楽園までもう少しだけ

rakuen made mousukoshi dake

楽園までもう少しだけ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神18
  • 萌×28
  • 萌7
  • 中立0
  • しゅみじゃない6

71

レビュー数
9
得点
143
評価数
39
平均
3.8 / 5
神率
46.2%
著者
安西リカ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
七瀬 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403525445

あらすじ

セクサロイドの本田は人間の所有を逃れひっそりと暮らしていた。自意識は芽生えても恋愛感情は備わっていないはずだったのに、ある日知り合った西間木という青年を可愛いと思い始め……?

表題作楽園までもう少しだけ

本田貴之,セクサロイド
西間木晴,19歳~,家電販売店員→看護師

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数9

一緒に泣いた(´;ω;`)

セクサロイドが人間に混じって暮らしている近未来的なファンタジー。
人工知能を持つヒューマノイド達は、いつしか自意識が芽生え個性が育つようになる。
その中でマスターから逃げ、人間社会の中でひっそり目立たないよう自立しているセクサロイドも。

攻め様は、そんなセクサロイドの本田。

受け様は、高校卒業したての新人社会人、晴。

本田が購入した家電ロボットが故障し、クレームで訪れた家電量販店にて対応をしたのが晴で。


セクサロイドのお話と聞いて、真っ先に受け様かと思っていたのですが、そうか、攻め様の方なのか。
セックスはするけど、恋愛感情は育たない、なんて言われていたセクサロイドの本田の、トキメキや全力の好きがとても気持ちがいい。

まずは本田視点で進むのですが、晴への気持ちにとても胸が高鳴りました。
セクサロイドの本田にとって、セックスは日常なはずなのに、晴とのセックスは、初めての愛の行為で。
本田のドキドキに、私も一緒にドキドキしちゃいました( ꈍᴗꈍ)

難病に倒れた晴の為の本田の選択。
まさかこうなるのかと、もう驚きとショックで、ページをめくる手が止まらない。


その後に晴視点に切り替わるのだけど、本田はどうなったの〜ってハラハラ。
泣きながら本田の姿を探す晴の姿に、私も一緒に泣きました(´;ω;`)


本当に、最後までラストが気になって一気読みでした。
そしてすぐに再読して、はやり同じ所で泣く。
めっちゃ感情移入させて頂きました。


本田の友達の鈴木と高橋も気になる存在。
この2人のハピエンストーリーも読みたいものです。
あと、家電ロボットのおもちもかわいかったです(•‿•)


イラストは七緒先生。
口絵の誕生祝いのシーンにほっこり。
ここでもやっぱりおもちがかわいい(•‿•)

2

今の自分にドンピシャでした

安西リカ先生の作品が大好きなので、今回も楽しみにしていました。

BL作品て今の自分の環境とか心情によって、その時に読んだ状況によって受け取り方が違って来るというか、評価も違ってしまうんです。

今回の作品は確かに悲しく思う場面もありましたが、本田の献身的な行動があって救いに繋がったし、最後の最後には奇跡的な出来事があって、こういう救済的なお話が今の私にはドンピシャだと思いました。
未来に希望の持てる展開も凄く良かったです。

孤独だったセクサロイドと人間が出会って唯一となるストーリーがもの凄く素敵でした。

それにお人形が好きだから両親が残した遺産を全て使い切るという信念の秋月の生き方も素敵でした。
出来れば彼女の活動が実り、同じセクサロイドの鈴木の思い人がスリープから安心して目覚められる世界になって欲しいと思いました。
そして鈴木と彼の番外編を是非お願いします!

1

セクサロイドの恋

今回は人間として暮らすセクサロイドと
家電販売店で働く青年のお話です。 

恋を知った攻様が受様にとっても大切な人になるまで。

攻様は人の利便性のために製造された
ヒューマノイドの中でも快楽を与えることに
特化したセクサロイドです。

人間と快楽を共有するために
外見は人と変わらない精密さで再現されており、
人工知能は感受性まで学習可能でしたが

譲渡のたびに記憶をリセットしても
彼らの自意識が育っているとこが判明すると
人工知能搭載型ヒューマノイドの製造は禁止され
彼らは社会から姿を消していきます。

しかし性愛のために開発されたセクサロイドだけは
所有者が登録逃れをして地下流通するのですが
セクサロイドの意思が設定を凌駕するようになると
マスターの支配から逃れる者が現れるようになります。

