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下巻が出るのを待って、ようやく上下巻ともに購入!分厚いのでわくわくしながら読みました。
しっかり者なのにどこかフワフワした雰囲気の藍は、26歳なのにティーンにみられるのが悩みの俳優。クォーターの彼がようやく掴んだ大仕事の海外での撮影で、ボディガードの狼目の男と出会い、無理やり異世界へ転移させられてしまう。ボディガードだった男の正体は、滅びかけている祖国を救うために藍を転移させたクロノキアという異世界の神子で王のニキアスだった。
どこか十二国記を彷彿とさせる異世界転移もので、そういうお話が好きな方はたまらないだろうなーと思えるしっかりした世界観で引き込まれました。何より異世界転移した彼らの反応が人間味溢れていて、そりゃ転移急にさせられたらそうなるよなあと思えるのが好感を持てます。
恋愛面では、異世界転移させられて恨んでいた相手を知れば知るほど惹かれていってしまう藍と、国を守り神を裏切ってはいけないのにそれを背くぐらいに藍に惹かれてしまったニキアスの少しずつコミュニケーションを取りながら惹かれ合う過程と、彼らの決断が魅力的。
藍と一緒に巻き添えで転移した悠斗や、ニキアスの側近たちも魅力的で、気になるところで下巻に…だったので上下巻揃うまで読むのを待っていて良かったーと思いました!
去年12月に発売されてすぐ買っていたのに、厚さに怯んで積読本になっていた、こちら…
どうして発売直後に読まなかったんだー!!と悔やまれますが、今少し時間に余裕のある時にじっくり読めて、逆に良かったのかもしれない。
小綱先生の「背中を預けるには」の大ファンですが、間違いなくそれに並ぶ大作・名作です。文句なし!の「神」。
たった今読み終わったばかりだけど、下巻はよーーーー!!!ってなってる。待ちきれない…なんでこんな気になるところで終わっているのー!!
もちろんニキアス大好きですが、褐色肌に炎の目をしたカイロスもまた、素晴らしく魅力的なんですよね…
最後のページの円陣蘭丸先生の挿絵が素晴らしすぎて、震えます(もちろん全てのイラストが言葉を失う美しさです。。)。
争いに勝利した英雄にのみ捧げられる果実、アンブロシア。誰か一人の神子のものには決してなれないその果実が人間の姿(受)になり、神子(攻)と愛し合ってしまったらー
いや、こんな数行にはとてもまとめきれないお話なんですが。
闘いの場へと旅立ったニキアスは、無事勝利してアンブロシアを得ることができるのか?
神も神子も容易には入れない泉に入り込んだカイロスに正体がバレてしまったアイはどうなるの!?(&アイはこのまま果実になることなく、人間の姿でいられるの??)
そしてメインカプ二人に巻き込まれた形でトリップしてしまった悠人は、元の世界へ戻れるのか?
も〜〜、上記↑のようなことはもちろん、いろんなことが気になってしまい、深夜なのに興奮状態で寝つけません…
下巻…はよ……!!!
『背中を預けるには』で完全に惚れ込んでしまった小綱実波先生の待望の第二作!
もう冒頭から面白い。グイグイとものすごい吸引力で読者の私達を神々が君臨する世界へと引きずり込んでいきます。藍と悠斗が否応なしに異世界へと飛ばされたのと同じように。
途中から暴走し始めるニキアスの溺愛ぶりや、藍の自我の変化(アンブロシアとしての本能が目覚めていく)や憎むべき相手だったはずのニキアスへの愛情……色んなものが渦巻く中、ニキアスがヘロスマキアへと旅立っていったその直後……!!!なんと!あやつが!藍を!!!うわあああああっ、という感じで上巻は終了。早く続きを読ませてほしい。切実に。
ただ、あまりに壮大すぎる世界観ゆえに、一度読んだだけでは理解できない(小綱先生が悪いのではなく、完全に私の読解力の問題。つまりアホなんです)部分もそれなりにあったので、下巻が出るまでに何度か読み直して、物語の世界観や、キャラたちの言動、その息遣いまでもを己の読書脳に染み込ませようと思います。めっっっちゃ楽しみ!!!
そして、円陣闇丸先生のイラストが本っっっっ当に素晴らしすぎる……表紙、登場人物紹介、そして挿絵……確実にこの作品の魅力を引き上げている大きな要因になっていると感じます。
『背中を預けるには』と同じファンタジー小説ではありますが、世界観は全く違います。一口にファンタジーといっても、本当に様々なんだなと学びました。そして小綱先生の博識ぶり、神への理解度、物語の構築度の高さに感嘆しました。
さすがです。小綱先生。下巻を心待ちにしています。
今回も小綱実波先生は最高のストーリーを描いてくださっている!
下巻を読む時用の記録として、ネタバレで書き留めておく。
ニキアス(大地と獣の神の神子でクロノキアの王)x藍(神の果実アンブロシア)
12柱神(対になっているので6対)とそれに遣える12神子が存在する世界「ウラヌンティウム」
何者かの仕業により、神の果実アンブロシアは現代の人間界へと堕とされ、人間に受胎し藍として成長し俳優となっている。25歳だが、とても若く見える。
ニキアスは父が冤罪で囚われの身となっていて、その所為で、自国クロノキアの民が灰になって滅んでいくのを救う為、アンブロシアを探し出し神の元へ戻すことで、父の解放を求めようと、人間界でボディーガードの仕事をするキースとなり、300年過ごし、やっと藍(アンブロシア)を見つけ、「ウラヌンティウム」へ連れ戻す。その時に一緒に20歳のアイドルの悠斗も巻き込まれて来てしまう。
ニキアスは人間になっている藍を好きになり、つがいとするが、神の果実は全神子のものであり、ヘロスマキアという神子の戦いで勝利を納めた英雄だけが手にいれることが出来る。
藍は、最初平和に暮らしていた世界から連れ戻したキースを憎んでいたが、彼が抱える苦悩を知り、彼に惹かれていく。藍は自分が果実として生まれた場所に戻ってから、自分が元の世界の人間ではないことを痛感し、同時にニキアスに英雄になってもらうため、彼に全てを捧げて、彼の能力を最大にさせ、ヘロスマキアに勝つよう伝える。そしてニキアスはそのために天上に上がっていく。
悠斗は必ず元の世界へ戻すこと。
そう悠斗にも伝えてニキアスの勝利を祈っていたら、ニキアスの幼なしみであり、父を投獄させた神子(女性)の息子カイロスが禁断の園へ藍に会いに来た。
ということろで終わる。
カイロスなんか怪しい?どうやって園へ入れた?目的は?
用語と神の名前も多くて、混乱するので、相関図や用語説明があるとありがたい。
作家買いの先生になっている。前作は名作だが、今回もとても面白い!
異世界転移の物語です。
ラノベにありがちな御都合主義の設定ではありません。無理やり連れて来られた世界で恐怖と絶望と憤りを感じる心がリアルに描かれています。
一人の人間の当たり前の感情・慟哭が描かれていて、主人公に感情移入してしまいます。
少しずつ周りの状況が見えてきて、この異世界で自分のできる事や生きる意味を見つけ出そうと足掻く、真摯な主人公を応援したくなります♡
そして、こちらの作者様は重厚な物語を描くことを得意とされています。緻密に練られた物語の背景を存分に楽しめること請け合いです。