冷静沈着な敏腕刑事×特殊能力を持つ新米刑事の、耽美的警察BL、上下巻同時刊行!!

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表題作スティグマタ‐愛痕‐ 上

黒岩大人,警視庁特捜第六係のリーダーで警視
朝子南,24歳,警視庁特捜第六係の巡査

あらすじ

警視庁特捜六係・朝子巡査は、殺人現場に残された死者の『残留思念』に反応し、死者の傷とその苦痛を自身の体に再現してしまう特異体質の持ち主。
目付け役の黒岩警視とともに、その体質を使った捜査に日々励んでいた。
そんなある日、黒岩の元妻・真理が殺されたという知らせが入った。
黒岩は彼女の最期を知るために、朝子を連れて殺人現場に向かう。
そこで真理の残留思念に反応した朝子は、背中に突然現れた傷から大量の血を流して倒れこんでしまう。
朝子が見た、真理の消えゆく意識に現れたのは彼女の元夫・黒岩の顔だった。
それから朝子の中に灯った、ある“思い”──それは、真理の残留思念なのか、それとも……?

作品情報

作品名
スティグマタ‐愛痕‐ 上
著者
高橋秀武 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
発売日
電子発売日
ISBN
9784834264869
4.6

(65)

(45)

萌々

(20)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
305
評価数
65
平均
4.6 / 5
神率
69.2%

レビュー投稿数12

『スティグマタ』がBLになって帰ってきました

2015年に刊行された『スティグマタ─聖痕捜査─ 』。
ストーリー自体面白いのですが、におい系といっても差し支えのない萌えもがっつり詰まった神作品でした。それがBLジャンルで刊行されるということで、電子も何話か買っていましたがコミックス化されるのを今か今かと待ちわびていました。

『スティグマタ─聖痕捜査─ 』が未読でも理解できないことはないと思いますが、できれば前作も読んでからこちらを手に取ってほしいなと思います。理由は後程。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。






主人公は警視庁特命捜査対策室第六係の朝子くん。
朝子、という名前ですが、ラストネームが朝子(ちなみにファーストネームは「南」)の成人男性です。

彼は生まれつき特異体質を持っている。
それは、亡くなった人の残留思念を感知し、その人が亡くなったときの状況を「スティグマ(=聖痕)」として彼の肉体が再現してしまうという特殊能力。
つまり、亡くなった人がいた場所、その時に持っていたもの、そういうものを目の当たりにすると、彼の身体は自分の意志とは関係なく死の状況を再現してしまうのだ。さらに、被害者になり切ってしまうために朝子くんの感情もまた、被害者のそれへとリンクしてしまう。

その体質故に彼は家族からさえも疎まれて生きてきたが、警官になったのち、その状況を黒岩さんがつぶさに観察し、そこから事件の解決を試みるという事件の解決方法をとることで朝子くんは生きる意味を見出すことができた。

この二人と、そして第六係に所属している同僚、そして黒岩さんの同期の捜査一課の刑事である大門警視と共に事件を解決していくが、事件が解決すると、その痕は綺麗に消えてしまう。

ここまでは前作『スティグマタ─聖痕捜査─ 』でも描かれていた内容。
新シリーズになり、新たな事件が起こる。

それは、黒岩警視の元妻・真理が殺害されるという凄惨な事件だったー。

『スティグマタ─聖痕捜査─ 』でも、朝子くんが黒岩さんに対して信頼できる上司という想いだけではなく淡い恋心を抱いているのでは?と思う描写が若干あったりしますが、今回の被害者が黒岩さんと妻だった女性ということで、朝子くんの中に湧き上がる感情が朝子くんと真理さんの「黒岩さんへの想い」に視点が当たっていきます。

朝子くんの中に生まれた、黒岩さんへの特別な想いは、真理さんの想いなのか、はたまた朝子くん自身のものなのか?

黒岩さんと真理さんの過去。
朝子くんの、黒岩さんへの想い。
そして、真理さん殺害の犯人は。

恋愛感情と事件という、その二つを軸に進むストーリーですが、これがめっちゃ、

面白い…!