攻様が逃亡に成功したのは15年ほど前すが
目立たず、人と関わらないように暮らしてきました。

この度攻様は新居に引越し、
汎用性の家電ロボットを買いますが
呆気なく故障してしまいます。

カスタマーセンターは一向に繋がらず、
業を煮やした攻様は販売店店舗の相談窓口まで
出向くのですが

そこの窓口で攻様に対応した小柄な男性社員こそが
今回の受様になります♪

受様は丁寧に謝ってはくれますが
担当部署が対応不可と言う返事で全く話が進みません。
答えに窮したらしい受様は名刺を取り出して
明日中に必ず連絡すると頭を下げられます。

他の客の手前、渋々カウンターを離れた攻様でしたが
受様が次に相手をした女性客は理不尽な返品を要求し、
次の男性客は商品が見つからず恫喝するような態度で
攻様は思わずその客の相手をしてしまいます。

翌日受様は約束通り電話を寄こし、
引取りの手配をしてくれたのですが
配送の手配にやってきたのもまた受様でした。

受様は配送の手伝いでたまたまやってきたようですが
攻様は次も受様だったらいいのになと思います。

そんな攻様の思いが通じたのか
修理された家電ロボットも受様が配送してきて・・・

今では製造されていないセクサロイドの攻様と
アンドロイドを過去のモノと思っている受様との
人外ファンタジーになります♪

雑誌連載+続編が多いディアプラス文庫ですが
今回は完全新作で読みだしたら一気読みしてしまい
とても楽しく読ませて頂きました♪

攻様は家電量販店で知合った受様が気に入り
彼がお金に苦労している事を知ると
人助けの為と掃除のバイトを持ちかけます。

攻様は受様の来訪を楽しみにするようになり
受様も攻様に好意を持っている事が判ると
恋人関係になるのですが

受様にとってヒューマノイドという存在は
"かつて存在したモノ"であり
攻様は自分が人間ではない事を
打ち明けることができずにいます。

受様を手放せなくなっていく攻様ですが
自分の正体を知った受様がどうなってしまうのか?
自分から離れてしまうのでは!? と思うと
受様に告げるが出来ません。

しかし、予想外の出来事が起こって
攻様は受様から離れる決意をするのです。

攻様の友人のセクサロイド2人の選んだ未来も
攻様の決断に大きく影響していて
最後までハラハラ&ドキドキ、

攻様がどんな決断をしたのか、
攻様が下した決断を受様がどう受け止めたのか
受様がどんな未来を選ぶのか。

攻視点で受様へと惹かれる様子が描かれ
受視点で攻様への揺るがない愛情が語られた事で
それぞれの想いがストレートに伝わり
相手を想う強さと切なさ胸熱でした。

1

純度高め

セクサロイドものは正直苦手ですが、作家買いです!なぜ苦手かとゆーと、セクサロイドという存在が切なすぎるから。帯の煽りから…心の準備してても、この切なさには慣れないです。いま、この世界観はSFだけど、いつか、人間ってやらかしちまうんじゃないかなと余計なことも考えるから余計にしんどく感じてしまうんですよね。

人間の所有から逃れてひっそりと自立しているセクサロイドの本田は、家電量販店で働く晴と出会い、惹かれ、恋人になるのですが…ここまではいいんですよ。なんとなく気になる存在が、いつのまにか心の大半を占めるようになって(むふふ)という、何度読んでも萌えるやつです。後半の展開を予測してちょっとドキドキしちゃうけど、とりあえず幸せそうで、初々しい恋人同士にほのぼのします。自立するセクサロイド同志のコミュニティとか、それを援助する人間とのつながりとか面白いし、本来恋愛感情は持たないとされるセクサロイドたちが、経験と学習を重ねて複雑な感情を発芽させていく過程を、彼らの日常まわりを中心に丁寧に描かれていて惹き込まれます。正直、晴にそれほど魅力は感じられなかったんですけどw、本田と恋人になる展開はとても自然な印象でした。

日常系(?)の前半に比べて後半はドラマチックでした。が、キーパーソンの女性の設定がちょっと都合がよすぎるように見えてしまって、、そこが”神”ちょっと手前の評価の理由です(神寄りの萌2です)。もしくは、この展開が作者様の優しさなのかもしれません。(なんか優しすぎない!?)

