「なあ、どうしてお前は、もう一度俺の前に現れたんだ――?」

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表題作さよならのモーメント

[仮]犬飼 司
大狼 亮輔,25歳,死んだ春哉の幼馴染み
[仮]鼓 春哉
時計屋店主

その他の収録作品

  • 書き下ろし:八月七日夜の話/カバー下漫画

あらすじ

事故でこの世を去った幼馴染みの亮輔の死を引きずる春哉の前に、”自分は亮輔だ”と言う見知らぬ高校生・司が現れる。聞くと自殺未遂を止めようとした亮輔が、司の中に入ってしまったらしい。奇妙な縁で繋がった三人は、それを機に不思議な共同生活を送ることになる。司を介して亮輔と言葉を交わせて喜ぶ春哉と、春哉のために亮輔に体を貸す司。ずっとこのまま三人の生活が続くと思われたが――…?

作品情報

作品名
さよならのモーメント
著者
仁嶋中道 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
&.Emo comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784796415590
4.6

(146)

(110)

萌々

(27)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
678
評価数
146
平均
4.6 / 5
神率
75.3%

レビュー投稿数15

No Title

告げられなかった想い…。

事故で亡くなった親友亮輔が、ある日自殺しかけた青年司の姿を借りて春哉の前に現れる。そこから始まる3人の優しいバランスの共同生活は、ずっと続くかと思われたけれど…。

誰も悪くなくてみんなが幸せでいて欲しくて、とっても切なくてそれぞれの想いが胸に沁みて泣けた。亮輔と春哉に結ばれて欲しかったけど、亮輔がもうこの世にいない以上司と一緒になるのが最善だよね。事故の前に分かり合えていたなら…運命は残酷だ。
でも春哉と司の中に亮輔は生き続けているから、形を変えてずっと傍で見守ってるんだよね。
胸が苦しいけど愛おしい、素晴らしい作品!!

1

泣けるお話

非現実的なお話なのに全く違和感などなく沼る構成で本当に良い 悪い言い方をすれば三角関係⁉でも少し違っていて円満な関係性 3人(2人と幽霊)が各々お互いの想いを尊重しあい想い思われ涙なしでは読めない作品 仁嶋先生の作品はただの恋模様を描かれたBLではなく、いつも読んだあとに人としてのあり方などを深く考えさせられるものが多く大好きです 決して他作品のただの恋愛話が悪いということではなく、仁嶋先生が心の機微を表現される天才だなぁと作品を通して常に思いますというしがない読者の意見です おすすめ作家様です

1

3人

仁嶋先生作品を立て続けに読んで、なんか読んでないのあるかな〜と思ったらうまいことセールになってました。幽霊モノ全く好きではないのに、電子だと気軽に買ってしまう。
結果、まぁ幽霊モノは全く好きではないからそんな感想にはなってしまうんだけど(買うなよって話だ)、丁寧で気分の良い作品でした。結局生きてる奴が一番強い。死んだらおしまい。…死ぬな!!!

3人の描き分けが好きでした。司の母親との対決(?)は春哉の見せ場で、しっかりカッコいいし、多分このポジションが亮輔なら彼は彼で違う対処をしそうで、春哉と亮輔の違いが、そんなところを互いに好きだった(過去系悲しいね)んだろうな〜って想像させられるのが良い。あまり生きて好き合ってた時の描写がないのにそう思わせる。そんな中でまぁぶっちゃけ当て馬(勝ち馬になるわけだが)の司が出てきても爽やかな感じもよかった。

1

心はそばに

冒頭から「死」に繋がる苦しい場面が続きますが、切なくてツラいだけの展開ではなく。
ふわっとあたたかい空気が漂っていて、それが「ふたり+幽霊」という生活にピタッとハマっている不思議。
ともすればしんみりしたお話になってしまいそうなテーマなのに、そういう方向に傾いていかない世界観、さすが仁嶋先生だなーと思いました。

幼い頃からずっと近くにいて、すごく心地良い距離感だった亮輔と春哉。
いまはその関係を変える勇気はなくても、いつかは動き出せると信じていたからこそ幼馴染のままでいたのに。
平穏な日常が終わるのは本当に一瞬で、行き場のない想いを抱えるふたりの姿に胸が痛みます。

でもなぜか幽霊である亮輔が一番明るいんです。
その明るさに引っ張られるように生きている人間が前向きになっていくのがちょっぴり皮肉だけども、それ以上に救われた気持ちになったのでした。

司もまた自ら死を選ぼうとするほど苦しい出来事があって、どん底みたいな時に亮輔たちに出会ったわけですが。
"ふたりを繋ぐ"という使命の下で逞しくなっていく姿を見ることができて、なんだかすごくホッとしました。
あの裏切りがあって良かったとは言えませんが、ひとりで苦しむだけで終わっていくことにならなくて本当に良かった。

亮輔が消えてしまうところはやっぱりすごく悲しかったけれど、存在は消えても彼のことを忘れるわけではないし、亮輔はふたりをずっと見守っていてくれるだろうし。
悲しいだけの別れではないのが本当に素敵でした。

心揺さぶられるところはたくさんありましたが、とても満たされた気持ちになった作品でした。

1

ギスギスしない三角関係で、非常に良い読後感

試し読みの時点でその完成度と画力の高さに衝撃を受けると同時に「これ絶対泣くやつじゃん…」とも思ってしまったので、ずっと今まで手を出せずにいました。
がっ!昨今の怪談ブームの煽りを受けて読破。

表紙をご覧のとおり、三角関係なんですが、ギスギスした感じじゃなくて、作中でも表現されてましたが、例えるならば
「ハル+幽体の亮輔=司の保護者」
みたいに仲良く3人で楽しく暮らす日々がしばらく続きます。

ハルと司、どちらの想いが亮輔へ伝わって両想いになってしまっても、残った片方はキツい。
どっちに転んでもつらくせつない三角関係の場合、片方が幽霊ならラストはやっぱりそうなるだろうな、という結末でした。
悲壮感はそこまでなく、読後感も非常に良いです。
ハグは唐突すぎたけど、ラストに至る過程がすごく良かったと感じたので非常に満足です。

"(保護者的な)2人にばかり助けられてちゃだめなんだ、ここから変わるんだ"
という感じのあのシーンで目頭が熱くなりました。

表紙の手つなぎ、赤色の使い方でわかってしまう関係性。
極めつけは「め○ん一刻」のあの有名なセリフですよね。
やっぱりジーンとくる…
その後、司の前髪が上がったのもすごく良かった。

☆5にしなかったのは、BL的な萌えとは違ったので。
(でも話自体が面白かった!えrなしも逆に良かった)
「キミドリ」が個人的にサッパリ合わなかったので今回はどうかな…と不安だったんですが、本当に読んで良かったです。

司の母と、司をいじめる奴がすっごいヤな奴らなので、そういうの苦手な方は注意です。
試し読みが常に37ページもあるのでぜひ。

0

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