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表題作全寮制櫻林館学院~ルネサンス~

受様を手に入れる為に子羊を屠る副会長・奥園蓮
生徒会長になる為に攻様とある密約を交わす・白伊香月

同時収録作品我が谷は緑なりき

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ソルトラムと呼ばれる学院のエリート集団のメンバー・白伊香月は、尊敬する兄達に倣い生徒会長になるのが目標の優等生。
そんな香月を、幼馴染の奥園蓮は奔放すぎる性格と振る舞いでいつも困らせてばかりいた。
ある日、生徒会長を選ぶための秘密の伝統行事『子羊狩り』が開催されることに。
『子羊狩り』の内容に戸惑う香月は、蓮にある取り引きを提案されるが―。

作品情報

作品名
全寮制櫻林館学院~ルネサンス~
著者
雪代鞠絵 
イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
全寮制櫻林館学院 ゴシック
発売日
ISBN
9784344808447
4

(28)

(14)

萌々

(5)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
110
評価数
28
平均
4 / 5
神率
50%

レビュー投稿数5

高潔で不器用な女王さまと、策士で問題児な騎士さま

シリーズ2作目と知らず、これから読み始めましたが、これだけでも楽しめました。

カトリックの、全寮制中高一貫男子校が舞台。ソルトラムと呼ばれるエリート集団に属する幼馴染2人が主人公です。
エリートなのに問題児な蓮×潔癖で優等生な香月
生徒会副会長と生徒会長の下克上です。


元々、無意識に惹かれあっていた幼馴染2人。嫉妬したり、庇ったり、放っておかないのに、中々くっつこうとしなくてじれったい!潔癖な香月に、蓮はずっと真正面から向かう事ができません。子羊狩りをきっかけに取り引きを持ちかけて、いつも自分を叱る香月を従わせる蓮。潔癖で、優等生で、慕う兄弟に近づく為に自分を追い詰める、いつもギリギリな香月には、もっとリラックスしていいんだよ、と声をかけたくなります。そして、蓮が、香月をかまって虐めて可愛がりたくなる気持ちがわかります…!
あるキッカケで、その張り詰めた糸が切れて崩れ落ちそうな香月を、救おうとする蓮がカッコいい。

2人の恋は、結果、後輩で子羊の真琴を傷つける事になります。無垢で2人を慕う真琴の、裏切られたと知った時の台詞が、あまりにも可哀想でした。香月の、真琴を想う気持ちが、懺悔が苦しい。

綺麗なハッピーエンドとは言えませんが、私はこのお話、カップルが好きです。展開はほの暗いのに、キラキラして一生懸命な2人が愛おしいです。
ソルトラムのメンバーも個性的だけど皆いい子で、思い合って支え合っている関係性も素敵でした。

某カトリック系少女小説が昔大好きで、このお話を読んだ時、その少女小説を思い出してめちゃくちゃトキメキました…!カトリック系学園ものが好きな人はたまらないと思います。

3

ルネッサ~ンス

全寮制櫻林館学院~ルネサンス~はゴシックの続編。
白伊香月と奥園蓮の恋のお話。
前作より過去のお話なので前作を読んでなくても楽しめます。

前作の3年生がどういう風に「子羊狩り」を体験したのか、なぜあのゲームは継承されるのか、香月先輩が捧げてきた子羊に対する祈りの真相が描かれてます。


これを読んで、前作の恋がかなったことがどれだけ喜ばしいことなのか再認識しました。

香月先輩がどんな思いで生徒会長になったのか…もう、辛すぎます(;_;)
でも、そんな香月先輩を時には身勝手な性欲で、時には優しすぎるほどの愛情でくるんでくれる連先輩にメロメロ!
確かに犠牲者にも加害者にも心の傷がのこってしまうゲーム。
だけど、それを否定するのも肯定するのも相手を傷つけてしまう。
そして、その傷を必死に懺悔する姿が美しかったです。

