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表題作ふたりのベッド

入江高広
深水の隣に越してきた理工学部の新1年生
深水理一
実家近くの安アパートに住む大学3年生

その他の収録作品

  • あなたのベッド
  • あとがき
  • 新しいベッド

あらすじ

深水の暮らすぼろアパートの隣の部屋に、家庭教師先の元教え子・入江が引っ越してきた。実はかつて入江に告白された深水。丁重に断ったのに、入江は今でも深水を好きだと言う。好きな気持ちは意志ではどうにもならないと――。入江に節約生活のコツを教えるうちになし崩しに突入した半同居状態は、想像以上に楽しかった。けれど入江の真剣な想いに触れるたび、深水も気持ちを返せないことが苦しくなってきて……?


作品情報

作品名
ふたりのベッド
著者
安西リカ 
イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403525056
4

(136)

(63)

萌々

(42)

(16)

中立

(5)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
27
得点
536
評価数
136
平均
4 / 5
神率
46.3%

レビュー投稿数27

波長が合う

どこまでも真っ直ぐに深水を想い続ける入江の一途さがものすごく微笑ましくて、
彼のわんこっぽさに癒やされながら読み進めていましたが。
その健気な想いを無自覚な剣で刺すような深水の言動の数々に何度も「うーん…。」という気持ちになりました。

ゲイではないという事実は入江の気持ちを受け入れられない正当な理由なのかもしれないけれど、それを何度も本人に言うのはどうなのかな?と思ったし
何より「寝ている間だったら好きにしていいよ」というのが残酷すぎて、
入江の気持ちを考えると本当に苦しかったです。
それが深水なりの優しさだったのだとしても
本当にこの恋を応援して良いのか?と思ってしまうくらい、深水の無神経さに腹が立ちました。

でも深水がどこまでも入江を突っぱねていたことにも理由があり、
そこがわかってくるとこれまでのモヤモヤも晴れていって。
そこからまたその恋がカタチを変えていくのが面白かったです。

ただ両想いになったとはいえ、これまでの深水のヒドい言動は忘れることはできないので
入江が幸せなところに着地できるのか?という部分はちょっぴり心配だったのですが…
そこはまっったく心配など不要だったようで(笑)
ハッピーオーラ全開な彼をみることができて一安心。
とてもスッキリした気持ちで読み終えることができたかなと思います。

0

No Title

家庭教師をしていた教え子入江(告白され済)が大学に進学して隣に越してきた。そこからふたりの距離が近づいて……。でも深水くん結構ひどいんだよね。気持ちをぶつけてくる入江にそれは残酷だよという場面が度々あった。そして入江くんは何度も何度も傷つけられているのに……!教え子の入江くんの粘り勝ち!!

ヤキモキしたけども初めての関係や感情に戸惑う深水くんの気持ちもわからんでもないよな。ふたりで大きいお家で住めるといいな☺️

0

年下一途健気ワンコ攻めの努力と執念に涙…

いや〜〜〜、ちょっと時間を置きながら数日かけて読み終わったのですが、めちゃめちゃ萌えました。。
まだ読み終わりたくないよー、この2人の同棲編を見せてー!!という気持ち。
安西リカ先生に脱帽。

ここのところ立て続けにファンタジー作品を読んでおり、大学生×大学生のお話は久しぶりでしたが、やっぱり日常系のお話っていいですね。。グッと胸に迫るものがある。

もうね、「ノンケに恋してしまったワンコ系一途男子(攻)」の切なさが、ぎゅぎゅぎゅぎゅーーーーっと濃縮100%で詰まってます。健気すぎて泣けるほど。

高校生の時から想い続けて、告白してもダメで、大学生になってからは受けの隣の部屋に引っ越して、「先生(受けは攻めの家庭教師をしていたので)のことが好きだから」ってさりげなく(さりげなく言ってる風だけど、毎回、攻めの気持ち的には全力。それが書いてなくても分かっちゃう)伝えるも。
攻めにとってはなんと”好き”と言われることが「毎日の天気予報とかゴミ出しの日」みたいに当たり前のこと、忘れてはいけない日常のルーティンに、なっちゃってるんです。残酷。

でもでもね。受けの気持ちとか態度に、私はなんだか共感というか、理解できちゃうというか、そうだよねえ、と思える部分が多かった。

だって仮に自分の同性の元カテキョ先の生徒から「好きです」って言われたら心の底からキョトンとするし、黙って隣に引っ越して来られたら、普通にちょっと怖いと思うし引く。かといって、話も合うし一緒にいれば楽しい相手を、全力で拒否して関係を絶つのも、自分にはできそうにないな、と。。

「欲しい欲しい」って言っていれば、何でも手に入るわけじゃない大人の世界。
そんな現実を突きつけられる感じが、なんだかすごく考えさせられて、深くて、良かった。。

BLではあんまりない展開だと思うけれど、この2人が最後までくっつかなくても、それはそれで別ルートの神作品として私は捉えられただろうなーって気がします。

いやでもくっついてくれて本当に嬉しいんですけどね!