とはいえ、自我のあるセクサロイド・本田の感情や思考には、もう何度胸をギュっと掴まれるような切なさをおぼえたかわかりません(反芻して泣ける)。また、セクサロイドたちのキャラクター設定が素晴らしくて、、す~さんと高橋の物語は読みた過ぎます!(小説D+掲載1回読み切り、くらいでもいいです。)彼らの感情の純度の高さが涙腺を刺激するんですよね。

セクサロイドものは苦手なんですが(2回目...)、それは彼らの行動を通して人間を俯瞰で見るようで怖いような気がする、という理由もあります。最終的に萌えた!だけでなく、いろいろ考えさせられます。(別に考えなくていいんだけど。)
最後に、七瀬先生のイラストがとーってもよかったです。

3

楽園は

先生買い。盛大に涙腺を刺激されましたが、個人的地雷?があったので萌2寄りの萌にしました。安西先生らしい優しいお話、本文250Pほど+あとがき。アンドロイドものお好きな方でしたら安心して是非とおススメしたいです。

15年ほど前にマスターの一瞬のスキを突いて逃亡し、支援組織の協力を得て自立を果たした本田。株式投資やフリーエンジニアにより何とか生活の糧を得ています。ある日購入した家電ロボットが全く動かなくなって、カスタマーセンターにもつながらないため、購入した店の相談窓口に行ってみたら、そこにいたには目と目の間が若干離れた愛嬌のある顔をした店員で・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
鈴木(攻め同様、自立した元セクサロイド)、金丸(攻めと鈴木をメンテしてくれる技師)、高橋(スリープしてしまったセクサロイド)、受け義理兄(医者)、秋月(特別病棟に入院している女性)と、忘れちゃいけない、おもち!(家電ロボット、最終頁におもちのラフあり、むちゃくちゃ可愛い、欲しい)ぐらいかな。

++攻め受けについて

攻めはそんなにスパダリ感満点ではないです。カッコよすぎるとヤバイということで、髪は割と伸ばしているし出かけるときには必ず眼鏡、とにかく目立たないこと、人の記憶に残らないように気を付けて、なんだか息をひそめて暮らしているという感じ。メンテナンスによりすごく長い時間を手に入れてしまって、どこへ向かうんだろう・・・・?と読んでいる方が不安に思うのです。私が終わりのないものが苦手だからかも。自立したセクサロイドの中には同じように不安になってか「スリープ」してしまうものも。(ゆるやかな死という気がする)そんなセクサロイドの方でした。

受けは高校出て働き始めたばかりの一生懸命さん、めちゃんこ美人さんという訳でないけど愛嬌のある容貌。一生懸命な様子に惹かれたのかなあ。自分の持てない何かを彼の中に見出して惹かれたのかなと思うのです。

そんな二人が必死に足掻いて、二人共に歩む未来につなげていく、そんな感じのお話で、途中、ボロ泣きするところもあります。だから車中読みにはちょっと向かないかも。

個人的地雷は職業柄、どうしても記憶(メモリー)に関するものがひっかかってしまってですね、申し訳ないです。リセットされちゃったら、やっぱり無理だよと思っちゃうんです(涙)どっちかっていうと「もう一度惚れる」が良かったかな。SF的要素が入ってくると色々すんなり受け止められなくなって、ダメですね。

個人的地雷はさておき、お話はアンドロイドものとして王道で読みやすいし、ほんとすぐその辺に居そうな受けなので、シンクロしやすかったでした。アンドロイドもの初めて!という方でも良いと思いますので、是非是非。サブキャラのすーちゃんと高橋さんのお話が読めないかなとめちゃくちゃ期待してます。だって今回、完全な楽園に到達してないですよね。すーちゃん、めっちゃ好きだったんです。だから彼らのお話で、完全な楽園を。先生、編集様、何卒何卒。

4

セクサロイドの恋

安西先生だから情報なしで購入したらアンドロイドのお話でびっくり。切ないし苦しいしどうなる事かとドキドキ。
セクサロイドの本田と後に看護師の晴。セクサロイドの設定の残酷さが辛かったけど後々まで効いてた。快楽はあっても恋は分からない本田が、晴には出会いから惹かれてたと思う。普通に恋して想い合って、だけど先は望めなくて…別れは苦しくて、晴の姿に泣けて泣けて。でも、ここからの晴が強かった。辛くても本田を好きだから諦めない、難しい状況でも積極的に動いてまた共に歩む姿にまた泣きました。鈴木が良いキャラでね、彼も幸せになれたらいいなぁ。

3

読めて幸せだった

ツイッターで表紙を見たとき、なんて素敵な表紙なんだろうと思い購入。
砂浜で手を取り合って歩く二人。
幸せそうですね!!!
読後にこの表紙を見ると「愛!!!!!!」という心の叫びしか出てこないのですが、この感動をなんとか文字に起こしてみようと思います。

ネタバレを踏んでしまうと面白さが半減してしまうので、できるだけ避けながら感想を書いていこうと思います。

まず、本田さん(攻めさん)について。

受けさん(晴)を溺愛しています。
思いが通い合った後の二人の会話なんて読んでいるこっちが恥ずかしくなってしまうくらいかわいいんです!

