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表題作式神の名は、鬼2

羅刹(炎咒)
数百年封印されていた最強の鬼
氷室櫂
陰陽師,26歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

凶暴な人喰い鬼を式神に従えた陰陽師が、
自身の呪の謎に迫る!? 
ストーリーテラーの夜光花が贈る
シリーズ第2弾!!

妖魔の呪詛に蝕まれた痣が、
体を覆いつくすまであと半年──
解呪の手がかりを求め、
焦燥を募らせていた陰陽師の櫂。
そんな時、仏教画に描かれた人物が消えるという
依頼で山奥の寺に赴くことに!!
ところが絵の中に描かれた尼の姿は、
なんと櫂に瓜二つで…!?
閨房術で式神にした人喰い鬼・羅刹との情事は
制御が効かず暴走気味、
さらには先輩格の陰陽師・那都巳までが
櫂への執着を深めて!?

作品情報

作品名
式神の名は、鬼2
著者
夜光花 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
式神の名は、鬼
発売日
ISBN
9784199009839
4.5

(109)

(69)

萌々

(32)

(8)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
497
評価数
109
平均
4.5 / 5
神率
63.3%

レビュー投稿数10

No Title

推し作家さんに推し絵師さん。

陰陽師の櫂が自分の呪いを解くべく、自分に惚れさせる術をかけて使役している鬼の羅刹。
自分を守ってくれたらご褒美として身体を繋げるはずが、いつしか櫂からも求めてしまうように。
ふたりの関係は恋人のような雰囲気になっているらしいんだけど、鈍チンの櫂と、人間の心の機微が理解できない鬼の羅刹はとまどうばかりでなかなか進展せず。
いや、一巻から比べたら全然進んでますけどね!!

そしてまさか伊織が鬼に!?
伊織の過去にもビックリだった!

0

どうなるの〜〜〜〜

 いそいそと読み出した2巻。
いや〜これ、どうなるの〜〜〜(;゜∀゜)
ラストまで、心配と驚愕の連続でした。


 登場人物の過去にまで遡って、いろんな糸が繋がってた!
予想外の相関図が少しずつ出来上がってきていて、続きが気になって気になってたまらないです。
重くなっていく展開なのに、羅刹と草太のケンカを始めると「修理代がかかる」と止める櫂のセリフに和んだりもしました。


 そしてBLのLoveの方もいいです。
櫂と羅刹の間に芽生え始めてる感情(≧▽≦)
2人のえっちが、縛り付ける術的なものから、甘さが漂ってきているのもステキ。
2人がギスギスしてる時は、ハラハラしっぱしでした。


 親友だと思っていた伊織の真実を知って、最後まで驚きです。
鬼になってしまって行方不明の草太もどうなっちゃうのか気になるし。


すぐさま3巻へGOです。






1

謎が深まるシリーズ二冊目

うわー
想像していたより鬼渋滞!
八百比丘尼って何なんだーー!と叫びたくなりました^^;

今回で、櫂と羅刹の心の距離が近付いたのを感じたのですが、
最終章の「ブラックボックス」を読んで全て伊織に持っていかれました。
何かあるとは思っていたけど、とんでもない闇を抱えていたんですね。驚愕しました。

次巻で最終巻になるそうですが、羅刹・草太・伊織という三体の鬼はどうなってしまうのでしょうか?
そして、櫂の呪いは?那都巳は?
疑問だらけの物語が完結するところを想像しただけでワクワクします!
夜光先生のことですがら、きっと伏線回収はバッチリなんでしょうね。今から楽しみです。

一巻よりコミカル要素が少なめに感じましたが、羅刹が食べ物を食べる場面が大好きです。
生姜焼き、ハンバーグ、餃子……美味しいよね^^
可愛いなぁ〜と思い、ほっこりしました。

早く続きが出ないかな〜

0

大◯闘スマッシュブ◯ザーズかってくらいキャラ達が暴れまくってる内容盛り盛りな2巻でした。
一巻でこれは......と思っていたことが判明したりまさに”動”の巻です。
不思議な雰囲気で人を魅了し掴みどころのない八百さんの真意は?
式神の嫉妬なんて可愛いと思うくらいあの人の本性がまたヤバかったヽ(´o`;
そして何より羅刹と櫂の関係性に変化が。
立派な執着攻に育つんだよ!
巨根は浪漫。
次巻がついにラストのようなので気長にお待ちしてます。

