魔術師は野獣な貴公子に溺れる

majutsushi wa yahu na kikoushi ni oboreru

魔術師は野獣な貴公子に溺れる
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神16
  • 萌×224
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない2

58

レビュー数
13
得点
189
評価数
47
平均
4.1 / 5
神率
34%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
榊空也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784344847996

あらすじ

28才の今も恋人もなく陰キャなフリーランスの魔術師ネロ。たまに現れる貴族の三男で超イケメンのミケーレは高校時代からの友人で、ネロの長年の片思いの相手。名うての遊び人なのが玉に瑕だけど、どうせ陰キャな自分なんて、と親友ポジのままだったある日、ネロはミケーレから“自分を弄んだ報い"とセフレ令嬢から呪いをかけられたことを告げられる。誰もが目を背ける醜悪な獣、破壊を司るシヴァ犬になる呪いーーそれは自分が受けた仕事じゃないか! そう気づいて罪悪感に押しつぶされそうになるネロ。なんとか呪いを解こうとしつつミケーレへを家に匿って……アレっ、もしやこれは片想いの相手と楽しい同棲生活ってやつ!?

表題作魔術師は野獣な貴公子に溺れる

ミケーレ・アレグリ,28歳,ネロの友人でイケメンな貴族の三男坊
ネロ・ビアンキ,28歳,人付き合いが苦手なフリーランスの魔術師

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数13

うーん 悩んだけど

表紙のシヴァ犬 笑 と高評価につられて購入

割と薄めなのでサクッと短時間で読み終えられます。

なのですが、再読したいと思うか?と、問われるとイヤイヤ別に。と、思うわけです。

なんか攻めの貞操観念に信頼がおけない。それなのに、両想いになってすぐにヤるのかよ?
相手の好意につけ込んで性欲と承認欲求を満たしてきた今までと何が違うの?

攻めはもう少し自分自身を見つめ直してからにした方がいいんじゃない?
今までみたいに簡単に手に入れたらダメなんじゃないの?
受けも、そんななし崩し的に関係を持つのはやめた方がいいんじゃないか?

となりのきのこ農家のおばあさんのごとくお節介な心配してしまいました。

キャラ2人に好感がもてなかった。
2人の門出に不安しか感じない残念な私は、やはりちょっと感覚がずれてるのだろうか?と思ってしまった。



3

ストレスフリーで楽しい一冊。

依頼主にだまされて(半分は真実なんだけど)自分の作った魔術で、片思いしてる親友ミケーレを犬にしちゃったネロと、子牛サイズの犬になってしまったミケーレとの同居生活。
一番ツボったのは「シヴァ犬」(笑)
小中先生のネーミングセンスに平伏です。

それにしてもミケーレの清々しいまでのヤリチンっぷりときたら……!
ひどすぎて思わず笑ってしまうレベル。
人類皆、兄弟姉妹を目指してるのか?みたいな。

下半身はゆるゆるすぎてクズなんだけど、上半身はめっちゃまともなんですよね、ミケーレって。
そこがなんともズルいわ〜!
だから読んでて、このヤリチン男、死ね!!みたいな気持ちには全然ならない。

誰とでも寝るミケーレなのに、自分とだけはそういう関係にならない。
それを寂しく思いつつも、キラキラしてるミケーレと違って自分は垢抜けてないし友達でいられるだけで充分だ……と諦めている隠キャなネロのいじらしさと、厨二っぽさ。

さらっと読めて息抜きにちょうど良い一冊だと思います。
おまけして萌萌で。

3

ライトなラブコメファンタジー

ファンタジーだけど中高一貫のお坊ちゃん校とかヤリチン同級生にずっと片想いしてた根暗とか、限りなく現代日本に近いなんちゃってファンタジーだと思います。小中先生の遊び心満載で楽しんで書いていらっしゃる雰囲気がします。

私も最近エログロ刑事物BL小説にハマってたので箸休め的に軽くて可愛いお話が読みたかったのでちょうど良かったです。でも小中先生のちょっと辛めのドロドロ恋愛系の作品も好きです。作者も読者も甘いのと痛いのとメリハリをつけて楽しめるのがBL界の良いところですね。

