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おしどり縁結び商会へようこそ 下

oshidori enmusubi syoukai he youkoso

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表題作おしどり縁結び商会へようこそ 下

島田
ビルオーナー兼質屋
白鳥 宇楽
ダンサー

同時収録作品おしどり縁結び商会へようこそ 下

押切 豪
白鳥 宇楽
ダンサー

その他の収録作品

  • 描き下ろし:おしどりの休日
  • あとがき

あらすじ

ゲイ専門の恋活相談所を営む豪と宇楽の出会いは十年以上前。有り金をスられ、雪に埋もれるよう立ち尽くしていた豪に、宇楽が声をかけたのがきっかけだった。親しくなるにつれ、次第に心を寄せ合う二人だが…?

作品情報

作品名
おしどり縁結び商会へようこそ 下
著者
阿部あかね 
媒体
漫画(コミック)
出版社
集英社
レーベル
集英社ガールズコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784088552132
4.5

(94)

(66)

萌々

(21)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
15
得点
429
評価数
94
平均
4.5 / 5
神率
70.2%

レビュー投稿数15

はー、しびれた…

出会い編の続きから、まるまる1冊豪と宇楽の話です。
「商会、どこへ行った?」なんて思う暇はありません。
引き込まれすぎて、泣いたー!
ティッシュを携えて読んでください。

ダンスバーでポールダンスをする宇楽が、雪の降りしきる日に拾った無職の豪。
そして質屋を営む島田さん。
この3人が描く歪な三角形。
歪なんだけど、妙にバランスが取れていて、複数ダメ、絶対!なわたしでも嫌悪感はありませんでした。
思えばわたしがレビューを書き始めたのは、阿部先生の『苦いのテーマ』を読んで、どうにも消化できなくて、何日も鬱々とした気持ちを抱えたまま、日常生活にも支障が出る!どこかに吐き出したい!と思ったことがきっかけでした。
そんなことをふと思い出しながら読み進めました。

島田さんはずるい大人。
だけどちゃんと宇楽が大事で。
こういう既婚者は「きえええ!成敗!」と思ってしまうわたしですが、今回は「懐が広いから、大切なものをたくさん持てるのかなあ」と思わせるひとでした。
宇楽は器用に生きているようで、すごく不器用。
その不器用な宇楽が出会った、もっと不器用な豪。
宇楽に執着して、忠犬のようについていく。
ひとはそれをストーカーと呼ぶわけですが、不器用な自分が不器用なままでいられる豪との時間は、居心地が良いわけです。
もうこの辺の気持ちの流れは、ぜひとも読んでほしい。
そしてスニーカーを買った辺りで、「ふがー!lって叫んでほしい。
バックハグは正義!

そんな3人の関係の傍らで描かれる、1組のお爺CPのエピソードも良い。
宇楽の職場の同僚も良い。
ゆかりさんも良い。
過去の場面でナオが生きてるのが見られるのも良い。

そして…。
三角形があっけなくなくなってしまう辺りは、涙なくして読めませんでした。
つらい。
お爺CPによって、あとから知らされた島田さんのエピソードが、さらに胸を抉ってきます。
宇楽の慟哭シーンのモノローグがつらい。
これはもう、読んでほしい。
ここでネタバレるより、自分にこころでぜひとも感じてほしい。

抉られました。
結構まだ引きずってます。
でも嫌な引きずり方じゃないのは、しあわせな時間が続いていくことが分かる終わり方だから。
買って良かったです。
久々に泣いて、心が洗われました。
欲を言えば、わんこのうめちゃんがどういう経緯で宇楽たちのところに来たのかも、知りたかったなあ。
良い作品でした。

8

参ったなぁ……

ちょっと…久っ々に真っ正面から抉られました。。。
どうしよう…
上手くレビュー書けるかな…いつも以上に取っ散らかってしまいそう…
時間を置いた方がいいかな、でももう1回読む体力と気力がないかも、私

という位に掻き乱される下巻です
掻き乱され捲るのですが決して苦しいだけではないんです
でも上手くこの作品自体のレビューを内容に触れながら書くのは難しい
なので完全に「感想」に振り切ったレビューになりそうです
それ位感情を動かされ、想う事が胸に、心の内側に残る作品です

尚、気になる事というかネタバレになってしまうのでココには書きませんが地雷要素になる内容も含まれていたのでその部分は内容含めコメントに残しておきます
「抉られる」「地雷」で気になった方のみ自己判断の元良かったらご覧ください