0

怒涛の展開に手が取まらず

前作が大変面白かったので、続編を楽しみにしていた今作。
いや、凄かった。期待以上でした。
手に汗握る怒涛の展開に、ページをめくる手が止まらず…
夜光花先生、本当に凄いです。

1巻から名前が登場していた「八百比丘尼」がまさかこんな風に繋がってくるとは。
歪んだ心を持った人間に接触している様子の八百比丘尼。
彼女の目的も存在も謎めいていてまだ分からないことばかりですが、かなりダークサイドに居る印象のキャラクターです。
もしかしたら不老不死のまま永遠を生きる彼女こそが1番歪んだ存在なのかもしれないななんて…

前作で思い切り敵側かと思っていた那都巳は、意外にも飄々としていて利害が一致すれば協力的。
しかしながら彼もまた歪んだ人間で、幼い頃から八尾比丘尼に魅せられているようですし、まだどう転ぶか分からないキャラクターなのが気になるところです。
櫂のタイムリミット問題も解決せず、鬼になってしまった草太も行方不明。
そして、伊織のブラックボックスの章が闇深くて、最後にこれを持って来るのかと。
かなり不穏なまま次巻へと続きます。

と、そんなダークさとハラハラ展開だけでは無いのが夜光先生作品の魅力のひとつですよね。
櫂と羅刹の関係性が、本人達は無意識のまま徐々に深まっていく様子もしっかりと描かれていて、前巻よりも甘酸っぱい感じの2人がちらほらと見られます。
最初は「食ってやる」「使役してやる」の関係だったはずの2人が、互いに絆されていつの間にか憎からず思うようになっている。
両片思いな2人のやり取りがなんだか不器用で可愛い。
ベッドシーンで羅刹が櫂の言うことを大人しく聞いて馴染むまで待っている姿にグッと来ました。
暴力的なだけの鬼ではないと気が付いた櫂が、羅刹を善の方向へ向かわせたがっているのも◎
まだ恋を自覚し始めた段階のようなので、次巻では2人の関係がどこまで進むのか、どんな関係になるのかが楽しみです。

2巻目も勢いがあり、内容も盛り沢山で読み応えがありました。
本当に次巻で終わってしまうのでしょうか…
とても続きが気になるのですが、まだ読んでいたいような、結末を早くみたいような…不思議な気持ちです。

1

ありゃりゃ

2巻。読み始めると止まらない夜光先生マジック発動したのですが、好きだったキャラが「ああああ」という展開になったのでしょんぼり、萌にしました。本編250Pほど+あとがき。一応次で終わる予定とのこと。

1巻で出てきた胡散臭い陰陽師、安倍那都巳(あべ なつみ)。彼が絡んできた理由をどうしても確認したく、経済的なバックボーンとなっている経済界大物のところへ行ったら、まんまとその男に引き合わされ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
安倍那都巳(櫂より格上、ひょうひょうとしている)、草太(預かっている子)、伊織(友人をかたどった式神)、星野(依頼人)、比丘尼(かなり怖い)、雪(草太の母、人間)、千寿(受けの幼馴染)ぐらいかな。草太も伊織もすごく好きなんだけど。どうなるの。

***好きだったところ

いちゃこらしてる雰囲気だったんですよね、最初。1巻明るく感じられて楽しかったんですよね。
あれはどこへ。

割合ひょええな展開だと思うんですが、皆さまはどう感じたんだろう?私は伊織が真っ暗なところへずるずるずるずる堕ちて行って、比丘尼にトドメ刺されて「あああ、これどうなるんですがせんせええ・・」と果てしなく落ち込みました。その前には草太も本格的に鬼になってどっか行っちゃったし。お母さんと仲良しうふふきゃっきゃな感じだったのに!2巻は上げて落とされる、そんな感じの展開でした。

救い?かと思った那都巳、超カッコよくって嬉しいんだけど、変わらず敵味方待ったく分からないし・・
心が上がる⤴⤴ポイントが少なかったでした。羅刹はめちゃくちゃ可愛くなってきたのになあ。

