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表題作催淫姫

端田慧斗,輸入関係,不思議な能力を持つ家系
平 姫之,大学生

あらすじ

「この暗示を解いたら、
君は淫らになってしまうよ」
封じられていた記憶と快感が、
年上の幼馴染みによって蘇る――

どうして毎晩見知らぬ男に抱かれる夢ばかり
見るんだろう――突然始まった淫夢に悩む
大学生の姫之。そんな時に再会したのは、
十二歳年上の幼馴染み・慧斗。親に内緒で
家に遊びに行っては可愛がってくれた、
大事な人――。なのに、なんで今まで
覚えていなかったんだ…? しかも今度は
慧斗と睦み合う夢まで見てしまう!!
隠し通すつもりが「最近、変な夢を見ていない? 」
となぜか見透かされ!?

作品情報

作品名
催淫姫
著者
西野花 
イラスト
古澤エノ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010170
2.8

(18)

(3)

萌々

(0)

(8)

中立

(6)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
45
評価数
18
平均
2.8 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数3

二転三転するストーリーに引き込まれました

作家買い。
西野さん作品で、このタイトル。んー、エロそうだなあと思いつつ手に取りました。

うん。
エロいんですよ、とっても。
西野さんらしいエロ満載な作品ではあるのです。

が、面白かった…。
二転三転する展開で、結末がどうなるのか気になってページを捲る手が止められませんでした。

普段ネタバレ上等でレビューを書くのですが、この作品はネタバレしちゃうと面白さが半減してしまうと思いますので、なるべくネタバレしないようにレビューを書こうと思います。




主人公は大学生の姫之。
その名の通り綺麗なビジュアルを持つ彼はとてもモテるが、どうしても恋人に対して性的な欲求を抱くことができない。

そんな自分に辟易していた彼は、自棄になったこともあって声をかけてきた男についてホテルまで行くが直前になって怖気づいてしまう。無理やりホテルに連れ込まれそうになった姫之だったが、そんな姫之を助けてくれたのは、かつて彼が田舎に住んでいた時に仲良くしてくれていた慧斗という男性で―。

というお話。

恋人と性的な関係を結べないことも姫之の悩みではあったが、それと同時に違う悩みも抱えている。それは、見知らぬ男に抱かれ快楽を拾っている自分、の夢をよく見ること。

そんな姫之の悩みを、慧斗はあっさり言い当ててしまう。

そのことに気を許したこと、そしてかつて親しくしていたこともあって、姫之は慧斗に一気に惹かれていくが。

西野作品のエロって、こってりしてる、ていうのかな。
甘々で、ホンワカしているというよりは淫靡な感じ。その淫靡さと、姫之の悩みが上手くリンクしてエロいのにどこかほの暗い感じが付きまとう作品です。

慧斗は、果たして姫之の味方なのか、それとも―?

オカルト的なホラーではありませんが、この作品は一種のホラー作品の様だなと思いつつ読破しました。

人の欲望。
自分の欲のためなら、何を踏みつけにしてもかまわない。

そんな人間のダークさがきっちりと描かれていて、それ故にもしかしたら読み手を選ぶ作品かもしれません。特に、子どもが性的に搾取される描写があります。詳細な描写はありませんが、そういった展開が苦手な方は注意が必要かもです。

凄く面白い(と言うと語弊があるかもしれませんが)作品でした。ストーリー展開としては読みごたえがある。

が、うーん。
西野作品なので仕方がない、というか、それを望まれる読者さんが多いのかもしれませんが、これほどエロてんこ盛りにする必要があったのかなーと思ったりしました。慧斗と姫之が身体を頻繁に重ねる、その理由はきちんとあります。二人の濡れ場がエロくなる、その必然性も。

