【SS付】【イラスト付】
小説
異世界に呼び出されたのに、使えないからとポイ捨てされてしまった陽色。その後実はチート能力が授かっていたと気がつくのですが、それが他人に知られて嫌な思いをすることもあったため、転々としながらもようやく山奥にひっそりと家を構えて暮らしていた。そんな陽色が、ある獣人の兄弟と出会って…というお話。
獣人兄エル、獣人弟ビー、転生者陽色。3人が山奥の家で、獣人2人の体を休めるためにゆっくりと暮らしていくお話。そして、後半には、エルのとある目的の為に3人で森を離れることになります。
お話自体がとても面白い!そしてモフモフな獣人兄弟に非常に癒されました。2人が互いに惹かれ合うのも良いのですが、ちびっ子が間にいるのもさらに良い!可愛いモフモフに癒されたい&他とは少し違う異世界転生が見たい人にオススメです♪
ファンタジーも主人公の葛藤も中途半端だったかなと思います。
世界観やチート能力の設定がきちんと説明されず、主人公に出来ることの範囲がかなり曖昧です。
主人公自体にチート能力に関する探究心が無いという設定で曖昧なまま流されてしまいましたが、作中で実際に使用していたはずの能力を活用せずに危機に陥るシーンがありモヤモヤしました。
主人公の葛藤についてはテーマ自体は良かったです。しかし主人公がそういった考えに至る理由に説得力があまりありませんでした。
人を助けることを躊躇うようになったキッカケの出来事がちょっと弱いかなと思います。
主人公自体は召喚されたこと自体が可哀想で応援出来るキャラクターだったと思うので、初期の苦労話含めてもっとしっかり描写して欲しかったなと思いました。
主人公が作中で最初に使用する呪文「おうちが一番!」が爆裂可愛かったです。あざとい。
アワードにノミネートされているのを見て購入したものの、今の今まで積読状態になっていた、こちら…
251ページ、とそこそこボリュームがありビクビクしていたものの…
さすが小中先生、ストーリー運びが秀逸で面白くて、あっという間に世界観に引き込まれ、気付いたら読み切っていました。
数年前に異世界へと強制的に召喚されたものの、ろくな能力なし、と見限られ、ひとり山奥にこもって暮らすようになった主人公、陽色(ひいろ、異世界での呼び名は「ヒーロ」)。
そんなある日、ひょんなことからボロボロの服を見に纏い、病気の子供がいるのだ、となけなしのお金でパンを買って行った獣人エルと知り合います。
よかよく話してみると、彼らは滅びた王国の王族唯一の生き残りで、追っ手から逃れている最中だと分かりー
と続く、冒険譚。
唯一の生き残り王子、ビーの可愛さは言わずもがな!抱きしめたくなる5歳児…
そして、主人公ヒーロの「能力を高い、困っている人を救っても、救わなくても後悔することになる。困っている人たちを一時的に救うことはできても、人生全てを背負うことはできない」という悩み…チート能力を持っており、万能の神のような存在になっても、重責を感じ思い悩む姿に、共感して辛くなったりしました。
そんなヒーロの思いを理解し、欲しい言葉をかけて負担を軽くしてくれる存在、攻めのエルも格好良かった〜!!✨
セッッの描写は薄めで、エルの「獣人」設定を生かしたエッチは特になかったのが、ちょっと残念かなあ、という感じです。
そしてヒーローの悩む姿に共感しきりの、涙ホロリ、萌えの広がる冒険譚でした・:*+.
異世界に転生させられて、チート能力を手に入れてしまった受けの陽色が主人公。
チート能力ってどの程度?と思ってたら、もはや神レベルのチート能力。
でも、その能力を手に入れたおかげで幸せになりましたとさ!ではなく、その能力のせいで森の奥深くでひっそりと孤独に暮らしているんですよね。
なんか不憫で……。
っていうか自分なら発狂するだろうな……と思いました。
すんごい能力を手に入れたけれど元の世界にも戻れないし、この能力なんかあっても意味なくね??みたいな。
読んでいてウクライナ侵攻を彷彿とさせるところもありましたが、これは侵攻が始まる前の作品とのこと。
読みながら、もしこの能力を私が手に入れたらどうするか?日常レベルの「ご飯を作らなくても毎食、食べたい料理が一瞬で出来上がりますように」みたいなあくまで個人的な範囲か、それとも世界レベルの幸せを祈るのかとかあれこれ考えてしまいました。
そして最後に第三者の語り部による「幸せに暮らしたと伝わっている」とか、後年の人によって二人の生涯を語られてエンドというパターンが大好きなので、終わり方がすんごく嬉しかったですね。
(ヒーロの日記は蛇足感があったけど)
現代人が転生して異世界でいい感じに生きていける話×BLという感じで、読んでて楽しいうえにBのL(と子育て)のもりもりセット、すごく楽しい読書時間でした。
転生系ラノベの要素があるわけなのでしょうが、自分がその手のラノベはほぼ読んでないのもあって新鮮味もすごかったです。魔法いいですね!!笑
もう一つよかったのが、力を持っていることで生じる葛藤がリアルだったところです。辛いから人とのかかわりを避けた主人公にも納得というか……。善意と自己満足、代償に悩む主人公が人間らしくて読み入ってしまいました。
国家の崩壊と戦いがあって、中盤ハラハラもしましたが、転生者ならではのチート能力による快進撃で心地よかったです。その分といいますか、恋愛の部分におぼれすぎない感じが良かったですね、逃亡と建国がかかってるのでどんどん想いと信頼だけでっかくなって気持ち伝えるとかイチャイチャするとか後回しな感じで。リアリティが感じられる登場人物の葛藤が見られて楽しかったです。
小中先生のノベル、いくつか読ませてもらってますが毎回ストーリーが入ってきやすくて、その分登場人物の心情に集中できるので楽しいです。
また時間をおいて再読したいと思います!