イラスト付き
小中先生お得意の、甘くて可愛いラブコメになります。
プラス、作者さんもおっしゃられてるようなトンデモファンタジー。
これね、思わず吹いちゃうような細かいお笑いネタの宝庫でして、読んでてめちゃくちゃ楽しいんですよ。
もう、攻めが変えられた「醜い怪物・シヴァ犬」には、ひたすら爆笑。
親父ギャグやないかーい!と。
ついでに受けへの愛情を爆発させて、若干変態ぽくなってる終盤の攻めにも爆笑。
ミケーレ、面白すぎるわ~。
こう、切なかったりキュンキュンさせてくれたりちょっぴりしんみりしたりと、笑えるだけじゃなくて深みもある素敵なお話だと思うんですけど。
読み終えた後、幸せな気持ちになれる。
えーと、痛いのとかが苦手な方も安心して読んでいただけると思います。
とりあえず、私はめちゃくちゃ好き。
それにしても、小中先生の書かれる攻めは人間としてちょいダメなのが多いのに、なぜか憎めないってのが毎回すごいですよね。
内容ですが、超イケメン貴公子の親友×陰キャ魔術師による拗らせ系片想いモノになります。
辺鄙な郊外で一人暮らしをしながら、魔術師として生計を立てるネロ。
高校の同級生で親友でもある伯爵家三男・ミケーレに、長年の片想いをしているんですね。
そんなある日、呪いによって醜い怪物に姿を変えられてしまったミケーレが、ネロの元に助けを求めてやってくると言う驚きの出来事が起こってー・・・と言うものです。
で、この呪いですが、なんとネロが貴族の令嬢から依頼されて、相手がミケーレだとは知らずにかけたもの。
そう、やったの俺やないかーい!みたいな。
その事実をどうしても言えないネロは、とりあえず呪いを解くまでの間、ミケーレを自宅に匿う事になって・・・と言った流れになります。
と、まぁこちら要は、片想い相手と思いもよらず同居生活を送る事になった主人公が、そんな秘密を抱えながらアタフタと事態の解決を目指すってお話なんですよね。
ザックリ言っちゃうと。
で、これがとにかく笑えて可愛いのです!
えーと、繰り返しになるのですが、まさにトンデモファンタジーってなもんで、細かいお笑いネタの宝庫だったりするんですよ。こちら。
まず、ミケーレが姿を変えられた化け物と言うのが、空想上の怪物で醜いと人々に恐れられてたりするんですよね。
で、どんなおぞましい生き物かと思いきや、なんとそれは「犬」!
しかも、世界に伝わる犬の中でも最も邪悪で破壊と再生を司るとされる「シヴァ犬」!
いやね、読者からすると可愛くて愛らしいイッヌーを、彼等が大真面目に「なんと恐ろしい・・・!」とかやってるのが笑えて笑えて。
この調子でいちいちトンデモお笑いネタがブッ込まれてるのが、ひたすら楽しくて仕方ないんですけど。
また、そんな中で進行してゆく二人のラブが、めちゃくちゃキュンキュンでして。
面倒見が良くマメなミケーレ(呪いで犬になってしまうのは昼間だけです)がネロの世話を細々と焼き、ネロは呪いを解くための鍵を必死で作る。
親友同士でもある二人は、そんな中でもまさにじゃれあいと言った感じの言動なんかを繰り広げてくれるんですけど、それがただただ可愛い。
こう、受け視点なんですけど、親友だったはずのネロをミケーレが徐々に意識して行くのが読者には良く分かるように書かれてるんですよね。
もちろん、ミケーレに隠した片想いをしてるネロの言動なんかは言うに及ばすで。
彼の罪悪感と恋心の間で複雑に揺れ動く心情には、切ないのにすごく萌えてしまう。
もう、めちゃくちゃ甘酸っぱ~い!と。
そもそも主人公となるネロなんですけど、ひねくれ者と言うか中二病臭い言動ながら、根はお人好しで純粋と言うかなり面白いキャラなんですよ。
件の呪いに関しても、依頼者である令嬢に同情して「浮気男を真実の愛に目覚めさせよう」と請け負ったものですし。
これね、攻めですが、お金持ちで見た目も良く穏やかで優しい性格と、もう周囲からモテモテだったんですよね。
で、来るもの拒まずの博愛主義者・・・要は下半身ゆるゆる男だった。