でも、ここまで濡れ場のページが多くなくても良いんじゃないかな、と。正直二人の濡れ場は斜め読みしてしまったほど。多すぎて食傷気味になりました。

が、様々な伏線を回収しつつ進むストーリー展開はさすが。
少しずつピースが嵌まり、鮮明に明らかになっていく事実。その西野さんの手腕に圧倒されました。

それと特筆すべきは古澤さんの挿絵。
どちらかというと可愛らしいほのぼのな挿絵を抱える絵師さまのイメージが強かったのですが、この作品の持つ淫靡な香りというか病んだ世界観をきっちり描かれていて、萌え度は確実に上がりました。

評価で悩みましたが、ちょびっとだけオマケして神評価で。

6

エノ先生挿絵だったので購入。西野先生らしいお話だと感じましたが、攻め受けともタイプでは無かったので中立にしました。一部の方には地雷ではと感じるものがありましたので、ご確認いただければと思います。雑誌掲載された本編110Pほど+その続き2編100P超+あとがき。

キレイな顔立ちでモテはするものの、どうにも女子と付き合う気にならない姫之(ひめゆき)。数合わせで参加した合コンの帰り、なんだか投げやりになっていた時に、同じ合コンに参加していた男と「試す」ことになったものの、ホテルに入る直前に無理だと思い・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
前島(受けの元カノ)、新田(くず)等。

++ 攻め受けについて

攻めさんは催眠療法?できる、ちょっとした異能持ち。めっちゃ酷い目にあった受けさんの記憶をすっぱり消してしまっています。お仕事もまあ成功しているようで、いわゆるスパダリに分類される方なんだろうなと思うのですが、きゅん♡する箇所が無かったでした。カッコいいなあと思う、ツボる箇所があると良かったのだけどな。

受けさんは少年時代にひどい目に遭わされて、すごく気の毒。個人的には犯人どもを社会的に抹殺したいと思うのですが!量刑は軽いんですかね?!大学生になって、その元加害者が大学助手となっていて再会するんですよ、教育現場に前科、しかも性犯罪の加害者?!無いわ!!!!!!と思いたい(涙)

トラウマで苦しんでいる様子はあるのですが、時間たっているからか途中記憶なかったからか、悲観して死にそうになっているというまでは無いように思えたので、まだ救いでした。攻めさんがその記憶を消さんばかりにどろどろに愛しているから、助かっているのかも。ただ受けさんもキュンとくる何かを見いだせず、しかもお話的にあまり得意じゃないものだったので、申し訳ないです、中立でした。エノ先生描かれる姫之は綺麗なんだけどな。

4

う~ん、期待が大きかったかな…

2021年刊。
"催眠"といったキーワードに食指が動き、久々に西野さん作品を読んだ。
う~ん、タイトルからしてどんだけヤバいんだ、疚しいんだ、いかがわしいんだといった期待が大きかった分(どんな期待を寄せてんだよ(-_-;))、肩透かしを喰らったな。
姫之の感じやすい反応は相手を悦ばせるばかりだし、その相手・慧斗もやたら絶○だし、単なる年の差ラブラブカップルじゃん。

彼らがかつて住んでいた故郷も、因習めいた云々とかの捻りが伺えない。
そこを取り仕切る地主のせいでろくでもない田舎なだけだった。
母親もね、姫之にあんな気の毒な過去があって一家が土地を離れたという経緯があったなら尚更、親戚の葬式だろうが彼を連れて行くのはおかしい。

でもまあ姫之が、厚顔無恥な地主のドラ息子・新田と再会しても怖がるばかりでなく慧斗に相談できた事と、新田の下衆な態度に負けたくないと勇気を出したのは良かった。
慧斗の実家・端田家の生業や代々どんな過去を秘めていたのかは気になるところだが、異端の能力の一家よりも私利私欲にまみれた新田家のほうが業が深い。

慧斗が本当に幼かった頃の姫之に手を出していたのか?、ってのは自身での告白頼りで真相は曖昧だ。
ギリギリのところで踏みとどまっていたのだろうか?
それでも充分にアブナない大人だけどさ。
姫之を常に気に掛けていた本心から、彼が悪い男じゃないと信じたい。

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