モフモフ獣好きの御曹司にとって、 獣の王は寵愛の対象!? 異世界トリップ・ファンタジー♡

御曹司は獣の王子に溺れる

onzoushi wa kemono no ouji ni oboreru

御曹司は獣の王子に溺れる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×26
  • 萌5
  • 中立3
  • しゅみじゃない0

124

レビュー数
3
得点
67
評価数
19
平均
3.7 / 5
神率
26.3%
著者
渡海奈穂 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
夏河シオリ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784199010033

あらすじ

次期社長候補の御曹司が、
事故で異世界に飛ばされた!!
しかも身元不明で拘束されてしまった!?
遠藤(えんどう)が送り込まれた先は、
山奥に佇む廃墟のような城――そこに棲むのは、
呪いで獣の姿にされたバスティアン王子だった!!
恐怖より先に白虎の美しさに心を奪われた遠藤は、
側仕えを志願してしまう。
「お前は私が恐ろしくないのか」?
父王に疎まれ人間不信の王子は、
遠藤になかなか心を開かず!?

表題作御曹司は獣の王子に溺れる

バスティアン,19歳,呪いで獣の姿にされた王子
遠藤侑人,25歳,異世界に飛ばされた御曹司

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

忘れられた約束のもたらした未来

今回は呪いで獣姿の王子と事故で異世界トリップした御曹司のお話です。

界渡りした受様が呪いで獣姿となった攻様の呪いを解き幸せになるまで。

受様は庶子の次男なからも次期社長候補です。関わる事業は堅実に実を
結び、傾きかけた経営を立て直した事から本社役員と関連会社の経営者を
任されています。

本妻の息子の兄は経営者として凡庸な上に運もなく、関連会社の幹部に
着きながらも手を出す事業を悉く失敗し、受様が入社してからは有名無実
のポストに甘んじています。無能を自覚していて余計な事をしないだけま
しですが、社内で行き会えば嫌味も半端なく、受様は今までの人生で誰も
信用していません。

そんな受様にもただ1人辛うじて友と呼べる中学の同級生がいます。彼は
女顔で小柄で気弱なで立ち回りも下手な事から、いつも虐めのターゲット
にされていました。家庭環境が似ている事、人間の格差や努力ではどうに
もならないという愚痴には共感する部分があり、年に1.2酒を飲む付合い
を続けていました。

受様はここ1年程、ストレスから食べ物の味を感じないほどになっていて
彼との飲み会を思い立つのですが、ブラック企業勤務の友人はパワハラで
参っていて絡みが酷く、これなら家で動物園のライブ映像でも見れば良か
ったと後悔していました。

受様はストレスが昂じて勉強や仕事へのモチベーションが下がると、友人
に会うか、動物園の猛獣エリアに入り浸るのが癖になっていました。特に
虎がお気に入りで、丁寧に毛繕いしてやってお返しに大きな下出舐められ
たいとまで思っていますが、叶うはずのない妄想じみた夢と判っていて
唯一の友にさえ語った事はありません。

今受様が夢中なのは生まれたばかりのホワイトタイガーのライブ映像で
すが、見に行きたいと思いつつも休みの算段は難しいのです。

ラストオーダーの声掛けで店を出た2人ですが、友人は「会社が爆発しない
かな」なんて物騒な事を言い、それに受様が軽口で返したその直後、友人
に突き飛ばさたのです!! そして目前に迫るトラックと凄まじい衝撃を感じ、
死を覚悟した・・・のですが・・・

受様が目覚めると見たこともない土地の市場にいたのです。混乱したまま
周りの人々に他国から逃げてきた身寄りのない文無しとして扱われた受様は
自分は夢を見ていてるのだと流れのままに居酒屋の給仕となります。

この世界は王政で王がよい行いをすると国も栄え人々も穏やかに、強欲で
冷酷な王だったり、戦争を起こすと疫病が流行ったり、基金に苦しむ事に
なるといいます。

それほど験担ぎや天罰、因果応報が当然のごとく信じられていて、見知らぬ
受様にも親切にしてくれたようですが、西の山に住むという自国の第三王子
だけは風当たりが強く驚きます。

