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オメガバースなのですが、主人公はβの受け、お相手がαの攻めという変化球です。運命の番にはならない2人、それでも運命に振り回されるのがオメガバースなんですよね!
【いつもΩの恋人に振られるβの伊折。理由は運命の番であるαに出会ったからというもの。αなんて嫌いだ!と言っているところに現れ、伊折を誘ったのはα嫌いのαである竹尾だった。伊折はあえて竹尾との関係をセフレと名付けて続けていたが…】
伊折の明るさと流されやすさに癒されます(笑)竹尾の過去が結構衝撃的だったのですが、それを受け止めるだけのキャパと人情もあり、竹尾が好きになっちゃうのも分かるなぁと。ズブズブに甘やかして囲いたい竹尾と、流されつつもハマらないようにと意地張っている伊折との対比も良く、ストーリーを楽しめました。
αとΩの運命って本能的なもので、恋や愛とはまた違ったところで心を支配されてしまうもの。じゃあそれ以外の恋愛は?と、改めて考えてみると、本能ではなく惹かれ合うのだって当たり前に運命ですよね。唯一無二の相手に出会えたこと、それを運命と言わずになんと呼ぶかと。
そんなオメガバース世界の運命について考えてしまう作品でした。テーマの割にはライトな読後感です。
オメガバース。
αの竹尾とβの伊折。α嫌い同士
Ωと付き合っては、αに取られるかたちでフラれるのを繰り返している伊折。
バイト先のバーで、自分と同じくαが嫌いだという竹尾に誘われてセフレになる。
竹尾がαだと判明するも、関係は続き…
竹尾の押しが強くて、伊折が流される構図。
身体の相性は良いらしく、カメラと写真という趣味の共通項もある。
竹尾がαを嫌いな理由は明かされないままだが、デートや媚薬を使ったエッチなど楽しそう。
後半明かされる竹尾の過去は悲しかった。
竹尾が何故伊折を好きになったのかもよくわかったし、伊折が気持ちを返したことで竹尾が救われてジーンとした。
十年経っても仲良く一緒に居ること、伊折の愛がとても大きいことがわかって、とても良い読後感だった。
読後感的には神評価だけど、竹尾の過去を知った後だと途中の媚薬使った発情プレイが異様に見えたので萌2に。
(これを提案した竹尾の気持ちが全く理解できない…)
オメガバ作品ってどうしてもαとΩが主役で運命的なイメージが強く、そこにβが入ると悲恋の要素が生まれるイメージが強いのですが、らまあβだと身体的な安心は与えられないし、、
そして今作は過去に運命と一悶着あったα×Ωばかり好きになってしまう失恋経験豊富なβのお話です。
個人的に推しポイントは後半まで理由は明かされませんが、とにかくαがβを溺愛して大事にして両想いになりたいと思っているのが終始伝わってくるので安心するし、照れて戸惑うβは可愛いし、何より応援したくなるようなそんな優しい雰囲気が多めなことです!
そしてラストの方で、一瞬の本能よりも心からこの人がいいと想う人に出会えたことを運命だと思うというニュアンスのセリフがあって、βのオメガバにおいて最高な結末だなぁとしみじみ思いました。
α×βでもお互い適度にラフで、でもしっかりラブラブな2人の雰囲気、もっと見たいです!!
思いっきりネタバレになりますのでご注意ください。
まさかのα×βとは。最終的にβからΩに突然変異とかかなぁ〜?と読んでいたのですなそんなこともなく、最後までα×βでした。
この作品のα様は切なくて可愛くて、受けにべた惚れですごく良いα様でした。スパダリじゃないけど、雄味もたっぷりありますし、色気もあるのでかっこいいです!
主人公のβさんも、Ωが好きとあるため、最初タチネコどっちかわからなかったのですが、しっかりネコさんしていてとても可愛かった!
αΩが当たり前の世の中なら、こういったカップルもいて当然なんだよな〜なんて思ったりしながら楽しく読めました。
イチャラブたくさんしていて、セッも多いし、物語も、引き気味な受けに対し攻めがガンガン押すので自分的には大好きな作品になりました。
甘さは抜群ですが切なさも同じくらいあって、特にΩとの身体の作りの違いを受けが自分で伝えるシーンはちょっと悲しかったな。
どうしたってα×Ωなら上手くいくこともβの自分では満たせないという受けの気持ち、ぎゅっとなりました。
αの攻め様には悲しい過去はありましたが、受け様という存在が心を救い、また再会した後、受け様の心も救えました。
ずっとα性に苦しんだけど、ラストシーンの攻め様の涙はとても温かいものだったと思うから、本当によかった!
それにしてもオメガバースは深い。
運命の番は幸せでもあるし、ある種呪いでもあるんだなぁ。。
よくあるオメガバースとは違う雰囲気を味わうことができ、とても楽しかったです。
不憫すぎるけど妙に明るい受けと、飄々としていてうさん臭い攻め。
この対比がコミカルでテンポが良い。
そんな2人で繰り広げられるお話は、オメガバースなだけあってえっちも多い。
受けがとにかく可愛くて...たまらなかったです。
そして攻めも受けも、バース性に強い思いがあって、こだわっている。
バース性を否定すればするほど、それを強く感じているように思いました。
攻めはとくに、αでありバース性の当事者。否定していても、受けに対する振る舞いはαそのもの。
攻めの雰囲気は柔らかく優しいので、あまり強くそうは感じられないかもしれませんが...
流されやすい受けをなんだかんだと丸め込んでいく様は、さすがαだと思いました。
バース性ではなく「人」として見られる相手に出会ったからこそ、未来へ向いて歩いていける。
唯一無二の運命に出会えて、よかったと思いました。