イラスト付き
小中大豆先生が大好きなので作者買いです。
あとがきにあった小中大豆先生が目指した通りの優しい世界観でしたので、オメガバでも安心して読めました。
どちらかというと登場するアルファの方が、オメガの発情(ヒート)によって望まぬ関係にならないように怯えてる印象がありました。
面白かったのはどうやってシアがヴィスランの子を身籠ったのかとか、どうして二人が離れ離れになって再会に四年もの期間が空いてしまったかの理由でした。この辺が全く想像出来ない理由だったのに感心したんです。
でも、お互いに好意を持ってたのにお互いを思い遣るばかりに告白のタイミングを逃してしまったシーンがとても焦ったく思いました。
でも告白出来てたらこちらのお話にはならないので、上手いなと思ったのも確かです。
不本意ながらも王太子となりやがてルフス王国の国王になって、孤独な中でも諦めずにシアを探し続けて迎え入れる準備をして来たヴィスランの気持ちを思うと切なかったです。一途な攻め好きには堪らないと思います。
そしてただ守られているばかりじゃなく、自らの技術で生計を立てて来たシアに今までに無いオメガ像を見た気がしました。
波瀾万丈な二人の恋の行方が綺麗にまとまっていて、読後感も良い結末になっていました。
やっぱり小中大豆先生の作品大好きです。
ルフス王国の田舎で息子のミランと2人で暮らす人族のシア。
人族の子供ですがミランは獣人族。
それはミランのもう一人の親が獣人族で、実はルフス王国の国王ヴィスランだからです。
シアの母国カーヌス国の大学院にヴィスランが留学してきて、その寮でルームメイトになった2人。
そこから親友になり、ヴィスランに恋愛感情を抱いていきます。
とある事があり、シアはヴィスランの子供を身籠るのですが(オメガバース設定です)、妊娠を自覚する前に2人は離れ離れに。
ミランの存在をヴィスランには知らせず、秘密にしながら親子2人で暮らしています。
そんなある日シアはヴィスランと再会し、止まっていた2人の関係が再び始まります。
片親であることや身分違い等、不憫な主人公のお話になりそうなのですが
シアの周囲の人がとても温かく、ミランが元気でめちゃくちゃ可愛いくて。
全然可哀想ではなくて、どちらかと言えばほのぼのしたお話だったと思います。
王家の跡目争いや身分違いといったドロドロした事よりも
ヴィスランとシアの長年の両片思いと、ミランを含めた家族の形といった事に焦点を当てたストーリーでした。
ヴィスランはスパダリなのですが、穏やかな人柄で心情がケモ耳やしっぽに出て可愛いかったです。
ミランに対しての控え目な親バカも良かったです。
ヴィスランがシアの事を好きなのは結構分かりやすいのに気付いてない、天然?おっとり?なシアも良かった。
こんなおっとり穏やかでいい人な2人だから、きっと周りも優しくてほのぼのしたお話になったのだろうな。
そしてミランが無邪気で可愛いくて良い子でした!
挿絵にミランが登場する度に癒やされてました。
子育てBLでもあるので、ラブやエロは少なめでした。
ラブ要素は2人の大学時代のお話が可愛く優しい日々なのと、再会後の焦れったい所かな。
激しめラブを求めると物足りなさを感じてしまうのですが、穏やかでほのぼのとした気持ちになれるお話でした。
あと個人的に大好きな、小中大豆先生の文章はやっぱり読みやすくて好きでした〜。
表紙の絵は、内容のダイジェスト版。分かりやすい。
みずかね先生の挿画効果で、ファンタジーの世界観が拡大されている。
シアは、美貌の人属、そして捨て子の孤児だった。
シスが有り得ない妊娠で生んだ子ミランは、獣人との混血。
シスは、人属でオメガでもない、有り得ない不思議な妊娠と出産。
自分が生んだ子を、父親側に奪われないように
「ピューマ族」と偽り、田舎に隠れて子育てをするシス。
シスの発明品を売りに、たまに都市に出かけている。
ミランとシスがデパートで買い物をする際中、王族の昔の恋人と再会。
・・・ここから、二人の馴初めの回想に変わる。
シスは孤児。内向的な性格、中性的な外観の、優秀な研究者。
でもからくり工房が多い故郷の島では、シアの発明品は余り評価されない。
成績優秀なシアは、特待生として大学に入学、そして大学院に進んだとき、
留学生のヴィスランと同室になる。
舎監に頼まれてヴィスの面倒をみながら、シスは仲良くなり、1年半を同室で過ごす。
有り得ない発情を起こしたシス。
そして、ヴィスが故郷に帰り、別れたあとで妊娠を知るシス。
出産後、シスの発情は二度となかった。
・・ここで回想終わり。
シスをオメガに変えたのは、ヴィスの強すぎるアルファ性?
ハピエン。
シアが生んだ子獅子ミランが、聡くて可愛い。
イラストがとても美しいです。柔らかい金色の髪に金色の目のヴィスランと真っ直ぐな黒髪で華奢なシア。体格差も良いです。
私は獅子の耳に注目した事がなかったんですが、ライオンならネコ科だし、猫や虎と変わらないんじゃない?って思ってましたが、違うんですね!(表紙の絵に注目です)ライオンの耳って形が愛らしいって思ってしまいます。
ヴィスランは王族アルファで大きな体躯、何かあっても動じない見た目なのに、シアに対して耳や尻尾では心の中がそのまま表現されてしまい、ちょっとしたシアの言動で色々な耳の動きがあるのが可愛いです。
身分差から、なかなかヴィスランの思いを受け入れられないシア、そんなシアに我慢強くシアのやりたい事を尊重してあげながら離れたくないと思うヴィスラン。
攻めも受けも我慢強く、健気です。シア目線で語られるヴィスランの耳と尻尾に注目して読んで欲しいです。
作家様買いです。
オメガバースと獣人モノがまざったお話です。
シアは孤児院育ちの平民で、ヴィスランはルフス国の王様です。
そんな身分差のある二人が出会い、恋に落ち、すれ違いー…と、切なさ、悲しさ、愛しさが詰まった作品になっていました。
身分を隠して学校に入ってきたヴィスランはシアのルームメイトで、
そこから二人は仲良くなり、それぞれに恋心を抱くのですが、
一つの発情で二人の関係は変わってしまいます。
そして、シアは身籠り行方をくらましー…。
人間は発情することがないはずなのに、シアが発情したのはなぜなのか。
医学的にはわかってなかったけど、二人の中で思った事が答えなんじゃないかなと思います。
家族モノも、オメガバースも、ケモミミも好きだから
すごくときめいた作品でした。
シアとヴィスランの子供のミランが、すごくしっかりしてて可愛いんですよ。
何も事情がわからない中で、ヴィスランに「シアをいじめないで」と言うミラン。
小さいのにシアを一生懸命守ろうとする姿に胸を打たれました。
それぞれ今まで苦労した分、これからは家族4人で幸せに暮らして欲しいなぁと思いました(*´ω`*)