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表題作羊は繭の夢を見る

繭村太輝
大島羊介

あらすじ

クリスマスまで1ヶ月と少し。大島糸店三代目店主・羊介の日常は、編み物ビギナーの繭村に彩られていく。繭村の編む想い人へのマフラーと、羊介にそっと芽生えた恋心は、ほんの少し不格好でーー 「恋愛には縁のない人生だった。大島糸店の店主になって、他人の幸せの端緒に触れるようになって――その感触が煩わしいものではなくなって、少し救われたような気がする。いや、もしかしたら、単なる諦めなのかもしれない。じりじりと溶けていく蝋燭をただ見守るような焦燥が消えたのは、ついに蝋燭が燃え尽きただけのことなのかも。」 東京での生活を捨て家業を継いだ羊介と、ひょんなことからマフラーの編み方を習うことになる年下のサラリーマン繭村が、ゆっくりと関係を育んでいく恋愛ストーリー。

作品情報

作品名
羊は繭の夢を見る
著者
青虫 
イラスト
まほうびん 
媒体
小説
出版社
エーキューノベルス
発売日
電子発売日
4.5

(2)

(1)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
9
評価数
2
平均
4.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数1

日常に溶け込む、ささやかな

青虫先生、いくつか読ませていただいております。
普段の生活に溶け込んでいる、それはそれは等身大の恋愛を、当事者目線で語ってくれるのが青虫先生の作品の好きなところなわけなんですが。本作品、それを一層極めていましたね……!

昔東京でサラリーマンをしていた、実はゲイの受け様・羊介さん、地元で毛糸屋を継ぎ、穏やかで一人の日常を過ごしているとこから始まります。そこに攻め様・繭村さんが編み物レッスンの生徒さんとして現れ……
繭村さんはすでに羊介さんに片思い中でレッスンすら下心ありありの合う口実だったのですが、最後の方以外は羊介さん目線で語られこちらは羊介さんの心情メインで読み進めるわけです。
自営業の生業の中で繭村さんと関わって静かに恋に落ちて、でも相手が他にいるので静かに諦めて、普段より熱い感情をくれてありがとうと静かに感謝する、みたいな一人の頭の中だけで完結してしまいそうな儚さ、切なさがじわ〜〜っと効いてくるわけです(何に?笑)。
繭村さんの恋のお相手は実は羊介さんなのでゴリゴリの両片想いでハピエンなんですがね笑笑笑

もう一つ良かったとこが、羊介さんの恋愛トラウマと繭村さんの(自分の欲が隠しきれてないけど頑張ってる)優しさですよね。
羊介さん、以前の恋愛で身体関係にトラウマがあり経験がないけど、でも好きな繭村さんと身体の経験は欲しくて
勇気をだして空回る羊介さんと気遣いを忘れない繭村さん、読み入ってしまいました。。

やー……穏やかでせつなくて尊いカップルを見せていただきました……
よかった……また、読みますこれ

3

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