渇仰 新装版

katsugou

渇仰 新装版
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神14
  • 萌×26
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

126

レビュー数
5
得点
94
評価数
23
平均
4.2 / 5
神率
60.9%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
梨とりこ 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
電子発売日
ISBN
9784773063202

あらすじ

お前は僕の一番大切で、可愛い犬だよ

家も仕事も恋人も全て失った明良の前に、一人の男が現れた。達幸――ある事件以降、六年間連絡を取らずにいた幼馴染だ。
若手人気俳優になった達幸との再会に戸惑う明良だが、気づくと高級マンションへ強引に連れ込まれ、「俺を明良の犬にしてよ」と懇願されながら身体と心を彼の熱い雄で、激しくかき乱され……!
大人気シリーズ「渇仰」「渇命」を一冊にまとめ、大ボリュームの新規書き下ろしを加えた新装版、ついに登場!

表題作渇仰 新装版

青沼達幸,24歳,人気俳優「青沼幸」
鴫谷明良,24歳,建設会社を不当解雇された会社員

同時収録作品渇命

青沼達幸,25歳,人気俳優で明良の恋人
鴫谷明良,25歳,達幸の恋人で飼いマネージャー補佐

同時収録作品フェイク・ファーザー

青沼達幸,33歳,人気俳優で明良の飼い犬
鴫谷明良,33歳,達幸の恋人で飼い主でマネージャー

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数5

伝説のワンコ攻め

攻めの達幸はサイコパスな異常者で変態、他の作家さんの作品に出てきたら間違いなく悪役なのですが、読んでいくうちになぜか「人間の振りした犬」に見えてきます。そして常識的に考えると、受けの明良は異常犯罪の被害者なのですが、途中から「最高の飼い主」に見えてきます。
最初は「ヤバイ!頭おかしい!」と思って読んでいても、途中から倫理観が麻痺してきて、忠犬とその飼い主の至高の愛の物語のような気がしなくもなくなるのが、宮緒先生マジックというか、宮緒先生のBL作家としての実力の高さだと思いました。
達幸は作品を通して一貫してヤバいのですが、恐怖に感じる時と笑えてしまう時があって、その落差がすごく面白かったです。

0

2012年発刊の新装版 面白かった

2012年発刊の「渇仰」「渇命」の合本+書き下ろしショートストーリー付。
姐さんがたが高く評価しているので、電子版で読了。
宮緒先生の作品には、スパダリの執着愛が多いけれど、これもそう。「犬攻め」。

達幸の病的な執着、強依存に縛られて苦しむ明良の心情変化、
ネグレクトされたトラウマを持つ達幸。
犬っぷりに振り回される明良、犬の調教が上手くいかず、シリアスなテーマなのに爆笑。凄く面白かった。

「渇仰」
交通事故で入院した後、六年間音信不通の幼馴染 ・達幸は、火事で焼け出された明良と再会するなり、飼い主兼恋人になってと懇願する。
達幸の異常な性格は、実の母や親族の虐待が因だと、明良は父から聞く。
達幸の先祖返りの碧眼を美しいと言ってくれたのは、明良だけだった。
・・と、過去が徐々にわかると、二人の有り様が気の毒で悲しくなる。

「渇命」
狂った演出家、赤座が明良に執着・・当然飼い主の為に荒れ狂う犬。

書きおろしSS「フェイク・ファザー」
二人とも30代。 父親役の達幸。子役の少年とその母親の件。

古さを感じる箇所(ガラケー➡スマホとか)を編集しているので、古さを感じない。
電子版を買ったけれど、おもしろかったので紙本も買う予定。

・・・
【渇仰】
(渇して水を思うように、仏を仰ぎ慕う意) 仏を深く信じ仰ぐこと。転じて、人や事物を尊び敬うこと。深く慕うこと。
【渇欲】
のどがかわいて水を欲するように、強く思い望む気持。
【 渇命】
飢えやかわきのために命があぶなくなること。

2

デビュー10周年おめでとうございます!