1

犠牲の伴う愛。

「全寮制櫻林館学院~ルネサンス~」
ソルトラム2年自由奔放・奥園蓮×ソルトラム2年冷静沈着?・白伊香月
幼馴染みな2人の物語。
何をするのも自由人な蓮と型にハマりっぱなしというかカタブツな感じの香月。
今回の「子羊」はそんな蓮に想いを寄せている1年の真琴。
蓮は真琴のロザリオを手に入れ、それを使って香月を手に入れることに。
手に入れるといってもそれは恋愛のようなものではなく。
ただ香月にとっては虐げられる、蓮にとっては屈服させる、というような関係で。
でも、香月の弱い部分を知っているのはやはりずっと一緒にいる蓮で。
自分を支えている糸が切れた時、香月は蓮に…。

蓮が超ステキです。
やってることが大概だといえばそうも言えるんですけど。
悪っぽく振舞ってたりもするけど、実はちゃんと優しいし。
そういうのいっぱい滲み出てるし。
全ては香月の気持ちの動き次第って感じで。
真琴は結果的に可哀想な運命になりますが。
そら、呪いのような言葉も吐いちゃいますが。

でもでも。
蓮が幸せになれてよかったー!
表紙もカラー絵もステキだし、中の挿絵で会長椅子に座ってベルトを手にしてる蓮がもうすっげーかっこよかったですvv

この話好きかもしれません。
いや、子羊狩りは悲劇が伴うゲームではあるのでね、ちょっとイタイなとは思うんだけども。
でも、蓮と香月の関係の変化がなんか、ね。


「我が谷は緑なりき」
その後の蓮と香月。
クリスマス行事でも仕事に追われる香月。
紅茶に混ぜられたブランデーで酔ってしまい蓮に甘える。

1

子羊が手負いの獣に...

前作「~ゴシック~」でアヤしい関係をニオわせていた蓮×香月編です。
副会長×生徒会長という設定だけに、前作のほわほわキュンキュンした
展開と打って変わってダーク感漂う作品でした。
無理矢理あり、ベルトで叩くのもあり...
でも、個人的にはこっちの作品の方が好きです。

今作も「子羊狩り」がテーマとなり、生徒会長を目指す優等生の香月は
その内容にとまどい、蓮の画策に乗ってしまう...
マジメな生徒会長が無理矢理抱かれ、次第に官能の渦に溺れ
屈するってパターンが大好物で、とってもおいしく頂きました★
まぁ、「子羊狩り」って時点でツッコミどころ満載のストーリーですが、
全寮制の学校なんで基本なんでもアリってことで...

初めから蓮の行動が香月を手に入れたいがためとわかっているから
素直にならない香月がもどかしくもあり、可哀想でもあり...
ライバルだと思っていた幼馴染に恋をしていると認めたくない香月と、
その目の前で香月が可愛がってる下級生とベタベタして
嫉妬させてまで自分に目を向けさせたい蓮。
長い付き合いだからこそ、一歩踏み出せず様子を伺いながら
一緒に歩いてきた2人ですが、先に動いたのはやはり蓮でした。

軽蔑されるか、乗ってくるか、一か八かの賭けに出た蓮。
でも、愛ゆえにではなくとも賭けに乗ってくるのはわかっていたのかも。
それでも手に入れたくて、いざ手に入れてみたら、
憎らしい気持ちから乱暴してしまったり、
そうかと思えば優しく抱きしめたり、
複雑な蓮の気持ちがちょっと切ないですね。
でも、やっぱり真琴に対する態度はいただけないなぁ~

『殺してやりたい』とまで真琴に言わせてまで結ばれた2人には
幸せな未来だけが待っているとは思えませんが、
家族にも裏切られた香月と蓮がお互いかけがえのない存在となり
支え合って生きていって欲しいなぁ~って思っちゃいました。

それはそうと、真琴の変貌にはビビりましたよ。
キレたら怖いんです!
ある意味蓮より怖いよねぇ~
しかも、体も急成長してるみたいだし、ドSな攻になりそうだ...