王子は正妃腹ですが、2年前に急な病で西の山の城に入るものの病ではなく
呪いで獣姿に変わって幽閉されたというのです。王族は魔術に耐性があるの
に呪いを掛けられた事から正妃の不貞疑惑まで囁かれています。

しかし、もふもふ好きな受様は王子の噂をきいて以来、人と獣が混じった姿
の王子を想像するだけでくらくらして、なんとか王子に会えないかと思い
始めます。そんな中難民狩りが行われ、捕まった難民は王子の世話係として
城に召し上げられてると知った受様は積極的に捕まるのですよ(笑)

そして連れていかれた城にいた王子は美しいホワイトタイガーの獣人だっ
たのです!! 彼こそが今回の攻様になります♪

城に入っ難民は攻様に喰われるとの噂ですが、攻様の美しさに感動して
震える受様は本気で攻様になら食べられてもいいと思うのです。しかし、
そんな受の内心を知らない攻様は怯えて声も出ない様にしか見えません。

果たして受様は本当に攻様の贄になってしまうのでしょうか!?

寂しさから猛獣マニアとなる受様が交通事故で異渡りした世界で呪いで
白虎姿になった攻様の世話係となるたもふもふ異世界トリップファンタ
ジーになります♪

渡海先生のファンタジーはいつもキャラ設定や世界観が独特で、楽しま
せて頂きます。本作も受様の異世界トリップで始まり、呪いで獣になる
って面白い展開だなと思って読み進めたのですが、2人の距離が縮まるに
つれて明かされる攻様の呪いの真相が思いがけないモノで、後半に進む
につれワクワクMAX、たいへん楽しく読ませて頂きました。

難民狩りで城に上がった難民は勝手に逃げていき、攻様の餌にはなって
いませんが、城の下働き達にも攻様には関わらないように最低限の働き
しかしない様で、攻様が人を食べていると信じているようです。

そもそも彼らは獣になった攻様は「信仰に背いて神々の怒りに触れた者」
とみていたのです。神々の罰を受けて獣になった攻様に触れれば自身も
穢れると考えていたのです。

受様は食べられるまでは王子の世話係として働き始めます。しかしそも
そもやった事の無い事ばかりで掃除や洗濯はともかく、料理は消し炭で
食べられたものではありません。盛大に焦がした匂いで攻様の嗅覚攻撃
をしてしまうのですが、呆れた攻様の手助けを得る事ができ、少しづつ
城の暮らしにも慣れていきます。

そしてそんな受様に攻様も徐々に心を開いていき、攻様の呪いを解く方法
を探す事になるのですが、ここから今まで受様にも読者にも判らないまま
に巧みに張られていた伏線が見え始めて来て、大ドンデン返しな展開に
なっていくのです。

受様の両親の関係と生い立ち、攻様の両親の関係と生い立ち、攻様を慕う
異母弟の思惑、攻様を厭う異母兄の策略、受様の唯一の友人の望み、そし
て受様が忘れていたこの世界の神との約束等、丁寧に編まれた関係性が
複雑に絡まり合っていてハピエンだろう事しか予想できず、一気読みして
しまいました♡

受様の友人のお話も気になるので、スピンオフ希望です (^-^)v

1

愛ですよ! 愛!!

事故にあって異世界へと飛ばされてしまった御曹司。
そこで出会ったのは、呪いにより醜い獣の姿にされてしまった王子様で・・・。
と言うお話になります。

こちら、表紙のインパクトもさるものながら、主人公のキャラがとにかく最高でして。
実は、かなりのモフ好きなんですよね。
や、人々から「醜い獣」だと恐れられているバスティアン王子を見て、「何て美しい生き物なんだ!」と、感動のあまり涙をこぼす・・・。

バスティアン王子ですが、父王からは疎まれ、人々からは恐れと嫌悪の目を向けられと、かなりの人間不信なんですよ。
そこで、自分の餌として送り込まれてきた人間を、次々と脅しては送り返してきた。
それが自分を一向に恐れず、それどころか図々しく城に居座って勝手に側使えとして働き始めるユウト(受け)に困惑する。

