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unmei no ouji to kouhuku no suger pan
作者さんの「やさしくそっと、近づいて」が好みだったので、こちらも読んでみました。
主人公は、田舎と郊外の中間といった感じの街の、祖父が営む昔ながらの親しみやすい、街のパン屋さんの後継ぎ。
そんな彼が恋するのが、車の故障時に、親切にも色々助けてくれた自動車メーカーのエンジニア。
ちょっと無骨で、女性関係に疎い、いわゆる理系男子と呼ばれるタイプのいい人です。
実は超高スペックという設定で、地味にスパダリなのですが、スパダリなのに描写が地味という。
ゲイの主人公は出会った時から彼が好みで、お礼を口実に友人付き合いをはじめます。
主人公は、パン屋さんの後継ぎとして新しい試みに一生懸命チャレンジし、時にトラブルにあうのですが、攻はその一つ一つに親切に手助けしてくれ、二人は段々と交流を深めます。
二人の距離の詰め方や、主人公に起きるトラブル、それに対する想い人の手助けの仕方、などの一つ一つが、ぶっ飛び過ぎず、地に足がついている感じで描かれています。
物語に悪意があるキャラが出てこないので、安心して読めます。
主人公のパン屋さんが大事に作ってきた、親しみやすい菓子パンのような程よい甘さの物語でした。
試し読みで冒頭、脚本みたいな文章だなという感想ですが、読みやすそうなので購入。
キャラクターや設定は好きなタイプのものでした。それぞれの仕事に対する姿勢も好感が持てましたし。そこらの描写は問題なし。
でも心情や展開があっさりすぎますね。コクとか深みとかが無いのが残念です。文章は確かに読みやすかったのですが、物足りないと感じなくもない。
あとは…主人公が対人の感情の機微を、ほんの少しの表情の変化や空気感だけで分かり過ぎるというか…いっそもう何かの能力なのでは?ってくらいイチイチ全部分かっちゃうのが何だかね。そのくせ自分に対する好意に関して”だけ”鈍くなるしw
ポジティブ思考なキャラクターというのは分かるのですが、それにしても考え方が上っ面というか、本音と建前の建前だけで物語が進んでいるというか。しかし偽善っぽくすら感じてしまったのは私が受け取り手としてヒドイんだと思います。
中立と迷ったのですが、それはさすがに評価が厳しすぎるかな?と思い萌で。