厭世的なマッチョ美オヤジ将軍×転生した美少年の、輪廻転生ラブ!

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表題作背中を預けるには 3

グラヴィス・アードルフ・ファノーレン,王弟,王国軍将軍
レオリーノ・カシュー,17歳,辺境伯四男

その他の収録作品

  • 婚姻の誓い
  • 甘い肉欲の檻

あらすじ

美貌の辺境伯末子・レオリーノが戦死した騎士・イオニアの転生者であることが明かされ、王弟・グラヴィスとも、ついに想いが通じ合う。守られてばかりの弱い自分を認め、力ではなく心でグラヴィスの心を護り、ともに生きることを決意するレオリーノ。だが、敵国に内通していた黒幕をとらえるべく、かつてイオニアと共に肩を並べた男たちが動き始め、戦争の足音はすぐそこまで迫っていた。
――輪廻転生BL、ここに完結! 

作品情報

作品名
背中を預けるには 3
著者
小綱実波 
イラスト
一夜人見 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
シリーズ
背中を預けるには
発売日
電子発売日
ISBN
9784041111437
4.6

(229)

(194)

萌々

(14)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(11)

レビュー数
26
得点
1050
評価数
229
平均
4.6 / 5
神率
84.7%

レビュー投稿数26

少し切ないラストの壮大な物語

購入してからずっと温め続け、ようやく完結まで読み終えました。
総評としては壮大すぎる設定と魅力的なキャラクターと緻密な伏線に圧倒されました。BLという要素抜きにしてもとても面白い作品だと思います。
そうくるか〜と唸らされたりハラハラさせられたりきゅんきゅんさせられたり中々に濃厚でドギマギさせられたり切ない展開に涙を流したり本当に忙しく、でもページを捲る手が止まりませんでした。

BLとしてみればウケがあまりにも好きです。
美しすぎて、そしてあまりにも儚げなレオリーノ好みの不憫受けとも違いましたが、中々に辛い境遇に度々立たされ、それでも本当に少しずつ強く成長していることが手に取るようにわかり応援したくなりつつもあくまで弱い存在であることが貫かれていたのがすごく良かったです。

個人的には最後の最後に王家に関する爆弾が投下され色々なことが明らかになりましたが、カイルの出生に関してだけはそれを付け足す必要があったのかずっとモヤモヤしています。悲劇は現王の両親までで良かったのではないか、それだけで宿敵の侯爵がただ同情されるだけの存在ではなくなったのではないかと。むしろカイルのことが加わって手放しに2人のハッピーエンドにならなかったことがちょっと切ないです。あくまで3巻まで読んだ現時点では、ですが。

とはいえ本当にこの作品に出会うことができて良かったです。稀に見る大興奮で3巻まで一気読みしました!

0

最後まで楽しかったー!!!

ええええええ……!?!?
ラガレア公爵を追い詰めて捉えて...からのヨアヒムの告白にびっくりして他の事が吹っ飛んでしまった!
だからあんなに似ていない異母兄弟で、なのにカイルとグラヴィスは似ていて、全部カイルは知っていてグラヴィスに王位を継がせて道を正したかったし、グラヴィスの御子が必要だったんですね。
手袋の意味も、レオリーノに話していた時は汲みきれなかったけどそういうことだったのか……。
昼ドラどころじゃない壮絶なドロドロだった!!!
不謹慎でごめんなさいだけど、すごくおもしろかったです……!
地に落とされるような展開大好き...。(ごめん)

人間の盾として背中を預かっていたあの頃。
繊弱で武器も満足に使えず、背中を預けてもらいたい気持ちに反して守られるばかりで苦悩したあの頃。
盾にするのではなく盾になると言ってもらったあの頃。
守られることを少し受け入れられるようになったあの頃、同時にそれは信頼で勇気だと知った。
そして今、あれだけ願った背中を預けられた。
そうですよね、人は肉体の強さだけでできていない。
心と体がある。
心を支える...預けられる。
よかったね、レオリーノ。
よかったね、グラヴィス。