これね、こんな二人が少しずつ少しずつ心を通わせて行くところに、めちゃくちゃ萌えちゃって。
や、バスティアンですけど、本当はすごく優しいし純粋なんですよね。
一向に出ていこうとしないユウトに「勝手にしろ!」とか言いつつ、ユウトが困っていれば手を貸してしまう。
対して、ユウトですが、本来のモフ好きから、バスティアンの存在だけで嬉しくて嬉しくて仕方ない。
また、バスティアンの不器用な優しさを知り、彼に少しでも快適な生活を送ってもらいたいと、荒れ果てた城を懸命に整えて行く。

いや、最初こそ警戒心バリバリで、完全に心を閉ざしていたバスティアン。
彼が意表をつきまくるユウトの行動に調子を崩され、困惑してるのがなんか可愛いのです。
やがてそんなユウトに心を開き、お風呂あがりにブラッシングして貰ってゴロゴロ喉を鳴らしてたりするのが、モフ好きとしてはたまらないのです。

う~ん。
またこちら、主役二人が二人とも、その出生により辛さを抱えて生きてきたんですよね。
妾の子ながら優秀だったが故に跡取りとして据えられ、決められた道を淡々と生きて来たユウト。
そして、正妃の不貞の子だと疑われ、獣になる前から居場所が無かったバスティアン。
そんな、心に孤独を抱える二人だからこそ、互いに通じあえるものがある・・・。
こう、互いの存在により、安らぎを得る二人になんか嬉しくて。
二人でお茶を飲んだりブラッシングしたりと言う、何気ないシーンにもホッコリしちゃうんですよ。

と、そんな中、バスティアンの呪いを解く鍵が「真実の愛」だと知る二人。
ユウトは、呪いを解く為に「呪い師」に会いにゆきますが・・・と言う流れ。

ここからですね、わりとシリアス展開。
真実の愛で呪いが解けると知ったユウトですが、呪いが解けて欲しくないと反射的に思ってしまうんですよね。
バスティアンの呪いが解ければ、彼は王宮へと帰り、素敵なお姫様と結婚してしまう。
そう思い至ると、強い胸の痛みを覚える。
このままここで、これまでのような二人だけの日々を過ごし続けたい。
これ、身勝手と言えば身勝手ですが、気持ちが分かるだけに切ないんですよね。

また、ここから「呪い師」により衝撃の事実が分かります。
いやもう、これにはただただ驚愕。
ああ、こう来たかと。
からくりが分かると納得は行く。
納得は行くけど、同時にめちゃくちゃ切ない。
誰だって、愛する人を不幸にしたのが自分だなんて、絶望するよね。
あまりに皮肉な真相に、悲しくて悲しくて。

とは言え、ちゃんとハッピーエンドです。
古今東西、王子様を救うのは「真実の愛」なんですよ!と。
こう、まさに真実の愛によって救われるユウトに、もうめちゃくちゃ感動なんですけど!
そう、真実の愛により救われるのって、バスティアンじゃなくユウトだったと言うのも捻りがあって面白いのです。

と、そんな感じで、とにかく面白いし感動的でした。
ちなみに、イラスト最高です。
いや、獣の姿のバスティアンも最高にキュートだけど、呪いが解けた本来の姿の彼も、めちゃくちゃ格好いいです。
ユウトがポーッとなっちゃうの、分かりますねえ。


8

この主人公は面白い

異世界トリップものです。
BL版美女と野獣といった印象でしょうか。
美男と美獣が正しい気もします。
カバーイラスト通り、獣人のような攻めですが獣人姦はありません。

主人公の侑人がとても面白いキャラクターでした。
トリップものの定番・トラックに轢かれて異世界へと渡ってしまった侑人。
愛人の子として生まれ育ち、学業の優秀さに目をつけた父親に引き取られて以来、実力でエリート街道へのし上がっていた彼ですが、幼い頃は母に放置され、引き取られてからはやっかまれたりと、良い家庭環境とは言えないところで育っているんです。
母・義母・父・義兄にも冷めた目を向けながら、どこか居場所や安らぎのない日々を送る中での唯一の安らぐこと。

それは、大型猛獣を見ること。特にトラならばなお良しというもの。
そんな大の獣好きの彼が、トリップ先の世界で「西の山の城に幽閉されている、忌むべき呪われた獣の王子・バスティアン」の噂を耳にする。
聞けば、侑人のような難民は時折獣の王子の元へ召し上げられていると言うではないですか。
普通であればここで怯えて逃げるはずだというのに、侑人は自ら「最高!行きたい!会ってみたい!」となってしまうのがなんとも面白くて。
働かせてくれていた店の店主も、城までの案内役の老人も、人々から恐れられている獣王子の元へ行くことになった侑人の事を不憫に思っている中で、侑人ただ1人だけテンションが違うのが本当におかしくて。
怖がって泣いているのかと思いきや、それは嬉し泣きなのですから。

