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厭世的なマッチョ美オヤジ将軍×転生した美少年の、輪廻転生ラブ!
三ヶ月連続刊行の第三弾で、完結巻となります。
これまでで一番辛く痛い巻です。
今までの苦難が鼻で笑えちゃうほど、厳しい展開なんですよね。
二人に訪れるあまりに過酷な試練に、まさに驚愕の真相。
もうね、輪廻転生ものって萌える~!とかって喜んでた過去の呑気な自分からは想像もつかない場所に、物語としては着地するんですよ。
ものすごくしんどくはあるものの、でも同時に、言葉にならないほどの感動を与えて貰える。
まさに圧巻としか言い様のないラストなのです。
通しで読むと、しばし呆然としちゃうんですけど。
愛が憎しみにも、それに狂気へも、また破滅にも導く。
そして、救いにもなると思うのです。
この二人の愛って、そう言う意味ではまさに希望ですよね。
ファノーレンの。
ちなみに今回の表紙ですが、そんなまさに希望を表したものになります。
そう、ツヴァイリンクで夜明けに立つ二人ですよ!
もう、表紙だけで泣いちゃいそう。
えーと、読了後にこの表紙の意味が分かるので、そこで大いに感激して!と。
内容です。
ディルクにエッボにルーカスにヨセフ。
信頼の置ける仲間に秘密を打ち明けた事で協力者を得て、いよいよツヴァイリンクでの悲劇の真相と、その裏に隠れた真の犯人の正体に迫るレオリーノ達。
そんな中、敵国との戦の幕が切って落とされてー・・・と言うものです。
で、こちら、繰り返しになりますが、もうくっついてるから甘々~ってワケには行かなかったりします。
今回、割と深刻なスレ違いが起こるんですよね。
手厚く保護して危険から遠ざけたいグラヴィス。
そして、自分も共に戦いたいレオリーノ。
二人のこのズレで。
レオリーノの中で、イオニアの存在って未だすごく大きいんだと思うのです。
だからこそ、イオニアのように共に戦えない事に、強い焦燥を持ってしまうんだろうなぁ。
またこちら、グラヴィスはグラヴィスで、レオリーノに対して極度に過保護になってしまっているんですよね。失う怖さから。
そこで、とある事件をキッカケに、レオリーノを離宮へと閉じ込めると言う行動に出る。
これな、実の所、より悪いのはグラヴィスじゃないかと思うのです。
一人で勝手な行動に出たレオリーノも悪いけど、彼は立派な関係者と言うかこの件に関しては中心人物と言えるのに、あとは任せておけで納得行かないだろうと。
まぁ、正直、この時のグラヴィスの言動と言うのには萌えちゃいもするけど。
だって、背筋がゾクゾクするほどの執着を見せてくれちゃうんですよ。
どれだけレオリーノが泣こうと、ひたすら抱き潰しって感じで。
話が逸れましたが、そんなワケで、ここでのグラヴィスにはいかがかと思う部分もあるのです。
萌える萌えないは別として。
ただ、ここから彼の内面が明かされると、もう今度は苦しくて仕方なくて。
や、グラヴィスの愛ですが、すごく苛烈なんですよね。
愛する人を閉じ込め、自分以外誰一人触らせず、ひたすら腕の中で囲い込みたい・・・。
それが今回、レオリーノが危険な目に遭った事をキッカケに暴走してしまった。
またこれね、この行動の根底にあるのは、彼の心の傷だと思うんですよ。
それだけ、彼にとってイオニアを失った痛みは大きかった。
こう、グラヴィスってわりと大人の男って感じで、何でも出来るしいつも正しいって印象だったんですよ。
そんな彼のこうして弱い部分を知ると、なんかグッと来ちゃうと言うか。
こんな追い詰めるような愛では無く、誰より優しく愛したいのは彼自身だろうに。
また、この手痛いスレ違いを経て、二人の気持ちは本当の意味で通じあったと思うのです。
ここでレオリーノがグラヴィスに対して告げるセリフに、めちゃくちゃ感動しちゃって。
このスレ違いは、必要だったんだろうなぁと。
ちなみにここから、展開としてはまさに怒涛のものになります。
敵国との戦の幕が落とされ、更に裏切り者の影で糸を引く、黒幕の本当の狙いが明かされる。
これね、レオリーノが受ける仕打ちと言うのが、凄惨なものなんですよね。
今作の中で、私はここが一番しんどかったんですよ。
暴力部分が苦しいなら、なんとしてもグラヴィスの元に帰ると言う、レオリーノの悲壮な覚悟が切なすぎて。
ただ同時に、レオリーノの行動にひどく心を打たれるんですよ。
彼は彼の方法で、精一杯戦う。
今ここで、憎しみの連鎖を絶ちきる為に。
こう、レオリーノですが、戦う事が出来ないと言う自身の弱さに、ずっとコンプレックスを抱いて来た。
でも、ここでのレオリーノを見ていると、彼は確かにイオニアの魂を受け継いでいて、そして一人の戦士なんだと感じるのです。
その戦う方法は、あまりに悲しいんですけど。
また、黒幕の真の狙いと、彼の真実。
これが本当に驚愕なんですよね。
ツヴァイリンクでの悲劇の裏に、こんな凄まじい愛憎劇が隠されていたのかと、ただただ呆然としてしまう。
人の心ってとても複雑だし矛盾もしてますよね。
愛しながら、憎しみを抱く。
そして、憎しみは憎しみの連鎖を呼ぶ。
だからこそ、グラヴィスとレオリーノ、二人の純粋な愛が希望になるんだろうと。
もうマジで、ツヴァイリンクの砦に立って夜明けを眺める二人のシーンに、感無量なんですよ。
この作品の全てを象徴する、素晴らしいシーンだと思う。
それと書籍化にあたり、かなり修正されてます。
セリフの細部が変わったり、無かったセリフが増えたり、構成が変わってたり。
書籍の方を読むと、よりキャラ達が身近に感じられる。
