イラスト付
シリーズ7冊目。いよいよ完結です…!
念のため読み順を置いておきます。
①烈火 ②花嵐 ③女王殺し ④異端 ⑤兇王 ⑥呪縛 ⑦始祖
1~6巻までの間 ずーーっと
先が見えない・展開読めないと言い続けてましたが、、、
最終巻になっても最後の最後まで気が抜けませんでした。
(最後の方は"これページ足りる?"って心配になるほど)
光魔法の民は一概に善ではないし、
闇魔法の民は一概に悪とは言い切れない。
何をもって善と呼び、悪と呼ぶのかーー。
ただひとつ言えるのは能力が極端すぎて
他の血族と共に生きるには存在そのものが異分子でね。
幸せな未来図が見えてこない世界観の中で
生と死・善と悪が絡み合う物語が本当に面白かった…!
もちろんBとLの観点でも
背反する血族の相違点で価値観のズレが生まれるけど、
惹かれる心が止められないもどかしさが良…ッ!!!
最後の最後まで夢中になって読みました。
さてさて。
恒例の冒頭別視点はアルフレッドから始まり本編へ。
ノアが王女と婚約した噂を聞いたマホロ。
ノアとの距離がますます離れていくばかりの中で
とうとうノア・レオンの卒業式の日を迎えました。
卒業式の日に姿を現わしたオスカー、
殺戮を繰り返すフィオナ、
何かを画策しているアリシア。
闘いが混沌とする中でマホロが出した答えはーーーと展開します。
◆ノア×マホロについて
2人について一番心に残るのは
価値観の違いで何度もぶつかりながらも惹かれ合う姿。
最初は貴族出と庶民という上下関係が自然とあった。
次第に対等なぶつかり合いが出来るように変化する。
光と闇の背反する性質で溝は深くなるけれど惹かれ合う。
変化の度にノアやマホロの葛藤が丁寧に描かれてました。
ノアはあれですね。最終巻だろうが、
状況が目まぐるしく動くのに初期から一切ブレない駄々っ子ぷりに感心しちゃうw
1巻の「やっぱりヤらせろ」と速攻戻ってきて笑わせてくれたノアのままでしたw
マホロ以外を見ていないノアにマホロは苦しみ、
変わらないノアにもどかしさを覚えるときもありました。
けれどノアもノアで苦しみながらも自分の心を貫いてて。
"完全に闇に堕ちない"強さがマホロへの愛だったのだと涙しました。
(闇魔法の性質上、相当苦しかったはず…)
(マホロのことが好きすぎるんよな~~!)
対してマホロはどんどん変わって成長しましたね!!!
最終巻では自分を見つめ直してて更に強くなりました。
正の感情だけでなく負の感情も知ることが、
マホロの中の天秤で中立が取れていたんだろうな…と。
萌え的な観点で言えば、
ノア:「ーーーを殺した男の腕には、抱かれたくない?」
↑↑↑この問いかけと、業の深さ~~~ッ!!!
ドチャクソに萌えましたッッッッ!!!(///Д///)
大切な人を殺したのは大好きな人っていうね!!!!
あと記憶を失った者と覚えている者の関係性。
大好物なので涙ドパドパ流しながら読みました…。最高。
◆敵さんについて
ジークフリードを失って統率がなくなった敵さんを見て、
改めてジークフリードのカリスマ性を実感しましたね…。
良くも悪くも。
今回はアリシア・フィオナ・オスカーと対峙してます。
が、悪を前にしたヒリヒリ感や勝ち筋が見えない焦燥感は
ジークフリードと対峙していた時の方が圧倒的でしたね。
油断できない敵ではあるけど比べると小者に見えちゃう。
(っていうか巻を追う毎に)
(ジークフリードが憎めなくなった私の解釈です…)
(前巻のラストのジークフリードが好きすぎて困る)
また、オスカーは人を殺してないけれど、逆賊で。
何を持って善とし悪と見るのかという展開の中で、
まさにオスカーの立ち位置がそのままだったのが印象に残りました。
オスカーが何を思い・何を考え・何を欲したかーー。
学生服に身を包んでノアとレオンの前に現われ、
やっと本質に触れることが出来て切なくなる(;ω;)
(オスカーが善か悪かと問われたら、)
(平和を脅かして笑っている時点で悪なんだよな…)
(人殺ししてないからレオンよりマシとはならない)
(レオンは守る人だもん…)
(そこをわかってない時点でオスカーは堕ちてた…)
◆アルフレッドについて
私はずっとアルフレッドを警戒してました。
イマイチ敵か味方かはわからないけれど、
どちらにせよ局面ではキーを握る人だと思っていた…。
心残りがあるとすれば、
最後の最後でアルフレッドが普通の人だったことです。
(どうやら私は何か裏があるのを期待してたようだ…)
(裏切ってほしくないのに矛盾してたね…)
腹が読めなくて苦手だと言い続けてきましたが、
好きと嫌いは紙一重っていうのを実感しましたね。
普通さにガッカリする程度には期待してて好きだったみたいです(;ω;)
でも得体が知れない理由の伏線回収はあったし、
嫌いなのに魅力されちゃう強キャラっぷりで最高でした!
