小説

  • 沼の竜宮城で、海皇様がお待ちかね

沼の竜宮城で、海皇様がお待ちかね

numa no ryugujou de kaiousama ga omachikane

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作沼の竜宮城で、海皇様がお待ちかね

海皇神
沼に住む陽気な神様
水上来人
24歳,小さな不動産会社の新入社員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

小さな不動産会社の新人社員・水上来人はある日、調査のため伊勢神宮に程近い個人所有の山に入ることに。
相続した山の処分に困っての案件だ。山の奥、インドア派の来人が迷子になりかけた時、
目の前に出現したのは直径五メートルほどの沼。そしてそこから眩い光を放ちながら登場した、
息を呑むほど美しい――海皇神。なぜか近畿弁を使いこなす陽気な海皇神に無理やり引きずりこまれ、
来人は沼の底で想像を超えた世界に遭遇し…。

作品情報

作品名
沼の竜宮城で、海皇様がお待ちかね
著者
綺月陣 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784815532444
3.6

(39)

(12)

萌々

(13)

(8)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
6
得点
138
評価数
39
平均
3.6 / 5
神率
30.8%

レビュー投稿数6

爆笑(≧∇≦)

笑いながら楽しく読みました(≧∇≦)
海皇さま楽しすぎるし可愛すぎる。素直で無邪気で策士、これは来人が絆されるの解ります。海皇さまとぼけてるけど、実は来人に一目惚れで罰を受けてでも助けた気持ちが素敵でした。来人も真面目で自分の殻に篭っててたけど、海皇さま達を守るために戦ったのが微笑ましい。小山田先生の美しくて神秘的なイラストも素敵✧*。夢があって楽しい作品でした〜どんなお子様が生まれるのか楽しみです(*´艸`*)

2

沼の中に竜宮城


不動産会社の青年が仕事先で沼に斧を落としてしまい「金の斧、銀の斧」よろしく神様が出てきて気に入られる話。と見せかけて再会もの。

初読みの作家さんです。

相続した山の処分に困った依頼者により該当の山を査定するために三重にやってきた水上来人(受け)。
山に入った途端、携帯は県外になり、よせばいいのにそのまま先へと強硬し、見事迷子になってしまいます。
夕方になりこのままでは下山できなくなると焦りだしたころ、草を刈るのに使っていた斧を沼に落としてしまいます。
先輩からの借り物の斧を落として焦る来人に沼から声が・・・



なんとも愉快な話でした。
沼の中に入ったのに、何故か竜宮城はあるし、広大な海の中と変わらないし、海洋生物の分布を無視した無茶苦茶な魚介類たちはいるし。まさに浦島太郎。

魚介類は食べられるために順番に待ってたり、かなりシュールでした。
そのまま面白おかしく海の中で暮らすのかと思ったら、真面目な来人は仕事を理由に‪一時‬撤退します。
二日も連絡しなかった来人に社長はおかんむりでしたが、水難の相でも出ていたのかあらゆる水のトラブルにあい、風邪をひいてしまうのです。
熱が下がり、再び訪ねようとするも既に他社に委託されたあとで...。


特に面白かったのが先輩の角田との会話。
海皇神との日々に思うところのあった来人は、風邪で寝込んでいた来人を看病に来た角田と向き合おうとするのですが、友達として距離を縮めようとする来人と実は入社以来ちょっと気になっていたという角田との会話がお互い盛大な勘違いにより角田にとってはどんどん卑猥な会話に発展していって興奮していくのが面白くて、この勘違いにいつ気付いてがっかりするのかと思ってわくわくしていたら、まさかの海皇様の介入。
酷い目にあった角田の角田は大丈夫だったのでしょうか。
元はといえば看病に来てくれたのに、ちょっとした勘違いでえらい目にあった角田にはちょっと同情します。
でも、楽しかった。

現代の話や海の中の話、過去の話やゼウスや天照大御神が登場してどんどんファンタジーになっていったり、かなりバタバタしていたようで、ちゃんと収まるところに収まって綺麗に終わってよかったです。


来人の初体験はかなり濃くてびっくり。
触手もびっくりながら、中に出して溢れた分が乳首やペニスから吹き出すのはかなりびっくり。
初心者なのに大丈夫かと来人を心配しました。

せっかくなので、授かった子供の誕生まで読みたかったな。

20年間寂しく待っていた海皇神の想いが報われてよかったです。

4

面白かった!