読後、きゅんとしたシーンを読み返していたんですけれど。

名前を呼ぶと呼び返してくれることが嬉しくて、
「先生」
「なに」
「先生」
「だから、なに」
って繰り返すところ。ここ、好きだなあ…って思いました。
付き合うことになってからの、なんてことない日常なんですが。
入江(攻)の幸福感が伝わってきて、泣きそうになりました。

あと、口絵の草間先生のイラスト!!
ここ、物語の鍵を握る重要シーンの部分なんですが。
眠る深水(受)に、入江がどんな気持ちで繰り返しキスをしたか…
もう、本編を読んだ後に口絵を見ると、なんとも言えない気持ちで胸がきゅーって締め付けられます。

入江君の粘り勝ち。本当に良かったねと言いたい。

私の中で、大好きな攻め様たちの1人になりました、入江君。

0

健気は受けだけのものではない。

「先生」
ずっと先生呼びな年下攻めに、こんなにも切ない気持ちにさせられるなんて…。

前2/3ほどは受けの深水目線で、残り1/3が、想いを通じ合ったあとの2人の話で、攻めの入江目線となるこの作品。
受けがね、途中までダメでした。
イライラしちゃって。

深水が家庭教師をしていたその教え子が、入江。
叶わない想いと知りながら告白し、断られてもなお、諦められず「先生」「先生」と。
この入江のケナゲさに、あーーもうっと、息苦しくなるほど気持ちを持っていかれました。

深水の無神経な言動にムカついたあまり「もうこんなヤツ、やめとけよー」と入江に(雑な)アドバイスをする友だちポジになりたいとすら、思いました。
のほほんとイイ人のフリした酷い男だよ、深水。

まぁ、友人(この場合は生徒)と思っていた同性の相手から肉欲込みの恋愛感情をぶつけられたら、と現実的なことを考えると無理もない話なのですが、これはBLなので!!

入江目線になると、どれだけ深水のことだけをずっと恋い焦がれてきたのかという、想いの重さと深さに、胸を打たれまして。
恋人になってもその関係性に不安を抱く入江の執着っぷりに、思わず苦笑いですよ。
こんなにケナゲな愛情を、受け入れてくれてありがとう、先生。
…と、いつの間にか私も先生呼びになり、やっと深水の無神経さを容認できたのでした。

というわけで、入江目線の話がなければ、深水にモヤモヤしながら終わったと思います。
評価も違ったでしょうね。
最後に載ってたお姉さんのイラストで、更に加点されましたけど(笑)。

3

ノンケの残酷さ

攻めは超一途な年下攻めで、年下攻め&ワンコ攻め大好き人間としては大好物なはずなんだけどあんまり刺さらず、レビューするのは難しい……と読んだきりだった作品を再読。

再読してもまとめるの難しいけど、一言で言えば、BLでたまに出てくるノンケ特有の残酷さってのがギャッ!となるほど描かれてる作品だなぁと。
「好き」をなぁなぁにして、いつしかゴミ収集日と同じような扱いとか、ほんと酷い。

でも、なんかわかる気もするんですよね。
「「勝手に恋愛感情ぶつけてきた」という受けの言い分に、確かに!と思ってしまうし。
というのも「一度振られてる受けの隣の部屋に引っ越してくる」って、メンタル強の執着攻めとしてはアリだけど、この攻めはそういう路線でもないし。

そして深水も相手が女の子だったら、「俺と付き合うのは絶対に無理」と釘さしつつ、友達として親しくするなんてこと絶対にしなかったと思う。
だけど根っからのノンケだからこそ、男同士の気楽さの感覚が捨てきれないというのかな。
おまけに、肝心のことになるとやり過ごす性格で……。

あと攻めについて。
本来ならこういう一途で健気な年下攻め、死ぬほど好きなはずだけどこの作品はちょいと痛々しくて読んでいられない。
というのも、睡眠剤飲んでるというくだりで、Oh……!となってしまいまして。

深水の受け入れてやりたいけど、でも…みたいな気持ちもわかるし、睡眠剤ないと眠れなくなってしまったほどの入江の思い詰めようもOh……!だし、困ったなぁ、と。

だってさー、自分に置き換えてみて、いい子だなと懐かれて仲良くしてた後輩(同性)から好きです、好きです!言われたらどーするよ?とつい想像してみたら、深水の苦悩も理解できるし。

可哀想な攻めやら攻めの苦悩やら、健気で一途な攻めは大好物だけど、あくまで健全な状態を保ってるというのが大前提であって、お薬が必要になるほど追い詰められるのはアウトなんだな、エンタメとして楽しめなくなってしまうんだなという自分の分水嶺を知ることが出来た点では良かったです。





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