ここまで手を入れるのって、本当に大変だったと思います。
小綱先生、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
最後になっちゃいましたが、ルーカスとイオニアの邂逅シーンがとにかく素晴らしかったです。
やっと、あの言葉を言えたね。
そしてイオニアの魂は、ようやく眠りにつく事が出来たのかな。
何だろう。
登場人物紹介ですが、3巻にしてイオニアが笑顔なんですよ。
その笑顔に、もう言葉にならないです。
すごい作家が出てきたものだ
読み終わってそう思わずにはいられなかった
これをネットで一年で書き上げたのかと思うと空恐ろしい思いさえした
一気に3巻半日をかけて読んだのだが3巻にかかる前あと1冊で終わってしまうことが残念でたまらなくなる位夢中になっていた
転生ものという印象は一巻を読み終わった時にはすでに薄れていたと思う
希有な美貌を持つレオニーノが1人の人間として生きていく力をひたすら奪われながらも
自分が持っていないものを前に怯まず
自分が持っているものを大事にし
どう生きるか
どうありたいかと希望を失わずに進んでいく姿には感動を覚えるしかなかった
あまりに天使みたいなキャラクターは鼻についたりするのだが
このレオニーノにはそのような嫌悪感を抱く事は一切なかった
非常に浮世離れしたキャラクターなのに
できることできないことの差も同じレベルで浮世離れしてるのが良かったのかもしれない
レオニーノだけでなく登場しているそれぞれのキャラクターが何かを持ち何かを持っていなく
そのことに苦しみ
でもその自分の持てる範囲で懸命に選択を重ねて生きている
一方的に奪うだけの人間はこの物語の中では数人しかおらず
そのキャラクター達が行ったことがこの物語のベースになっていたと最後にわかるのだが
謎解きで詳らかになった彼らの所業が想像以上に醜悪で
彼ら以外のキャラクターがいかに懸命に生きていこうと足掻いたかを浮かび上がらせて切なくなった
個人的に親子ほど歳の離れた余裕のある年上攻めは余り読まないので
過去に縛られた男が北極の氷塊が崩れる様に恋に堕ちる様が新鮮だった
読む価値のある3冊だと思う
ただ一気に読むと若干腱鞘炎になるのでお気をつけ下さい
補記:★【5月刊応援企画】が公開されてます★
① プライベッター:【新人侍従エメリヒの日常】黒いガーターをまとう小鹿 https://bit.ly/3u28p81
②カクヨム:『背中を預けるには』完結記念書き下ろしSS:【完結後後日談】ノックの前に、侍従はもう一度確認を https://bit.ly/3v9mCkT https://bit.ly/3u4RVw8
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なろうサイトで先に完結を読んで、分かっていても、
加筆分のSSがあるし、挿絵を堪能したいので、購読。
読了後、何を書いたらいいのかなーと、迷っていたのですが、
この作品を書いた著者自身の言葉がすべてだと思う。
小綱先生は読者反応のチェックがまめで、ファンサービス精神旺盛です。
5/6のTwitter。
>「背中〜は未熟な少年のもがきと自己の存在意義の発見の物語と同時に、
あらゆる登場人物にとっての運命の男であるグラヴィスという、
すべ(く)てを持ってるようで何ひとつ持たない男を幸せで満たす物語として書きました。
むしろレオリーノは触媒に近い存在です」
>「3巻の電子特典SS「アマンセラ」は リクエストを多く頂戴したこともありますが
「生涯一度でいいから、愛する者と陽の光の下でともに過ごしたい」と希った閣下と
「ヴィーを生涯笑顔にしたい」というレオリーノの願いが結実した瞬間なので、
書籍の記念にどうしてもお届けしたかった」
・・・と著者が呟いているので、電子版3巻のSSはファン必読、ってことでしょうか。
それと、完結御礼SSが、Privatterに投稿されています。
同じ内容のSSが、なろうサイトにもファン要望で投稿されています。
https://privatter.net/p/7381196
これから、別の新作が出るのかわかりませんが、
ナロウサイトにある、関連の短編が書籍化する日を、楽しみに待ってます。
伸び伸び書いているせいか、関連編のほうが面白かった。特に兄弟編。
※エゴサーチは、悪いことではないので、もっとファン要望を拾ってください。
2021年7月31日
御礼SS
不可侵 〜プラチナブロンドとサンディブロンドの主従〜
>感想のお礼にささやかなSSをお届けします。
採用させていただいたシーンは、「レオリーノとヨセフのキラキラぶり」です>
https://privatter.net/p/7736461
補記:嬉しさ爆発?の著者サービスSS
6月13日 https://twitter.com/kotsumina/status/1404059507190231047
>本編から削ったほのぼのな二人の様子に、少し加筆したSSをお届けですきらめくハート日曜夜のお暇つぶしにどうぞっ
『訓練のスープ』(離宮で思いが通じ合ったばかりの二人の日常)
https://privatter.net/p/7544469 フォロワー限定公開
補記:6/7 期日限定 SSの公開がありました。
フォロワー限定 【プロポーズの日SS】地獄の女神が見つめる先にhttps://twitter.com/kotsumina/status/1401521978159210500
もうただただ自分の感想をぶっちゃける!
