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表題作ハレとモノノケ 下

トキ,不老不死のモノノケ
八日見八潮,17歳,山に1人で暮らす高校2年生

その他の収録作品

  • 参考文献
  • カバー下漫画

あらすじ

「恋心ってややこしいんだ」
キスもして、それ以上のことも――だが、トキの気持ちがどこにあるのかわからずに不安になる八潮。
そんな八潮に、トキは「自覚してもらわねぇと」と、まずは自分の気持ちのありどころを聞く。
ようやく自分がトキに向ける気持ちの出どころを自覚した八潮だったが…。

作品情報

作品名
ハレとモノノケ 下
著者
 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784758021500
4.4

(158)

(96)

萌々

(36)

(20)

中立

(6)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
19
得点
690
評価数
158
平均
4.4 / 5
神率
60.8%

レビュー投稿数19

大好きな作品に出逢えてうれしい!

灼先生の作品を拝読するのは、『あおに鳴く』に続き2作目です。
約2日でのめり込んでしまったくらい、灼先生の作品は、私の観念や思想とマッチするのだと思います。

絵について。
瞳の訴える力や、身体の色気が物凄く、うっとりするほど好きです。

また、全ての言葉についてしっかり読み込む必要はありますが、読み込めば漏れなく全てに意味が詰まっているので、文字だけで赤面できます。
言葉の破壊力が高くて最高です。
八潮は優しいと、繰り返し出てきますが、この「優しい」が内包する意味についても色々考えられます。
この「優しい」や「甘い」の意味ついて、灼先生の作品ではちゃんと読み取る必要があると勝手に思っています。
ミツもトキも八潮の両親も、八潮に甘えている。でも甘えたからには、自分の罪悪と向き合わねばなりません。その深度の差が、関係値の深さの差に直結している。トキが逃げずに向き合ってくれて良かったと思います。

さておき、不老不死の謎について、「宿木」をヒントに考察してみました。
トキは黒髪だった頃、木の上にある宿木(丸い塊)と、地面に落ちて死んでいる鳥とを見比べて、「嫌だなぁと思った」と回想しています。
その時は何がどう嫌で何の話をしているのかわからないのですが、最後まで読んで、
これは「鳥のような生が嫌で、宿木のような生が羨ましい」という意味なのかなと解釈しました。
だから、ラストシーンの八潮への言葉が「俺に遺して 俺を息づかせて」という表現になる。
宿木は、鳥に実を食べさせ、運ばせ、新たな別の木にフンを根付かせてもらうことで、自分の種を繁殖させます。
トキは誰かの宿木になりたかったのかな?と、思っています。

ともかく、沢山考えられて、すごく読むのが楽しかったです。
本当に出逢えて良かった作品でした。
ありがとう!!!

0

生きているのは尊いこと

ふたりに甘い展開はあるのか…?と、ドキドキして読み始めましたが
想像以上に甘くて幸せな結末でじんわり心が温かくなりました。

大きく感情が揺れ動くような感じはなく、淡々と日々は過ぎていくのだけど
その中で"ハレ"を大事にしたり相手を思う気持ちを大切にしたり。
穏やかな日常にも気付きがあるものなのだなと感じました。

得るものがあれば、当然失うものもあるけれど。
それでもふたり一緒にいることがお互いの生きていく理由になるならば、困難さえもハレになるのかなぁと思いました。

最後、トキの言葉が素敵すぎてすごく感動しました。
ふたりには幸せな未来が待っていたらいいな。
嬉しそうに笑うトキの笑い皺をみて、心からそう思いました。

1

期待値が上がりすぎた

上巻が、他愛ないやりとりながら、言外に意味するところが大きく萌えで、じわじわ盛り上がり私の中で神評価だったので、下巻ではどうくるのかとめちゃくちゃ楽しみだったんですが、正直なところトーンダウンしてしまいました。

よかったんです。2人がくっついてらぶらぶで終わり方もいい。
上巻で感じた、何気ないやりとりに見せかけて萌えさせる描写もたくさんあってよかったんです。

でも盛り上がりとしては、あっさり感じてしまい。
気持ちを確認し合う場面が思っていたより早めにきて、しかも淡々としていて。それも味があっていいんだけれども。
その後の2人の関係性が深まるところまで描かれていたので、それも好みなんだけど、もっとすごいのがくると期待してしまって。