おめでとう!なのだけど、これでハッピーエンド大団円!というわけではなかった。
夜明けにはまだ早くて、夜明けを待ち望みながら希望となる伴侶と邁進する終わり方。
ツヴァイリンクから見ている風景とシンクロしていたので、大丈夫...陽は昇ると思わせてくれました。
レオリーノの悲しい代償について書かれていて驚いたんですが、確かにあの特殊な体だとそうなのかもしれない。
甘々だけでは終わらない方が私は好みなので、この幕の閉じ方でよかったなと思いました。

そして、ルカーーーーー!!!
あえてツヴァイリンクの話をレオリーノに耳打ちしてイオを表に引きづりだしたクラヴィスに燃えましたし、やっとあの時の言葉をイオから貰えたルカが、「殺されてもいいから今だけ許してくれ」と言ってレオリーノの唇を奪うところが切なくて!!!!
それはグラヴィスにとって許せない行為であるとともに気持ちが分かることでもあって.......あの葛藤!
そこに一夜先生の挿絵!!
この挿絵すごく素敵で大好きなのですが、特にグラヴィスの表情がいい。
読みながらぐわーっと気持ちが溢れてしまいました。
ルカから流れ落ちてレオリーノに降り注いだ涙が、業火に燃えるツヴァイリンクの夢に慈雨として降り注ぎ、鎮火する変化を起こしていたのもよかった!
まるでイオの未練も浄化されたかのよう...。

本編の後に「婚姻の誓い」と「甘い肉欲の檻」というお話が続くんですが、名前の通り結婚式と初夜。
最後は甘々で締めです。
3巻表紙のイラストが素敵で、これが婚礼衣装だったりするのかなと思っていましたが、当日はまた違う衣装でした。
レオリーノに白が似合うのは分かっていたことだけど、私はグラヴィスもとっても白が似合うとこの表紙イラストのおかげで思わせてもらいました。

1巻せつない、2巻甘々、3巻ジェットコースター(闇があったり幸せがあったりで上がったり下がったり)!!!!
楽しかったー!

余談ですが、3巻まで読み終えてから、レオリーノがこんなに愛情表現が素直で甘え上手で素朴で純粋な理由が本当の意味で(?)分かった気がしました。
これは元々の気質がとか、純粋培養の箱入りすぎてという理由だけじゃない。
思えば1巻の頃はドレスを着せられ女子のように愛されていた。
あれがこの子の基盤なんだろうな。
父親も母親も今でもやっぱりレオリーノは特別愛らしい。
女の子は父親が優しくて甘やかしてくれること、母親の情緒が安定していること、両親の仲がよいことが人格形成に大きく関わると聞きますが、レオリーノがまさにこれだなと。
男子でありながら女子の扱いも受け、女子を強要され続けたわけでなく男子としてもきちんと受け入れられ、両方の立ち位置で愛された彼だからこそのこの出来上がりなのだと!
だったら、やっぱりグラヴィスはこの溺愛過保護両親には感謝しないといけない。笑

0

涙なしには。。

1巻・2巻と徹夜で一気読みしたのですが、この3巻だけは途中辛くて辛くて涙が止まらなくなってしまい、一気に読むことが出来ませんでした。

レオリーノが受けた拷問。ファノーレン王家の、驚愕の深い深い闇の歴史…

次々に明かされていく真実の重みに、息がつけなくなるような錯覚と衝撃を覚えました。

終盤、砦の上でヴィーがレオリーノに囁いた言葉。
「これからも、俺の背中はおまえに預ける」

レオリーノへの信頼と愛の重み…

壮大すぎるストーリーに、もう素晴らしいとしか。。言えない。。

全て電子で読みましたが、コミコミさんに限定SS付き3巻(1・2巻はすでに売り切れでした( ; ; ))があるのを発見し、即カートへ。

なんとか全巻揃えて本棚に並べ、何度も読み返したいと思います。
(※複雑に絡み合った人間関係など、一度では把握しきれていない部分が多々あるので;)

ストーリーが素晴らしいのはもちろんのこと、美麗すぎる&イメージそのまま!のイラストにも、毎回ため息が出ました。

願わくは、ヴィーとレオリーノに永遠の幸あれ( ; ; )




2

大満足の一言…!