「我が谷は緑なりき」
終わり方が後味悪かったので、この短編でちょっと救われました。
いろんなトラウマから解放された香月が素直に蓮に甘えてる姿が
なんともかわいらしかったww
本編では真琴に蓮を独占され、いがみ合う2人だっただけに、
甘々なシーンをもっと読みたかったなぁ~

志貴と春実のその後の話も期待したものの、
春実が入学する前の話なのでさすがに無理でした。
次作「~ロマネスク~」に持ち越しか~
椿と雪彦も裏ありそうなキャラなので、
この2人が主役の話も読んでみたいです♪

1

ちょっとショック……。

 シリーズ2作目です。

 ソルトラムと呼ばれる学院のエリート集団のメンバー・白伊香月は、尊敬する兄達に倣い、エリート中のエリートの証である学院の生徒会長になるのが目標の優等生であった。
 そのため、香月は品行方正な真面目を絵に描いたような生活をしていた。
 そんな香月の幼馴染み・奥園蓮は、香月とは正反対の奔放すぎる生活と振る舞いをしていて、香月を怒らせてばかりいた。
 そんな蓮のことなんて放っておけばいいのに、どういうわけだか放っておくことができない。
 そしていよいよ、生徒会長を決める時期にかかったある日、ついに生徒会長を決める方法が決定された。
 それは『子羊狩り』という方法であった。
『子羊狩り』とは、今年入ってきた編入生の中から一人を選び出し、そのものと恋愛関係に落ちるか、無理やり犯すか、その他の方法で、入学時に一人ひとりに与えられるロザリオを手に入れる、というものであった。
 今まで生真面目に育ってきた香月には当然、そんなこと受け入れられるはずもない。
 けれど、代々生徒会長を務めてきた兄たちと同じようにどうやってでも生徒会長の座を手に入れたい。
 そんな香月に、子羊のロザリオを手に入れた蓮がある取り引きを持ちかける。
 それは、ロザリオの代わりに、香月の身体をよこせ、というもので……

 という話でした。
 これは、前作より一年前の話だったんですが、読んでて、前作との大きな矛盾に気づいてしまって呆然としてしまいました。

 ここから先は本気のネタバレなので、聞きたくない人は回れ右ですが。

 結局のところ、蓮と香月がハッピーエンドなのはいいんですが。
 ハッピーエンドになった香月は「子羊狩りをやめる」って言ってるんですが、止めてたら一作目の話が成立しねえええええええええええええええええ!! となって、呆然としました。

 止めてたら、春実はあんな怖い目におあわずにすんだんやん……。
 いや、あれも結局、志貴の乱入でぐちゃぐちゃになってたから、結局止めになったも同然なのかもしれないし、止めるためにああいう方法を取ったのかもしれないけど、明らかにこの話の後半の蓮と香月の雰囲気と、前作の蓮と香月の雰囲気が違う!!
 だからてっきりこの二作目は、春実と志貴がくっついた後まで引っ張って終わりを迎えるのかと思ったんですが、そんなことなくて……。

 え?? なにこれ、パラレルワールド?? みたいな感じでした。
 その辺りを作者さんが、何か言い訳じゃないけど、そういうことしてくれてないかどうか確認してみたんですが、そんなこともまったくなくて。
 すっごく残念……。

 なんか、一作目がなかったことにされちゃったみたいで、つらい……。
 いや、書くのにタイムラグが生じているのは百も承知なので、そこまで一作目に忠実に!! なんていうつもりは微塵もないんですが、それでもここまでちぐはぐにされちゃうとかなりショックです。
 それならなぜ、関係あるシーンにしたのか、とか。
 続き物的なタイトルにしたのか、とか。
 いろいろツッコミたくなってしまう……。

 いっそ、まったく関係ない代の話にしてくれてもよかったのになぁー……と、とても残念です。
 一作目がよかっただけに残念すぎて、ショックでした。

 ただ、これだけ読んだら十分に面白いので、単に私が「続編」であるということに期待しすぎただけなので、一作ずつ読みきりのつもりで読んだら、十分に楽しめるかと思います。

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