そんな彼が醜い化け物の姿にされてしまった事により、真実の愛に気づくと言うのが今作の見処の一つだと思うんですよ。
や、真実の愛に気付くと言うか、これまで分かってなかった自分の本当の気持ちにやっと気付くと言った方がいいかもしれないですけど。
ネロは長年の片想いをかなり拗らせてるんですけど、こいつも実は結構拗らせてるよなぁみたいな。
二人とも、めちゃくちゃお似合いだよ!みたいな。
ちなみに、ここからミケーレが化け物として警備隊に追われと、ハラハラドキドキの展開で飽きずに読ませてくれるのも上手いと思います。
いや、どうなる事かとドキドキしちゃったけど、ちゃんとハッピーエンドで良かった良かった。
最後になっちゃいましたが、終盤でネロへの愛が爆発してるミケーレには笑いました。
「ああネロ、可愛い。なんて可愛いんだ」とか言いつつハアハアと息を荒げと、なんか変態っぽくなってるのもご愛嬌。
受けへの愛が深すぎて変態っぽくなる攻め、最高ですね。
作家買い。
小中作品はほぼほぼ読んでいますが、今作品が一番好きかも。
めっちゃ可愛いの。
小中さんはシリアス寄りな作品も書かれますが、こういうほのぼので優しいお話も描かれる。凄い引き出しが多い作家さまだなあと感心します。
貴族の三男で、絶世のイケメンで、モテ男(作中はヤリチンと称されているのがまた笑える)のミケーレ。
そんなミケーレに恋してしまった魔術師のネロ。
モテ男のミケーレの心を掴むために一人の女性がネロにとある魔術を依頼するが、その依頼が発端となってミケーレは呪いをかけられることになり―。
というお話。
いつもながら驚かされるのが、その圧倒的な文章力。
読んでいて、文章が目の前で画像として浮かび上がってくる。ストーリーがネロ視点で書かれているので、自分がネロになったかのような錯覚を覚えます。
魔術に没頭し、生活はずぼらで、けれど一生懸命にミケーレに恋をし。ネロの、ミケーレに対する感情の機微が実に細やかに描かれていて、さらにネロが完璧すぎないのもまた良い。だからこそ、読者の共感を呼ぶのかも。
ネロは自分がミケーレと釣り合う人物ではないことを自覚している。
友人という立場で良い。
ずっと、ミケーレの傍にいることができたなら。
そんな一途な恋心を秘めている一方、そこかしこに撒かれているギャグもまた良い。そのバランスが絶妙で、ホロリときたり、爆笑したり。もう、小中マジックに翻弄されまくりのストーリーなのです。
ミケーレが魔術で姿を変えられてしまうのですが、その「姿」が…!
恐ろしい生き物、として描かれていますが、その「生き物」が…!
もう爆笑。
そうきたかー!
序盤にネロがモフモフを求めて猫を飼うことを検討するシーンがありますが、それがきちんと前振りになってるのも素晴らしい。その生き物に姿を変えられてしまったミケーレの感情の機微を描くツールとしてケモ耳やしっぽが使われていますが、その使い方も秀逸。
ミケーレが何の姿に変身させられてしまうのか、ぜひとも手に取って確認してみてほしいです。
で。
榊さんの挿絵がこれまた良かった。
可愛くって、綺麗で、そしてモッフモフ。
この作品の持つ世界観をきちんと描き切っていて、とっても良かったです。
実は、読み始めたとき、攻めのミケーレが今一つ好きになれなくて。
下半身ゆるゆるのヤリチン、という設定が個人的にあまり好きじゃない、ということもあるのですが。
そのミケーレが、終盤に近付くにしたがってナイスガイになっていく。
それはネロのおかげももちろんあるんです。
あるのですが、まあ、これが小中マジックなんでしょうね。
なぜミケーレが「そう」なってしまったのか、そういった彼のバックボーンがきちんと読み取れる。そして、ネロのおかげで少しづつ愛を知り、誠意を知っていく。その過程が描かれているためかと思われます。
笑いあり、萌えあり、切なさあり。
そのどれもが絶妙なバランスでミックスされた作品。
めっちゃ良かった。
文句なく、神評価です。
あらすじに一目惚れして購入で大当たり…!