設定が特殊ですが、その設定が上手に生きてるっていうのかな。
『スティグマタ─聖痕捜査─ 』の時は完全に事件解決に照準が当たっていて、それ故に凄惨さとか人の闇を多く描く作品でしたが、今巻は被害者が黒岩さんの元妻なだけにそこに恋愛感情が絡み、BLとしての萌えがきちんと存在していきます。

前巻はあくまで非BL作品だったのですが、だからこそそこに二人の恋愛感情は存在していません。それが、今シリーズになり二人の想いの変化がつづられるようになりました。前巻を読んでいた方がその違いが鮮明に読み取れるために、より一層面白く読めるかと思われます。

朝子くんのぐるぐるともがく彼の恋愛感情に萌え滾りましたが、そこに黒岩さんが発生源の萌えも大量に放出されています。

カッコ良い…!

黒岩さんは常に冷静沈着なクール男子。
取り乱すこととかあまりなくて髪もぴっちり、スーツもきっちり着こなすイケメンさん。その彼の若かりし頃の描写(真理さんと出会ったころのお話)とか、寝起きとか、スーツに着替えるシーンとか、え、これってボーナス特典ですか?っていうくらい可愛いの。

で、おそらく高橋先生って昭和がお好きなんじゃないかなと常々思ってるのですが、その昭和感がいい意味で滲み出てるっていうのか。古臭いっていう意味じゃなくて、ノスタルジックっていうか色っぽいっていうか…。上手く表現できないのがもどかしいッ!

まあ、控えめに言って最高、という。

1巻は事件解決のために一緒に住み始めたところまで。
真理さんの事件の未解決、そして二人のまだ形にならない恋愛感情。
そういった部分までが描かれています。

これ、上下巻まとめて購入されることをお勧めします。
上巻だけ買ってくるととんでもない寸止めプレイになること必至です。

6

君が真理になってしまえば、君がいなくなる

非BLで発売されているスティグマタ-聖痕捜査-の続編です。前作を見ていなくても楽しめますが、読んだ方が朝子の体質についてより理解できます。
前作は紙で購入したかったのですがどこにも在庫がなく、電子で購入しました。

 警視庁特捜六係・朝子巡査は、殺人現場に残された死者の『残留思念』に反応し、殺された人と同じ傷や感情、見えていたものなどが見えてしまう特異体質。
 この体質のせいで小さい頃から人が死んだ場所を通ると体から血が吹き出したりするため、きみ悪がられ居場所がなかった朝子ですが、六係では目付け役の黒岩警視とともに、その体質を使った捜査に日々励んでおり、ここが自分の居場所だと、自分を犠牲にしながら捜査をしていました。
そんなある日、黒岩の元妻・真理が殺されたという知らせがはいります。黒岩は彼女の最期を知るために、朝子を連れて殺人現場に向かいますが、そこで真理の残留思念に反応した朝子は、大量の血を流して倒れこんでしまいます。朝子が見た、真理の消えゆく意識に現れたのは黒岩の顔でした。
 真理の残留思念が体内にある朝子は頻繁に黒岩に愛される夢を見ます。黒岩に好意を抱いている朝子ですが、夢の中で愛されているのは自分ではなく真理であり、黒岩への感情も自分のものなのか、真理のものなのか苦しみます。
 そんな状態の朝子を見かねた黒岩は、人に触れられている間は残留思念が発動しないことから、真理の事件が解決するまで一緒に暮らすことを提案し・・・

 上巻は朝子の気持ちを考えるとすごく辛いです。自分を抱きしめる黒岩は果たして自分を抱きしめているのか、真理を抱きしめているのか。

 それぞれの感情が丁寧に描かれており、間違いなく神作でした!!