1巻も2巻もとても面白かったですが、様々な伏線が回収された最終巻は読み応えがたっぷりで圧巻でした。帯に書かれた「もう最高に面白くて泣ける」という言葉のわかりみしかない…。

かなりのボリュームでしたが、ちるちるさんが縁でこの作品に出会えて良かったです。

 婚約から戦争、イオニア達に悲劇を引き起こした19年前の悲劇の真相まで盛り沢山の内容でした。全てが終わり平穏な日常が戻ってくると思った矢先に「これでもか…」というくらいに明かされる王室の闇の真実の数々に身震いしました。戦犯だけでなく、皆深い心の闇を抱えていた…。
泣けました。グラヴィスに流れる呪われた血の因果の深さよ。
言葉も出ません。。一族の中で残された者で背負っていくには重すぎる十字架、、。やはりレオニーノを始めとする愛する人達の支えが必要だなーと実感しました。

暗い話だけでなく、王家との華々しい婚姻話をBLで堪能できたのも良かったです。世界で同性婚が認められる中、遠くない未来には王家からも同性婚者が出てくるのかなーと興味深く読めました.。
麗しい二人の婚礼姿のイラストを見たかったな…!

緻密なプロットと文章力、表現力の裏付けされた大河ファンタジーをBLで読める贅沢さ…!何物にも変え難いです。先生の二作目に否が応でも期待が高まります。
個人的には「大河BLは中国の魔道祖師、日本の背中を預けるには」と唱えたくなるくらいにハマリました。
もう一度一から読み返せば、異なる物語が見えてくる贅沢さが身にしみます。

最終巻では影が薄かったルーカス。番外編での活躍を期待したいです。
イオニア一筋のルーカス、イオニアの魂を受け継いだレオニーノを愛したグラヴィス。二人の不器用だけれど真摯な愛の形がとても印象に残りました。

先生のあとがき通り、どんなに恵まれて見える人も抱えているものがある…という事について色々考えさせられました。言葉や表面上に現れるものでしか判断が出来ないので、人を理解するのは難しいと実感しました。

2

読み終わるのが寂しいと初めて感じた作品

ちるちるYouTubeで過去に特集されていたのを見て購入しました。

鈍器本と言われるだけあって、紙本が手元に届いた時はこれをめげずに最後まで読み切れるのかと不安に感じていたのですが、そんな心配はまったく必要なくあっという間に読み終えてしまいました。

レオリーノがその美貌のせいで、どこに行ってももれなく襲われそうになったり、殺されそうになったりするので、毎回ハラハラさせられました。

でもそのレオリーノに夢中になってしまう男たちの描写は何度読んでもなんだか癖になる楽しさがありました。

三巻ではイオニアへの想いからずっと苦しみ続けたルーカスが、レオリーノからイオニアのルカへの最後の想いを伝えられ気持ちが抑えられなくなり、クラヴィスに許可を得てレオリーノにキスをするシーンは、美しい挿絵も相まって本当に心が揺さぶられて思わず涙が止まりませんでした。

裏切り者の正体はレオリーノたちが疑っていた通りの人物でやはりか、といった感じでしたが、その人物が受けた痛みや苦しみを知ると、イオニアを死におとしめ戦争を起こした大戦犯とわかっていても、なんだか哀れで憎み切れない虚しい気持ちになりました。

ですがもっと衝撃的だったのは、予想もしていなかった人物たちの悲劇すぎる残酷な真実の数々でした。情によって人はこんなにも狂ってしまうのかと怖く切なくただただ心が痛かったです。

あまりにも目をそむけたくなるような真実に本当に言葉もでず、しばらくなんとも言えない気持ちになりました。

傷は深すぎて一生抱えていかなければいけないものだとしても、これからは心穏やかに少しでも幸せを感じて生きていってほしいなと強く感じました。

レオリーノの純粋無垢さに笑ったり苦しんだり救われたり、誰にもその愛しい存在を冒されまいと命をかけて守ろうとしたクラヴィス、その周りで支えてくれるルーカスやヨセフ、たくさんの魅力的なキャラクター達の悲しくも美しい物語が終わってしまうのが本当に寂しいですが、とても素晴らしい作品に出会えて生み出してくださった作者の小綱実波先生にはひたすら感謝の気持ちでいっぱいです。

番外編もあるようなので、せなあずの世界観を引き続き楽しみたいと思います!

2

この作品が収納されている本棚

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