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金の狼は異世界に迷える皇子を抱く

kin no okami ha isekai ni mayoeru oji wo daku

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表題作金の狼は異世界に迷える皇子を抱く

神乃皇子、今上帝の息子
芳元 由貴也(有貴皇子)、22歳

その他の収録作品

  • 空と水のあわい

あらすじ

両親亡き後、叔父たちに遺産も会社の後継ぎとしての立場も奪われ、別荘に軟禁されて息の詰まる生活を送っていた由貴也。ある日、事故を装って殺されそうになり、目覚めるとそこにはいつも夢の中で抱き合う金色の目の男がいた。現代とも違う、全く知らない場所で、自分は有貴皇子と呼ばれる人物になっており、目の前の男は神乃皇子と呼ばれていた。神乃皇子は有貴皇子にとって恐ろしい相手のようで――。

作品情報

作品名
金の狼は異世界に迷える皇子を抱く
著者
夢乃咲実 
イラスト
花小蒔朔衣 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344852105
3.5

(10)

(0)

萌々

(6)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
34
評価数
10
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

やっぱりというか

今度こそは「遍歴の騎士と泣き虫竜 ~のらドラゴンのご主人さがし~」を超えるかなと思って期待してましたが、やっぱりというか面白かったんですがそこまでは萌えませんでした。

なるほどと思ったのは由貴也が事故にあって目覚めた世界が過去ではなくて異世界だったことです。似てるようで全く違う世界で、由貴也が不安を抱えながらも強く心を保って頑張る姿に好感が持てました。

のちに由貴也と有貴皇子の秘密、神乃皇子がどうして有貴皇子にことさら冷たかった理由が明らかになります。
分かった時点であの由貴也が可愛がっていたアマガエルと、庭に祀ってあったあの像が由貴也の近くに居たという意味を考えて凄く萌えました。

服装や時代が古そうで一見すると異世界の過去ではと思うのですが、言葉などが通じたり色々な事象のタイミングからとても近いのではと思ってしまいました。

由貴也と有貴皇子のことが解決するまではあまり甘さがなかったのが残念です。
異世界の独特の世界観は面白かったのですが、この尺で展開するに複雑過ぎたと思いました。一緒に異世界に飛ばされていた由貴也の叔父と叔母夫婦に便乗して有貴皇子を陥れようとした宇治木の苫は何の咎も受けなかったのかがとても気になりました。

もう少し単純なお話でも面白かったのではと思ってしまいました。

3

奈良時代風異世界トリップ

神秘的なお話!

異世界迷い込みのお話なんですが、異世界の舞台が日本の奈良時代風。万葉集が引き合いに出されているので、7世紀〜8世紀頃の時代観かと思われます。
私の中ではほぼ奈良時代(笑)そのイメージで読み進めました。


両親が亡くなり叔父に父親の会社を乗っ取られて、軟禁され挙句の果てに殺されかける主人公。…鬼畜すぎて不憫すぎるなんてもんじゃないんですが。(大成敗望む!)

主人公の由貴也を拉致した叔父家族と共に事故って目覚めると、とある世界で有貴皇子として扱われていました。
でも有貴皇子こと由貴也は、先帝の子としての立場に置かれていたものの毒を飲み生死を彷徨ったとのこと。この世界で引きこもり、毒死を図った由貴也は浮いた存在ですが、今上帝の息子である神乃皇子(つまり従兄弟)は由貴也に何故か冷たい態度をとり、由貴也もまた本能的に畏怖の念を抱いています。


ちょっとトリップ前に話を戻しますね。

由貴也は物に触れるとその物に宿る感情を感じ取ることができる力を持っていて、そのことから叔父夫婦に気味悪がられていました。
また、金色の眼の誰かに抱かれるという不思議な夢を見ることもあったし、庭先の石像を触ると金眼の狼が目の前にいて勇気をもらったこともありました。