1

絢子ちゃん可愛い

秀武先生の作品は、秀武先生にしか描けないものを読んでいるという感覚を強く持てて大好きです。ちょっと昭和上期の雰囲気を感じるところもあり。
まず聖痕というタイトルからセンス爆発です。深夜の変な時間にやってるドラマ枠で見たい!昨今のブームに乗っかって、男女ではなく男同士でこのシナリオでできないものか。そもそも先生の作品、かつて「トクボウ」がドラマ化してるんですよね。商業誌連載作家でもあり、異色の存在…
お恥ずかしながら「スティグマタ─聖痕捜査─」の存在を知らず、こちらを先に読んでしまいました。先達のレビューで知ったので、読みます!

0

前作からの再読

まず今作を読了し、とても良かったので前作である『スティグマタ ー聖痕捜査ー』を読み、またこちらを再読している感想です。(初読の感想は下巻の方に)

当たり前ですが、前作を読んでいた方が二人の関係が徐々に近づいていくのをより丁寧に感じられました。BLではラブでない部分は省かれることが多いので、信頼関係を築くところやスティグマの詳細など、今作のバックボーンが知れて良かったです。再読ではさらにストーリーに入り込めました。

黒岩さんの元妻が殺害された事件ということで、朝子くんがスティグマによって黒岩さんへの気持ちに揺れるところとか、とてもキュンとしました。黒岩さんとの関係、黒岩さんの気持ちも少しずつ変化していくのが読者としてはたまらなくじれったく、応援したくなりました。前作からの雰囲気だけではない『ラブ』にときめを感じます。BLだぁ~!(笑)

ぜひ前作と合わせて今作を読んでみてほしいです。

0

僕の感情?あなたの記憶?

これは…、すごいです。
異色の刑事ドラマを観ているような気持ちになれつつ、しっかりとBL。
高橋さんの作画が持つ独特な雰囲気も相俟って、ぐいぐい世界に引き込まれました。

警視庁特捜六課。
被害者の残留思念を自分の体に再現するという特殊能力持っている朝子。
彼の体質を事件解決に役立てるかどうかを見極めるべく、上からお目付役に据えられた黒岩警視と共に事件捜査をする日々。

ある日、女性の他殺事件が発生。
被害者の吾田(あがた)真理は、黒岩警視の別れた妻で…。

という始まりです。
刑事もの、特殊能力系の話が好きな方は、確実に最初から引き込まれまくりですよ。
現場で被害者の感情を感じ取るというドラマ、ありましたね。
朝子は感情だけでなく、傷もすべて体に受けます。
だから当然血も流れるし、相当な怪我もする。
だけど、事件解決と共に、それが薄れていくという設定。
幼い頃から、この体質のせいでひとから奇異な目で見られ、遠巻きにされてきた朝子にとって、自分が誰かの役に立てるかもしれないこの仕事は大切。
そのためなら、自分が傷を受けようが、苦しもうが、構わないという子です。

そんな中で起きた黒岩警視の元妻の殺害事件。
淡い恋が芽生えた瞬間、別れのとき。
回想が何度か挟まれるのですが、ここが何とも切ない。
特に高校時代の回想シーンは、泡にようにぽわっと消える思い出の表現力が素晴らしくて。
真理の残留思念を意識に宿した朝子の気持ちが、より切なさを増す効果がありました。

捜査もしっかり描かれていますが、メインとなるのは黒岩と朝子です。
薄れゆく意識の中で真理が最期に思い浮かべたもの。
その思念が朝子に見せた夢。
真理の想いを知った上での朝子の気持ちの変化が、もう切ない!
事件解決まで思念が抜けない朝子を気遣って、黒岩の家で同居を始めるのですが、黒岩の優しさが嬉しい反面、その優しさは自分に向けられたものではない。
黒岩のためなら、自分を消して真理の想いに心も体も渡してもいいとまで思うのが、つらくてつらくて。
自分の感情なのか、真理の想いなのか。
そして黒岩が見ているのは、真理なのか、自分なのか。

ただ、読者は朝子の気持ちだけでなく、黒岩の気持ちも読み取れてしまうわけで。
その辺りが下巻で描かれていくのだと思います。
上巻を読んだ時点でレビューを書いているので、ずっとソワソワ。
早く読みたい。
行ってきます!

6

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