最初はつーんと何にも心を動かされないような八潮がすんなり素直にかわいくなって(トキにケガレを取り除いてもらったからだけど。でもそれってモノノケだからじゃなくて一緒にいて寂しさがなくなったってことよね)

「俺に触りたい?」
「うん」
の八潮にトキが頭をゴンとなったのはめっちゃ萌えでした。
八潮からキスするとこも。トキが耐えるとこも。

初夜の翌朝、早起きするトキも、そんなトキの背中にぺとっとくっつく八潮も萌え〜でした。こういう描写大好き。

ミツのこともしっかり描いてくれていたし。

(散々こちらの思考を奪っておいて一人自制の中に立つ男)
のくだりも、八潮の思慮深さが表れていて好きです。

長寿のご利益について話す時の
「そうやって非日常(ハレ)にひとつひとつの日常(ケ)のケジメをつけて暮らしていく」
のセリフもいい。

ラストもいい。

と、いいところたくさんあったんです。

だけど、上巻で期待したほどではなかった。

なぜかと考えると、小さな萌えが連なっていいラストまできたけど、私としてはじりじりじわじわきて、どか〜んと感動や盛り上がりがくるのでは…と期待してしまったかなと。

回収されていない伏線があったり、謎が謎のままだったり、ここまでエロシーン必要だったかなとか、結局モノノケって何やったん?とか思ったりしますが。

てもそんなことは、どデカ盛り上がりのシーンがくれば全て吹っ飛ぶ予感がしていただけに、ちょっと残念です。

残念と言えば、聖人君子が聖人君主になっていたこと。このお話でこの誤字はちょっとビックリしましたw

1

あぁ、、、美しい

日本の四季、伝統、諺、歴史、、、、ここに不老不死のモノノケと人間の恋が交じるとこんなにも美しい物語になるのかと驚愕。

この2人、共に年を重ねて生きていくことが出来そうだなぁと想像できるラストでした。
八潮を想い感情を持つことで不老不死であるトキの中で刻が流れ出したのかなと。そしてそれはトキにとって幸せなこと。ラストシーンの

「俺に遺して 俺を息づかせて」

こ、こ、こ、こんなにロマンチックな台詞聞いたことがない!!!!ボロ泣きです。上巻から2人のやり取りを見届けてきた流れでこの台詞は重みがあり全てを物語ってくれてる気がします。

ほんとに素晴らしかったです。

2

温かい気持ちに

二人の距離がどんどん縮まり、言ったことは覆せないけど、ちゃんとぶつかって気持ちを繋げてく過程が良い。
サラッとしたやりとりにも、キーとなる言葉がけがあり、ユーモアとドキドキが味わえるのが好きなところ。
トキの変化が1番に表れたのが笑い皺というのにもやられました!!

初めて体を繋げるって日の挑みっぷりもあっけらかんとしてるのに…色気が!!
突然のトキの余裕あるオスっぷりにトキメキ、段々と慣れて感じるようになる八潮の色気にもドキドキ。
蟻の門渡りをふにふにしてるの初めて見たかもしれません!!
さらっと描いてあって、一瞬どこや?と思って、蟻の門渡り!と気づいた時の感動!!
ふにふに感と八潮の反応がたまりません!!!
(ニッチな趣味ですみません)
体位やボリュームもたっぷり、ときめきポイント満載でした。


ミツもすごく好きでした!!!
すっごく良いやつ(狼)
八潮のこと大事に大事にしてて距離感わからなくなって、それを八潮に突破されたのじーーーんときた。ミツも唯一無二!!

山での日々を大切に、周りを大事に過ごす生活が素敵で、満たされてて満たされてないとこを二人で補えたのも唯一無二で良かったです。

これまでの作品も好きなんだけど、好きと同じくらいモヤモヤするとこもあって、
今作も言われて見ると、それ謎ですね!!とこあるけれど、読んでる時は全く気にならなず、満たされた幸せ気分な読了感で謎のままでも良いかって気持ちです。

なんてことない日々のことを大切にしたり、特別なことは特別に喜んだりお祝いしたくなりました。

2

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