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悪役へび男は英雄狼に食べられる 下

akuyaku hebiotoko ha eiyuu ookami ni taberareru

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表題作悪役へび男は英雄狼に食べられる 下

ブラッドリー・ウルフ、『狼王英雄伝』の主人公
レナトゥス・アッシュフィールド、『狼王英雄伝』悪役宰相に転生した元日本人

その他の収録作品

  • 番外編 クラレンスと輝ける世界
  • 番外編 レナトゥスと聖樹祭
  • あとがき

あらすじ

物語を歪めた代償は、大きな力となり悪役と英雄を引き裂く――。

戦記小説『狼王英雄伝』の悪役宰相レナトゥスに転生した主人公は、幼少の頃から悪役ルート回避に奮闘することで一介の宮廷魔術師となることに成功し、宿敵となるはずだった騎士ブラッドリーからは友情を超えた熱烈な求愛を受けていた。ついに気持ちを通じ合わせた二人が王宮のローズガーデンでキスを交わしていると、この世界の宰相となった義兄・クラレンスにその現場を見られてしまい、ブラッドリーは原作通り危険な西方砦への長期赴任を命じられてしまう。自身が物語を歪めてしまった代償として起こる修正力の脅威に不安を覚えていたレナトゥスだったが、さらに大きな力が二人の間を引き裂こうとし――!?

作品情報

作品名
悪役へび男は英雄狼に食べられる 下
著者
冬之ゆたんぽ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
発売日
電子発売日
ISBN
9784041126844
3.9

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萌々

(0)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
2
得点
42
評価数
11
平均
3.9 / 5
神率
54.5%

レビュー投稿数2

お義兄様の複雑な愛情にキュン

悪役転生ものらしく、運命に抗いつつも世界の“修正力”に翻弄される展開にハラハラ・ドキドキと楽しめ、ブラッドリーとレナトゥスの強い絆と深い愛情に胸が熱くなる、読み応え抜群な一冊でした。

バッドエンドを回避しても、元のルートに近づいてしまう世界の“修正力”にヤキモキした反面、無事添い遂げた二人の甘々初夜エッチにとても癒されます!
甘いのに少し意地悪なブラッドリーと、翻弄されつつも無意識に煽りまくるレナトゥスの可愛さにドキドキして、蕩けるほど甘くて幸せな二人に思わず、うっとり♡

本格ファンタジー物としても、恋愛物として満足度が高く、凄く楽しめる作品でした!
そして、番外編の義兄・クラレンス視点が素晴らしすぎました…

本編でもレナトゥスへ向ける感情は兄弟愛だけでは無いよな…と感じていましたが、個人的にはもっとレナトゥスへのドロドロした執着心を見せて欲しい!と思っていたので、番外編ではその欲望を余す事なく堪能出来て感無量です…!

善き兄として、弟の幸せを望む一方。レナトゥスの側にいるブラッドリーへの嫉妬心や、レナトゥスに対して男としての欲望を抑えきれずに葛藤したり…、クラレンスの複雑な愛情が溢れていて、クソデカ感情&執着攻めスキーとしては堪らない番外編でした。

――(……愛してる)その言葉は胸の内だけで呟き、それから風に乗せていずこかへと飛ばした。――

もう、この一文からレナトゥスへの複雑で深い愛情が伝ってきて、切なすぎて胸が苦しい……
思わず「クラレンスーー!!!」と心で叫んでましたね。

一層の事、クラレンスがループしてレナトゥスと添い遂げるエンドも見てみたい…と思う程。
いや、でも、きっと報われない恋だからこそ、クラレンスが魅力的に見えるんだろうなぁ……

シナリオと絵師さんが同一人物との事で驚きです!
本職はイラストレーターとの事ですが、読みやすい文体で心に響く素敵な表現も多々あり、違和感なく楽しめました
冬之先生の他作品を是非とも読みたい!今後の活躍が楽しみな作家さんです。

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良き未来を手繰り寄せるために

今回は英雄となる未来の騎士団長と
悪の宰相になる予定の公爵家の次男のお話です。 

バットエンド回避に動いた受様が
物語の修正力に抗しながらハッピーエンドを勝ち取るまで。

受様は両親の事故死で伯父の公爵に引き取られ
義父と義兄に大切にされて育ちますが

あるきっかけで前世を思い出した受様は
この世界が前世で読んでいた戦記小説の世界であり
自分は未来で物語の主人公である攻様に倒される
悪役宰相である事に気付くのです。

以来バッドエンドを避けるために
攻様と敵対しない道、宰相にはならない道を
選択して未来を変えるべく努力をします。

受様の介入は攻様の家庭環境を劇的に変化させた上に
死ぬはずだった友人の未来を変え
受様の周りの人火殿運命をも変えていきます。

受様は宮廷魔術師になり
攻様とは親友以上の関係へと変わっていきますが

義兄が宰相の地位に就くなど
端々で物語通りの結末へと向かおうとする修正力が働き
受様の目指すハピエンにはなかなか届きません。

攻様の花嫁となるはずの
エーデルバート王女の相手の相手として受様の名があがったり
5年後だったはずだったスタンピードが起こり
予想を上回る魔物の登場で次元が崩壊し始めるのです。

果たして受様はこのスタンピードを止められるのか!?
そして攻様の隣で微笑む事になるのか誰なのか!?

本作は先月発刊された
「悪役へび男は英雄狼に食べられる上」の続刊で
完結巻になります。

受様の方向展開によって
受様の未来は少しづつ明るくなっていくのですが
物語の修正力はソレを上回る力で
受様の努力を踏みつぶそうとするのです。

受様の花嫁となるはずの女王の存在
受様の恋に反対する義兄の思惑
世界を崩壊するほどの魔物の出現
受様の中で芽生えていた世界樹の種子の思い

受様が世界のために命を掛け
攻様が受様のために命を掛ける展開にはハラハラMAX

2人が並び立つ未来を勝ち取るまで
ドキドキしながら楽しく読ませて頂きました。

ただ本作は
受様や攻様に追い込まれていく展開の原因が
当人達には隠されていた要素による場合が多くて
読者をびっくりさせる展開をねらったのかもですが
悪くすると作者都合な展開にも読めました。

もう少し読者にもわかりやすい伏線(材料提供)が
あったら良かったなと思います。

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