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だいぶ以前の作品は、誰かが突然凌辱されたり、みんな殺されて独りだけ生きのこったり、悲しくて痛い結末を書く作家だと思っていたんですけど、最近、円熟したというか、痛くない作品が増えてます。
この作品は、心理描写が丁寧。
頑張っている人には、ジョッシュの言葉が、自分に言われているように響くかも。
●ジョッシュ・ブライス:25才
表紙の座っている黒髪、留学準備で来日したアメリカの大企業の御曹司
母は元トップモデルの日本人。
神話学、【心理学】を専攻。22才で修士課程を終えた秀才・・24才で大学に戻り、博士号を目指す。
日本の国立大学院に留学。
プロファイルの達人故に、沢山知り合いはいるけれど、友人は居ない。←ここ、孤独のポイント。
●桐島澄人:29才
表紙のスーツ男子。10才で、両親を事故で失う。
苦学して二年遅れで二流私大学を卒業。他人の負担にならないように生きてきた苦労人。
生きる事に必死で、周囲の人間の感情に無頓着。
一年前、NCTホールディングス、ガス開発関連事業部に入社
一流国立大卒が多い部内で、容姿の件もあって、「うちの社の珍獣」と浮いた存在。
社命を受けて、取引先の御曹司世話役に就く。
苦労人の澄人は、初対面でプロファイルの達人の御曹司のお気に入りになる。
澄人は孤児で人の顔色を窺いながら必死で生きてきたので、愛され方を知らない。
痛い目にあうのか?、と構えて読んだので、平穏な結末に拍子抜け。
でも、読後感は最高に良い。
これから二人はどうなるのか?という場面で終わるので、萌2よりの萌です。
癒される言葉を沢山ジョッシュが出すので、読んでみて。
取引先の御曹司ジョッシュのお目付け役を任命された澄人が主人公です。
どうせしょーもない金持ちのボンボンなんだろ……と思ってたら、ジョッシュは意外性の連続なんですよ。
すっごい知性の持ち主で。
柔らかい人好きのする笑みをたたえながら、飄々としてて。
甘え上手で懐っこいのに、聡いがゆえの孤独を心に抱えている……。
くぅぅ〜たまらん!
私なら秒で落ちてるわ!!
おまけに世界中を放浪して見てきたものを詩情溢れる言葉で語ってくれるとか、そういう人大好きすぎる。
そしてジョッシュの醸し出す大型ワンコ感がたまらん。(基本お行儀が良いんだけど、ときどき強引)
おまけになんでも手に入る御曹司ジョッシュが「ほしいのは、ただ僕を見ていてくれる人なんだけどな‥‥‥」と呟く姿とか、もう胸がきゅきゅ〜ん!としちゃって仕方ない。
受けの澄人は幼い時に事故で両親を亡くして以来、苦労続きの人生を送ってきた人。
だから二人の育ってきた環境は真逆と言っていい。
だけど「知り合いは多いけど友達は多くない」というジョッシュと、生きていくのに精一杯で人間関係の軋轢なんかで悩みたくないからと人を寄せ付けなかった澄人は似ているんですよね。
そんな二人が交差する。
なんていうか頑なにジョッシュを跳ね除けている澄人を見てると、たまらない気持ちになるんですよ。
「人並みの生活」を得るために、心に鎧をまとって生きてこなくてはいけなかったのがわかるので。
でもその堅牢なガードの隙間から、しなやかなジョッシュ成分が染み込んでくるんですよね。
幸せそうに寄り添う二人の姿を早く見たい!
そんな気持ちにさせられる一冊でした。
愛を知らない頑なな男が、年下のセレブに愛されて、心の殻を破っていく…
…というようないい話だと思ったんだけど…
2人の恋がどうもピンとこなかった…
特にセレブのジョッシュがいつ/なんではねのける澄人に運命まで感じたのか?
澄人もあれほど反発してたのに寝たら急に?みたいな展開で。
主人公は桐島澄人。
子供の頃に両親が事故死し、その後理不尽で不公平な人生。ひとり努力と我慢と信念で今の自分を作り上げてきた男。
この澄人の造形は良かったと思います。すごいな、偉いな、大変だったな、と思う。
だからタイトルの「見初められた〜」というのがアラブもの的に御曹司に甘々に甘やかされて幸せほっこり、みたいなものを期待してた。
思ってたのとちょっと違って、この御曹司が中途半端に自分本位のところがイヤな感じに思えてしまって…
誰も逆らえない!って言うほどの御曹司パワーは無い。なのにジョッシュに振り回されることで澄人の今の地位や生活は脅かされてしまう…っていうのが読んでてモヤった。
シンデレラものとしてひねりはあるので、私の好みの筋立てではなかったけれど面白い!と感じる人もたくさんいることでしょう。
キャラバースデーフェアで書店で購入しました。
イラスト、とても素敵でした。
雰囲気も良く、イラストの持つパワーを感じました!
内容ははじめは面白いかなーと、思ったのですが
お互いに惹かれた理由があまり分からなかったです…
特にジョッシュ…。どこでそんなにのめり込む程に惹かれたのか…読解力が足りないのでしょうか…。説得力に欠けたところが自分はトキメキに足りず…でした。
が…シンデレラストーリーなので、ストレスなく読めると思います。
女癖の悪いと評判の取引先の御曹司・ジョッシュ(攻め)の世話係を命じられた澄人(受け)の苦労
たくさんレビューがあるので感想だけ。
両親を早くに亡くし親戚も頼れず養護施設で育った澄人の生い立ちには凄く胸がつまります。
その生い立ちから、人とかかわることを避け、必要以上に普通の生活を送ること
に固執し、そのための努力を怠らない姿勢は感心しましたが、大手企業に勤めそこそこの給料を得るようになっても学生時代からのボロアパートに住み続け節約している姿は痛々しく感じました。
資産家の家に生まれ、将来を約束されたジョッシュもまた持つものゆえの孤独でした。
正反対の生い立ちにもかかわらず、親しい人がおらず孤独なところが同じなのです。
澄人にしたら初めは何を甘えたことをといった気持ちだったのでしょうが、面倒を見るうちに少しづつ自分と同じものを抱えていることに気づかされていき、ジョッシュを受け入れていく過程がすごく自然でした。
気が付いたら好きになっていたというのがすごくよく表現されていたと思いました。
生活に余裕がなく恋の一つもしたことのなかった澄人が、今の職を失っても構わないそれでもジョッシュと一緒にいたいと思ったことは、人並みの生活をすることにあれほど固執していた澄人にとってすごい変化で、何事も熱を感じさせなかった澄人がちゃんと人らしくなったことがすごくうれしく感じました。
やっと二人で生きていくというところで終わったのがちょっと残念でした。
幸いクビにはならなかったようですが、もう少し二人が同棲してからの話を読みたかったです。
これからも、二人で穏やかな生活を送ってほしいですね。