アルフレッドには外伝があっても良いんじゃ…?
正直ちょっと描ききれていない部分があると思う。
BLの要でもないし
ジークフリードっていう敵のカリスマが既にいるから、
アルフレッドを掘り下げる理由はそんなないけどさ…。
でも敵か味方かわからない存在が面白かったんですよ!
(アルフレッドの主役のスピンとか…ないですかね?)
(レオンとブロマンス的な…)
(個人的には需要があると信じたいけどやっぱNG?)
愛ゆえに少しマイナスなことを書いてしまいましたが、
生と死・善と悪を考えさせられながらも没頭するお話でとても良かったです。
先が見えない展開がずっと続くので息切れしながら夢中になって読みました。
また、作り込まれた物語の挿絵が奈良さんだったのも
物語に深みがでてくる一端を担っていたと思います…!
表紙を初めとした素晴らしい絵の数々がめっちゃ好き!
面白かった~~~~~!!!!ヾ(*´∀`*)ノ
ちなみに有償特典の小冊子ですが後日談が楽しめます。
奈良さんの描き下ろしイラストとコメント付きでした!
「血族」シリーズの7巻目にして完結編。
あと1冊でどうやって話をまとめるんかな?と思いつつ読み始めました。
なんか、言葉を尽くしてレビューを書いても今シリーズの面白さとか素晴らしさって書ききれない気がします。一言でいうなら、
ぜひ、読んでください!
ってことですかね。
夜光さんの描かれるファンタジーものってどうしてこうも面白んですかね。
世界観が独特かつ、それを読者に読ませる手腕があるからに他ならないと思うのですが、次から次へとよくぞこれほど、と思わざるを得ません。
タイトルの「血族」。
これがまた良い。
自分の仲間(身内といってもいいかも)、そうではない他のグループ、切ることができない、圧倒的な絆。でも、「血」だけでそれを区分することは出来ないのだと。
その人の性格とか生き様とか、仲間とか出会った人とか、そういう「その人」を形成するものも、その人をその人たらしめているのだと。
ノアは闇魔法の血族でしたが、だからなに?
ノアを愛し、彼が愛した、その人たちは決してノアを「血」で区分していない。
そして、マホロも。
マホロは多くの人に愛されていますが、それは彼が「光魔法」の血族だからだけでは、ない。マホロの本質を、多くの人が愛しているのだと。それが、終盤にきっちり描かれていてめっちゃ萌えました。
何もなくなっても。
すべてを忘れてしまっても。ゼロからのスタートだったとしても。
何度出会っても、どこで出会っても、恋に堕ちる。
それは、お互いの本質を愛しているから。
もうムネアツです。
正直、あの混とんとした終盤の流れを、この少ないページ数でどう回収するのかと気になりました。そして、あ、こういう展開ね…、と思ったのも正直に言ってしまうと、ありました。
が、そこからが夜光先生の本分か。
こう来たかー!という結末に納得。めっちゃ良い。
ノアのマホロへの執着は、一貫してブレなしなのがいいですよね。
え、アンタここで盛んのかい!
と、要所要所で突っ込んでしまいましたが、彼は彼のすべてをかけてマホロを愛しているのだと。マホロが光魔法の血族だったからでも、ノアが闇魔法の血族だったからでもない。マホロだから、愛したのだと。
最後の最後まで息つかせぬ敵との対峙のシーンはもう手に汗握る、という感じ。
BLという部分だけではなく、ファンタジー物として読んでも面白い。最高か。
終わってしまって寂しい限りですが、またどこかで彼らに会えるといいな。
あ、あと忘れちゃいけないのは奈良さんの描かれた挿絵。
今巻も麗しかった…。
闘いのシーンの見開きの挿絵はマジでやばい。昇天するかと思いました。
奈良さんの画集、どこかで出してはいただけまいか。と切望しています。
あぁぁぁぁぁ〜…!!
