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楠田雅紀先生の作品は「海辺のリゾートで殺人を」が大好きなんですが、こちらの作品も最後まで甘さが少ない点では同系統のお話だと思いました。
朝陽と尊は小学校の同級生なんですが、とにかく警察学校で再開してからが尊の態度が硬くて取り付く島がありません。
それは小学校六年生の時に起きた、朝陽の親友が遠足で訪れた高原のキャンプ場で失踪した事件に端を発してるんです。
二人が警察官を目指したのが、朝陽は事件当時にお世話になった警察官に憧れて市民の安全を守りたいと思ったから、尊は結局は事件を解決出来なかった警察が頼りなくて自分が警察の力を底上げしたかったからなんです。
尊は優秀故に警察学校のクラスメイトからは煙たがられていて、朝陽は優秀な尊を誇りに思いながらも心配してるんです。
この二人がずっと平行線で甘さが全く無くて、本当にLOVEに進むのかしらと心配になりました。
でも、お互いにそれぞれ違うキッカケで意識し合うようになるんです。
尊は遠足時に班長だったんですが、責任感の強い彼は10年間ずっと後悔に苛まれて来てたんです。そんな尊を救ったのが朝陽なんです。
朝陽は人が良すぎるので人を疑う事が嫌いで、警察官に不向きではと悩むことが多かったんですが、尊が一つ一つ考え方を変える事を説いて行って二人は警察学校の卒業に向けて頑張るんです。
そして尊と朝陽が地域の夏祭りで窃盗犯を現行犯逮捕してから、事態が一気に動き出します。
この辺りが楠田先生は流石だと思いました。
警察学校での仲間同士の切磋琢磨とか、連帯感も読み応えがありました。
そして卒業後の二人で行った温泉旅行で尊の朝陽への態度が甘くて砂を吐くようです。思い切りの良い朝陽が男前でした。
10年前の事件は小学生だった彼等にとても深い悲しみを残しましたが、最後は救いのある内容になっていました。
考え方は違えど警察官を目指して厳しい訓練に耐え切磋琢磨する姿は眩しい。ただ尊と朝陽の過去が重かった。2人が入校した事で過去が動き出し、その展開には背筋が凍る思いでした。
朝陽は勿論、責任感の強さゆえに自分を責める尊に胸が痛くなりました。最初はすれ違った2人だけど、向き合って朝陽が一緒に居て良かった。微妙になった2人の関係が動き出し、想いが通じてからの2人はめちゃめちゃ甘かった。今回は攻めの尊に萌えました!朝陽を好きすぎて可愛い!ミステリーとしてもBLとしてもしっかり楽しめる作品
流星〜(泣)
読んでるうちにまるで自分の友達が行方不明になったかのような気持ちになりました。
確かに警察官を目指す青春成長物語です。
とても読み応えがありました。
10年間苦しみ続けた尊。自分を責め続けて。その要因の一つは朝陽でもあると思うんですが。
子供だったから仕方ないですよね。まさか朝陽もそこまで尊を追い詰めていたとは知らず…。
入校式で再会し。
尊は別人のようになっていて。
朝陽がいつまでも元同級生で幼馴染みで同じ警察官を目指す仲間なのに。とこだわるのがしつこいな、と思ってたのですが…。そこに尊は救われたんですね。
尊にどれだけキツく当たられても、尊を悪く思えなくて応援したりかばったり。
少しずつ距離を縮めていく二人。
尊がまたまた別人のようになって!
同じ苦しみ、子供時代の自分、今の自分を知っていて、さらに支えてくれるのは朝陽だけ。
二人で流星の行方不明の痕跡を必死に探して推理して。
悲しい結果だったけれど、一緒に泣いて。
まだ自分を責める尊に、誰も悪くないんだともう理解できた朝陽が言い聞かせて。
二人で流星の前で誓って。
朝陽にだけは激甘に豹変した尊には正直びっくりしました。しかし、初めての恋なんですよね。
とっても熱くて情熱的で真面目に迫って。
なのにまさかの一ヶ月!?待つんかーい!
俺はお前のものになるつもりで来たんだよ!一晩で大丈夫だよ!
恋人同士としても警察官としても始まったばかりの二人。甘い時間を持てるといいですね。
警察官を目指すきっかけは同じ一つの事件だった。
けれど思いは正反対で。だけど目指すものは同じ。
尊が優秀すぎたのも辛い過去の自責の念からなのかと思うと辛いですが、最後は解決して将来を見据えて良かったですね。
お話はいたってシリアス。
そんで、ちょっとばかり重苦しい気配が詰まっている。
でも私はこのお話、面白かったんです。
と言うのも「友人が犯罪の被害者になってしまった子どもって、こんな風に感じるんだろうなぁ」と思ったから。
天羽も日野もとてもリアルに感じました。
小学校の行事で行った山で、班行動の途中に友達が行方不明になってしまう。
これはショックですよ。
日野は捜索&捜査に来た警官を頼もしく感じ、延いては『市民の為に活動する』警官になろうとする。方や天羽は、大挙して来た警官が友人を見つけ出せないだけではなく、事故か事件かもわからない状況から『事件を解決できる能力を有する』警官になろうとする。
こうして、小学生の時に同じ班で、同じ事件を経験した2人が10年の時を経て、警察学校でまたしても同じクラスになるんです。
それだけじゃないんですね。
当時2人は友人がいなくなった直後に、天羽は「戻って教師に知らせるべき」と主張し、日野は「自分たちで探してみよう」という意見だったんです。
結果として天羽の意見が通るのですが、本当にそうするのが正しかったのかは誰にもわからない訳です。だって友人は見つからないのですから。
子どもの日野と天羽は反発し合います。そしてわだかまりを残したまま天羽は転校しちゃうんですね。
そして、再会。
重っ苦しいです。
いや、重っ苦しくて当然です。
警察学校という、規律に沿いトップダウンの組織体制を体に叩き込む日常が、さらに抑圧感を高めちゃいますしね。
だからこそ、このお話の後半部分が効いたんです!
ラストに向けて萌えた萌えた。
抑圧された、いや~な気持ちが一気に浄化される様でした。
子どもがらみの事件が書かれるため『萌え爆発』にはならなかったんですが、私、楠田さんの書かれたお話でこれが一番好きかもしれません。
小学校の遠足で同級生が行方不明になってしまい、
それ以来仲違いをしていた二人の再会もの。
当時班長だった攻めが重い責任を感じていて、
あの時の自分の行動が正しかったのかどうかを
自問し続けていたのが辛かった。
子供に責任はないし、
攻めの行動も間違ってないとわかっていても
「もしあの時…」と考えてしまう攻めが、
避けていた当時の同級生達との再会や受けの言葉で救われていく姿に涙。
お仕事ものとしても楽しかったです。
恋愛要素では
お出かけに誘ったり、受けにアプローチする攻めのたどたどしさが
甘酸っぱくて可愛かった。
そして告白後は更に甘々熱烈になる攻めも良かった。
物言いがストレートな攻めは愛情表現もストレートで、
そんな攻めにタジタジな受け、
そして照れる受けを可愛い…と思っている攻めが微笑ましい。