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  • 今度は死んでも死なせません!

今度は死んでも死なせません!

kondo ha shindemo shinasemasen!

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表題作今度は死んでも死なせません!

湯峰覚
借金返済で過労死した宇津井の元カレ
宇津井貴文
伯父の弁護士事務所で働く弁護士

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大学時代の元カレが、死後三日経って遺体で発見された!? 一方的にフラれた湯峰の訃報に、愕然とする貴文。常に人に囲まれてたあいつが孤独死なんて…。湯峰が死なずに済むなら、俺の人生はリセットされても構わない――!! 強く願った瞬間、なぜか4年前に時間が巻き戻っていて!? 努力した日々を捨てて手に入れた、一度きりのチャンス――元恋人の死を覆すため時を遡る、起死回生のタイムリープ!!

作品情報

作品名
今度は死んでも死なせません!
著者
海野幸 
イラスト
十月 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010910
4.6

(134)

(96)

萌々

(30)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
23
得点
617
評価数
134
平均
4.6 / 5
神率
71.6%

レビュー投稿数23

上手くいかないところがいい

 受けが時間を巻き戻って、お人好し過ぎてブラック企業に就職し過労死してしまった攻めを死なせないようにしようとする話。死に戻りではなく、謎の人物(天使?)が願いを叶える形で過去に戻される。
 戻ったのは貴文(受け)が湯峰(攻め)にフラれた直後でした。一度目の人生ではそこから疎遠になり、湯峰が亡くなった後で訃報を知り後悔したので、貴文は友達でもいいから湯峰との縁を切らさないようにしようと考えます。
 最初は湯峰に拒絶されるのですが、人の好さにつけこむ形で友達ポジションに収まり、彼がブラック企業に就職するのを阻止しようと画策します。しかし、湯峰の実家にまで行くようになったせいで、ベッドでイチャイチャしているところを彼の父親に見られてしまい、再び距離を置かれてしまいます。
 結局、湯峰はブラック企業に就職し、貴文は司法試験の予備試験に落ちて、一度目以上に最悪の事態に陥ってしまいました。けれど、一度目の人生では知らなかった、湯峰や育ての叔父・叔母の本音を知ることができ、貴文自身も打ち明けることのできなかった素直な気持ちを打ち明けることができました。
 湯峰がブラック企業に就職したのは、疲弊している先輩をやめさせるためでした。先輩をやめさせた後、湯峰も早々に退職し、彼も一度目よりは自分の意志を通すことができるようになっていたおかげで、二人はよりを戻すことができました。

 巻き戻ったから全て上手くいくのではなく、空回りする中で、それでも必死に湯峰を守ろうとする貴文の健気さがよかったです。お人好し過ぎる湯峰も、どうにか生き永らえてほしいと応援したくなるキャラでした。

1

ここまでの舞台を整えてあげないと、

タイムリープもの。ストーリーはめちゃくちゃ面白かった。物語が進むにつれて、いろんなことがつながっていくのはさすがな感じ。
キャラは苦手なタイプ。主人公が推測による自己完結で済ませる場面が多く、話し合っていればそんなに長期間悩まなかったのでは?と言いたくなる。
それでも引き込まれる魅力のある展開で、一気に読めた。

貴文は元彼を死なせないためにタイムリープした主人公。複雑な家庭環境の影響か、物事をネガティブに捉える癖が付いている。引き取ってくれた伯父夫婦にしろ湯峰にしろ、勝手に心情を悟った気になって、勝手に苦しむ様子に共感できない。

湯峰は頼まれたら断れない性格で、皆から都合よく搾取される貴文の元彼。こういう人は本当に見ているのがしんどい。本人はそれで幸せなら良いと思うけど、関わらなきゃいけない人のストレスが伝わってくるとしんどい。

タイムリープした貴文は、湯峰に別れを告げられた瞬間に戻る。湯峰の性格や態度から、湯峰の方から別れを切り出したのは意外で、理由が気になる。が、貴文の中ではネガ思考による答えが導き出されているせいで、湯峰に質問さえしないのがもどかしい。

湯峰は湯峰で、あんなに分かりやすい態度なのに、話し合いもせずいきなり別れ話をする極端さが不思議。やっと明かされた理由は納得できないこともなかったけど、本質が別れたいってとことは違うところにある内容で、相互理解が足りなかっただけ。

一人の死をかけて、タイムリープまですることになり、やっと内心を打ち明け合うことができた二人。そこに萌えを感じられたら神作品と思えたのかもしれない。

こんな大袈裟な舞台を整えてあげないとどうにもならなかった、本音の話し合いすらできなかった二人として見ると、外からの力が強く、あまりすっきりしない。
とはいえ、もしあの時に戻れたら、と誰もが想像するだろう現象が実現したキャラとして、良い変化がたくさん見られたのは感動的だったと思う。

最後の数ページは甘々すぎてびっくり。実家のためにも貴文のためにも、今後湯峰が自ら借金を呼び込まないことを祈る。

2

想いの強さが未来を変える

死んでしまった元恋人を死なせないために、四年前にタイムリープする主人公(受)。
だけど、戻ってきたその日は、その恋人から別れ話を切り出された当日だった!

元恋人が死んでしまう未来を変えるために、なりふり構わず貴文は頑張ります。周りからも性格が変わった?と驚かれるほどに一生懸命に。
やり直したい過去があったとして、人はそこまで選択を、行動を変えることが出来るでしょうか?私は、難しいと思っています。たった一つの選択を変えたからといって未来は大きくは変わらない。他の要因と相まって、結局今と同じ未来へつながっていく……そう思っているので、貴文の行動力には驚きました。
おそらく、彼にとって湯峰の死を回避したいのはもちろん、ずっと湯峰との別れが心の重しになっていた。だから、あれほど必死になれたのだと思います。

タイムリープものは元々好きなのですが、この本はその中でも上位に入る好きな作品になりました。タイムリープものが好きな方は、絶対に後悔しない物語だと思います。是非読んでいただきたいです!

2

損はさせないから、読んで!

大学時代の元カレが亡くなった。常に人に囲まれていたあいつが、孤独死。しかも死後3日後に発見されたのは何故?!
強く願ったその時、時間は4年前に巻き戻ってしまった。
今からなら、死を覆せるかもしれない。過去をなぞりながら塗り替えていくと……?


タイムリープもの、確かに流行ってるけど……
と思いながら軽い気持ちで読みました。

タイトルが若干軽く感じますが、それを埋めて余りあるほど内容に厚みがあります。
読むのを迷っているなら、読んでください。
きっと、後悔はしないので。


設定がこれでもか、とモリモリなのですが、ちゃんと一つ一つに意味があって最後まで矛盾がないなと思います。
結末に向かって元カレ君の気持ちや背景が徐々に判明していくのと同時に、
主人公の考え方や価値観などがゆっくりと変化していくのが文章からじわじわと染みてくる。
でも、矛盾はしないんですよ。
だって彼の願いは「自分のためのものじゃなかった」んですから。
お互い、ね。

3

てんこ盛り系

でたでた。BL世界特有の不憫てんこ盛りキャラ。しかも受け攻めどっちも可哀想な生い立ちで。長いしウジウジ受けの勘の悪さにイライラしっぱなし。最後のセックスと告白シーンにキュンとした。でも不憫要素てんこ盛りはずるいよね

2

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