どよーんとしたまま、気分がアゲアゲになるであろうと信じて3巻をお待ちしています。

5

謎は解明されて来たけど

夢中になって読みました!
みんな八百比丘尼に繋がってました。
安倍晴明の子孫の那都巳は幼い頃に会ってたし、羅刹を鬼に変えたのも比丘尼でした。

ようやく意識が戻った伊織は比丘尼によって鬼に変えられてしまいました。しかも、彼の元々の本性が凄かったです。これから櫂を食べようと狙って来ると思いますが、比丘尼の目的が分からないので不気味です。

草太が小鬼から鬼に成長してしまうし、鬼が3人に増えました。
伊織に憑いてた大蛇の魔物を倒しても櫂の呪詛はそのままだし、一体どうやって決着がつくのか次巻が気になってしょうがありません。那都巳が味方になってくれるのかも気になりました。

櫂と羅刹も思ったより恋人っぽくなってました。

3

さあ、役者は揃った

待ちに待った2巻目。
いやー、綺麗なだけじゃなく壮絶な表紙ですねぇ。
中身もなかなか妖艶で壮絶です。

前の巻で『ビッチでタフなのに健気でよろめく』主人公、櫂にメロメロになっちゃった私。
実は「この巻で伊織が目覚めてよろめきに拍車がかかるのでは?」と勝手に思っていたのですけれども。
……ちょっと違った。

このお話、櫂無双というか『総受け』なんですね。あくまでも『心情的に』ですが。
全ての人の『想いの熱』みたいのが、全て櫂に向かっている。
そしてその後ろに、例のアレですよ、八百比丘尼が控えているという感じです。
前の巻からそうでしたが、物語の中心に八百比丘尼がいる。
そして、彼女が一体どういう存在で、何を目的として行動しているのかが全くの謎なんです。
いや、彼女がとても不気味なのよね。でも、この雰囲気……そそるのです。
ああ(女性キャラなのに)とてもそそられたっ!
この巻では、この人が一番妖艶ですよ。
何たって『死の香り』が凄い。不死なのにねぇ。
夜光さんは本当にこういうダークなキャラを書くのが得意だなぁ。

そして那都巳と伊織ですよ。
天才陰陽師(安倍晴明の子孫だもの)の那都巳は、自分の有り余る能力に飽いているが故に、子どもの頃に出会ってしまった八百比丘尼に魅せられてしまっているんです。人より物の怪との関係を重視する彼は八百比丘尼とやり取り(最終的には『調伏する』事らしいのですが)がしたくてたまらない。1巻では『ヤな奴』としか思えなかった那都巳が「ああ、あんた、そういう人だったのね」と憎からず思う様になりました。

で、伊織。
これは書かないでおきます。読んで欲しいから。
もう、吃驚だよ。
顎が外れるほど吃驚したよ。
若かりし頃、櫂が切ない想いを抱いて、守銭奴の様になってまで高額の治療費を払い続けていた伊織が。
そう来たか。
夜光さん、半端ない。

羅刹の過去も判明します。
激しい感情に振り回される鬼だけど、彼は結構単純で解りやすい。
櫂への執着も一途ですし。
周りがあまりにも複雑ですからねぇ。
この巻では羅刹が出て来ると、むしろホッとしている自分に気づきました。

だからこそ、櫂が絆されて行く訳で。
ホント、この人、人当たりは悪いけれど実はとっても良い人だよねぇ。
だって、羅刹を鬼神に変えたいとか思っちゃっているんですよ。
自分も呪われていて、あと数か月で死んじゃいそうなのに。
何なの、このお人よしぶり!
1巻とはまた違った風に櫂が好きになっちゃったじゃないかーっ。

さて、役者が揃って謎は深まりました。
次巻での完結が楽しみですねぇ。

9

何コイツら、甘酸っぱい事やってるのおぉぉぉ!