発売当時に読んでいたのですが、今回新装版が発売されると知り迷わず購入しました。


当時はちるちるさんの存在を知らなかったので、評価もレビューもしていませんでした。

でも、BLに戻って来たばかりの頃に読んだ作品なので、その強烈な内容は記憶にありました。
今回は内容の再確認という意味で、とても楽しみにしていました。

記憶は薄れていたものの、読んで行くうちにそうだこういう内容だったと思い出しました。でも当時と感じ方が違ってて、気の毒だと思っていた明良が意外に嫌なヤツに感じて達幸が可哀想に感じました。

当時は抵抗感があった「胎内」という表現にも耐性が出来てたのに驚きです。

この作品はエロ部分よりも達幸の俳優としての魅力とか仕事面の方が面白くて、ちょっと長いエロシーンには飽きてしまって萌2にしました。

現在に合わせて改稿してあるので、作品に古い印象が無いのも凄いと思いました。

それから達幸のマネージャーの松尾さんが素晴らしい人物で、ストーリーに深みを与えていました。この人無くしてこの作品は成り立たないです。

それから書き下ろしの達幸と明良が33歳になってからのお話が読めて感無量でした。


強烈な達幸の個性で好みが分かれる作品ですが、達幸の俳優としての危機を明良と二人で乗り越えて行く部分が読み応えのある作品です。

2

どうかしてる

他社さんで出しておられた「渇仰」「渇命」を合体させた新装版。書き下ろしあるとのことだったし、久しぶりに狂犬に会ってみようと思ったので購入。2段組全380P弱。狂犬?凶犬?執着犬?とそれに流されてしまう美人マネージャーのお話で、尋常じゃない攻めが大丈夫&芸能界ものがお好きな方でしたら良いのかも。やっぱり2冊分達幸を味わうとちょっと飽きちゃったのですが、絶対忘れない本ということで萌2にしました。

恋人に振られたその日に、帰宅したところ自宅アパートは絶賛燃え燃え中。茫然自失としていたら、背後から抱きしめられ、ふんふん匂いを嗅がれます。会いたかった…とつぶやくその男は軽々と明良を抱き上げ、車に乗せて…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
松尾(攻めのマネージャー、偉大)、タツ(受けの昔の飼い犬)、伊勢谷(達幸に主役を奪われた人)、公明(受け父、優秀な医者)、その他達幸の出演する作品の監督やら脚本家やら、あーちゃんを汚すとみなされた方々多数。

++

王道では無いと思うのです。王子様やスパダリな攻めがお好きな方は「あ、無理」って思うかも。今回読んで改めて「やっぱこいつ駄犬だわ」ととても思いました。育った環境が起因となってるのですが、精神的に壊れてるとしか思えないです。親の愛情をもらえるかもらえないかでこんなに歪になるのか?と思うぐらい、変。決して理解できない攻めですが、まああーちゃん与えておけば素晴らしい俳優さんになれるんで、頑張ってお金稼いでねと思います。カッコいいはずなのになあ・・精液で臭い付けすることに固執するので個人的には「しつこい!」と思ってしまいました。可愛いところもあるんですけどねえ・・・

受けは美人さんなんでしょうねえ。常人ではない攻めに尋常じゃなく執着されて臭い付けされて、最後は「もういっか」とどっか一本ネジが飛んじゃったんだ印象です。こんなイケメンが自分の一言でしっぽ振りまくる!というところに快感を覚えることや、どこかに行ってしまっているイケメンを可愛く感じるようになるところは、うんうん分かると思います。二人でダメダメ感満載だから魅力なのかな。もうちょっと達幸をコントロールできて万能感あるようにしたらやっぱり面白くないのかな。

面白いなあと思う部分と「うーんここしつこい」と思う部分と色々ミックスされていて純粋に超おススメ!とはいいがたいのですが、とにかく変態犬?狂犬?執着犬?度では今まで読んだ小説の中でも間違いなく№1なので、その方面がお好きな方でしたら是非是非。

1

宮緒作品ならではのワンコ攻め。

作家買い。
2012年に刊行された『渇仰』の新装版で旧版は既読。「新装版」は旧版と何が違うんかなー、と思いつつ手に取りました。

まず、前半は『渇仰』が、そして後半には2014年に刊行された『渇命』が収録されており、かつ、終盤に書き下ろしの「フェイク・ファーザー」が収録されています。旧版2冊に関して、大幅な修正、改稿はありませんが、ちょびっとだけ加筆・修正はありました。旧版のレビューにも内容は書かれていますが一応こちらでも書こうと思います。







24歳のリーマン・明良は、その日恋人に振られてしまった。しかも、明良の同僚との二股の上でのことだった。傷心しながら帰途についた彼はさらなる絶望に襲われる。住んでいるアパートが火事で全焼。恋人には振られ、住む家も失った彼だが、彼には頼るべき親も友人もいなかった。

どうしようかと立ちすくむ彼の目の前に現れたのは、明良が最も会いたくなかった人物。人気俳優の達幸だった。なぜ達幸がここに?そう思う明良だったが、家を失った明良を、達幸は瀟洒なマンションへと連れていき―。

明良という青年はなかなか複雑な内面を抱える青年ですが、それは彼の家庭環境にあります。父親は医師で、母親も裕福な家の子女。金銭的に困ることはなかったけれど両親の夫婦仲はあまりよくなかった。母親は口を開けば父親のように医師になるようにというばかり。そして決定的になったのが達幸の存在。

達幸は父親のかつての恋人だったという今は亡き女性が遺した息子。
父親とその恋人の女性との仲を疑い、そして無口で何を考えているのかわからない達幸を母親は疎んじていく。父親を深く尊敬していた明良は、父親に言われたこともあって達幸と仲良くするが、けれど、とある事故が、明良の心を壊してしまって―。

その出来事をきっかけに、明良は両親とも、達幸とも疎遠になった。
その達幸がなぜ今ここにいる?