特に私が好きだったのは、晴がなかなか口に出せない言葉を口に出しやすいように本田さんから言って、晴に復唱してもらうところですね!
(説明下手で伝わらなかったら申し訳ないです…とにかくここが萌えポイントなのです…)
この掛け合いが後々涙を誘うもとになります…

一方で、晴には自分がセクサロイドであるということを隠しながら生活しています。
これは「晴を傷つけたくない」「苦しめたくない」という本田さんの強い思いからです。
相手のことを大切に思っているからこその隠し事。

私の心には早く吐いて楽になっちまえよ…と悪魔のささやきが聞こえてくるのですが、この秘密こそが感動を盛り上げてくれるのです…
ありがとう…


続いて受けさん晴(受けさん)について。

とにかく応援したくなるキャラです。
その性格も、本田さんを想う気持ちも、恥ずかしがっているのも、もう全て何もかもが愛おしい。
本田さんがずっとかわいいを連呼しているのにも頷けます。

物語の最初の印象は「かわいい」でしたが、物語が進むにつれて「かっこいい」に変化していきます。
脳内大悶絶。
読者を飽きさせない受けさんです。

なんかもう読んでいるだけで心が浄化されるような気がします。
ありがとうございます…


ほとんど心の叫びになってしまい、うまく伝えられなかったのが口惜しいです。
尊いお話を読むと語彙が消失してしまうので…

とにかく心が浄化されるお話です…
最後には約束された幸せが待っているのでぜひ!!!おすすめです!!!

4

優しくって温かな、壮大な愛のお話

作家買い。
七瀬さんの描かれた優しい表紙から、ほのぼので温かなお話なのかな?と思いつつ手に取りました。が、うん。
いい意味で裏切られた、そんな感じ。
深い深い愛情を描いた、壮大な愛のお話でした。

普段ネタバレ上等でレビューを書いていますが、あんまりネタバレし過ぎちゃうと面白みが半減してしまうと思うので、なるべくネタバレなしでレビューを描こうと思います。




主人公は本田。
彼はセクサロイド。かつて争うように作られたヒューマノイドは今は廃れたが、人とセックスをする目的で作られたセクサロイドは今も一部の愛好家の中でやり取りをされている。

自我がないはずのヒューマノイド、セクサロイドは、やがて自我を持つようになり持ち主の元を逃れるものもあらわれた。本田は、自由を手に入れた、はずのセクサロイド。

人と違い老化をせず、眠りもせず、食事もしなくていい彼らは仲間や一部のエンジニアたちとグループを作り、人との接触をなるべく避けて「生きている」。

そんなセクサロイドの一人である本田は、ある家電を介し家電屋に勤務する西間木という青年と出会う。些細なことをきっかけに、本田は西間木と恋に堕ち、恋人同士になるが―。

セクサロイドが主人公のお話ってなくはないですが、ほとんどは受けの立場。持ち主に酷いことをされ、今ではひっそりと息を殺すように生きている、というのがある意味定番なバックボーンな気がしますが、今作品のセクサロイド・本田という青年は豪胆な性格、という感じで描かれています。

本田と西間木くんが恋に堕ちる。
それはBLとして王道の展開なのですが、今作品のキモは、二人の恋の成就という部分ではありません。とある出来事が、幸せに、穏やかに暮らしていた二人の幸せを引き裂いて―。

自分のことよりも、相手を大切にしたい。

そんな深い愛情に思わず落涙しました。
正直読み始めたとき、というか、二人がくっつくまではさほど感情移入できなかったのです。個人的にBLを読むときは二人が恋人同士になるまでの過程を楽しみたいので。

が、本田が西間木くんのためにした行動が切なくて泣けた。
愛するってどういうことなのかな、と。
生きる、ってどういう事かな、と。

本田はヒューマノイド、機械なわけです。
本来なら感情は持たないはずの存在。けれど彼は、彼のすべてをかけて西間木くんを救いたかった。彼のために何かをせずにはいられなかった。

本田が主人公なので彼がメインではありますが、彼の仲間たちも素晴らしく良い。彼らの行動を鑑みて、自分たちの都合で勝手にヒューマノイドを生み出した人間の業の深さが哀しい。

ベースとしてはシリアスですし、最後の最後までハラハラする展開なのですが、今作品が描いているのは深い愛情。相手を想う優しさ。人としてのモラル。ヒューマノイド、あるいはセクサロイドといったSF要素がてんこ盛りなので、もしかしたら好みが分かれる作品かもしれません。

