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上巻で3人のそれぞれの心理描写がおもしろく、ただエロを楽しむだけの3Pではない感じがしたのがよかったと書き、下巻を楽しみにしていたのですが。
結局、桜と桔梗にとってカズマは共有のペットのようなかわいい存在のままで。
カズマは2人に構われたくて、どMに目覚めてそれで良し。
という3人の関係性が変わらなかったのが個人的には勝手に期待していた展開とは違いました。
もっと三者三様に心理や矢印が入り乱れて、関係性を築き直して3人が対等に恋愛する流れだとおもしろそうだなと想像してしまいました。
そうではなく
上巻で描かれたそれぞれの気持ち、立場が強化された下巻だったなと。
そういうお話なんですね。
これは賛否別れそうな話ですが…。
受けも狂っちゃったオチに見えました。
せっかく真人間のいわゆる良い奴で普通の友達ができたのに…、受けはこのふたりからは離れることもできず、自らの意志でペットになり果てた。
丸く収まってるように見せかけて、メリバ。いや、もしかするとバッドかもしれない。
しかし描きおろし小話を見ると、Mに目覚めたカズマにとってはこれはハピエンかもしれない。読者の受け取り方次第の話でした。
絵はやはり上手いです。セックス描写もエッチだし、迫力がある。
カズマの気持ちや行動はまあ理解できる部分もありますしキャラクターとしても面白いキャラでしたが、どうしても攻めがな~~~…。狂気すぎて…。
カズマはカズマで、きっと恋愛感情ではないだろうし。
この狂ったポリアモリーの行きつく先は破滅な気もしますが…。これも読者の受け取り方次第。
色んな意味でハイカロリーな上巻から下巻へ。
やはりタチもネコも出来る桔梗が好きです。
このビジュアルで今まで前を使ったことがなかったというのが癖に刺さりに刺さったわけですが、かといって前ばかりではなくて後ろもちゃんと…なんですよ!
3Pってこのポジションが1番おいしい気がします。
でもこれは桔梗のキャラクターがゆえの萌えだったなあとも思います。
さて、中学の元同級生3人組の「ふくしゅう」のお話の続きはといえば…
歪な形のトライアングルが最終的には円になったよう。
完全な円ではなくて、ちょっとしたことでまた歪んでしまいそうな丸みを持った円。
そんな印象を持った下巻でした。
想像していたよりもやさしい味付けで、わりと明るく救いのあるお話にまとまってしまった気がします。
これはこれでありなのですが、個人的な好みを言うのなら、ここまでディープな執着と愛が描かれているであれば、もっと重たくて救いのないお話でも良かったかもなんて。
とは言え、異常だと自分たちでも分かりつつもその愛情を止められない3人にざわざわとさせられる作品でした。
結局、1番歪んでいたのはカズマなのではないかなあ。
不穏・執着・歪み・共依存・SM風・二輪挿し・尿道責めあたりのワードにピンと来る方はぜひ。
番外編の桜と桔梗のギャップがなんともかわいらしくて、良いギャップ萌えが出来ました。
この作者さんは執着に近い関係を、ときにコミカルに、あるいはシリアスに描かれている印象で、作者外しています。
ですが今回の執着は、執着する方がちょっとサイコで珍しいパターンかなと。「かいじゅう」では愛を知らない子供のようなキャラでしたし、「TOKYO光オークション」だと明るいキャラ。
この作品では、愛情を試すために相手を痛めつけ、傷づけては直後に後悔するというDVじみた桜が描かれます。
しかし、これがSMにはまるというのが唯一の救いでしょうか。つまりされる方もそれを望んでいるという。
結局復讐は溶けたのかな?