今シリーズの主人公・櫂に、めちゃくちゃハマってしまいまして。
ビッチで守銭奴で口が悪くてと、なかなかの強者なんですけど。
しかも1巻では、そんな彼が後先考えずに思いつきで行動した事が全て裏目に出てしまい、(自分で増やした)面倒事をヒーヒー言いながら片付けると言う、もはやギャグとしか思えない展開。
が、そんな人間くさい上に、妙な所で情に脆い主人公に心を撃ち抜かれちゃったんですよねぇ。
今作のあとがきで作者さんが、櫂の事を「人として欠陥だらけのキャラとして書いてる」とおっしゃられてて。
昔からこの手のキャラに異様に入れ込んじゃう私としては、妙に納得が行きましたよ。
人としてダメな部分があるキャラの方が、何故か主人公としては魅力的なんだよなぁ。

で、1巻も相当盛り沢山の内容でしたが、2巻では更にすごい事になってたりします。
1巻の終盤で出てきたおかしな陰陽師・那都巳が櫂に執着する理由が明かされ、新キャラである謎の女怪・八百比丘尼が登場し、なんと草太が鬼の血に目覚め、なんとなんと伊織が目を覚ます。
そして、ラストで衝撃の事実が明かされる!

うわあ。
マジかーーー。
まさか、全てがこうして繋がっていたなんてと、もう「すげー!」しか出てこないですよ。
いや、伊織が重要なキャラだとは思っていたけど、こう来たかー!と。
えーと、予想だにしなかった真相と展開に、ただただ圧倒されちゃってる状態なんですけど。

まぁそんなワケで、ストーリーとしては文句無しに面白い。
が、個人的に、そうじゃなくとも萌えまくっちゃった部分。
そう、櫂と羅刹のラブ部分になるんですけど!

1巻での二人ですが、ラブが皆無だったんですよ。
房中術により使役する陰陽師と、無理矢理ボディーガードをさせられる鬼って事で。
それが2巻では、その関係にジリジリ変化が訪れるんですよねぇ!
まずは、二人のエッチに甘さが増す。
いや、これまで自分の快感ばかりを追っていた羅刹。
彼が、櫂の感じる姿を見たいに変化するんですよね。
で、これでもかと櫂を乱れさせ、執拗に抱く。
そう、徐々に徐々に櫂への執着と愛情らしきものが増して行くのに、執着攻め好きとしてはたまらんがなと。

また、実は櫂の側にも、変化が起こるんですよね。
羅刹に命令を効かせる為の、ご褒美として始めたエッチ。
それが、羅刹の腕に抱かれる事に、何故か喜びを覚えるようになる。
で、羅刹が自分に執着するのは術のせいだと、寂しく思う。
イヤあぁぁぁぁ!
何コイツら、甘酸っぱい事言ってるのおおおお!!
なんと、エッチをしまくってた1巻からここに来て、超うぶうぶな二人を見れるんですよ。
丸々一巻を使ってここって、どんだけ焦らすんだよ!と。

更に更に、終盤に来て、二人の気持ちが(ちょっと)通じ合うのです!
前巻で若かりし櫂を襲った大蛇の化け物。
再びその妖魔に襲われた櫂をですね、血相を変えて羅刹が助けにくるのです。
結界により屋敷から出られない彼は、強引に破ってとボロボロになりながら。
で、ボロボロの状態のまま、櫂を守る為に戦う。

これ、二人の間に確かな絆が育まれていた事を感じて、やたら感動しちゃって。
また、助かった櫂から、自分が死ねば自由になれたのにと、助けた理由を尋ねられる。
すると、羅刹が話すセリフが可愛すぎるんですよ。
なんと、櫂が倒れているのを見た瞬間、ワケが分からなくなったなんですよね。
自由になるより、お前が動かなくなるのが嫌だった、なのです。
それを、ボソボソと喋るのです!
もう、何かある度に「クソ陰陽師、殺してやる」と言ってた羅刹が、よくぞここまで!!
「きゃーーーっ!」と、萌え転がっちゃうじゃないかよ。
いや、恋愛の入り口に立ったばかりだし、ようやくここからスタートなんですよ。
それなのに、めちゃくちゃ萌える。
ただただ萌える。

と、そんな感じで、更に面白さを増した続巻でした。
あと、こちら、次巻で完結らしいです。
くうぅ。もっと続けて欲しいんだけど!

