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表題作フェア・チャンス

タッカー・ラ ンス,FBI捜査官
エリオット・ミルズ,大学講師,元FBI捜査官

あらすじ

エリオットが勤務する大学で起きた連続殺人事件。かつての同僚で収監中の連続殺人犯・コーリアンから接見を許可されたエリオットは、共犯者の存在をほのめかされた。犠牲者の頭部がみつかっていないその事件にはまだ謎が多く残っている。共犯者を探すエリオットは、殺人者だけが招待されているというパーティに参加し、調査を進める。だが休暇をとって実母の家に向かった恋人のタッカーと連絡が途絶えた。タッカーは一体どこに―!?人気シリーズAll’s Fair、完結編。

作品情報

作品名
フェア・チャンス
著者
ジョシュ・ラニヨン 
イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
フェア・ゲーム
発売日
電子発売日
ISBN
9784403560408
4.9

(56)

(52)

萌々

(4)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
276
評価数
56
平均
4.9 / 5
神率
92.9%

レビュー投稿数9

ゲイカップル同棲生活の醍醐味

楽しみにしていた大好きシリーズ。最初の4分の1ほど読んで神認定です。このシリーズは3冊目で、1巻…ケンカップル、2巻…同棲スタート、3巻…さらに愛深まるという感じです。同棲11ケ月だそうでもう新婚さん。倦怠期?ナニソレって感じ。現役FBI×元FBIカップルだけに2人の仕事や周りではおどろおどろしい事件ばかりなんだけどだからこそ愛する人との時間は大切にっていう2人のスタンスが素敵です。ぶっちゃけ最初のベッドシーンが甘々すぎて砂吐きそうで胸をやられました。私が。

ラニヨンさんの他の作品って恋愛面ではすれ違いでヤキモキさせられるんだけど、このシリーズは事件では危険な目に合うけど2人の愛は揺るぎないので安心できます。そして唯一リバがない。受けのエリオットが少しM気質だから。だから海外BL初心者にオススメ。攻めのタッカーもスパダリ体質でいい。昔事件で脚に傷を負ったエリオットを過保護気味な位思いやっていて、エリオットもそんな彼を「過保護だなー」と思いつついつもキュンキュンしています。

エリオットも負傷のためFBIの現場を離れ「家の中にヒーローは1人で充分だよ」なーんて言っていたのに今回はそのヒーローのタッカーの方が危険な目に遭ってしまいます。BL( M M小説っていうのかな?)のいい所は2人共、ヒーローにもヒロインにもなり得る所ですね。事件の部分も恋愛面も濃く面白く書けるラニヨンさんってすごいなと思います。

他作品ではマイノリティの生き辛さを細かく書いて長編になったけどこの作品では2人が職場でも関係をオープンにしていて周りにも受け入れられてる感じでした。これはこれでハッピーで良いと思います。作品によって世界観違うと思うし。スパダリ・タッカーとカッコ可愛いエリオットの話まだまだ読みたいなあ。

ラニヨンさんのHP見たら、フェアシリーズはこの巻で完結みたいです。寂しいけどうまくまとまってるからなあ。最初から読み直そう。ラニヨンさんの本、世界各国で出版されてるけど美しいイラスト表紙は日本だけでした。BLの漫画家やイラストレーターがたくさんいる日本に生まれて良かったなあといつも思います。

23

壊れて初めて、平穏な愛情に気づいたりするのよね

エリオットとタッカーの2人が主人公を張るこのシリーズ。
ジョシュ・ラニヨンさんの翻訳第一作目でしたが、最初に読んだ時にはロマンスよりもサスペンスの方が面白すぎて、2人の関係性に関しての萌えは『それなり』という感想だった記憶があります。その後『アドリアン』のシリーズが翻訳され始め、私はもう、ラニヨン作品に心を奪われてしまうわけなんですが(笑)。
今作を読み終えた今、考えてみると「2人が一定落ち着いた大人だったから萌えたぎらなっかたんだろうか?」なんて思った訳です。

今回は萌えたよ。

間に『フェア・プレイ』っていう2人の安定期(って言って良いのか若干の不安はありますが)のお話が挟んだ所為もあるかも知れません。
今回の物語ではエリオットを過保護なまでに守ろうとするタッカーが行方不明になってしまうんですよ。で、エリオットに異常なほどの執着を示すシリアルキラー(逮捕・収監済)が「自分が絡んでいる」とほのめかすんです。
タッカーが行方不明になる前にエリオットに話していた彼のスケジュールと、FBIの上司に告げていた休暇申請が違っていたこともあって、本当にシリアルキラーの起こしたことかも知れないし、単なるハッタリかも知れない、っていう状況で。
もう、安定していた2人の関係があるからこそ、この時のエリオットの苦悩たるや!
ここがねー、もうたまりませんでした。

ミステリサスペンスとしたら『フェア・ゲーム』ですが、愛情物語ならば今作の方に挙手です。
あ、誤解を受けるといけない。サスペンスとしても面白いですよ。
淡々と不気味さを盛り上げる序盤に始まって、タッカーの行方が分からなくなる195p前後からは、もう息をも継がせない怒濤の進行。

長い物語ですので、時間を取ってから読み始めることをお勧めします。
止まらなくなるので。

9

ネタバレ注意!

