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表題作星を掴まえる

南玲旺,大学生,バーで働くアルバイト
星川依月,29歳,小説家

その他の収録作品

  • 描き下ろし「後日談」
  • あとがき

あらすじ

バーでのバイト中、酔いつぶれた客に声を掛けた玲旺。
帰宅しようとすると今度は店先で座り込んでいるのを見つけ
放っておけずに仕方なく自宅に連れ帰るはめに。
更には酒の抜けない名前も知らないその男に乗っかられ
抵抗する間もなくされるがままに襲われてしまう。

翌日、名前だけ告げてふらりと帰った例の男・星川が
バーに現れ杯を重ねながら「帰りたくない」とつぶやく。
ふにゃりと笑って遠慮がちに甘える姿に何かを感じた玲旺は
星川と二度目の夜を過ごしてしまうことに。

秘密だらけで名前しか知らない星川のことが
自分でも不思議なくらい気になってしまうが、
星川には自分以外にも"そういう相手"がいるようで――。


面倒見がよすぎる大学生×臆病で寂しがりやな小説家
立場も年齢も違うふたりが出会って見つけたかわいくて、やっかいな恋。

作品情報

作品名
星を掴まえる
著者
宇野ユキアキ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784801979956
4

(65)

(26)

萌々

(27)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
9
得点
259
評価数
65
平均
4 / 5
神率
40%

レビュー投稿数9

甘くて苦いお話

全体を通して甘すぎず苦すぎずのちょうど良い恋愛が繰り広げられていて読みやすかったです。
濡れ場の描写は多くはなかったのですが星川さんがその時だけメガネを外していたり、玲旺くんが軽い口調になったりと…細かい違いに胸がいっぱいになりました。
ほんわかとしていて優しいお話でありつつも、星川さんの過去や年の差から2人の間にある壁が見えて苦しくなりました。
星川さんが小説家であることから連絡が遮断された後の繋ぎが大分ロマンティックで良かったです。

2

こんな年下攻めみんな好き

と、どでかい主語で思ってしまったほど
こ、こ、これは…好きだ〜〜!!となってしまった1冊。
なんといっても絵柄がとっても素敵。
ラフなタッチだけれど無駄な線がない絵の上手さと、衣食住の表現、登場人物たちのころころと変わる表情が本当に魅力的。読んでいて終始わくわくとしました。
宇野先生、とんでもなく漫画を描くのが上手い。すごく好きです。

しっかりとした世話焼き系の年下×なんだか放っておけないタイプの年上のお兄さんという組み合わせも、酒に酔った一晩の身体の関係から始まる…
いわゆるセフレ状態からの2人というのも、当て馬や過去のあれこれ等、決して珍しくはないというか、大変失礼ながら個人的にはBL設定の中でもかなりの王道的ストーリーだと思うのです。
そんな中、300P近くもあるうれしい分厚さでそれを描き、なおかつ読中も読後も「上手く言葉が出ないけれど、この2人すごく良いな…」でいっぱいにさせてしまう宇野先生マジック。
心地の良い甘さと可愛らしさとシリアスになりすぎないスパイス。お見事でした。

大学生の玲旺と謎めいた星川さん。
2人が繰り広げる会話のやり取りや間合い、テンポが読んでいて気持ちが良いんですよね。
しっかりと濡れ場もありつつ、玲旺と星川さんがお互いに少しずつ少しずつ惹かれ合い、恋をしていく過程が自然に見える。これがまたすごくかわいいのです。
それは、攻めの玲旺が非常に良いキャラクターだったからなのかもしれません。
受けの星川さんもちょっぴり拗らせた小悪魔的なかわいらしさがある人ではありましたが、今作は玲旺がいなければこちらの評価にはならなかったかも。
好きな人には尽くしたい世話焼きタイプでありながら、わんこ系すぎず、柔らかい包容力があるけれど年相応さもある良い攻めでした…!
子供すぎず大人すぎないさじ加減が本当に絶妙。

一夜の過ち系から始まるお話ではあまり読んだことがないような穏やかさと緩やかでピュアな雰囲気も素敵で、ラストにかけての流れまでじっくりと1冊まるっと楽しめましたし、読み終える頃にはすっかり2人のことが大好きになってしまいました。
年相応の年下攻めと猫のような受けがお好きな方はぜひ。
(その後の2人が気になる方はアニメイト限定小冊子もぜひ)

