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作家買い。
しかもサマミヤさんが挿絵を描かれてる!ということであらすじを拝見する前から購入決定。表紙とかタイトルからほのぼの系かな?と思いつつ手に取りました。
ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
ブラック企業に勤める伊折が主人公。
彼は家族に恵まれることがなく、職場でも浮き気味。そして、ゲイという性志向を自認している青年だ。その過酷な環境から抜け出せない日々を過ごしていたある日、突然異世界へとトリップしてしまう。
キップール王国に召喚されてしまっていたのだった。しかし、そこではすでに勇者が魔王を倒した後の国。しかも、伊折自身に魔力はなく、勝手に召喚したはずなのに用なしとばかりに伊折は樹海へと捨てられてしまう。
魔物がいるかもしれない、食べるものも何もない、ここがどこなのかも、右も左もわからない。
極限の状態でさまよい続けた伊折は力尽き倒れてしまう。が、そんな伊折を見つけ助けてくれた人物がいてー?
というお話。
伊折という青年はまさに薄幸青年。
味方になってくれる人もおらず、疎まれる日々を送っていた。自分のいた世界に戻りたい、でも本当に?戻っても幸せもない。このままいっそ死んでしまった方が…。そう思っていた伊折を助けてくれたのは、4人の子どもたちとイケメンさんのナタン。そして、彼らと、そして彼らとシェアハウスで暮らすヴィンセントとユリという名の青年たち(ヴィンセントはオッサンですが)を一緒に暮らし始めるが。
小中先生らしいファンタジーものですが、切なさと甘さとコミカルさがきっちりミックスされたホンワカストーリーです。序盤こそ伊折の薄幸さに切なくなりましたが、彼の孤独や環境によってつくられた性格などを、ナタンたちはまるっと、そのまま、伊折のまま、受け入れてくれる。4人のお子たちもめっちゃ可愛くって、ホンワカ可愛い。今まで誰かに助けられたことも、誰かのためになるという実感もなく生きてきた伊折が、少しずつ笑顔を取り戻していくさまが読んでいて気持ちがいい。
が、ただの「可愛い」で終わらないのが小中先生作品ならではか。
ナタンたちの正体(というか素性)、なぜ樹海にひっそりと生きているのか、魔王と勇者の闘いの本質は、など、入口は狭いのに、一度足を踏み入れたらそこには壮大な世界観が広がっていてめちゃめちゃ面白かった。
登場人物はそう多くはありません。
異世界トリップしてしまった伊折に、彼を助けてくれたナタン、ナタンとともに住む4人のお子たちと、二人のタイプの違うイケメンさんのヴィンセントとユリ。あとは伊折たちのもとに商品を運んでくれるネコちゃん。そしてキップール王国の面々(キップール王国の面々は、まあどうでもよし)。
が、この少数のメンツがめっちゃ良いの。まさに少数精鋭。
それぞれが内に秘めるもの、彼らの過去、そして優しく強い内面。本当に全員が全員とも魅力的で素敵なんです。なかでも個人的お気に入りはヴィンセント。彼の気安いオッサンの部分と、カッコいい素の素性。まさにギャップ萌え。寒いオッサンギャグさえも愛おしいです。
あとは個人的ツボポイントはネコちゃんが敵につかまり、奴らの慰み者になるシーン。もうもう…、大爆笑でした。それは私もしたい!
ナタンはめちゃめちゃイケメン。そしてスパダリ。伊折を一途に愛し、守ろうとする。なのに、ヘタレなんです。最高に可愛いです。あとがきで小中先生が書かれていますが、先生の生み出してくださるヘタレな攻めさんってとってもツボなので、これからもどんどん書いていただきたいです。
BLとしてベースにあるのは「薄幸受けさんがスパダリに愛され幸せになりました」という王道のお話。そこに、小中先生らしいエッセンスが加わることで、こうも壮大で面白いお話になるのかと、いっそ感心します。
その素敵キャラたちを、サマミヤさんが描かれているというこの眼福さ。儚い美しさと、コミカルなシーンも、ちょいエロなシーンも、どこをどう切り取っても最高という言葉しか出てこない。
魔力を全復活させた彼らのその後も読んでみたいな。
最近やっつけ仕事で家族の食事を作っていましたが、ちょっと反省もしたりするお話でした。愛する人においしいと言ってほしい、バランスの良い食事を食べてほしいと思いながら作る料理は、味以上に素晴らしい「何か」が入ってるんだな、と。
そこに、きちんと「なぜ伊折が召喚されたのか」の意味も込められていて、読後心がほっこり温かくなる、そんなハートフルな1冊でした。
タイトルとあらすじから見て、ほのぼの系かなーと想像して入りました。
結果、ほのぼの系のお話ではあるんですど、シリアスな要素もありキュンキュン要素もあり、クスッと笑ってしまうところもあり、どの角度からも楽しめます。特に萌えやキュンの部分は大袈裟な描写ではないのに、ジワジワ心臓にとパンチ効いてきました。
あーーー…こういう感じのお話大好きです。めっちゃ好き〜
あとですね、すごく読みやすいです。異世界なんで独特の設定や道具なんか登場しますけど、この世界の対立構造やら人間関係やらは割とスッキリしていて理解に難くありません。
ちびっ子4人とカップル2組のシェアハウス物語の日常と、主人公伊折と魔族王ナタンとのウブでモダモダなアオハルチックな恋を中心にお楽しみ下さい(*´︶`*)
私のおススメポイントとしては、主人公伊折が健気で前向きで天然なところです。やっぱり受けの視点が主軸となる作品が多い中、ウジウジしたり弱気になったりすると、こっちまでショボンとします……このご時世なんで元気になりたい欲が私の胸の中にあるのかもですが(笑)
不憫な生い立ちの彼が異世界に召喚され、召喚直後は酷い扱いをされ樹海に捨てられたのち、ナタンたちが住む下宿屋すなわちシェアハウスに保護されて共に生活することになる…という始まりです。
ここでの伊折の担当役割が食事係。
なぜ食事係になったのかの理由がめちゃくちゃ面白くて、笑ってしまいました。オートミールが主食でみんなの大好物な世界なのかなと思っていたら、そういうワケかと。ここからこの物語が格段に楽しくなっていきますよ!!