コメディーとはいえヤリチン攻めが見た目は王子様系なのにそれまでにやってきた事が本当にクズな所が小中さんの作品らしいと思いました。根は悪い奴じゃないしちゃんと改心するとはいえ。そして受けは自虐で自分は根暗だって言ってるけど性的にはとってもピュアな子でした。カラフルなキャンディーの色でその日の運勢を占うのが乙女ちっくで良いエピソードでした。

シヴァ犬の描写がやけにリアルで可愛いと思ったら小中さん飼っていらっしゃるみたいですね。いつかうちの子をなんらかの形で作品に登場させたいと思っていらしたんでしょうか(笑)

最後は溺愛・甘々と言っても良い作風で犬好きにもおすすめの小説です。

6

好きだけど

小中大豆先生は作者買いするほど好きです。

今回は貞操観念ゆるゆるのミケーレを、どうやって改心させるのかがお話の肝だったと思います。
更に既に友達以上の関係を望んでいないネロの気持ちをどうやって前向きにするのか、途中までとても心配になりました。

「誰もが目を背ける醜悪な獣、破壊を司るシヴァ犬」にはクスッとしてしまいました。

常に後ろ向きで自信の無いネロが、途中からミケーレの態度が変わって来ても気のせいだとしか思ってなくてとても焦ったかった。

呪いを解く事が出来た後にミケーレが暫く来なかった理由は読者ならピンと来たと思います。

一途で誠実に変わったミケーレと愛されて前向きに変わったネロにもとても納得できました。何でも言い合える2人の関係も好きでした。

でも切なさが圧倒的に足りなかったです。
小中大豆先生作品の中で1番好きな「甘えたがりなネコなのに。」を超える作品がなかなか無いです。

3

結果作戦成功ですわね(≧▽≦)

魔術学校なるものがある、ファンタジーな世界。


受け様は、フリーの魔術師として生計をたてているネロ。
魔術の腕は天才級だけど、コミュ障ぎみ。
魔術のことを考えるだすと、寝食を忘れて没頭しちゃう魔術オタク。
だけど、なんともキュートなんだよなぁ(*^^*)

攻め様は、そんなネロの学生時代からの友人ミケーレ。
お金持ち伯爵の三男坊で、光輝く美形の明るい人気者。
まさに太陽のようなのだけど、下半身がユルい博愛主義者(;´д`)
ヤリチンで、そっち方面でトラブルが起こると、困って片田舎に住むネロの家に避難してくる。

ネロは、ミケーレのことが学生時代から好きなんだけど、友情が壊れるよりは、と友人の立場を守ってるのです。


そんな日々の中、ミケーレが憔悴しきって、ネロに助けを求めてくる。
とうとう恋愛事で人を殺してきたんだと思って、ミケーレのためどうするべきか脳内でいろんなパターンを考えてるネロ、かわいいやつめ。

でも、殺人ではなく、ミケーレは怪物の姿になる呪いを受けてしまっていた( ̄□ ̄;)!!
しかもそれってば、浮気性の婚約者の気持ちを取り戻したい、との依頼を受けて自分が作った呪いの魔法具のせいじゃないかΣ(ノд<)
夜はミケーレの姿だけど、昼間だけ変貌してしまう、その怪物の姿ってのが、まさかの『シヴァ犬』
空想上の生き物で狂暴で醜い、破壊と再生の『シヴァ犬』って‥( ・∇・)
なるほどなぁ、と笑ってうなりました( ^∀^)

罪悪感でいっぱいになりながら、ミケーレと同居して呪いを解くための鍵を作るネロ。
シヴァ犬の姿にも慣れ、もふもふを堪能しちゃったり、ミケーレとの生活は心地好い。


ミケーレは、ネロのかわいさ優しさに改めて触れ、呪いを解く鍵作りに真摯に取り組んでいる姿を見て、自分の真実の愛に気付いていく訳です( ☆∀☆)


ネロが自分を好きでいてくれる、との確信もなく、友情が壊れるかも、と不安になりながらも誠実に愛を告げるミケーレは、とても紳士でステキでした(*´∀`)


2人が恋人としてうまくやっていけるよう、お互い努力して変わっていこう、と無理はしないで頑張る様子は、そうだよね〜とニッコリ納得しちゃいました。


イラストは榊空也先生。
シヴァ犬がとってもかわいい(≧▽≦)
私ももふもふに埋もりたいです(^O^)