1

静かに心に沁みるいい話を読みたい時におすすめな1冊

久しぶりに再読したらものすごくよかったので感想を。

まず今どきキラキラではっきりとした骨格のイケメン!とは違い髪型スタイルにほんのり味わい深さや温かみを感じるような絵柄がすごく好みでした。

世話焼きで健気で一生懸命な大学生✖️掴みどころないアンニュイな小説家のお話。
恋愛に不慣れな感じがする大学生の玲旺がふわふわとしていて浮世離れした感じの星川さんに惹かれるのも、実は寂しがりな星川さんが健気に自分に思いを寄せてくれている玲旺を好きになるのもすごく必然な感じがするのですが、付き合うに至るまでの経緯が感情表現含めすごく丁寧でよかったです。

さらに付き合って終わり、ではなくそこから付き合いたてのいちゃいちゃしたかわいい2人を垣間見ることもでき、だからこそ不安になって自然消滅を選んでしまう星川さんとどうにかもがく玲旺の切ない展開を見ることもできて、さらにさらに奇跡のような運をも味方にしたような再会をするところまで見届けることができて、本当に全部盛りのようあ満足感のある1冊でした。
そして最初から最後まで2人の感情変化も成長もすごく丁寧に描かれ矛盾もなく、全体的にしっとりとしていて激しさはないのに目が離せないような作品です。
静かにじんわりといい話を読みたい時にぜひ読んでほしい1冊です。

1

世話焼きオカン男子と臆病者の黒猫ちゃん

静かに進む展開と温かみのある絵柄が合っていて、とても雰囲気のある作品でした。

【しっかり者で面倒見の良いバー店員×ミステリアスで寂しがり屋な小説家】の少し切なく暖かいラブストーリーです。

酔っ払い客を介抱するべく自宅へ連れ帰った所、襲われてしまう攻めの玲旺。
男は初めてだったけど思いの外良かったし、何なら星川さんのミステリアスな雰囲気が気になっていて…気づけば、星川さんの事ばかり考えてるぞ⁉︎と、マイペースで秘密主義な受けの星川さんに翻弄されていく様子をニヤニヤ堪能しました。

過去の失恋から恋に臆病になっている星川さんのトラウマが切なく、自ら寄ってくるのに近づくと何処かへ行ってしまう猫のようで、幸せすぎて拒絶しちゃう星川さんが焦ったい……‼︎

年下なのに面倒見が良く、懐の大きい男前な性格の玲旺が好印象◎
基本的にふわふわした〝守ってあげたくなる〟雰囲気の星川さんですが、時折見せる説教モードに年上感が出ていてギャップ萌えでした♡

が、ちょっと恋に臆病過ぎて突然、音信不通になっちゃうのは……うーん。
逃げ過ぎて突然拒絶された玲旺が可哀想になってしまった

基本的に穏やかで静かなストーリーですが、終盤での自作の小説を通して気持ちを伝える展開がドラマチックでグッときました!
2人の食事シーンも多く、日常風景に癒される優しい雰囲気の作品です。

▶︎Renta!/白ペンぐしゃぐしゃ修正

5

信じて待つこと

酔い潰れて店先に座り込んでいた星川を放っておけずタクシーに乗せるも、そのまま寝てしまったので家に連れ帰った玲旺。
その後ハプニング的にセックスをしたことからふたりの関係は始まるけれど…
会うたびに少しずつ心の距離は近付いていくのに、秘密の多い星川が抱えているモノがなかなか見えてこなくて。
それでも真っ直ぐに星川を想いをぶつける、玲旺の姿がとても眩しかったです。

過去のツラかった恋愛のせいで臆病になっている星川は、玲旺との恋に終わりが見えないうちから逃げてしまって、玲旺はもちろん星川自身も苦しい日々を過ごすことになるわけですが。
無理に忘れようとも追いかけようともせず、ただただ星川を信じて待っていた玲旺。
その一途な気持ちが最後には星川にきちんと届いてくれて本当に良かったなと思いました。

星川は年上ですがちょっぴり幼い印象で玲旺は年下でもすごくしっかりしていて、彼らのやり取りはバランスがとれていて面白かったです。
どうなるかわからない恋の行方にハラハラしたけれど、切なくなりすぎずに楽しむことができたお話でした。

2

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