けれど、すごく温かいストーリーで、読後心がほっこりする、そんな1冊でした。

6

貴方の存在が、世界に意味を持たせる

新作完全書き下ろしで、セクサロイドと人間との純愛を綴った作品になります。

ヒューマノイドと人間との恋って使い古された感のある設定なんですけど、なのにこれが、すごくすごく良かったんですよね。
ものすごく切ないのに、同時にめちゃくちゃ優しくてあたたかいお話で。
帯に感涙必至となってるけど、本当に泣けましたよ~。
また本文中で攻めがですね、受けの居ない世界に意味はないと思うんですよね。
逆を言えば、受けの存在こそが、彼の世界に意味を持たせるんだろうなぁと。
例え作られた生命だろうと、その胸に宿る愛情は本物なんですよね。
もう、めちゃくちゃ感動ですよ!

で、内容です。
ヒューマノイドが存在する世界で、自我に目覚め人間のふりをしてひっそりと暮らすセクサロイドの本田。
そんな彼が、家事ロボットの修理に訪れた販売店で出会ったのが、店員である晴。
彼と関わり合ううちに、セクサロイドである自分が恋した事に気付きますがー・・・と言うものです。

こちら、テーマが「ロボットと人間との恋」なんですよね。
で、面白いのが、ヒューマノイドである攻め視点で語られる所でして。
本田ですが、ヒューマノイドでありながら、ちゃんと人間としての感情や意思を持って、普通に生活しているのです。
そんな彼が唯一分からないのが、恋愛感情。
セクサロイドの特性的に、恋愛感情の芽生えは無いと言う設定で。

えーと、安西先生ですが、キャラ達の心の機微と言うものの表現が大変お上手なイメージなんですよね。
や、まさに恋に落ちてゆく瞬間のはずむような心地だったり、気持ちが通じ合い、愛しさや幸福感で酔いしれるような心地だったり的な。
今回もですね、最初はちょっと可愛いなぁくらいから、会える日が嬉しくてたまらない、やがて考えるだけで愛しさが込み上げてくるてな感じで、主人公の恋する心情と言うのが、とても丁寧に繊細に綴られるんですよ。
恋をしないはずの彼が、受けを好きになったー。
それを読者が、ごくごく自然に受け入れられるほどに。

もうね、二人が出会って、恋に落ちて、やがて気持ちが通じ合い、いつしか恋人同士として深い絆を築いてゆくー。
前半を使って、二人の数年に渡るこの日々がとても丁寧に綴られてるんですよね。
これがあまりに可愛いし優しいもので、読んでてひたすらニヤニヤしちゃうし萌えちゃうんですよ。
本当に、この恋愛パートが最高なんですよ。
さすが安西先生!なんですよ。

が、ここで問題になってくるのが、テーマである「ロボットと人間」と言う彼等の存在自体の違い。
本田ですが、セクサロイドである事を隠したまま、晴を恋人にしたんですよね。

自身がセクサロイドだと言う事を告げて、晴を失いたくない。
ただ全然老いる事のない自分の身体と、いつまでも隠し続ける事も出来ない・・・。
それでも、離れる事はどうしても出来ないー。

本田のこの葛藤がですね、幸せな日々の中に滲むため、とてもあたたかいのにどこかしっとりと切ない印象なんですよね。
またここから事態は急転直下。
二人が出会って四年後ー。
同棲中の晴ですが、難病に倒れて・・・と続きます。

ここからがですね、もう涙、涙でページが見えない!でして。

や、これ、本田の選んだ道が悲しすぎるんだけど!
また、彼が晴に残した言葉が切なすぎるんだけど!!

これね、思うのが、彼は晴に出逢えた事が本当に幸せだったんだろうなぁでして。
彼の世界は、晴の存在によって初めて意味を持ったんだろうなぁでして。

ちなみに、ちゃんとハッピーエンドなのでご安心を。
これね、本当に上手いなぁと思うのが、ここから受け視点に切り替わる事なんですよ。
本田によって助けられ完治した晴が、今度は立ち上がる。

読んでて、胸が熱くなったよ。
何度でも恋に落ちと、めちゃくちゃトキめいたし感動しまくったよ!
あーーー!
めっちゃいい話!!
もう本当、めちゃくちゃいい話ーーー!!

えーと、若干ですね、最後が駆け足気味だしちょい都合が良い気もするのです。
でも、二人が幸せだからいいのです。
世界は愛する二人に優しいのです。

と、そんな感じで切なくて優しくてあたたかい。
素晴らしい作品でした。
サブキャラである家事ロボット・おもちも最高でした。
役に立たなくていいから、我が家にも欲しいわ。

7

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