読み終わった率直な感想は、これ本当で本当に終わりなの?です。
エリオットのFBI復帰後の話も気になるし、2人の結婚エピソードとか、コーリアン事件はこれで本当に終わり?とか色々な想いが巡って大変な1冊でした。正直欲を言うのであれば、
フェア・チャンスは前後で分けても良かったのではというボリュームの内容です。
最高のサスペンス作品(しかもBLで)なのでもう少し物語を掘り下げて欲っかたです。

でも最高の作品で間違いないのは確か。
エリオットがだんだん可愛く思えてしまって仕方ありませんでした。もっとタッカーとのラブラブっぷりが読みたかった。なので2人の結婚エピソード欲しいです!

終わらずエリオットとタッカーの物語が読めることを切に願ってます!

9

末永く幸せに〜

三巻に渡る、オールズフェアシリーズの完結巻。

現FBI捜査官タッカー×元FBI捜査官かつ現大学教授エリオットのシリーズです。

この2人、FBIの同僚として出会って即恋に落ちたものの、エリオットがFBIを退職せざるを得なくなるような大怪我を負った時の感情の行き違いで一度は別れています。

第1巻は、そんな2人がエリオットが勤務する大学の学生の失踪にそれぞれの立場で関わることで再会するところからはじまります。
エリオットは怪我のせいで一人前の動きが出来ないなどとは思われたくなくてついつい意地をはります。
でも、エリオットに未練たらたらなタッカーは、エリオットが怪我した足のまま事件に巻き込まれる事が心配でたまりません。
そんなイザコザはあっても、エリオットに危険が及んだ時に真っ先に駆けつけたのはタッカーでした。
タッカーはエリオットを自宅に連れ込み、互いのわだかまりをほぐし、二人は愛し合います。
結局この巻の事件はサイコパスのシリアルキラーによるものと判明し、そのシリアルキラーを捕まえる事で一旦は終わります。

第二作はエリオットの父の失踪絡み。
タッカーとよりを戻したのも束の間、エリオットの父親の自宅が火事になり、さらには父親と一緒のところで命を狙われ、父親が何も言わずに身を隠します。
そんな父親を捜す過程で父の若かりし頃の出来事を調べ直すのがこの巻。
愛するあまり過保護になるタッカーと、その過保護ぶりに一人前として認められていないように感じて反発するエリオットですが、そんな諍いはあっても絶賛蜜月中ぶりが堪能できる巻でもあります。

そして本作第3巻
一巻で捕まったシリアルキラーが2巻でエリオットに手紙を送ってきます。
被害者の遺体の一部が見つからないままになっていて、エリオットは犯人と接見し、情報を聞き出すことをFBIから求められます。
そんな中、エリオットは見知らぬ人間から襲われます。
さらにはタッカーがエリオットに何も言わずに姿を消します。
事件は終わったはずなのに一体何が起きているのか、そしてエリオットはタッカーを無事に見つけ出せるのか、というのが本巻の読みどころ。
またそれとは別に養子として育てられたタッカーに実の母親から接触があり、エリオットのような愛情と信頼(時に反発はあるとしても)に結ばれた家族関係を知らないタッカー、新たに出現したこの家族というものとどう向き合うのか、というのもポイントになっています。

この2人、別れてからよりを戻して以来、なんだかんだでベタベタです。
タッカーの過保護ぶりにエリオットが反発するのもお馴染みのパターン。
ジョシュさんの他の作品でも似たような展開はちょいちょい見かけるので、保護したい×自立したいはジョシュさんのお得意ネタなのかも。

このシリーズはジョシュさんの作品には珍しく、リバ展開がありません。
そのせいか割と日本のBLっぽいなあと思いました。
リバがないのは普段は自立心に富むエリオットですが、性交渉においては専ら組み敷かれたい、支配されたいという嗜好の持ち主だからです。
受け入れる側=支配されたい側なのか?という疑問が個人的にはありますが、まあ趣味の問題ですよね。

実はタッカーは別作品にもチラッと出ていました(未訳作品)。
そちらでは主人公をあっさりとふるドライな男っぽかったので、タッカーはエリオットには本当に夢中なんだなあとしみじみします。
FBIの事件ものではありますが、末永くお幸せに〜と思えるラブラブな物語でした。

6

意志と自我の強い二人

◾️タッカー×エリオット

モノクローム・ロマンス文庫に犬派にされてしまう。「月への吠え方〜」で宗旨替えの肩を叩かれた今、この展開は最早逃れられない。

いい展開でした。大方のBL作品でこの立場になるのは受けなんだろうなと思うと、M/M作品の対等さを感じずには入れません。それでいてタッカーに悲壮感があまりないのがいい。ポロッと零した閉所暗所への言及にはドキリとしましたし、続編があるならそういうものに心乱されるタッカーも見てみたい気もしますが、エリオットの転職はこの作品に一つの区切りを産んでしまうのだろうか。でもこの終わり方は次に繋がるものも感じます。
タッカーの「これで最後だ。」…このシーンのタッカーの弱り果てた顔も、そして未来で同じように"秘密"を繰り返すタッカーもありありと見える。

一番初めの「つねに」にしっかりマーカーを引いていた自分を褒めてやりたい。

4

この作品が収納されている本棚

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