個人的にドツボにハマって萌え&号泣で読了。
(※注:私はグワ〜と泣いたけど明るいお話です)
生涯友人のままで…と誓った片想い。
伝えられない罪悪感を含んだ片想い。
これらが時折入り交じるのに切なキュンなんですよー!!!!(;///;)
さてさて。ストーリーは、醜い獣姿になる魔術をかけられたヤリチンの王子様が真実の愛に目覚める展開で、"美女と野獣"がモチーフになっています。受け視点です。魔術をかけた遠因が受け本人という皮肉な展開でもあり、片想いと罪悪感がごっちゃになってお話が進んでいきます。
攻め:ミケーレ。立ち振る舞いが紳士的な王子様のような人。(出自は伯爵家3男)
どんな相手でも分け隔て無く接し、、、それゆえに博愛主義といえば聞こえは悪くないけど、ストレートに言えばヤリチン。男女関係なくヤリチン。既婚者相手だろうと求められれば応じるヤリチン。夫側・妻側同時進行で恋人になるようなヤリチン。告白されると「恋人いっぱいいるけどそれでもいい?」と確認して付き合うようなヤリチン。
有り体に言えばクズに分類されそうなんですが、ミケーレは倫理観薄いところを除けば紳士的なんですね。物腰の柔らかさ・育ちの良さ・美形・決して他人を貶めることはしない性格。人に好かれるのが天性の才能のように見えました。
誰彼構わず食い散らかすヤリチン攻めなのに厭らしさを感じないところがなんもとも複雑…(∩´///`;)物語が進むにつれ人誑しになってしまった理由も明かされて、全然憎めなくなっちゃう…。(ヤリチンなのに…)←しつこい
受け:ネロ。ミケーレに片想いをしています。
ネロは子供の頃から魔術が大好きで、ゆえに一人の世界に閉じこもりがちでした。学生時代は陽キャだらけの学校で浮いていて、遠回しにいじめっぽいことも。強気な性格なので気にしない素振りを見せていましたが、本音は…(;ω;)そんなとき声をかけてくれたのがミケーレで、以来ずっと友人関係を保っています。
恋心を抱きつつミケーレのヤリチンっぷりは十分すぎるほど理解してて、自分のような陰キャではミケーレに愛されるはずがない。友人のポジションにいられるだけで御の字…といった感じで、伝えるつもりのない片想いを長年しているんですね。
ミケーレが家に来ても、「あ、来たんだ(無愛想)」って素っ気ない風を装いながら、心の中は嬉しくて嬉しくて転がってる…みたいな。この小演技がめっっっっっちゃくちゃ可愛いんですッッッッッ!!!!!!ネロ視点でお話が進むので、いかにネロがミケーレを好きで好きで堪らないかが伝わり、そのくせミケーレには悟らせないよう小細工をするギャップに萌えて萌えて仕方なかった。。(∩´//////`∩)
そんなこんなで。
とても素行が良いとはいえないミケーレは、恋人の一人に醜い姿になる呪いをかけられます。パニックになったミケーレはネロを頼り、ネロはあるがままを受け止めて必ず呪いを解くと約束。
しかしその呪いの魔術はネロが依頼人に頼まれて作ったもの。依頼人がミケーレの恋人だとは思わず、(今風で言う)メンヘラ女の言葉を信じて依頼に応じてしまうんですね。ミケーレが醜い獣になってしまったのは全て自分の責任と負い目を背負うネロのしんどさが切ないです。
そしてあらすじにもあるように、呪いが解けるまでの間、同居生活が始まるんですが、それがも~~~甘やかで穏やかなひとときなんですね。元々長年の友人という阿吽もあるし、2人ともさりげない気遣いが出来る優しい人同士なので息がぴったり。醜い獣…といっても作中の世界観の話で、実際は可愛い柴犬♡というのも癒やされました(﹡´◡`﹡ )
(犬が存在しない世界なので極端に怯えられちゃうのが悲しい;;イッヌ好きさんは辛いかも…)
そんなひとときがミケーレの心に刺さったというか、ようやく"恋"を知っていくのにキュンキュンします////読者的にはミケーレの変化が読み取れるのに、如何せんネロは鈍感でまったく気付かないもの・・・・めっっちゃ萌えるッッッ!!!!!このまま上手くいってくれ~~~~と願いながら読みました。
友人だろうと手を出してきたミケーレが、ネロには手を出さなかった…(もとい出せなかった)エピもニヤッとしました。ネロの鈍感さが可愛くて萌え禿げる(∩´///`∩)ミケーレも言ってたけれど、中途半端にネロに手を出してたら今はなかったんでしょうね…。獣になるまで追い詰められてようやく自覚するミケーレにはちょっと呆れつつも、大事なことに気付けて良かったなと思いました。
真面目なネロが残した手紙には大泣きでしたね…。私は手紙の下りからラストページまでずっと涙ボロボロ止まらねぇよ…状態で読みました。ずっとずっと罪悪感を背負ったままのネロが書き置きでしか伝えられなかったのも、その後抱え続ける淋しさも、ようやく長年の片想いが報われるのも、涙腺にダイレクトにきて。
全体的には"切ない"よりも糖度が高い甘やかなお話なんですけどね。ネロの片想いをずっと見守り続けていた胸キュンが一気に弾けて、なんかもう堪らなくて。読み終わったあと「良かった!!!!!」と叫びました。
いっぱい幸せになってくれ~~~~!!!