そして…異世界。由貴也が畏れる神乃皇子がたまに見せる金色の目。夢や石像の狼と関連を気にはしますが、神乃皇子の冷たい態度にそれどころじゃないというのが序盤の展開です。
由貴也と有貴皇子の置かれた立場が類似していいることもあり、由貴也はこの世界でほんの少し強くなろうと決心します。

そのことが神乃皇子の態度軟化にも繋がり、由貴也の彼への気持ちが怖さから好きの気持ちに傾いていくことになる…というストーリーです。


この作品。時代背景は好きなんですが、設定が凝り凝りで情報消化が忙しかったです。
あっちとあっちが繋がって、こっちとこっちが繋がって…が多くて、ページを行ったり来たりしまくりました。(電子なので難しい 汗)
ストーリーの枝葉の情報も多いから理解するのに少し疲れました。

由貴也の性格がね、気弱でオドオドしたりで好印象に感じなかったんですよね。
由貴也が有貴皇子として生きていくことを決心することで、性格や発言、行動に変化が生まれ周りにおお〜!!すごい!みたいなのをたくさん期待してましたが、少ないし弱い。
由貴也の良さがあまり引き立ってない。もっと大げさにしていいのに〜

あと、これが一番ガッカリしたこと。
叔父叔母の成敗劇がぬるい!!
とっっっことんムカつく人たちだったので、もっと重い罰・キツい仕打ちでも良かったのではと思いました。結局反省してないし。


ふわ〜っと。もや〜っと。いつの間にか終わったなという感じでした。
神乃皇子はキリリとした人柄で、由貴也の能力を認めて応援するしでかっちょいいです。
そんなスパダリに愛されるんですから、BL的には好きなお話です。でもですね、背景・設定がゴチャついていてよく分からない部分もちらほらありまして…もう少しスッキリしてる方が好みでした。

ストーリーのトーンも終始平坦な感じ。
もうちょい盛り上がりがあれば嬉しかったです。

5

万葉集

先生買い。衣装から「ん?」と感じていましたが、わーお、なんちゃって奈良時代?でした。お話は「どうなるどうなる」と気になってするする読みましたけど、攻め受けに萌をあまり感じなかったし、ある登場人物の結末が「うーん」でしたので中立にしました。本編290P弱+後日談20Pほど+あとがき。

高級別荘地にある別荘に軟禁されている由貴也。両親を亡くし、あれこれ任せていた叔父夫婦が由貴也からほぼ全てを奪ったためで、庭の手入れをするか本を読むか、庭にある狼の置物、綺麗なアマガエルに気持ちを話すという毎日。ある日そっと触った狼から何かを感じて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
叔父夫婦+息子(クソ)、有貴皇子、乳母、帝、他の貴族など。有貴皇子がなあ。

++

攻めは押しが強く感じましたね。正統派皇子。やることはやる。間違ったことは正す。って方向にどんどん進みそうな方に感じました。異能あるし、受けとくっついたので二人で補って、良く進んでいきそうな気はしますが、きゃあカッコいい♡という感じになるところは無かったでした。

受けは叔父夫婦に軟禁されているわ、異世界いったら別の人の体に入っちゃうわ、元の人格たまに出てくるわ、異世界から来たなんて言ったら死刑にされちゃいそうだわ、攻めはごりごり圧をかけてくるわで超大変そう。頑張ってなんとか良い位置づけを確保できたのは、よく頑張りました賞だと思うのですが、きゅうーんという恋心よりも、攻めが最初は攻撃的に感じられて不安だったという方が多い印象です。たまに出てくる有貴皇子も色々感情出してくるんで、ああ紛らわしい。話の方向性が見えないよーんと思ってしまいました。

その有貴皇子の最期の選択も個人的には「うーん・・」と思うものだったので本全体の印象を左右してしまった感じです。花小蒔先生の挿絵は全頁神★と思う超好みのものだったのですが、お話に今一つ萌えられなかった一冊でした。

1

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