8

前半と後半"野獣"の意味が違います

今回は商会を営む貴族とフリーランスの魔術師のお話です。

魔術で獣に攻様になった攻様が奔放な付き合いを反省し、
攻様を獣にしてしまった受様が長年の片恋を実らせるまで。

受様は街の郊外に住むフリーランスの魔術師です。

受様は農村の酪農家の次男坊として生まれますが
魔術の成績がすば抜けていた事から名門私立高校、
王立魔術大学へと進学して高度な魔術を学びます。

そして半官半民の大手魔術機関に就職するものの
人間関係が不得手な受様はうまく立ち回れず、
フリーランスとして独立する事にします。

それでも受様は好きな魔術で生計を立てる事が
できているのでそれなりに充実した日々を
送っていました。

しかしながら魔術の世界に即入り籠める状況は
日々の買い物や家事を後回しにしがちな暮らしで
今受様が口にできるのは硬くなったパン、
隣の農家の差入れキノコ、わずかな牛乳のみです。

そんな受様の窮地を救ったのはとある事情で
ふらっと受様宅を訪れる友人の攻様でした♪

攻様は伯爵家のの三男坊です。
貴族の身分が煩わしいと街に事業所を構え
受様と同じ名門私立高校を経て名門大学を卒業、
知性にも申し分ない上に精悍な美貌の主で
明るく穏やかな性格のですが

とんでもなく手が早い上に
男も女も既婚も独身も見境なく来るものを拒まない
下半身ゆるゆるの博愛主義者でもあるのですよ (^-^A

なので色恋の厄介ごとを巻き起こしては
受様宅に避難してきてほとぼりを覚ましていたのです。

受様はそんな攻様に高校の時から片想いしていますが
攻様の美貌にも金にも身体にもなびかない
貴重の友人の位置をキープし続けていたのです。

今回もほとぼりが冷めた頃に帰っていきますが
次に受様宅にきた攻様は着の身着のままなひどい姿で
しかも攻様は日が昇るとともに巨大な牡牛ほどもある
毛むくじゃらの醜い化け物になってしまうのです!!

別れ話をしていた恋人に呪いを掛けられたと言うのですが
受様はとある女性に「恋人を犬に変える魔術」依頼を
受けていたのですよ Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

そう、攻様を犬に変えたのは受様の魔術だったのです!!

果たして受様は攻様にかけた魔術を解呪ができるのか!?

魔術師の受様が受けた依頼で友人である攻様が
醜い獣になってしまうドタバタラブコメディになります♪

タイトルの"野獣"、カバー絵や帯のキャッチから
呪いで獣化するからかな? と思って読み始めたのですが
攻様がイイ男なのにゆるゆる下半身持ちと知り
本能って意味で野獣!? とムフッ♡としました(笑)

受様は妊娠中だという女性から
浮気性の婚約者の心を取り戻すための魔術を求められ
受様はその相手を恐ろしい犬に変え
依頼者が犬を恐れず呪いを解くと魔術を提案します。

この世界の"犬"とは想像上の怪物であり
攻様は受様の魔術により
昼間は破壊と再生を司る"シヴァ犬"となったのです。

しかし依頼者は攻様の恋人の1人ではあるものの
婚約者でもなく、妊娠もしておらず、
挙句に犬となった攻様を見て百年の恋も冷めたと
解呪の鍵まで燃やしまうのですよ。

受様は攻様に自身が魔術者だとは言えないままに
攻様を匿いながら新しく鍵を作って解呪を目指すという
受様ぐるぐる状態にワクワクするとともに

2人がどうやって恋仲にまでなるのか!?と
ドキドキしつつ、とても楽しく読ませて頂きました♪

大型ワンコな攻様の犬耳ペタンとか尻尾ふりふりとか、
受様のもふもふシーンもモフ好きには
とても美味しかったです (^-^)/

6

ゆるゆる

先生買い。めっちゃ面白かった。2回ぐらい、読み進められない程、笑いました。記憶に残るか?と言われると「?」と思いますが、とにかく楽しかったので神にしました。本編220P弱+あとがき。楽しいのを読みたい!と思うファンタジーOKな方におススメしたいです!