ヤリチン……
なんか久々に聞いた単語なんですけど。
それだけじゃないの。
このお話の攻め様、ミケーレは『爽やかなヤリチン』『太陽の様なヤリチン』『人格者でヤリチン』なんですよぅ。
なにこれ。
普通、並ばない単語の組み合わせで構成されている。
これがね、私は最高にツボったんですよ。
お先に書かれた姐さま方が大層美しくご紹介されておりますので、細かい所は吹っ飛ばした『このお話の好きな所』を書きたいと思います。
私、昔からね『美女と野獣』は道徳的なお話としては破綻していると思っていたんですよ。だって、王子が野獣に姿を変えられた理由が『見た目で人を判断し、その本質を見誤ったから』ということなら、美しくない娘に心を奪われなければならんのではないかと思うんですよね。
そもそも美しさの基準なんて時代によっても社会によっても異なるし、好ましいと思う容姿だって人によって幅があると考えれば『美しい娘』っていう概念自体がうさん臭くもある。
で、このお話は私が以前から思っていたそのあたりの疑問をね、晴らしてくれちゃったりしたんです。
それも大変お上手に。
恐ろしいはずの『伝説の怪物』だって、その中身を好ましいと思えば全然怖くなくて、むしろ愛らしいってことなんですよ。『だらしないオタク』は別の見方をすれば『何も目に入らなくなる位集中力がある』人になっちゃうんですよ。
あとね『長いこと愛し合い続ける為には無理をすべきでないし、ええかっこしいもやめた方が良い、の法則』もやんわりとですが明確に書かれています。
これもね、かなりの真理だと思うのね。
人付き合いが苦手で、世間からちょっと浮いた存在が初恋を叶えるという、いかにも乙女ちっく(BLなのに!)なお話なのですけれども、あらすじの裏側で控えめに流れる主張はとても気持ちが良かった。
何と言っても冒頭に書いたことを始めとして、笑えるのが良いです。
コメディベースのBL小説って減っている様な気がするのですよ、最近。
魔術学校なるものがある、ファンタジーな世界。
受け様は、フリーの魔術師として生計をたてているネロ。
魔術の腕は天才級だけど、コミュ障ぎみ。
魔術のことを考えるだすと、寝食を忘れて没頭しちゃう魔術オタク。
だけど、なんともキュートなんだよなぁ(*^^*)
攻め様は、そんなネロの学生時代からの友人ミケーレ。
お金持ち伯爵の三男坊で、光輝く美形の明るい人気者。
まさに太陽のようなのだけど、下半身がユルい博愛主義者(;´д`)
ヤリチンで、そっち方面でトラブルが起こると、困って片田舎に住むネロの家に避難してくる。
ネロは、ミケーレのことが学生時代から好きなんだけど、友情が壊れるよりは、と友人の立場を守ってるのです。
そんな日々の中、ミケーレが憔悴しきって、ネロに助けを求めてくる。
とうとう恋愛事で人を殺してきたんだと思って、ミケーレのためどうするべきか脳内でいろんなパターンを考えてるネロ、かわいいやつめ。
でも、殺人ではなく、ミケーレは怪物の姿になる呪いを受けてしまっていた( ̄□ ̄;)!!
しかもそれってば、浮気性の婚約者の気持ちを取り戻したい、との依頼を受けて自分が作った呪いの魔法具のせいじゃないかΣ(ノд<)
夜はミケーレの姿だけど、昼間だけ変貌してしまう、その怪物の姿ってのが、まさかの『シヴァ犬』
空想上の生き物で狂暴で醜い、破壊と再生の『シヴァ犬』って‥( ・∇・)
なるほどなぁ、と笑ってうなりました( ^∀^)
罪悪感でいっぱいになりながら、ミケーレと同居して呪いを解くための鍵を作るネロ。
シヴァ犬の姿にも慣れ、もふもふを堪能しちゃったり、ミケーレとの生活は心地好い。
ミケーレは、ネロのかわいさ優しさに改めて触れ、呪いを解く鍵作りに真摯に取り組んでいる姿を見て、自分の真実の愛に気付いていく訳です( ☆∀☆)
ネロが自分を好きでいてくれる、との確信もなく、友情が壊れるかも、と不安になりながらも誠実に愛を告げるミケーレは、とても紳士でステキでした(*´∀`)
2人が恋人としてうまくやっていけるよう、お互い努力して変わっていこう、と無理はしないで頑張る様子は、そうだよね〜とニッコリ納得しちゃいました。
イラストは榊空也先生。
シヴァ犬がとってもかわいい(≧▽≦)
私ももふもふに埋もりたいです(^O^)