イラスト付き
超絶無自覚などっぷり溺愛攻めに焦れに焦れ、そんな攻めに過保護に愛される受けの図がものすごくかわいくてあったかいお話でした。
「受け以外には興味がない攻め」がお好きな方にはピンと来るものがあるのではないかな?と思います。
読みやすい文章でサクサク読めてふわ〜っとあたたかい。
冒険もののわくわくする要素もありつつ、形が異なる愛がじっくりことこと描かれている作品です。
愛情を知らずに育った攻めが「外れ物」の受けにだけ執着をし、あれこれと過保護すぎるほど過保護に構い倒す姿が良いんですよ〜!
攻めがよちよち歩きの雛鳥状態の受けを育てているようでもあり、攻めが今まで知らなかった情緒を受けが育てているようでもあり、愛情たっぷりのもどかしさを堪能出来ました。
ルゥが一生懸命でとってもかわいくって。
そして、どこからどう見てもルゥを愛してやまないというのに、愛を分かっていないリカルドもまた良しなんですよねえ。
目に入れても痛くないほどの溺愛っぷりを見せながらも、分かっていないのはリカルドだけというのがおいしいところ。
きっとこうなるだろう。いや、こうなってほしい!と先の展開に期待を寄せながら、保護者スタートだからこそのなかなか恋愛関係になってくれない焦ったさをほのぼのと楽しめた1冊でした。
キャラクター的にはリカルドの設定の方が好みかも。
本編+短編何作かで完結といった印象がありまして、これは転生設定を入れずに人狼設定だけの方がすっきりとまとまって読めたかもしれないなあと感じる部分も…
でもそれだとマシュウたちがそこまで絡めないですかね。
恋愛的面でものすごく萌えたかというとそうではなく、どちらかというと2人の間にある唯一無二の大きな愛情にじわじわ萌えた感じ。
マシュウたちCPの方が恋愛面では気になったかなと、こちらの評価になりました。
あたたかみのある作風で素敵な読み心地の作品です。
中身は普通の人間だけど、ルゥのケモ耳しっぽを感じる度にもふもふで可愛い。
ストレスを感じる胸糞展開(女関係)もないから、終始安心してほわほわ癒されモードで読める。
欲を言うと、リカルドの半吸血設定の深堀をしてほしかった!
溺愛で溢れてます。
すみません、かなりネタバレになるかと思います!
タイトルに書いた様々な愛の形というのはあとがきで伊達きよ先生が仰っているのですが、ホントにそんな内容です。愛って言うと恋愛だけに思えるけど、家族に対する愛、親友に対する愛、敬愛、などなど。
ルーシィとリカルドもお互いのことをとても大事に思ってはいるけど、それがどんな愛なのか自覚がないままルーシィが18歳になるまで暮らしてきて、ルーシィの発情とともに一気に自分の相手に対する愛は何なのか?を考えるようになって。
愛って言っても恋愛だけに縛られる必要は無いんだよな、ってことをしみじみ考えるお話でした。ホントに色んな愛が溢れていて、それで世界は成り立っていて。「愛してる」って言うだけが愛情表現じゃなくて、リカルドが言った「明日も、一緒にいてくれ」これに尽きるなぁってハッとした部分もありました。どんな愛って名前が必要なんじゃなく、相手に対してどう思っているのかが大事なことなんですよね。
言葉の内容よりも重さがあるなぁ、と。実際リカルドは(体を繋げてからは執着溺愛むき出しになりますが)スキンシップを重視する傾向にあるみたいだし、(もちろん異論はあるでしょうけど)言葉は嘘つけても態度は嘘つけないからこそ、リカルドのルーシィに対する愛情表現って言葉にしろ態度にしろ、重みがあっていいなぁと思いました。
●狼モフモフ萌え
狐とか狼って尻尾がモフモフで人気獣人代表って感じ、群れる生き物なので関係性美味しい、という人狼からしか摂取できない萌えがある
わんこっぽさもいいんだよね、最高
卯年を控えて兎に走りたくなる絶妙なタイミングで狼っていうこの天才センス、つよつよ♡優勝すぎる
●男前寡黙過保護萌え
この作家さんの「春になるまで〜」を先に読んでたので過保護ときいてディビスさん路線かっ!と買う前から萌え萌えでした。
もうなんか性癖としか言えない、この良さみ。作家買いってこういうのをいうのかな、二人の関係はシンプルじゃなくて深みがあって…親子師弟仲間特別伴侶大感情コレゾBL健康に良い。ありがとう…
●タイトルと表紙が神
ブランディングの勝利だと思う
「春になるまで〜」もなんですけどこのフレッシュで清潔感のある…もう語彙が溶けちゃう
suki
ギルドで最高ランクの最強冒険者に拾われた貧弱な人狼の赤ちゃんがのんびりと成長していく物語。受けは本当は一般冒険者だったけど、死ぬ間際に幸運のチャームの能力で近くにあった損傷が少ない人狼の赤ちゃんの死体に移った存在。冷徹で無愛想な攻めが受けに対しては甘々なのがギャップで面白かったです。厳つい風貌で花柄のお皿に乗ったレモンケーキを片手に持っている姿を想像すると、とても可愛い。貧弱で食の細い赤ちゃんのために色々工夫して甲斐甲斐しくお世話してくれる攻めが良い。二人の関係が恋人であり親子、師弟としての愛も含まれているのが好きだった。一人のに対しての愛の形が一種類とは限らないってその通りだなって思います。受けの兄や母親の愛、そして受けの命を救った祖父の愛、いろんな愛情が詰まった物語でした。攻めが受けを拾った経緯は切なく、最強な攻めが垣間見せる弱さも胸に刺さります。