街の郊外、辺鄙なところに一人住んでいる魔術師のネロ。大好きな魔術の研究・開発に勤しんでいて、自分の食べ物が底をついていることもすぐ忘れてしまうような方。そんなネロを時折訪ねてくるのは伯爵家三男坊のミケーレ。キラッキラ超イケメン&超ゆるゆる下半身を持つ高校時代からの親友で・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
キアラ(攻めの恋人の一人)、攻め伯爵家の執事、受けの家のご近所さんぐらいでは。ほぼほぼ二人だと思います。

++とにかく面白かったところ

キラッキライケメンが、イケメンなのにちょっとズレているところに、めっちゃツボったんです。
例えば冒頭のエピソード。「貴族の御婦人と不倫してたんだけど」(不倫してたんかい!)「旦那が押しかけてきて」(うんうん)「旦那は旦那で「私とこの女、どっちを取るんだ!」って迫って」(は?え?両方とやってたんかい!)「どうにもならないから逃げてきちゃった」→爆笑。このゆるゆるヤリチン男め。ここでまず笑いが止まらなくなって、一旦休憩。これP16。

キラキライケメン、三男坊愛されイケメン。実家は伯爵家だし、色々言い寄ってもくるよね。色んな方に愛され、「愛を返さなきゃ」というところなんでしょうか。ひょうひょうとお上品にやりたい放題。傍から見ている分には面白いことこの上ないですが、本気で好きになったら地獄ですね。

で受けさんはどう思っているかというと。
自分がコミュニケーション下手な陰キャですし、魔術で食っていければまあいっか、たまに攻めさん退避のために来てくれるしなと思っているので、全く悲壮感がない。全体として笑うしかないテイストです。

また設定が「おお!」でした。受けの作った魔術で攻めさんの変身したのが「シヴァ犬」。犬=空想上の怪物という設定。ここでも笑いが止まらなくなって一旦休憩。どう考えてももっふもふ、お腹に顔を埋めさせてほしいと思う大好物もふもふなのですが、ご本の中の二人は「毛がごわごわしてる」「角のような三角の耳」「こんな醜い生き物見た事がない」と真剣にお悩み中。先生、ほんと上手い事考えたなあ・・と大笑いしました。

お話はそんなに難しく感じられず、ひたすら笑って、受け攻めの恋心にくふふっとほくそ笑むもので、本当に気分転換にめっちゃ良かったでした!榊先生の挿絵もぴったりに思います!

6

破壊と再生とモフモフ

笑い、ハラハラし、名探偵コナンなみに推理し、ハズレるも泣き、盛りだくさんでした。
シヴァ犬が醜い怪物扱いなのが面白いやら解せぬやら。
でもネロだけはシヴァ犬を可愛くてモフモフして抱きしめて。

ずっ友だと思っていたら…。

ネロの太陽、超イケメン貴族のミケーレ。
高校一年生からの親友です。
ミケーレと友達になりネロは初めて友のありがたさ、豊かさ、世界の広がりに気付きます。
そして恋も知ることに。

あー、新刊はどこまで書いたら大丈夫か迷う。
自分が想像した展開ではなくて、でもクライマックスでは泣けて泣けて。
ミケーレはなんて良い人なんだ!
そしてネロよ、妄想が役に立って良かったね!

あとがきにヤリチン美形貴公子(下半身博愛主義とも言う)とこじらせ魔術師とあります。こじらせ具合は可愛いかったです。

あれよあれよとなりミケーレが足を開いてくれとの頼みに応えるネロに素敵だと言ったのには特に笑いました。

途中までは「奥様は外法使い!」を連想しました。

5

『ヤリチン』って……

ヤリチン……
なんか久々に聞いた単語なんですけど。
それだけじゃないの。
このお話の攻め様、ミケーレは『爽やかなヤリチン』『太陽の様なヤリチン』『人格者でヤリチン』なんですよぅ。
なにこれ。
普通、並ばない単語の組み合わせで構成されている。
これがね、私は最高にツボったんですよ。

お先に書かれた姐さま方が大層美しくご紹介されておりますので、細かい所は吹っ飛ばした『このお話の好きな所』を書きたいと思います。

私、昔からね『美女と野獣』は道徳的なお話としては破綻していると思っていたんですよ。だって、王子が野獣に姿を変えられた理由が『見た目で人を判断し、その本質を見誤ったから』ということなら、美しくない娘に心を奪われなければならんのではないかと思うんですよね。

