど。
実はナオとの事ですが、朔にとって初恋になるんですよね。
出逢って恋に落ち、共に過ごす事で想いを深めてゆく。
そして苦しい失恋ー。
そんな朔の心情がとても丁寧に綴られ、微笑ましかったり切なかったりと、すごく感情移入しちゃうんですよ。
また、傷つきながらも、ちゃんと前を向こう、出会えた事に感謝しようと朔が思うのに、とても心を打たれて。
甘々から一転、こう来るのが上手いなぁと。
あと、人気若手小説家であるナオが、何故「レンタル彼氏」をしていたのかー。
これ、予想はついちゃいましたが、あたたかくて優しいオチで素敵だと思います。
朔の祖父がですね、とても素敵なお祖父様なのです。
孫が同性が好きだと言う事を穏やかに受け入れ、「あなたは人を好きになる事が出来る。誰かを大切に思う事が出来る。それだけで素晴らしい事です」と語る。
このセリフにはジーンと来たわ。
意外とお茶目なのにも萌えちゃったわ。
最後になっちゃいましたが、わりと濃厚なエロも夕映作品のこれまた魅力の一つ。
エロは最後に一回だけなんですけど、ナオのネチッこい責め方にはニヤニヤしました。
いやまぁ、彼がムッツリなのは、意外でも何でも無いけど。
と、王道で捻りなんかはあまり無いんですけど、とにかく甘くて可愛くてあたたかいお話だと思います。
個人的に、こういうお話は大好きな為、終始楽しく読めました。
レンタル彼氏と客として出会ったときからお互い一目惚れな二人。
そんな二人の両片思い状態を、両視点で交互に読んでいくというわかりやすい親切設計。
会えば会うほどお互いに「この子だ!!」「この人しかいない!!」とメロメロになってお花畑状態になったり、でも…こんな素敵すぎる人に自分なんか無理かも…と沈んだりする様子をひたすらニヤニヤしながら読むという作品が好きなので、とても楽しめました。
レンタル彼氏として登場した攻めは、本当は売れっ子作家なので言葉に拘りがある人種なんですね。
なのに受けを前にすると「神よ‥‥!」だの「天使かな」など語彙力崩壊しちゃう様子には思わずニヤニヤしちゃいます。
スマートな大人を自認していたはずなのに、受けにメロッメロになっていく様子はほんと読んでて楽しい。
攻めが恋人つなぎで手をキュキュっと二回握る仕草がしばし登場するんだけど、それがやがて二人の愛のサインになっていくところも良かったです。
そして攻めと受けの好みや感性がとても好ましくて、読んでて楽しいんです。
二人で大正から戦前までのグラフィックデザインを集めた小さな展覧会に行って(鑑賞は別々行動なのも良い!)、見終わったら併設のカフェでお茶をして、賛美歌集の挿絵のポストカードをプレゼントしてくれたりするとかすてき。
私もこういうデートがすごく好きなので、読んでてすごく楽しかった。
それと攻めの住んでる家は、欄間にアンティーク風のステンドグラスが施されているような趣のある下町の一軒家というところもいい。
そういうちょいちょい登場するディティールが読んでてとても楽しかった。
ストレスなしで読めたので、今後も疲れたときの糖分補給要員として時折読み返す一冊となりそうです。
ただ初エッチのときの攻めのセリフ
「ここ、もう俺のかたちになっちゃってるね。」うんぬんが、え……そんなコト言うキャラなんだ…とちょっと引いてしまいました。
そして初エッチだけど中イキはもちろんのこと潮まで吹いてるという、まさにBLファンタジー……。
エロシーンが好みではなかったので萌萌評価どまりです。
受け攻め両視点で交互に語られるので、読み手が心配する事はありませんでした。
有松が蒴に夢中になって行くのをワクワクしながら読む事が出来ます。そして蒴の魅力の前に有松の語彙が無くなるのが、余計に蒴の美しさを妄想させてくれました。
有松がレンタル彼氏をしている理由は何となく察してましたが、蒴の祖父が見合い相手と推していた人物と一緒だったんですね。でも見合いしていたらお互いに惹かれたかは分からないので、レンタル彼氏として出会ったのは成功だったのでしょう。
きっかけはどうであれ蒴の祖父に挨拶して交際の許可を取ったり、上迫や英田に牽制する有松の溺愛振りは気持ちが良いほどでした。
まっさらな蒴も初めてのエッチから感じまくっていて、甘々な作品に出会えて良かったです。
当座の面倒ごとから逃げるだけのつもりが本気になってしまう話
唯一の家族である祖父から見合いを提案され、それから逃れるべく偽の恋人を「レンタル」し、紹介してお茶を濁そうとするイラストレーターの采女朔(受け)。
レンタル彼氏として派遣されてきたのは、自称小説家・ナオ(攻め)。
今まで恋をしたこともなかった朔はナオの完璧な彼氏ぶりに、これがナオの仕事だとわかっていながら恋してしまうのです。
話の展開としては予定調和というか王道な展開です。
両視点から読めるので、お互い一目惚れだということがわかります。
それでもうまい具合にすべての真相は終盤までわからないようになっていたこともあり、面白かったです。
初恋に振り回されている感じの朔ですが、俯瞰で見るとよほどナオの方が振り回されています。ナオは理性との戦いだったのではないでしょうか。
攻めが振り回されている話というのはいつ読んでも楽しいものです。
ナオ視点の朔に対してのメロメロ具合はすごく楽しかったです。
そして楽しかったのが朔の友人二人。
偏見も持たず親身になって相談に乗ってくれる彼らとの男子トーク、もっと読みたかったです。
朔の初恋が実ったこともですが、なかなか縮まらなかった祖父との心の距離が近づいたことも本当に良かったと思えたお話でした。
昨日までやっていたクロスノベルスさんの半額セールにつられ、今まで読みたいなと思いつつ読めていなかったものをせっせと買った中の、こちら。
夕映月子先生大好きなので、未読作品をまた一つ読む機会ができて嬉しい!
お見合いを避けるためについた「恋人がいる」という嘘のため、偽彼氏を祖父に紹介しなければならなくなった美大生の朔(受)。仕方なく祖父の付き人経由で紹介されたレンタル彼氏・奈生(攻)と偽の恋人関係となり、祖父に紹介することにしたけれどー
と続くお話です。
受け視点・攻め視点交互になっているので、初対面の時や二人の時、互いにどんなことを考えていたのか読者にも分かるのが嬉しい♪
この「レンタル彼氏」のからくりについては、割と早々に予想がつくというか、読んでいるこちらにはなんとなく真相が分かっちゃうんですけども。
そこで全く「つまんないな」とはならず、「で、ここからどうなる!?」というワクワク感を与えてくれる夕映先生、さすがです✨先生の筆力のなせる技だなあ、と。
攻めの奈生が決していわゆる「スパダリ」ではないところも、個人的にすごく良かった!
初回のデートでほぼお互いに一目惚れしてるんだけど、奈生自身は他人に興味がなく、自分の内側に興味関心が向いていてそこに時間を使いたいタイプなんですよね。
2回目のデートで朔から展示会に誘われた時も、「正直そんなに行きたいわけではなかった」というようなことを独白してるぐらい。
そんな彼が朔と出会い、その心に触れることで変わっていく様子ににやにやし、萌えを感じました・:*+.
そしてなんともいえず萌えた二人の仕草が、「手繋ぎにぎにぎ」。
ぎゅっぎゅと2回強く握るのが「好き」の合図だなんて可愛すぎ初々しすぎて、刺さりまくり萌えまくり。。
買って読んで大正解!の、楽しく萌える読書時間でした✨