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やはり榎田先生は上手いなと。
小説としてもコメディーとしても実に面白い!
でもね、私はBLとしては萌えなかった。
いつも口にすることだけど、
愛がないとダメ。
野追川の「黒田」に対する愛を感じなかった。
「原稿」や「ゴスちゅる」や「漫画」に対しては
溢れるほどの情熱を感じるのだけれど、
BL的には全く愛を感じなかった。
……要するに、萌えない。
黒田も然り。
野追川よりはLOVEな感じではありましたが、
なぜ野追川なのかがいまいちピンとこない。
野追川の情熱にほだされた?
薔薇原も、もう少し骨があれば
対立しがいがあって面白かったのに……
なんとなく(BL的には)全てが中途半端な気がします。
いっそのこと、BL要素抜きにして、
コメディーのライトノベルとしてしまったほうが、
純粋に楽しめたかも。
だって榎田先生上手いから、
小説としてのツボはグイグイ押してくるんだもの‼︎‼︎
後半の「あの辺」とか、グイグイです!
でも、やはりBL的には萌え足りなくて、
評価的には「中立」!
年末に整理しきれなかった本棚を継続ひっくり返し中。1年に1回は読み返して盛大に感動し、本棚に戻すことになるうちの一つです。人生における「別れ」を知っている方には是非一度!と強くオススメしたいなあ と思います。心にしみる部分がありますが、けらけら笑ってしまう軽妙な部分もありますので、どよーんと重くはならないと思います。
マンガ家シリーズ4作目ですが一作一作はほぼ独立していて、当作は、編集者泣かせで有名な超人気マンガ家とその編集者(しかも新人)のお話です。マンガ家さんは本物吸血鬼さん、アシスタントはその眷属。後半の方では、ダムピールも出てきます。
ちゃんと吸血鬼していて血を吸いますし、永遠に生き続けるものの孤独というものが書かれていてせつなさ満点に転んでもいいはずなのに、榎田先生、ちゃんとコミカルなところも書いてくださって、とても嬉しい。榎田先生やっぱり好き。
************以下はほんとに大好きな内容なので 未読な方は要注意です
私が一番好きなのは、野迫川が泣いている時に、「孤独は代償」と黒田さんが言い切るところ。いつかは受け入れなきゃいけない「別れ」を悲しむことを、「その人を愛していた代償であり証拠」と言い切るところ。何回読んでもやっぱり泣いてしまいます。身近な人の旅立ちがそう遠くない事を、少しずつ受け入れようとしている今、また受け止め方が少し変わって、一層心に沁みました。
野迫川の黒田に対する想いで「BL的萌え」も十分ありますが、なにより、先生が持っている言葉にノックアウトされた一冊でした。
表題作、続編「吸血鬼には銀のナイフを」の2作品が収録されています。
漫画家シリーズ4冊目ということですが、私はバラバラの順番で読んでいますが、それぞれリンクはしていない印象で、支障はありません。面白そうなものを読んでいけば良いシリーズです。
全体の3分の2をしめる表題作では、無敵のオタク編集者・藍(受け)が、暇つぶしに漫画を描く吸血鬼・黒田(攻め)の存在を認め、原稿と引き換えに血を与えることを約束する話です。その恋愛過程に、吸血鬼まがいの連続傷害事件が絡んで、ストーリーを面白くさせています。藍が行った警察官を撃退方法とか、読んでいてビックリしました。
続編では、ダムピール薔薇原が、黒田を退治するために藍を利用するのですが、それがきっかけで二人の気持ちが通じ合い、絆も強まったという話でした。黒田は孤独でしたが、藍がよぼよぼになるまで一緒にすごしたら、きっと藍がいなくなっても楽しめる思考や環境を藍から与えられるんじゃないかなって思ったりしています。
え、あ、う?!とあっという間に読み終えてしまう面白さです。
藍のおばあさんが亡くなってしまったり、吸血鬼黒田の孤独の話はありますが、全体的には明るく楽しく前向きなハッピーエンドな作品です。なんていったって、主人公・藍のキャラがいいです!端々に有名な漫画がちらほら登場するのも嬉しかったです。なお、冒頭で編集部の面々が紹介されますが、そちらはそんなに気合入れなくて覚えなくても良いです。たいして登場しません(笑)
ちょっと変わった吸血鬼の話が読みたい方にお勧めです!佐々木様のイラストもすごく良かったです。チュル女装した藍も可愛かったですが、表紙とその次の困った様子のカラーイラストは秀逸でしたよ。
吸血鬼とか人外のラブストーリーって結末が一番気になります。
時間に限りのある人間と、時間の概念がない吸血鬼と、そこの差が埋まらないと寂しさとか切なさが残ってしまうからです。(だがそこがいいとも言えますが)
要はどう共存していくかですよね。
私が一番気になったのは、人間である野迫川が吸血鬼になるのかどうかでした。
やっぱり受けと攻めには永遠にラブラブでいてほしいですし、良い意味でも悪い意味でもオタクで無粋なほど漫画が恋人な野迫川が、自分で吸血鬼になることを選択するくらい黒田のことを好きになったらいいなと密かに期待していました。
(途中で天涯孤独になったのもフラグかと思った)
吸血鬼が持つ疎外感とか閉塞感はある種の甘美性もありますし。
しかし黒田が欲しいのは仲間ではなく、死という旅の終わりなんですよね。
野迫川もしっかり自分を確立している人物なので、黒田を好きということと吸血鬼になることは全くの別問題で考える人なんだと思います。
そして自分の目の黒いうちは黒田に消えてほしくないし原稿がほしい(笑)
読者(というか私)と野迫川と黒田のハッピーエンドの形が異なっているというのが凄く面白かったです。
そしてうまい具合に落とし所がつけられていると思います。
旅の終わりって寂しいけど、ホッとすることでもあると思います。
黒田は野迫川というごちそうを得たと同時に、安らぎも手に入れたんですね。
まだ可能性にすぎませんが、自分が待ち望んでいた最期を愛する人の手でなされることほど幸福なことってあるでしょうか。
あて馬君GJとしか言えないです。
誰のためのハッピーエンドか、みんなのためのハッピーエンド=大団円で大満足でした。