電子限定かきおろし5P漫画付き
真面目で涙もろい葬儀屋と底抜けに明るい自死志願者、死を見つめ生きる2人のロマンチック・ラブ。
設定がとても興味深いです。
明星光輝…文字通りキラキラした名前で笑いました。
2人の対照的なキャラ設定もいい。
数々の葬儀を見てきて「生きること」の意味を考えてきた久永。
だからこそより明星の自死を止めようとする気持ちはよくわかる。
明星の自分で死ぬタイミングを選びたい、明るく死にたいとの気持ちもよくわかる。
そんな2人が相手を説得する中で、それぞれの独自の考え、言葉、具体的な何かが出てくるのかと期待したのですが。
だいたい聞いたことある考え方が繰り返し話されている印象で。
久永が葬儀屋として見てきた実例からの死生観とかあればなぁとか。
明星が死に方をまだ決めていないとはいえ、実際にシミュレーションしてみても同じように明るい態度でいられるのかなとか。
リアリティ的にどうなのかと考えてしまいました。
でも読んでいくうちに、楽しいことのために、好きな人と一緒にいるために生きたい…というシンプルな理由で十分だとも感じました。
その過程がもう少し深みや文学性などがあれば個人的には好みでしたが。
明るく楽しい雰囲気ながら刺すところはグサっと刺されたかったと言いますか。本質的なところを見たかった。でも本作はそうではない見せ方をされたいということなんでしょうね。
BL展開になるのは自明でしたし。
リバがよかったです。
華々しく人生の幕引きをしたい若者と、涙もろくて仕事にならない葬儀屋さんのBLです。
明星の死生観には賛否両論あると思いますが、私はこのエンドで良かったと感じました。
彼の終活は華々しいけれど、沢山の素敵な思い出を詰め込むことで、心にぽっかり空いた穴を塞ごうとしているようにも見えたので。
また、自分の人生の幕引きのために人を踏み台にしようとしている、ということに気づいた瞬間歩を止めるような彼には、独善的な死に方は似合わないのではないかと。
物語として当たり障りのない結論と言ってしまえばそうだけど、明星に限ってはそれでいいと思いました。
生前葬なるものがあることを初めて知りました。
とてもいい催しですが、私には招く側も招かれる側も耐えられそうにありません。本当に仲がいい友達が生前葬(パーティー?)に来なかったのは納得です。
ですが、明星の気持ちも分かります。『明るく楽しい時に好きに死にたい』という言葉も本当なのでしょうが、家族を亡くした喪失感が自死に強く向かわせているのだろうと思いました。
家族を突然亡くすのは本当にとてつもなく心を抉られます。死んだ方がマシだと思う程の悲しみに長い間苦しみます。明星は一瞬で家族全員を亡くしたのだから、その悲しみはとてつもなく大きく、慰め合える家族1人もいないのは、自殺を考えても納得してしまいます。
賠償金を貰ったと言っていたので誰かの過失で家族を亡くしたのだと思うとやり切れないし、大切な人を失くす悲しみを知っている彼は大事な人を作るのも躊躇してしまうのでしょうか…。未練を作るのを恐れて久永と距離を取ったのに、お別れ会に呼ぶのは、もう未練になってしまっていたんだろうなぁ。
久永の「明るく死にましょう」にはハラハラしましたが、ちゃんと明星に逃げ道を作ってあげて誘導してくれて良かった。
なんだか色々考えてしまう作品でした。
可愛いしカッコいいリバとか最高ですね。
前から気になってた作品でした。
棺の中で楽しそうに美人黒服の彼の頬をさわっている表紙が気になって購入してみました。
えっ?これでどうやってBLになるの?って思いました
明星がチャラい見た目で葬儀屋にやって来て、生前葬したいと言う
そしてとんでもないこと言い出す明星に久永さんドン引きという流れで…
でもちゃんとしっかりBLになってました。て言うかBがLしなければ、最悪な結末になってたような
こんなお話初めて読んだけど、すごく面白かったです。
生前葬について調べたけど本当にやる人っているんですね。
昔子供の頃TVで自分のお葬式やりたいって人が出てて本当に自分が棺のなかに入ってお経読まれてて
なんか変な人だて思ったけど、自分が死んじゃったら自分のお葬式の様子なんか見れないもんね
今ならその人の気持ちわかるような気がする
そして明星君ですが、なぜ彼がそんな考えをするようになったかというと、家族やペットの死いずれはいなくなってしまう人たち
なかでも家族全員いなくなっことが大きいのではないでしょうか?
それからの彼は寂しいから始まって、人はいつ死ぬかわからない→生きてるうちに好きなことやらないと損→
好きなこと全部やりきったら楽しくこの世からおさらばするというなんとも単純な考えになったのかなと
でも死にたいってことは本当は生きたいってことの裏返しではないのか?
だから彼にとって久永さんと出会えたことはほんとにラッキーだったと思う
久永さんは明星に生きる意味を与えてくれた人だし、久永さんにとっても明星は死はそんなに悲しいだけのものじゃないということを教えてくれた人でもあったのです
最後の2人が抱き合うシーンはすごく泣けました。
死生観にBLを加えたお話でしたがすごく考えさせられる素晴らしい作品だと思ったのですが
リバだったのと少し萌と言うよりは、ヒューマンドラマ要素があったのでBLとしては評価は萌2とさせていただきました。
同じ作家様の作品が、電子コミックになってるのかなこれは絶対読みます!
二人の死生観が話の流れで昇華していく異色BL。リバ苦手な方は避けてください。絵はまだまだ伸びしろありの発展途上なんだけど、この先生にしか書けない物語がたくさんあるんだろうなと期待が広がりました。