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宮沢賢治の詩集「春と修羅」をオマージュにしている点がおもしろかったです。
・ハルのモノローグがポエム
・ハルがガラス玉のような目をした空虚な存在
・彼岸(死)への憧れを持つ
・篝はハルの神様(修羅)になりたかった。その姿が修羅(暴力)
・ハルの心の中にも修羅がいる
・篝の唯一の理解者である兄が死んだ(賢治で言うところの妹の死)←と見せかけて兄は死んでおらず、理解者でもなく支配者だったというのがなんとも…
・宮沢賢治が同性愛者だったかも説があるのも関係しているのかな
他にもあると思いますが。
春と修羅からの詩の引用もあり、キャラの心情を詩的に描かれていたように思うのですが
でもどうも他があまり刺さらなかったのは
・2人とも地に足が着けられないのは生い立ち、境遇、思春期、生き急いでいる、恋をしている…からなんですよね
・あとがきで説明がありましたが、いろいろ複雑に絡まっているように見えて結局は恋だったと。春(ハル)は恋。シンプルでいいと思いますが、信仰とか支配とか呪いとか大層なことを見せられてそれか〜と拍子抜けしたのが正直なところです
・篝、ハル、恒…そういうお年頃か性格なのか、こそばかったです。前髪が長すぎ、流し目、うっとりお芝居チックなところが入り込めず、ずっと引いて見ていました
『鵺の啼く夜に』が最高で、この作品途中まで読んでちょっと不安になって寝かしちゃってました。あれ?意外と普通なのか?と。miso先生が好きなあまり普通だぞと思いたくなくて。最後まで読んだら、好きだなと思えたので本当に安心した。読んでて信仰の話だな、と思うBL作品もままある(そんな作品も大好き)けど、恋愛の話と言い切ってるのが面白い。攻めと見せかけて受けが修羅への案内人であるって構成がうまい。
本編を読んで抱いた感情があとがきで答え合わせ出来る作品が好きで、『鵺〜』もそうでしたけどあとがきのmiso先生の語り口がツボです。
miso先生の描くストーリーは本当に面白い。独特で、他では味わえないものがある。
闇を抱えて底で蠢く、どこかで諦めていなが
ら熱い何かを探し求めて狂っていく様子が素晴らしい。
最後は、大団円。
ネタバレ無しでおすすめしたいな。
主役のハル・篝以外だけではなく、恒・母・ピアノの後輩と、登場する意味がきちんと描かれていて、最後には全てきちんと回収されて物語が終わっている。
miso先生、デビュー作もとんでもなく素晴らしかったけど、今後も目が離せない作家さんの1人です。
…と思いながら読んでたんだけど。
途中までは篝の「live fast, die young」な病んだ疾走感が凄かった。
隣にいるハルは巻き込まれている体で実際はうつろに眺めてる。
その事で篝がより破滅的になっていくところが読み取れて、2人の行き先は破滅・自爆・消滅…とにかくそんな悲劇的結末しかないように思えてザワザワしながら読んだけど。
後半急に光側に舵を切るような展開で。
読後感から考えればその方が良いけれど…
前半あれだけヒリついてたのに、後半立ち直っちゃうの?みたいな。
バランスが取れてないような気もする。
篝の持つコンプレックス、兄に操られていた事、そこからくる無力感、恐怖感。
それらが篝の行動の元だったわけだけど。
そこに現れた大人しいハルの方が篝の暴力性をより引き出してしまった…
ハルの側の空虚さ、実は炎を求めている心の内の方をあらわにしていく。
篝側からハル側に焦点が変わり、物語の見え方もガラリと変わる所が本作のキモなのかな。
「egg or chicken?」
同時収録作はデビュー作だそうです。
同じ施設で育ったニコイチのリョータとアジヨシのストーリー。
要は離れ難い2人が育てる優しい共依存、みたいな?
お前とオレと。
体と心と。
たまごとニワトリと。
もうどっちが先でもぐるぐる愛が回るだけ。意外な面白さがあり、コレ好きです。
唯一無二で異彩を放つストーリーに圧巻!!
情報も文字もキャラクターも過多なのに不思議と自分が透明人間の様に物語に入り込んで読んでいる。そして、いつの間にか身体中がヒリヒリ灼かれているのが後から気付く。
派手に暴れ回る子のがパッと見、悪い子認定しやすいが、中には虫も殺さない様な美しい
顔の下に修羅を上手く隠して、いつの間にか自分自身すら騙して、流されて生きてるよに見える子のが、きっと『コレ』と思う修羅を見つけた時、共依存か、女郎蜘蛛か雌の蟷螂様になりそう。
自分で読んでいても、言葉では説明するにはとても不思議な作品。
Cモアさん、修正、ライトセーバー。