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封印された聖獣×虐げられた王子
壮大なお話でした。
なんですが、読み心地がなんというかどんより曇り空の下でずっと過ごして終わった感?
王位継承権1位の第一王子のフィンリィがそれはそれは虐げられ続けて。
その理由もそんなことで?なことで。まあ終盤にやっと本当の原因が判明しますが。
白い獣と出会えて家族と呼び孤独を癒やしつつも、そもそも家族ってどんなこと?と知らないフィンリィ。
家族の意味を巡るその後も、本当にわかってる?大丈夫?覚悟あるの?な感がぬぐえず。
これはちょっと違いますが、神様と契ると問題的なことが、いつもは少しの違和感?で読めるんですよ。だけどこのお話はなんか違和感が大きくて。契ると問題じゃなくて獣だとずっと思ってた相手だからかな?
いつの間にかフィンリィはそんなに愛されてたんですね。そこは良かったです。
言語化できないモヤモヤと最後の後味もモヤモヤしました。
愚かな人達があまりにも愚かすぎて。なんだかな。
タイトル通り、不遇な王子が聖獣に愛されるファンタジー。
途中、国の成り立ちが明かされたあたりでここから面白くなっていくかも?と期待したが、ただのありがちな溺愛BLで終わってしまった。
主人公のフィンリィは同情を誘う生い立ちだとは思う。第一王子でありながら嫌われ者、それでも性格は歪むことなく成長し、外では強く内では弱音を吐きつつ頑張っている。
聖獣のカイは溺愛の仕方が女性向け感満載で、ドキドキする乙女フィンリィの描写と合わせて小学生向けみたい。夢のような甘々とキラキラ。
ストーリーはフィンリィが主体的に動かしてくれるわけじゃない。世界の創造から今に至るまでの歴史を知っていく過程は面白かった。解決は聖獣たちが動いただけなのがなんとも……。
良い子にしてるだけで愛され幸せになる主人公は追い甲斐がない。ただ耐えていれば誰かが動いてくれて、全て都合よく世界の方が変わっていく。自力でなく他力。
頑張る主人公が報われる話は好きだけど、フィンリィの頑張り方は自己満足の範囲内で結果に見合っていない。邪魔者全員一掃はやりすぎ。
と、ただそこにいるだけの主人公を中心に見ると冷めるが、世界観の構築方法や書き込み度合は好き。内容的には平成の既存作で十分。普遍的な人気を保つパターンかもしれないが、少しは前向きに進化したものが読みたい。
楽園と称される大陸の英雄の末裔、第8代国王の第一王子フィンリィ(受け)。
何故か生まれた時から王妃に疎まれてたフィンリィは12歳の頃より打ち捨てられた離宮にひとり住んでいます。離宮のそばの廃墟で見つけた銀色の大きな猫のような
獣カイ(攻め)と共に。
次期王の証クレイドのミドルネームを持つフィンリィはそんな環境でも次代の王となるべく勉強その他を頑張ってきましたが、ある日そのクレイドという名も弟王子に譲るようにと言われてしましまいます。
世の中に絶望するフィンリィでしたが、そんな中、カイに導かれ廃墟の中から初代国王の手記を見つけます。それを読んでびっくり。
実は自分達は英雄ではなく侵略者であったのです。そして、元々のこの大陸の王は聖獣であるカイのことだったのです。
驚くやら申し訳ないやらでパニックのフィンリィに対してカイは人に変化してみせるのでした。
自分達の先祖の行った所業を知り、この大陸の統治権を再びカイに戻すために画策するカイはじめ眷属たち。それに協力するフィンリィ。Xデーは弟王子の誕生日。
計画はうまく行くのか。
裏切り者の眷属は誰か。
何故か全ての人から遠巻きにされる不遇な王子フィンリィ。両親から名付けすらしてもらえず、病床にいる王弟クインツィから名前をもらう始末。
1/4ほど話が進むと理由が明かされるのですが、意味のわからない不遇な状況が不快で不快で‥読むのやめようかと思いました。
思いあまって他の方のレビューを見ると、勧善懲悪だとあったので、気を取り直して読むことができました。
両親含め誰もフィンリィの名前を覚えていない中、唯一フィンリィの名前を覚えてくれていた名付け親の叔父(実は伯父)との邂逅は涙なしでは読めません。
クインツィとフィンリィは一族の被害者で、身体の弱いクインツィもまた悲惨な生涯でした。
数代前、王位継承で揉めて無理やり王座を奪わなければきっとこの日は来なかったし、フィンリィにカイを救えなかったと思うと、本当に自業自得でした。
これから2人で長い年月を慈しみあって行って欲しいものです。
ハマりきれなかった。。ズドンと刺さらなかったです。
貫井先生の『狼殿下と身代わりの黒猫恋妻』が大好きで、同じ先生の作品ということで読むに至った、こちら。
聖獣 × 不憫第一王子のストーリーです。
あらすじは他の方が書いてくださっているので、感想とハマりきれなかった理由を…
3、40ページぐらい読み進めたところで「あ、これハマれないやつかな」という予感があり、そのまま最後まで印象変わらず…という感じでした。
自分の中で引っかかってしまった点はこんな感じ…↓(ネタバレ含みます)
・受けが気が強いんだか弱いんだかちょっとはっきりしない
・受けが「王位継承権を捨てる」ことと引き換えにするほど、名付け親である叔父に会いたいと強く思う心情に共感できず、腑に落ちなかった
・攻めは受けの一族のせいで力を封じられ200年も塔に閉じ込められていたのに、直接被害を加えた人物ではないとはいえ、受けにそこまで惹かれるだろうか…と疑問。
でも、眷属の黒犬シリウスが、受けに撫でられるとお腹を見せてゴロゴロしちゃうのとか、攻めの溺愛、勧善懲悪な終わり方など、萌えポイントは所々にありました。
細かいところが気になっちゃう自分がなあ〜…
「狼殿下〜」は本当に大好きでドンピシャだっただけに、くう…という感じです。
めげずに先生の他の作品も色々読んでみたいと思います。
この主人公の不憫さは、なかなか無いぞ、結構読み進めるの、ツラいな、と心が悲鳴を上げるレベルでした。
味方がね、たった一匹なんですよ。
一匹の獣だけ。
主人公フィンリィは、れっきとした王位継承権を持つ、第一王子であるにもかかわらず、周囲の人間はみんな冷たい態度、心無い言葉をぶつけてくるんです。
本当にヒドい。
このヒドい仕打ちは、ずっと続くのですが、味方であり、家族である獣、カイの存在が、フィンリィにも、我々読者にもなんとも心穏やかな時間を与えてくれました。
モフモフは癒やしですね~。
カイは、ずっと溺愛状態なんですよ。
ケモノ姿のときも、人間の姿のときも。
常にフィンリィを甘やかし、過保護なほど守ります。
バックハグが常態。
フィンリィの冷遇っぷりを嘆いているこちらとしては、もっとその愛情を注いでやってくれ、私の分も注いでやってくれーとお願いしたくなりました。
物語は、ファンタジーにこの表現はどうかと思いますが、『水◯黄門』や『大◯越前』のような往年の時代劇を彷彿とさせる勧善懲悪モノでして。
ずっとツラいフィンリィを見てきたので、こうなってほしい、と思っていた通りの展開に大満足。
キレイでスッキリとしたラストシーンでした。