SS付き電子限定版
前世で悲しい別れをしたふたりが数百年の時を経て、現世で再会し結ばれる…
感動的な展開になりそうですが、過去のこともそんなに重たく描かれていないのでライトに読むことができました。
前世での出来事を何度も夢で見ている直は、結ばれなかった相手・かや姫ともう一度会いたいと思っているとそこにタイミング良く現れる姫川。でも自分より年上でしかも男で…。
思い描いた再会とは違ったけれど、姫への想いがとても強い直はすぐにそれを受け入れ、猛アタック!その真っ直ぐさが眩しくて素敵だったので、姫川にそれが伝わってくれたらいいなーと思っていたら…姫川もあっさり受け入れたのでした(笑)
そこからは前世のことも織り交ぜながらお話は進みますが、直と姫川の気持ちは揺らぐことはないのですれ違いの切なさなどもなく。ドタバタ気味なふたりの日々を見守ることができました。
直の友達や当て馬的存在の天鶴もいいキャラで、ずっと楽しいお話でした。
楽しいラブコメです。ページ数少なめで、2人(だけ)のあれそれがもっと読みたいな〜ってところで終わっていくのがちょっと寂しい。
あっという間にお付き合いを始める主役2人に比べて当て馬の天鶴臣也(かや姫の許嫁,嵯峨鶴臣)のキャラが濃い。「小僧 姫を頼んだぞ」もカッコいい……うーん当て馬で終わるにはもったいない男だった。
友達の八馬あきらくんと何かある雰囲気を残してるのがなんとも…スピンオフ狙いか?これであきらくんは過去に何も関係ないのがそれはそれで面白い。
前世の記憶を不思議な夢として見る高校生
かわいい姫と今世で逢えるなら おっさんでも愛せる はず
タイムトリップでも リープでも スリップでも ワープでもない
前世の記憶をもっての生まれ変わり
不思議系ってだけで設定勝ちだとおもってたんだけど 思いの外高校生が男前
確かに 高校生の水口の方が前世は年上の家臣だったわけだから当たり前なんだけど 見た目と中身でこんがらがってくるこの感じが読んでて面白い
半ば出待ちの熱狂的ファンというか ストーカーと化した前世の家臣・直 と前世の記憶に振り回されても素直になれないお姫様・姫川 二人の距離が近づいたと同時に手ぐすね引いて現れたのは 一目惚れした許嫁(これも地味にストーカー?)
ひとり噛み合わない許嫁と 家臣と姫
なぜかそんなトンチキなやつらに律儀に付き合う同級生
終始漂うほのぼのムードの中に現実の互いの立場を見せつけあうあたりも 随所にでる 夢で見た過去と現実のリンクに怯える姫川とを絡めながらの魅せかた
はじめましての作家さんで 腹かかえて笑うことはなくても クスッと笑えて
長い間1人だけを想い続けた孤独や寂しさの着地に 過剰な演出もムダに激しいエロ導入もなく 用意周到な感じでヘボる攻め ってのまでうまく繋がっててよかったし
(※ 電子SS付きで読んでます)
うん 続きがあってもいいくらい いいキャラ揃いなんだよね
特に 前世の許婚[嵯峨鶴臣]こと天鶴臣也(31)と 直の同級生・あきら
この2人に何かありそうな まだまだ先が気になるお話だったな
まるで成仏できない怨念の様に前世の記憶に縛られる3人と攻めの友人の物語。
戦国時代に生きる3人は皆人生に未練たらったらだったらしく、生まれ変わったら思いを成就させたいと強く願うばかりに前世の夢を始終見る。時々ではなく幼少時からずっと見続けているところがポイントです。彼ら3人はその夢(戦国時代の生)を反面教師とし、現世では辛い思いをしないように自分の人生設計を行い今に至ります。
*攻め - 幼馴染の姫の事が好きだったが添い遂げられなかったので、現世で早く見つけて恋人になりたい!
*受け - 幼馴染で大好きだった家臣と両親を戦で同時に無くし、仏門に入った為、現世では人との別れで辛い思いをしない様に一人で生きていく力(知力・体力・社会的地位)を付ける。
*当て馬 - 戦国時代に隣国の姫を嫁取りすることになっていたので、一目見たいと訪れる途中猪に襲われた。その時助けてくれたのがその許婚の姫君ですっかり一目惚れ。結婚の日を心待ちにしていたが、戦の為破談。彼女は仏門入りで会うこともならず・・。現世では絶対見つけて妻に迎えるため、断られない程のスペック(金・社会的地位)を築く。
それ程前世に縛られているので受けが男性であってもみんな直ぐに受け入れられるんだよね。私はこの辺の流れすんなり受け入れられました。全員努力の人です。応援したくなるのも仕方なし。
攻めの友人がBL界だと攻めとフラグ立つのでは?と思う位なんですけど、逆に本当っぽさがあってこれも凄く良かった。
凄くロマンティックな設定なんだけど。ぷぷっ。前世での記憶を凄まじく覚えている直は、自分は現世で必ず姫と出逢い、恋をするのだと決めている。姫がどんな姿をして生まれ変わっていようとも‼︎ ここはもちろん絶対にBLの世界線なので。かや姫は、おっさんに転生している。直も最初は驚いたものの。直ぐ様、自分より年上、しかも男‼︎ を愛する事に決め、執着する。そこにとりあえず葛藤は無い。なんでー⁈という位、恋に落ちてしまう。むしろ、受け入れられないのは、姫川の方。彼も直が、その昔、自分の家臣、直成であり。身分差と戦の最中、悲恋に終わった恋人である事は重々承知している。だが、はいそうですか、と受け入れるには姫川はちゃんと大人なのだ。姫川にとっても、その恋が苦しみを伴ったものだったから。二重の意味でそれは受け入れ難かったのだ。という事が後半では明かされて行く。
途中、天鶴という、これまた前世では姫の許嫁だったという男が現れ、姫がおっさんとして生まれ変わっている事に大して驚く事もせず、執着し、直をライバル視して、手に入れんと奮闘する。うははー。何で皆んなそんなにおっさんを愛してしまうの⁈っていう可笑しみと楽しさ。ツッコミどこ満載なんだけど、実にテンポ良く。物語はドシドシ進んで行く。天鶴が、その昔、身分の高い男であった様に、現世でも姫の為に、会社を起こし、一角の人物になっていようと努力して来たという。強引な当て馬だけど、努力の人。実に清々しい。そうまでして、モテまくっているのが、おっさんというのが何だか笑わせてくれるのだ。恋愛の機微というのは、前世からのもの。恋の成就は持ち越されたものなんだろう。悲恋に終わった恋も、何だか現世ではポップなのだ。身分の差も、政略結婚も無い、自由に恋を謳歌出来る現世だからこそ。成就させたい愛もあるって事で。
何かと恋人たちを見守るだけの、直の友人あきらには彼等との前世での繋がりはまるで無い。ちょっと残念。天鶴の救済も無い。あきらも真面目で良い子なので、手近かも知れないけれど、天鶴には幸せになって欲しいので。どうかなぁ、なんて思ってる。