さて、そんな人々から恐れられて来たバスティアン王子ですが、言葉の端々から優しい人なのが伝わって来るのですよね。
侑人の事も、今まで連れて来られた他の難民同様に、荒い口調ながらよその国に行った方が良いと追い出そうとするものの、ホワイトタイガーの獣人じゃないか!大好きなトラが喋った!と幸せを噛み締めている侑人には届くはずもなく…
バスティアンから勝手にしろと言われ、その言葉通り勝手にお世話係として住み着き、働くことに。
もう、侑人が本当に逞しいし面白すぎる。
バスティアンを戸惑わせる行動の数々も面白いのですが、掃除洗濯は出来るというのに、料理が壊滅的にダメで、チャレンジをしては毒のような食べ物を錬成してしまうんですよ。
自身を恐れない侑人に困惑していたバスティアンですが、あまりの出来の酷さを見かねて料理を教え…と、この辺りからの2人の交流がすごく良いんです。
何度も侑人に怖くないのか?と聞くバスティアン。
きっと1番怖がっていたのはバスティアンなのではないのかな。
どこが?と平然と返す侑人にほだされ、徐々に一緒にお茶をしたり、お風呂に入ったり、ブラッシングで毛並みを整えてもらったり…と、やり取りがほのぼのとしていて可愛らしくて癒されます。
バスティアンがあの大きな手でちびちびお茶を飲むのかと思うと可愛くて仕方がなくないですか?

この2人、似た者同士なんですよね。
どちらも父親に振り回されていますし、ずっと息苦しさや孤独を抱えた中で生きて来た。
侑人は、ただ物事をこなすだけのようだったストレスだらけの虚無の日々を。
バスティアンは居場所がなく、獣となった今では更に孤独と絶望の日々を送っていたと思うんです。
そんな2人が、ごく普通に食事をして、今までは砂を噛むようだった食事をおいしく感じられるようになっていく描写がですね、何でもないシーンだというのになぜかじんわりとしてしまって。
一緒に眠ったり、食事をしたり、語らったり、本当になんでもない日常が幸せであふれていて、2人が特別な関係になっていく様子が穏やかで好きでした。
優しいバスティアンの心が少しずつ解けていくのがすごく良かったな。
すごく優しいお話だったと思います。

と、途中までは面白く読めました。
しかしながら、終盤からの展開がややごちゃついているような。
驚きの事実が判明していくと共に、こう来てしまったかと徐々に萎えていってしまったのが正直なところです。
展開的には、そういうことねと辻褄が合うのですけれど。
呪いの原因が自分だったという設定自体は切なくて、普通であればここでグッと来ているはずなのですが…うーん。
この呪い設定のまま、実は…ではなく、違う味付けがされていたらななんて思ってしまいました。
2人のやり取りや距離が縮まる様子がとても微笑ましくて、この後一体どうなるのかとワクワクしていたら、突然「これはいわゆる異世界トリップものだよ」と一気に引き戻された感じがしたといいますか。
私はWEB小説を読んでいたのだろうか?と思ってしまったというか。
(決してWEB小説を軽んじているわけではありませんよ)
あくまでも個人的な感想なので、こういった展開がお好きな方もたくさんいらっしゃると思います。
侑人が、獣姿だから好きなのか?呪いが解けてしまったあとは…?と思い悩むシーンも、誤解とすれ違い部分も良かったのですけれど。
ラストのハッピーエンドも少々ご都合主義感があったかな。
中盤までの展開が好きだっただけに少し惜しい気持ちです。
やや消化不良気味でした。
思えば、序盤のトラックに轢かれるシーンもちょっと分かりにくかったですね。
ただ、読み終えてみるとあえてこう書かれたのかな?という気も。
途中までは萌萌、後半の展開に中立、間をとっての萌評価です。

なんとなく永野のスピンオフもありそうな感じでしょうか?
彼のお話も読んでみたいです。

2

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