伊折はそれまでの世界で褒められたり感謝されたりすることがなかったけど、この世界では皆が伊折を認め尊重し優しくしてくれます。こんな待遇を受けるので伊折も毎日が充実し、美味しいご飯を作る励みになる…そして更にみんなに喜ばれてまたやる気が出る。良いことの無限ループです♪( ´▽`)
伊折が周囲の環境に恵まれ、恋もして、心に余裕が出てきて幸せになっていくのがとっても良いんですよ。皆からの愛情を受け止め、自分も愛情を返すことが出来るってとっても素敵だなぁとホッコリ…。この下宿屋の雰囲気も最高なんですよね、住まいも最高だし住人たちも最高のメンバー。
こうした主人公カプのBLとは別の枠組みのところで高揚感と期待感を与えてくれるのも、この作品の推しポイントの一つです。
全体を通してのストーリーが内容も世界観とキャラクターたちも全部素敵でした。
幸せになっていくスピード感・疾走感が心地よくてエンディングまで大満足。もっとこの作品を堪能したかったと思うくらい、あっと言う間に読み終えてしまったので、いい意味で物足りなかったです♪
この先の話…例えば4つ子の元のムキムキ姿を拝めるまでとか見届けたかったですね(笑)
誰もが読んでニンマリ・ホッコリしちゃうような素敵な物語だと思います。ファンタジー好きな方もそうでない方もぜひ!
作者買いです。
タイトルもほっこり系だし、サマミヤアカザ先生のイラストも柔らかい絵だったので癒し系かな?と想像していました。
結果、期待は裏切られず大満足の内容でした。
内容は他の方々のレビューでお腹いっぱいだろうから渇愛(笑)
笑いツボはケルディ商人が帰国するときに捕まってしまい、兵士たちに慰みものにされるところ(モフり回される)。これはモブによる(モフ)への蛮行ですね!!
メインキャラはもちろん四天王も可愛かったし、脇キャラのユリとヴィセントも良い味つけがされていてさすが「おいしい下宿屋さん」といったところでしょうか。
童貞❌童貞のジレジレキュンキュンの悶えまくりたい方へオススメです。
いくつか伏線が回収されてないし、魔界城も復活されてないので2巻が出るんじゃないか!!
と期待しています。
私は小中大豆先生にはラブコメばっかり書いていてほしいという、多分マイナーなタイプのファンなので本作は文句なしに面白かった!
童貞魔王様ナタン×童貞異世界社畜伊折のピュアな主人公カップルはもちろん、召喚勇者おじさんヴィンセント×年下王子様ユリのラブラブサブカップル(こっちもスピン読みたいぐらい好き)、可愛い訳アリ四つ子たちにネコおじさんケルディと、キャラクターの配置が絶妙で読んでいてずっと楽しかった〜!
ネコおじさんがモフレ(?)されるシーンとか、闇落ちする勇者とか、「羽のように軽いな」のスパダリ発言とか、読みながら思わず吹き出しちゃうぐらい面白かった。
コメディ路線の小中作品はほんといいです。
寿命問題も解決しそうだし、伊折がこの世界に召喚された意義も感じられて、優しいラストでした。
魔界が復活する続編読みたいなあ。
BLに限らずに今とてもハマってるジャンルのお話だったのと、小中大豆先生なら間違いなく面白いだろうと思い読み始めました。結果大正解でした。
ほのぼの異世界転移BLでしたが終盤までお互いに告白しないので、凄くもだもだしてる感じに萌えました。その分は別CPがお色気担当してくれています。
この初々しいCPですが伊折もですがナタンも年齢=恋人がいない年数なんですよ。なのでナタンはヴィンセントに、伊折はユリにその手の知識を教えて貰ってます。
タイトルが「異世界のおいしい下宿屋さん」なので、料理が趣味の伊折が下宿屋の皆の食生活を改善してありがたがられるお話なんです。
その間に伊折が召喚されたキップール王国の秘密や、魔界の本当の姿が明らかになってくるんです。この辺りが凄く面白かったです。
そして下宿屋に商品を納入するケルディがびしょ濡れで現れた辺りからお話は不穏な方向に向かって行くんです。凄くほのぼのとしたお話だったのでこのまま終わるのかなぁと思っていたのですが、ここから怒涛の展開を迎えることになります。
召喚されたものの魔力無しという事で樹海に捨てられた伊折ですが、実はとてつもない力を秘めてる事が明らかになっていました。そして、伊折の力のお陰で最終的に大円満を迎えます。
決して厚い本では無いのですが、書いて欲しい事は全て書いてある所が小中先生の実力だと思いました。それに流行りをとても分かっていて、押さえている点が流石でした。
でも可能ならば魔界が復活するまでのお話も読んでみたいです。