人生は一期一会だし、人を想えばその分どこかで想われるだろうし…それが想い人であれ、全く予期せぬ新たな縁を生む場合もあるだろうし、恋であれ友愛であれ家族愛であれ…心が動いた先には自分以外の誰かや何かが居るものですね

叶わない想いなら想う必要が無いなんて事はきっとないし、叶う叶わないではなく単純に自分の気持ちが動くかどうかって事を大切にしていきたいな、と宇楽を見て想い、豪の存在に救われる、そしてその逆も然り
更に彼らの縁結びの発端となったお爺達の生き様を知り胸が熱くなる
叶わなかった想いやその間の時間もまるっとひっくるめて全部自分のココロな訳だし…

という酷く真っ当な正論を上手く表現出来ないのが大人になってしまった「人間」だろうし、上手く出来なくてもがいたり、泣いたり、時には苦しむからこそ「人間らしい」のかも知れない

阿部先生もあとがきで「人を描くのは難しい」と仰ってましたが生身の人間ですら難しいのにそれを0から創り出し、描き、動かして、物語を紡ぎ生かしていく…
改めて作家さまのプロフェッショナルなお仕事と想いの詰まった作品に敬意と愛を感じずにはいられない、、、本当に「人間」と「人生」をキレイごとじゃない部分も含めて描いた作品でした

豪と宇楽が想いを伝え合う手が愛おしいと思いながら眺めると同時に、阿部先生が敢えてなのかは分かりませんが関係性に変化があってからの2人が、直接的な唇を重ねる描写をしない所に胸を締め付けられる切なさを感じました

180ページ弱のお話しなのに250ページはゆうに越している位の読後感です
正直、誰にでも読んだ方がいい!とは言えない作品かもです
でも、読んだら何かを感じる作品では確実にありますし、神作品である事に疑いの余地はありません
確かに私は抉られはしましたが、じーんと噛みしめる切なさを甘受し、またBLの奥深さを感慨深く想い、そしてこの作品の登場人物達に想いを馳せずには居られない

この作品だからこその余韻が切なくもあり少し痛くて少し甘い
少し間を置いてまたこの愛おしい街の人々に会いに戻って来たい、そんな作品です

7

チル76

地雷になりそうな展開が含まれますのでそこに触れておきます
だいぶネタバレになりますのでそれでも知っておきたい!という方のみ良ければお読み下さい
内容に触れながら書きます


下巻のメインは3人です
おしどり商会の会長と副会長の豪と宇楽、そして上巻で宇楽が豪から離れ共に車で走り去った島田
この島田は宇楽とカンケイを持っています
妻子もある身です

きっかけは間違いなく軽い気持ち
でも明らかにお互い最初の思惑とは違う、制御不能な感情を互いに持っています
でも、お互いそれなりの場数を踏んで来たであろう背景が分かる生き様から「大人の付き合い」として胸の内の本当の気持ちは伝えません
そこを分かった上で敢えて冗談めかして重い想いを伝え合っています

そんな2人のカンケイに豪の存在が加わり歪なカタチに変わりつつも、歪である事に気付きながらも誰もその輪から外れず続く、ぬるま湯のようなカンケイ
居心地がいいような、やがて体が冷える事が分かっているから…そのままではダメなのは分かっているのに熱くなり過ぎない適温に身動きが取れない3人

しかし、そんなカンケイにもオワリが来ます
※※※妻子持ちの不倫、その上3Pという地雷以上の地雷且つお話しの根幹に関わる事なので以下は再三とはなりますが、しっかりネタバレOKであればお読み下さいね※※※



このオワリが所謂予期せぬ出来事でのオワリです
ぬるま湯は再度熱くなる事はなく急激に冷え切り、カラダもココロも一気に冷やしてしまい、その熱を強制的に奪います

結構メイン級となるキャラのこの最期の迎え方、また最期があるというのは地雷の方も居るかな?と思い書きました
私は地雷とまではいかないまでも不条理展開は得意ではないですし、可能なら避けたい派なので…
更に、他にも最期を知る事になるキャラが主要ではないし、不条理でもないかも知れませんが2名程居りますし、主要ではないとは言えストーリーに於いては間違いなく重要なお話しなのでそもそも死ネタ地雷がある方は充分心して読まれた方がいいかも知れません