初読み作家さん。
以前から何か読んでみたいと思ってたものの、シリーズ物だったり、シリアス&痛いのが多そうでなかなか読めるものがない感じで……。
なので、この作品のぴれーねさんのレビューを拝見したときに「笑えて」という文字が目に入り、これだ!!と。

というわけで、読んでみたら面白かったです。
テンションがすごく高いと言うか、独特のノリがあって、合わない人にはキツイだろうなぁと思わせるものはあったけど、勢いがあって読めてしまう。

ギリシャ神話のポセイドンなのに、なぜか近畿弁で喋りまくる海皇様がかわいい。
人懐っこくて、無邪気で、喜ぶ時はテンションMAXで大喜びして、拗ねて、いじけて、嘘をつくのが下手で。
そして、おちゃらけて見える海皇様なんだけど、時折一人でいる寂しさとか、受けが来る事を長年待ってたと思われるような言動がチラチラと見え隠れするので、そこにキューンとさせられてしまうんです。

神様なのに、めちゃくちゃ母性本能くすぐられるんですよ。

そして息する暇もないほど様々な景色が現れる水中散策の様子や、次から次へと振舞われる大ご馳走の様子なども読んでて楽しいんですね。
これぞファンタジー小説の醍醐味!という感じで。

まさかのギリシアの神様が……という設定がなかなかうまく飲み込めなかったのと、海皇様が罰せられる原因となった点についても、ギリシャ神話で神が人の運命を左右する話ってたくさんあるよね??と疑問点で頭いっぱいになってしまったのだけど、「そこは気づいたらあかんとこ」とのことなので、スルーします。

そして挿絵も素晴らしかったです。

6

沼の竜宮城で海皇様?

小山田画伯の美麗な表紙絵に目が引き付けられてしまって、タイトルの不条理に気づかないところでした。
沼には竜宮城はないし、竜宮城にいたのは乙姫様のはず……気づいた時点でトンチキ好きの私の期待度が上がる上がる!

で「トンチキだったのか?」と問われれば、トンチキと言うよりはスラップスティックの香りが強い様な気がします。
ゼウスと天照大御神が和服デートを繰り広げるというこのお話は『何が出て来るかわからない、ウキウキ感に溢れたおもちゃ箱』みたいな感じです。
なので、まだお読みでない姐さま方に「とりあえずこの箱に手を突っ込んでみて。きっと楽しいから」と、お勧めしたいのです。

幼い頃、海で溺れて死にかけたことのある来人が、仕事で訪れた山の中にあった小さな沼。持っていた小型のキャンピング用斧を沼に落としてしまえば、神々しくも美しい神様が出て来て「其方の探しているのはこの金の斧か?」とお約束通りの科白……こんな感じの始まりで、全体のトーンはこの調子のおちゃらけ。
ただ、そこに時折、長い長い時をひとりで過ごさなければならない海皇様の孤独が挟み込まれます。
ギャグシーンの連続の中に散りばめられたこの寂しさが、グッとくるんですよ。
メロディラインを変調させるみたいな感じなんです。
私、綺月さんのこういう所が好きなんですよねぇ。

さて、またしてもあとがきを読んで驚きました。
ガッシュ文庫でが休刊してから『他社へプロットを提出しても却下の連続』と書いてあるのです。『ついに廃業かと諦めかけたとき』とも書いてある。
えーっ!綺月さんほどの書き手でもかい?!
……こうやって好きな作家さんがどんどんいなくなってしまうのだな、と思いましたですよ。特に癖の強いベテラン作家さんはその傾向が強いのかもしれない、と思いましたですよ。
危機感を感じるあとがきでした。
読み続けなければなりませんな。

10

伊勢の海底神殿 

ホントで、電子版を購入。

あらすじは、先にレビューがあるので割愛。感想だけ。
伊勢の神島の海底神殿の噂を聞いたことがあるので、興味津々、期待を込めて読みました。伊勢の海底神殿 というか、日本の古さを証明する品々の宝物庫があるそうです。当然そういう所には、番人役も昔から居て、人でない魔物だったり。伊勢や和歌山、出雲や四国、九州だとトンカラリンがある辺りは面白い所らしいです。

「背徳のマリア」もそうですが、著者の資料集めと調査力に感服。伊勢-和歌山-広島-福岡までは、天武天皇が隠した日本の秘密が一杯。でも、限りなく真実に近い事柄を引き出すヒントになるものを書いても、BLの娯楽小説として出すなら、ファンタジーで済ませることが出来るので波風立ちません。
古い日本の伝承、御伽噺と対比しながら読んで、とても面白かった。



7

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP