SS付き電子限定版
三年交際していた恋人♂が、黙って結婚を決めたことでフラれてしまい、退職して実家に戻ってきた受様と、そんな受様の実家に下宿している攻様のお話。
三年ってかなり長いのですよね。その間、受様ときちんと恋人してたのなら、元カレもちゃんと受様を想っていただろうことが伝わり、それでも結婚を選んで、別れ話もなしに受様を捨てたという事実が、しんどさを増して伝えてきます。退職してでも離れたかったほどなんですよね。
傷心がこれでもかと伝わってくるのに、それを表には出さずに振る舞う受様にまた切なさが。
一方、好きとはなんぞや、な若い攻様。
即落ち2コマかな?な勢いで受様の涙に一目惚れし、転がるように恋に落ちます。
この、好きとはなんだと理屈で考える前に、一瞬の内に全力で恋に落とされたが故に、受様一直線な攻様の実直さがとても良かったです。
経験を重ねたが故に自身の性嗜好と向き合わざるを得なかった受様と、経験を重ねる前が故に走っていける攻様。
すごく優しいお話でした……!
3年付き合った彼氏と別れ、仕事を辞めて地元に戻った匠。そこで実家に下宿する早月と出会うところから始まるお話でした。
冒頭の元カレとの別れのエピソードはすごく苦しいもので、何でもないようにして見せる匠の笑顔が本当に切なくて…
いくら頑張っても越えられない壁に気付いてしまったら、すべてを一旦おしまいにしてしまいたくもなるよな、と。
そんな空っぽな時に早月に出会って告白されるけれど、すぐには気持ちを受け入れることができない匠。迷わず想いをぶつけてくる真っ直ぐさが怖かった部分もあったかもしれません。
でも早月がブレずに伝えてくれたからこそ、匠の心は救われてまた前を向くことができて。出会ってくれて良かったなと思いました。
そして匠の母ちゃんは本当にすごい人だなと感じました。昔からたくさん悩んできた匠にいつも寄り添ってきたのでしょうね。何があっても揺るがない親子関係ってすごく素敵だなと、しみじみ。
切なくて苦しい過去を乗り越えて、ふたりが心を通わせていくまで。甘さも感動する場面もあるとても素敵な作品でした。
想像していた以上に良かったです。
受けが序盤から不憫で仕方なくて切なかったので、攻めが現れてくれて本当に良かったと思います。
元恋人に裏切られたこの過程が本当につらくて。あらすじには振られたなんて書かれてますが、そんな優しいものではありません。
同性間で結婚できない現代では、この別れ方は残酷で苦しいものでした。
直前まで好きだった相手ですから、受けが元恋人を引きずるのも理解できます。
そんな弱った彼に一目ぼれしたのが、攻めでした。
強引ではないけれど、ぐいぐいと頑張る彼だからこそ受けの枯れかけだった心を潤していきます。
どこまでも臆病な受けと、そんな彼に寄り添っていく攻め。
2人が恋人になれたときは、ほんとうに良かったと安堵しました。
↓ネタバレ含みます!
あらすじで気になり購入してみました。三上志乃先生の作品は初めて読みましたが、絵柄も好みでストーリーもとても良かったです。
三年付き合った元彼が黙って女性との結婚を決め、退職し実家に戻ってきた匠。そんな彼に一目惚れしたのは初めて恋を知った早月。そんな傷ついて恋に臆病になっている匠と恋愛初心者ながら頑張る早月のお話です。
匠が切ない…。タバコ吸いながら一人で涙流してるところとか切なすぎて私も「泣かないで…」と思いました。元彼が開き直ったクズとかならもっと吹っ切れたのかもしれませんが、土下座して泣いて謝ってるところを見ると吹っ切るにもなかなか吹っ切れなそう…。確実に最低なことはしているんですが彼にも色々と苦悩があったのかなぁ…と少しだけ思いました。
恋を覚えたての早月が可愛かったです。グイグイと行動力がありストレートに言葉をぶつける真っ直ぐさが良かった!年下攻めの良さもとても感じられました。真っ直ぐに気持ちをくれる早月のおかげで徐々に恋の傷が癒えていく匠、自分の気持ちを言葉にできて、それを受け止めてくれる早月がいて良かった…!
付き合った後に1話あります!匠が幸せそうで本当によかった。甘える匠が可愛くて幸せそうで良かったです。描きおろしでは元彼に傷付けられた匠だけでなく過去一人で傷ついていた匠まで救われたように感じられて良かったです。
匠のお母さんや早月の友達もとても良い人達でした。読後は心が暖かくなる素敵なお話で良かったです。大切に読み返します。
連載一話目から追っていました。
ずっと三上先生のファンだったので、途中から電子レーベルから本誌連載に切り替わりとても嬉しかったです。
元カレが女性と結婚し、自分がゲイということと改めて向き合わなくなってはいけなくなった匠と、ドノンケで「好き」がよく分からない早月くんのカップルです。
連載当時、回を追うごとにカッコよく可愛く、どんどん積極的になっていく早月くんに毎話「頑張れ…!!」という気持ちで堪らなかったです。
匠の、「早月くんなら信じてみたい」という感情と、「もう傷つきたくない」「早月くんならもっと良い人が」という感情の揺れ動きの描写は、前作に引続き三上先生の繊細な心理描写ならではだったと思います。
個人的に、夏祭りからの早月くんが匠の母、修子さんに匠の幼少期の映像を見せてもらうシーンがお気に入りです。元カレ、大和と会いたがってたのに「ごめん」と謝る匠に対して、「なんで匠が謝んのよ」とそのセクシュアリティを肯定して慰めてくれる素敵なお母様、修子さん。
夏祭りを通して、ノンケの早月くんの告白に対し冗談として受け止めず「気持ちを冗談にされんのは嫌じゃん」と昔の自分と重ねる匠。「もったいないよ」と直接告げられてから、修子さんに幼少期の匠のビデオを見せてもらいます。
その当時から自分が他の人と違うことに不安や、周りに合わせなくてはいけないという感情が垣間見えて、改めて匠がどんなに辛い思いをしてきたのか目の当たりにする早月くんの辛さや、それでもまっすぐに向き合いたいというひたむきさがひしひしと伝わる回でした。
その後の匠の心がどうやって溶けていくのか、どれだけ幸せな未来が待っているのか、少しでも多くの人に読んでもらえたらと思います。
本当に本当に本当に大好きな作品です!