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表題作きみと蓮の庭で

吾郎,亡き恋人の弟
珠緒,男娼

その他の収録作品

  • きみとそのあとで(描き下ろし)
  • 回顧(描き下ろし)
  • カバー下:イラスト、漫画「最近の日課。」

あらすじ

戦後間もない日本。
珠緒は最愛の恋人を亡くしてしまう。
生きるため男娼となり、稼いだ金は寂しさを誤魔化すための酒に消えた。
そんなある日、死んだはずの恋人とそっくりに成長した弟の吾郎が現れ、
「あなたに会いにきたんです――」と、力強く抱きしめられてしまい――…!
初めは恋人の面影を重ねていた珠緒だったが、いつしか吾郎自身のことを知りたいと思うようになり…。

かけがえのない存在を失ってしまった二人の愛と再生の物語。

作品情報

作品名
きみと蓮の庭で
著者
らうりー 
媒体
漫画(コミック)
出版社
笠倉出版社
レーベル
カルトコミックスequal collection
発売日
電子発売日
ISBN
9784773072419
4.3

(19)

(11)

萌々

(4)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
83
評価数
19
平均
4.3 / 5
神率
57.9%

レビュー投稿数2

見られないシーンが………

戦後間もない、日本が戦争に負け皆、生きていくのに必死で米兵がたむろしている時代。

徴兵で恋人を失った珠緒。
(己は体の弱さで徴兵がかからなかった)
生きていく為に男娼となった所へ
戦死したはずの恋人と瓜二つの男が現れる。
弟の吾郎だ。

吾郎は珠緒がずっと好きで、でも珠緒は吾郎の兄を忘れられず面影を重ねてしか見れない。
だが一途で想いをぶつける吾郎に惹かれていく珠緒…。
これだけならBLあるある内容である意味安心出来る話だったんだが………

ある時、洋パン(外国兵専門の娼婦)が他の娼婦狩りをしにくる情報が入ったが、町中に出ていた珠緒、吾郎は知らない。そこへ追われていた娼婦が珠緒に逃げるよう促すが自身が足を挫き、その瞬間!珠緒が米兵に捕まってしまう。珠緒は吾郎に挫いた娼婦を頼むと伝え……
その後のページをめくるのが辛かった。想像容易かったので……
で、見てショックだった。
男だから!とかそんな話ではない。
そもそも人間扱いではないその行為に憤りしかなかった。
でも、そういう時代背景だったのだろうなと戦後の日本は。と改めて思ってしまった。

ハッピーエンドではあるが重い鉛のような気持ちも残った作品だった。
でも、これが嫌なシーンとかの捉え方ではなく現実にあったのだろうな。と思う捉え方でした。

このシーンが無ければ深みもない作品でしたので良かったと思います。

7

イタイイタイイタイイタイ

終戦の混乱のなか 断ち切れぬ想いを隠して生きる彼の目の前に現れたのはかつての恋人 想いの人


戦後のお話ってだけで重く感じちゃうのって あたしだけですかね?

混沌とした時代を目の当たりにしたわけでもないのだけれど なぜか気分的に滅入ってしまうような


兄の友人 ずっと見続けてきた人
男娼に身を落としたのを知って 居ても立ってもいられず

よく似た兄とは似ても似つかない 絶賛売り込み中の彼のわんこぶり
なのに上手くいかないのは 見せる心と隠す心のせい?


逝ってしまった人を挟んでの関係って 結局は何も解決できる訳じゃないんだよね

残された子も 託された子も 未練を残しても自分ではどうすることも出来なかった子も みんな苦しいだけ

兄が残した未練と自分が持ち続けた欲が受ける側に与える苦痛
どうしても比べてしまう忘れられない人の思いを知らされ やっとわかる託された子の苦悩

んんんん 苦しいッ! 読んでるこっちまで苦しくなる
時代に翻弄された少年たちの話 なんてザクッと括っちゃいけないなんかがある

あるんだがッ! 申し訳ない 盛り上がりって言われたら ない

ないから余計に胸が苦しい
連鎖ですよ 連鎖 苦しいが次々押し寄せてくる

誰の苦しいじゃなく 誰もが苦しい時代だったからこそ 報われないことだらけ
たまたまひいた風邪のおかげで徴兵を免れた ホッとした自分が足枷のようになっていったのもそのひとつ

自分では逝けないところへいきたいと願うのに 反して抱く恐れを紛らすために溺れる
タバコにヒロポン カストリ 

もう すべてが哀れすぎて



出兵する彼が残した最後の優しさに触れ「ここに何を感じるかは人それぞれ」みたいな終わりかたなんだけど

拾ってくれた人がいたからこそ  見つけてくれた人がいたからこそ
1人にしないと誓ってくれる人がいたからこそ得られた奇跡だったんだよな と

重苦しい時代だけど 生かされたからこそ 生きていたからこそ迎えられた最後だよな


うううううんん 地味に重くて唸ってしまう
正直 読み手を選ぶ作品だろうな とは思うのがだが……… 優しいお話ではあるのよ

ううウゥッぅぅん
とりあえず『ドンデン』がえしがなかった事は 読んでるあたしの救いだった

1

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