それほど興奮してるから。
ちるちるで1位になっていたので、あらすじを読んで、
・王弟x絶世の美少年
・歳の差
・前世の記憶を持った少年
・表紙の一夜人見先生の絵も素敵だった
この4つが自分のツボだったので読んでみることにした。
2巻が発売になるから1巻も同時に注文。とそれが先月。
そして、今回最終巻の3冊目!
届いて再度びっくりの厚さ!
1冊目を見た時、実際こんな鈍器本読めるのかと思ったが、全く杞憂だった。
とにかく話がもう萌えを超えて至高の領域!
まして、話がこれほど辻褄が合って進んでいくことがスラスラと読める要因の一つでもあるかと思うが、小綱実波先生の文章力が素晴らしいに尽きる!
まして、過去世と現世を交差させながら、この難しい設定を見事にわかりやすく展開させる巧さ!
こういうファンタジーものって、ツッコミ所が出てきそうだが、出て来ない。強いていうなら、レオリーノが、過去世の話を侍従とヨセフに一人で話すところぐらいだった。ここは、今まで過去世の話をする時は熱を出すほど大変だったのに、彼らに最後に話した時はあっけなかったから。ここはもう何度も話して慣れたと思うことにしてる。
でもそれぐらいで、後は全くひっかかりがない。これだけの長編なのに!
全ての伏線が見事に繋がって回収されていく様は圧巻!
最もたるのはヴィーとレオリーノの切ない関係!
レオリーノが攫われてからの中盤からのドキドキハラハラはもう映画を見てる感じで、どうなるどうなるって本を持つ手が震えた。(本自体が重いからでは決してない!)
そして全てが終わって、ほっとしたと思ったら、あの地下牢での王家にまつわる悲劇が語られて。。。
もうそこで号泣ですよ、号泣!
無益な血を流すこともなかったことが分かるという。
最後が一番残酷だと思った。いや、前王が一番のラスボスでクソだったということ。
3巻目ではルーカスが報われたのも良かった。
イオニアもまた報われた。
カイルはどうするのかな。愛しい人を見つけて子孫を繁栄させて欲しいとも思う。
だってそうじゃないと王家の能力者も途絶えてしまう。と、要らぬ心配までしてしまうほど感情移入できた作品。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました!
何度も何度も読み返す作品。
一生大切にしたいと思える作品。
この作品を見つけて商業にしてくださったルビー文庫編集者様はすごいと思う。
小綱実波先生、今後の作品も楽しみにしています!
本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした!
言葉に出来ないとはこちらの作品だと思いました。今回も様々な人物の思いに時には笑って時には泣いて、目まぐるしく変わる自分の感情に読了後は放心状態でした。
前回もレビューに書きましたが、各章に付けられたタイトルが本当に秀逸なんです。タイトルを考えながら、文章を読んでその深さを思い知るのです。
黒幕の正体は分かっていたので、レオリーノを中心とした男達がどうやって証拠を集めて彼を追い詰めて行くのかが、今回の醍醐味だと思って読んでいました。
ところがです。真実の裏に隠された秘密があまりにも筆舌に尽くしがたくて、最後の最後にとてつもなく衝撃を受けました。
私は本来グラヴィス推しなのですが、今回はイオニアへの妄執からルーカスが解放された事がとても嬉しくて、彼の幸せを願って止みませんでした。
勿論、グラヴィスの孤独だった人生にレオリーノという伴侶を得た事も嬉しかったです。
個人的にレオリーノの侍従のフンボルト視点のお話が大好きなのですが、前半のクスッとするお話も良かったけど、後半の瀕死の主の元に駆け付けるフンボルトの様子には涙が止まりませんでした。
そして「婚姻の誓い」でこのお話の結実を見て、「甘い肉欲の檻」でその後のグラヴィスとレオリーノを知れて余韻に浸ったのでした。