そもそも美しさの基準なんて時代によっても社会によっても異なるし、好ましいと思う容姿だって人によって幅があると考えれば『美しい娘』っていう概念自体がうさん臭くもある。

で、このお話は私が以前から思っていたそのあたりの疑問をね、晴らしてくれちゃったりしたんです。
それも大変お上手に。

恐ろしいはずの『伝説の怪物』だって、その中身を好ましいと思えば全然怖くなくて、むしろ愛らしいってことなんですよ。『だらしないオタク』は別の見方をすれば『何も目に入らなくなる位集中力がある』人になっちゃうんですよ。

あとね『長いこと愛し合い続ける為には無理をすべきでないし、ええかっこしいもやめた方が良い、の法則』もやんわりとですが明確に書かれています。
これもね、かなりの真理だと思うのね。

人付き合いが苦手で、世間からちょっと浮いた存在が初恋を叶えるという、いかにも乙女ちっく(BLなのに!)なお話なのですけれども、あらすじの裏側で控えめに流れる主張はとても気持ちが良かった。

何と言っても冒頭に書いたことを始めとして、笑えるのが良いです。
コメディベースのBL小説って減っている様な気がするのですよ、最近。

7

笑いあり、萌えあり、切なさありの神作品。

作家買い。
小中作品はほぼほぼ読んでいますが、今作品が一番好きかも。

めっちゃ可愛いの。
小中さんはシリアス寄りな作品も書かれますが、こういうほのぼので優しいお話も描かれる。凄い引き出しが多い作家さまだなあと感心します。

貴族の三男で、絶世のイケメンで、モテ男(作中はヤリチンと称されているのがまた笑える)のミケーレ。
そんなミケーレに恋してしまった魔術師のネロ。

モテ男のミケーレの心を掴むために一人の女性がネロにとある魔術を依頼するが、その依頼が発端となってミケーレは呪いをかけられることになり―。

というお話。

いつもながら驚かされるのが、その圧倒的な文章力。
読んでいて、文章が目の前で画像として浮かび上がってくる。ストーリーがネロ視点で書かれているので、自分がネロになったかのような錯覚を覚えます。

魔術に没頭し、生活はずぼらで、けれど一生懸命にミケーレに恋をし。ネロの、ミケーレに対する感情の機微が実に細やかに描かれていて、さらにネロが完璧すぎないのもまた良い。だからこそ、読者の共感を呼ぶのかも。

ネロは自分がミケーレと釣り合う人物ではないことを自覚している。
友人という立場で良い。
ずっと、ミケーレの傍にいることができたなら。

そんな一途な恋心を秘めている一方、そこかしこに撒かれているギャグもまた良い。そのバランスが絶妙で、ホロリときたり、爆笑したり。もう、小中マジックに翻弄されまくりのストーリーなのです。

ミケーレが魔術で姿を変えられてしまうのですが、その「姿」が…!
恐ろしい生き物、として描かれていますが、その「生き物」が…!

もう爆笑。
そうきたかー!

序盤にネロがモフモフを求めて猫を飼うことを検討するシーンがありますが、それがきちんと前振りになってるのも素晴らしい。その生き物に姿を変えられてしまったミケーレの感情の機微を描くツールとしてケモ耳やしっぽが使われていますが、その使い方も秀逸。

ミケーレが何の姿に変身させられてしまうのか、ぜひとも手に取って確認してみてほしいです。

で。

榊さんの挿絵がこれまた良かった。
可愛くって、綺麗で、そしてモッフモフ。
この作品の持つ世界観をきちんと描き切っていて、とっても良かったです。

実は、読み始めたとき、攻めのミケーレが今一つ好きになれなくて。
下半身ゆるゆるのヤリチン、という設定が個人的にあまり好きじゃない、ということもあるのですが。

そのミケーレが、終盤に近付くにしたがってナイスガイになっていく。
それはネロのおかげももちろんあるんです。
あるのですが、まあ、これが小中マジックなんでしょうね。

なぜミケーレが「そう」なってしまったのか、そういった彼のバックボーンがきちんと読み取れる。そして、ネロのおかげで少しづつ愛を知り、誠意を知っていく。その過程が描かれているためかと思われます。

笑いあり、萌えあり、切なさあり。
そのどれもが絶妙なバランスでミックスされた作品。

めっちゃ良かった。
文句なく、神評価です。

13

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