完結巻なのに大きな見せ場がどんどん入ってくるので、着地点や回収をどう処理するのかとドキドキハラハラしながら読んでいましたが、すんごく良かったです。
あとがきで作者さんがラストに対して色んな構想を考えていたと仰っていましたが、すごく分かる気がします。ここまでの壮大なストーリーですから、色んな可能性や方向性がいくつあってもおかしくない。
そのいくつもある結末の選択肢の中で、この道筋を選んで私たちの世界に降りてきたと思ったらとても感慨深い気持ちになりました。
(別ルートも興味ありますが… 笑)
前巻「呪縛の血族」から不穏な形でバトンタッチした今巻「始祖の血族」は、もちろん冒頭からノアとマホロのぎこちない関係が目立っていました。彼らにどんな事件が起ころうとも、読み進めることが出来るのは、これが完結巻であることの期待感があるから。
最終章までこの物語がどうもつれこむのか読めませんでしたが、期待も不安も併せて初めて楽しむことができたような気がします。
今巻で注目すべきは、そりゃもう全て。全方位が見どころです。
1番はマホロとノアの恋愛の行方なのは間違いがありませんが、2人を取り巻く背景や事件も最後にしてこうきたか!って感じです。いつも想像を超えてくるのがホント凄いです。
私個人として良かったなと思ったところは、マホロの成長や変化です。
マホロって流され体質というか、周りがこうだからこうするしかないよね…みたいな意志の弱さを感じることが多かったんです。まぁ、周りが主張の強い個性的な人たちが多いからかも知れませんが。
だから、ジークフリートの一件でノアを糾弾するシーンは初めてマホロの意志や強さを感じたんですよね。そしてこの完結巻においても、クライマックスは、マホロの意志や決定が大きく作用する大事な場面です。マホロがどうしたいのか、何がしたいのか……誰の助言も借りないマホロ自身の"やりたいこと"が初めて形として表れたな、と。
このマホロの決断が、完結編の大トリの部分。
最後は感動の嵐に包まれました!!
最後の見開きのイラスト絵が最高に良かったです。やはり2人は何があっても運命に見守られた存在なんですね。目頭も胸もどこもかしかも多幸感で嬉しさが沁みました。
余韻が心地いい納得のエンディングです。
続刊へ続く…となるたび、激しく続きを欲していましたが、終わるとそれはそれで寂しい思いがありますね。2人の幸せを見届けたらそれは物語の終わり。それは当たり前のことなんだけど、やはりしんみりとしてしまいました。
私にとっては終わりを見届けた物語ですが、ノアとマホロの世界ではこれからが始まりなわけで、今後も2人の新しいドラマは時間を刻んでいくことでしょう。
戦いもしがらみもない幸せな世界線で、いつまでも仲良く過ごして欲しいと思います。
あと1冊番外編集を出して頂きたい。
夜光先生は本当に面白い作品を書かれます。
私の中では、1番読みやすく、作品を楽しみにしている作家さんです。
血族シリーズも最終巻となりましたが、もう1度最初から一気読みされることをお勧めします!
新刊が出るごとに読んでいたので、シリーズものは完結したら最初から読み返すのが流れが理解できてよいと思います。
私の中ではまだ続編希望がありますので、完結おめでとうはまたの機会に。
奈良千春先生のイラストが、恐ろしく嵌っているので、虫メガネを用意してじっくり見るべし!
まだ余韻を引きずっているところです。なのであまり多くを語りたくないです。だけどこの心の中に渦巻くあれこれを吐き出したい気持ちもあって混乱してます。
前作のレビューでアルフレッドがノアとマホロを王家に取り込む理由の答え合わせをと書いてましたが、私が考えていたのとは全く違ってました。終盤のマホロの選択は想像通りでしたが、思いもしない結末で夜光花先生にしてやられた思いです。
あとがきに結末は幾つかのパターンを考えていたとありましたが、この結末が1番相応しいと思いました。
それにしてもマホロ以外の光魔法の血族はどうしちゃったのって感じでした。育ちの違いと言ってしまえばそれまでですが、個人的には本人の資質もあるのではないかと思います。
そして前巻から微妙にすれ違っていたノアとマホロでしたが、今作でもノアが王女の婚約者となってしまったのでなかなか接点を持てなくて意思疎通出来ない点が焦ったく思いました。
でも、どんな時もノアの気持ちがマホロにしか向かって無いので安心感がありました。ノア贔屓なので嬉しかったですね。
最後はですね、胸熱になること間違いなしなのでなるべくネタバレ無しで読んで欲しいです。
最初本を開いた時に文字の小ささに老眼が進んだのかと怯えたんですが、家人がチラッと見て同じ感想を抱いたらしく「そんな小さな字を」って言われました。www