13

序盤から最後まで、ページを捲る手が止められない

『式神の名は、鬼』の2巻目。
作中で1巻の説明や登場人物の説明が書かれているので、1巻が未読でも読めないことはないと思いますが、でも続きものなので1巻から読まれた方がより楽しめるかと思います。

主人公は陰陽師の櫂。
ほぼ彼視点でストーリーは進みます。

櫂は八百比丘尼の子孫である(と言われているだけで、本当は違う)ために、彼の血肉を喰らおうと満月の夜、数多の魑魅魍魎に襲われるという日々を過ごしてきた。

が、彼はもうすぐ死んでしまう。
幼馴染で、淡い初恋の相手でもあった友人の伊織が魔物に憑依され、そのまま櫂を襲った。その時の呪詛が原因なのだ。魔物を滅することでしか呪詛が消えることはないが、当の魔物が今どこにいるかわからない。

すぐに死んでしまうのなら、今まで苦労させられてきた魔物に自分のボディーガードをさせてやろう。

そんな思いから強力な力を持つ鬼・羅刹の封印を解き、自分を喰らおうと襲ってくる魔物たち退治をさせようとするが―。

というところまでが1巻で描かれていたストーリー。

もうね、さすが夜光さん。
ストーリーの奥行きがすごい。

羅刹を自分のボディーガードにするために櫂が使った手段が術をかけて自分に惚れさせること。自分を抱かせることをエサにするわけです。

が、その行為が、羅刹と櫂の関係を複雑なものにしてしまう。
ここで、きちんとBLとしての恋愛面が描かれていきます。

さらに、伊織の存在。
彼は櫂を襲った後、倒れ、そのまま意識が戻らない。
伊織への友情、もしかしたら仄かに残った恋愛感情かもしれない、その感情から、伊織の入院費の一切を櫂が負担し治療を受けさせている。

で。

2巻ではこの「伊織」が重要なキーパーソンなのです。

6年間も意識不明だった伊織が、目を覚ます―。

この出来事をきっかけに、羅刹との関係もまた、進展していきます。
もうね、王道の両片思いというのか。
羅刹と櫂のモダモダと進む恋心にハラハラしつつ、でも激しく萌える。

1巻ですんごいヤバいやつ、という描かれ方をしていた安倍晴明の子孫である安倍那都巳。彼が今巻では非常にいい味を出していました。

なぜ那都巳があんなことをしたのか。
それについて、序盤からきっちり描かれています。

櫂は自分が八百比丘尼の子孫だと思っていないのですが、その「八百比丘尼」が、今作品のラスボスですかね。

櫂と同じビジュアルを持つ、美しい尼・八百比丘尼。
彼女は本物の八百比丘尼なのか、櫂は八百比丘尼の子孫なのかー。

そこが謎を解き明かすカギになりそうです。

1巻を読んだとき、めっちゃ面白くて、激しく萌えましたが、2巻を読むとあれだけ面白かった作品が、ほんの序盤であり、ストーリーの入り口でしかなかったことに気づかされます。1巻を大きく上回る面白さと萌えが、今作品には詰まっています。

そして、特筆すべきは笠井さんの挿絵。
完璧。
もうこの言葉しか出てきません。
絵柄が綺麗、というだけで括れない。

作品の持つ世界観、登場人物、ストーリー。
そのすべてをきっちり描き切っています。

鬼。
八百比丘尼。
そして九相図。
怪談要素もふんだんに盛り込まれていて、ホラー物が苦手な方にはちょっと注意が必要な描写もそれなりにあったりします。

が、とにかく面白い。
人の欲深さ、ブラックさ、そういったものもきっちり描かれていて、BLとして読んでも、怪談物として読んでも、非常に読みごたえがありました。ホラー要素は多いですが、雰囲気としてはコミカルよりなので、苦手な方にも手に取ってほしいな。

そして重要なキーパーソンである伊織。
終盤に、彼視点のショートストーリーが収録されています。

彼が魔物に憑依され、そして櫂を襲った理由。

羅刹×櫂の、モダモダな恋心に萌えつつ読み終えて(千寿のサポートが素晴らしい)、そこからこの小話ですか。さすが夜光さん。最後のスパイスが最高でした。序盤から最後まで、息つかせぬ展開で読者を一気にこの作品の持つ世界観へと引きずり込みます。

あと草太。
心配だ…。無事に帰ってきてくれるといいけれど。

夜光さんのあとがきによると次巻で完結とか。
終わってしまうのがもったいないと思う素晴らしき作品ですが、櫂の幸せを願いつつ、次巻を楽しみに待っていようと思います。

15

この作品が収納されている本棚

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