以上、お伝えさせて頂きました
この苦手要素があったとしても余りある魅力的で力のあるお話しでした

意味のある上下巻作品の匠の技に脱帽

上巻を読んだ時に結構このお話しの自己紹介的なカップルかと思っていた山辺さんと川谷君のお話し
彼らの1番最初のお顔合わせの時に豪が「二人が本気にならない事を願うよ」というセリフを呟き、その豪に対しての宇楽の複雑な表情と対応は単純に病気(だと思っていた)の山辺さんと川谷君の先が見えない関係に対しての危惧に対しての豪の想いに対して「そんな事言うなょ…!」という、単に諫めるような空気を宇楽から感じていました
そして割と軽く読んでいた印象で、豪と宇楽の軽口を叩くような関係性を感じるような印象でした

でも……下巻を読んだ後にもう一度彼らのお話しとこの山辺さんと川谷君の出会いのシーンを読むと2人のセリフも全く違った表情に見えてきて泣けて来ます

上下巻で読むからこその演出であり気付きだとしみじみ思いますし深さを感じます
人間の深みはやっぱりどんな経験をして何を感じて来たか?が色濃く反映します
島田との時間を過ごした2人だからこそのセリフだったのだな…と。。。
人間は表面や一見しただけでは分からない事なんてたくさん…
そんな事をぼんやり考えました

上巻の表紙は豪が島田さんの分まで背負った描写で宇楽と並び、下巻は出会った頃の豪で並ぶ
この粋な表紙カバーの演出にもじ~んとしますね

多くは語れない下巻ではありますが、多くを感じ、多くの感情が揺れる下巻でもありました
忘れたくない、忘れられない、とても印象強く、そしてそう簡単に出会う事が出来ない類の作品です

5

最高。

『おしどり縁結び商会へようこそ』の下巻。
続きものなので上巻未読だと理解できません。上巻から読まれることをお勧めします。

さて。
上巻の終盤で、宇楽と豪の過去編へと突入しましたが、下巻はその続きから。
豪が困っているときに手を差し伸べた宇楽。それからすっかり豪に懐かれてしまった宇楽だがー?


ウザイ、めんどい。
そんな風に、初めは豪のことを思っていた宇楽。が、尻尾を振りながら一生懸命に自分を求める豪に少しずつ心を寄せていく宇楽だが。

阿部さん作品なのでね。
心がピリッとひりつくような展開に、その後移行していきます。宇楽が住まうビルのオーナーの島田さん。宇楽と島田さんの間には、身体の関係があってー。

阿部さんの描くクソな人物って、本当になんというか憎めない。
その根底に、人として大切な「何か」があるからなんだろうな。クソなんだけど。間違いなくクソなオヤジなんだけど。

島田さん、宇楽、そして豪の、三人の関係はいかに。

酸いも甘いも嚙分けた大人の愛。
この世界観は阿部さんしか描けない。
ただ甘くて、優しくてほっこりしている「愛」とは、明確に異なる何かがある。

宇楽しかり豪しかり、そして島田さんしかり。
彼らの内に秘めた、その「何か」が明確に描かれることはありません。が、彼らのちょっとしたセリフとか仕草、表情でそれらをうっすらと読者に読ませる手腕はさすが。

遠慮なく、相手の内側に踏み込むことは決してない。
けれどそこに確かな愛情と信頼関係がある。相手を尊重し、一歩引く思い遣りが、そこにある。

大人の愛だなあ、としみじみ思いました。

島田さんがねえ、クソおやじだな、と序盤思ったわけですよ。
が。
もう。もう…!
何なの、このイケオジは…!

豪が1巻で描かれているリーゼントの髪形にしている理由がまた良い。
彼は、宇楽の島田さんへの想いもひっくるめて、宇楽を愛しているのだと。

愛とか恋とか。そんな言葉でが言い表せないほどの大きな「何か」がある。
痛みも、悲しみも、何もかもを乗り越えた先にある深い深い愛情が、今作品には描かれています。

文句なしの神作品。
最高すぎる作品でした。

4

上質な人間ドラマ

さすが阿部あかね先生といった感じの作品。恋愛じゃなくて情愛を描いている感じ。好き、俺も好きとはちょっと違うけど、確かにそこに愛があるって感じ。下巻はメインCPとプラスアルファ(島田さん)の複雑な心身の絡みが描かれていてさすがだなあと思いました。BL的萌とはかなり違う気がするけどこういうのが読みたい、ちゃんとした人間のドラマだった。
宇楽がハイヒールのダンサーだけどめっちゃがっしりした男なのが最高。口もナチュラルに悪くていい、でもやはりどっかほんのり乙女って絶妙なラインをスッキリ描けるのがさすが阿部先生。BL漫画でこういう複雑だけど嫌味のない(やりすぎてない)話もっと読みたいです。

4

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