そんな明良の思いに、読者は引きずられる形で読み進めていくけれど。

宮緒作品には、受けちゃん大好き、ワンコな攻め。って珍しくないというかむしろワンコ攻めくんは沢山登場しますが、今作品の攻めくんはもうぶっちぎり。ぶっちぎりのキモさを持った青年です。マジでヤバいです。

達幸という青年はイケメンで、若手人気俳優という立ち位置にいる青年ですが、んー、彼がブサキモな見た目だったらこうは萌えないんじゃないかと思う青年です。

何しろ彼のすべては明良(達幸は彼を「あーちゃん」と呼びますが)が軸に回っている。綺麗で優しいあーちゃんが他の男に取られないように。だから、自分の匂いをつけておかないと。彼の中を、「自分」でいっぱいにしておかないと。というわけで、まあ明良のことを抱きつぶします。どこでも、誰がいても、達幸には関係ない。

明良はとある思惑をもって達幸に抱かれますが、これがまた切ないというかシリアスというかめっちゃダークです。宮緒作品ならでは、って言うんですかね、最終的にはほだされる形で達幸を受け入れますが、そこに至るまでがドロドロのストーリー展開です。

『渇仰』は明良が達幸を受け入れるところまで。後半の『渇命』は、そこから一歩踏み込んだお話になります。

明良がそばにいないとどうにもこうにもならない達幸の手綱を握るため、明良は達幸のマネージャー補佐として働き始めます。明良を一心に求める達幸との距離感が掴み切れなかった明良は命の危機にまで晒されて―。

これね、ずるいと思うのは俳優をしている時の達人がめっちゃカッコいいこと。
明良の前でシッポを振りご褒美を欲しがり、あれやこれや致してしまう達幸はキモ怖いくらいなのに、俳優をしている時の達幸のカッコよさは悶絶必至です。

で、そのカッコいい達幸を、梨さんが描いているのもめっちゃ良い…!

旧版も梨さんが挿絵を担当されていましたが、新装版も梨さんが描かれています。明良と達幸の、危ういバランス感っていうのかな。一歩間違えたら二人揃って自滅してしまいそうな危うさが、梨さんの絵柄にぴったりなんです。共依存、ともいえる二人の関係、を見事に描き切っています。

達幸の明良への執着心から、レイプまがいの行為あり、場所を厭わずに盛る行為あり、結構エロ度は高めです。エロ度が高い作品が苦手な方にはお勧めしづらい側面はあります。

が、達幸の執着っぷりはもはやあっぱれ。
彼は明良の犬だと自身で公言していますが、「犬」にこだわるその理由もきちんとあるので納得。はじめはご主人さまの言いつけを守れない駄犬ですが、少しずつ「待て」ができるようになっていくのは明良のしつけの賜物か。

書き下ろしの「フェイク・ファーザー」についてですが。
33歳になった二人、という時系列のお話です。33歳という年齢になり、達幸に父親役が回ってきて―。

基本的に今作品は綺麗な明良を周囲の男たちから守る達幸、という体で進むストーリーですが、この書き下ろしは達幸を狙うとある人物のお話です。あーちゃん以外はみんなクソ。位に思っている達幸ではありますが、彼がどうなるのかぜひとも手に取って確認していただきたいです。

文庫本2つ分の分量+描き下ろしが収録されているためか、めちゃめちゃ分厚い1冊です。読んでいて手がぶるぶるします。自立します。書き下ろしもそこそこ分量があるので、読み終わった時は若干ぐったりします。中身も濃いですしね。でもこれが宮緒作品の基盤という気がします。

書き下ろしのページ数が結構あるので、旧版をお持ちの方でも新装版を買われても良いのかなと思います。梨さんの描かれた挿絵も新しいものでしたし。

宮緒作品にどっぷり浸れる一冊。
萌え云々、というよりも、この世界観は宮緒先生にしか描けないんじゃないかと思います。好みが分かれる作品かと思いますが、個人的にはこの突き抜け具合に賛辞をささげたい。

旧版を未読の方は、どうぞ心して読まれることをお勧めしたいです。

12

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