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表題作人生はままならない

フレッド・ディルク・アヅナカルン
フィディの従者
フィディ・ミシュエル・ワイズバーン
ワイズバーン伯爵家の四男,17歳

その他の収録作品

  • 続・人生はままならない
  • フィディの巣箱
  • あとがき

あらすじ

自分はα(アルファ)だと信じて生きてきたのに、本当はΩ(オメガ)だと発覚した伯爵家の息子・フィディ。従者のフレッドと共に僻地の屋敷に追放され、ふたりきりの軟禁生活が始まる。失意に暮れるフィディだったが、献身的に支えてくれるフレッドの存在に救われ、「主従の垣根を超えて同じベッドで眠ろう」と提案。しかしその意味を履き違えたフレッドに、熱烈に求められて……!? わんこ従者と鈍感主の性教育ライフが幕を開ける。

作品情報

作品名
人生はままならない
著者
伊達きよ 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403525889
4.1

(67)

(28)

萌々

(25)

(10)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
273
評価数
67
平均
4.1 / 5
神率
41.8%

レビュー投稿数15

逸物まつり!!

読み終わってタイトルの言葉がすごく胸に刺さります。

表紙の体格差やポーズや構図がいいですね!

あらすじにある通りな始まりで…。
わりとお話がスイスイ進んでます。
番犬従者フレッドと主人のフィディの僻地で軟禁ライフ?

フィディがΩだとわかってプライドが崩れて行く様子は可哀想でしたが、軟禁ライフの中で色んな気付きがあったり前向きな考え方ができたり。
転んでもただでは起きないたくましさと聡明さが良かったです。

性的なことに驚くほど無知なフィディが発した言葉で、フレッドを舞い上がらせてしまいなんだかんだと性教育な日々へ。

なんかフィディが変わり者なのか情緒や心の機微に疎すぎるのか?
番犬に言質を取られ連日…。

でも出会った時からお互いが天使だったもんね!
恋を知ったフィディがヘレン・ケラーのウォーター!だよ(笑)これが恋?

お父さんもフィディが考えてたような鬼畜ではなかったというか、知らぬは本人ばかりなりだったんですね。

フレッドの従者っぷりと表情豊かなワンコっぷりが大満足です!全力でシッポふりふりとかショボンとかズルいよ(笑)

続・人生はままならない
本邸に戻って家族と再会して…。
家族や父の大きな愛にふるえます。αと思い込んだまま学校へ行かせたり、無言で軟禁の理由とか。みんなフィディのためだったんですね(泣)

こちらも盛り沢山で。人生はままならない、けどこんな人生も楽しい!
あのままではわからなかったアレコレ。

フィディの心も決まりようやく!
フレッドの過去ともフィディが男前にケリをつけて。

人生はままならないけど努力や自分次第なところありますよね。
諦めなければ、前を向けば、考えてみれば違う生き方だって悪くないかもしれない。

11

マジで、ニヤニヤが止まらなくなります

出先で読むのは危険です……!
尋常じゃないほどニヤけます。
もう、誰もがニヤけてしまうこと、間違いなしです。

〝主人を敬愛してやまない従順ワンコ(ムッツリ)×性知識に疎いぽやぽや純情坊ちゃま〟の主従BL♡
【元剣奴の現従者】って設定が既に萌ですよ!
もう、この2人が可愛くて仕方ないのです。

序盤での「僕と寝ないか」の一連の流れなんて、頬が緩んで堪らんでしょ……!

▶︎フィディ「僕と寝ないか(フレッドも疲れてるだろうし、一緒のベッドで寝て良いよ)」
▶︎フレッド「(フィディ様の伽役を)謹んでお受けいたします(!!!!!)」

こんな感じで、盛大な勘違いから始まる関係性。コント並みのすれ違いに、めちゃくちゃ笑いました。
自分の勘違いだと分かり、盛大に落ち込むフレッドが気の毒だけど微笑ましく、そんなフレッドを心配する天然すぎるフィディ様……
もう、こんなのニヤニヤが止まらないよ……ッ

そして始まる〝性教育〟
無垢なフィディがフレッドにより、あれよあれよと開発されていく様子は、お見事すぎて拍手喝采!
もう、無自覚に煽りまくるフィディのせいでフレッドの理性は崩壊寸前…と言うか、爆発して思わず「そんな可愛いことばかり言わないでくれっ」とタメ口になる姿に激しく悶えました。

そして、「僕はαに違いない!」と信じてやまないフィディと、「あの子はΩに違いない」と心配する周囲のギャップも笑えますw
努力家でしっかり者なのに、何処かポワッとしたフィディが本当に可愛くて最高のキャラクターでした♡

αだと信じていたのに、実はΩだったフィディ。
全てに絶望し、厭世的に生きていた剣奴のフレッド。
意志とは関係なく進む〝運命の歯車〟に翻弄される2人の人生は、ままならない。
ままならないけれど、お互いが出会えた人生はきっと素晴らしい物に違いない!
2人の明るい未来に、やっぱり頬が緩んでしまう最高の一冊でした♡

9

ままならない人生を幸せに(* ˊ꒳ˋ*)

伊達きよ先生にカワイチハル先生のイラスト、と知って、雑誌でもウキウキで読ませて頂いてました。
文庫になるのも楽しみに待ってましたよ(*^^*)

受け様は伯爵家の末っ子四男、フィディ。
攻め様はフィデイの従者、フレッド
家族から愛され、当たり前の教育を受け、結果を残してきたフィディは、当然自身がαであると信じてきた。
が、Ωであると結果がもたらされ、そのまま荒野の一軒家のような辺境の屋敷へフレッドのみを付けて送られてしまう。

最初こそ悲嘆にくれていたけど、それならΩの自分にしか出来ないことを、と頑張るフィディの姿がいい。
愛されて育った強さ、健やかさを感じました。

そしてフレッド!
まさにフィディの前ではいい子のフェディファースト大型犬。
敵と認識した相手には牙を剥く猟犬。
ステキ~ヽ(´▽`)/
最初のフィディからのベッドへのお誘いからのやり取り、何度読み返しても笑いが( ´艸`)
フレッドの感情の振り幅、ジェットコースター並だったよなぁ。

そんな調子で、素直な天然のフェディに振り回されてるフレッドが、とても可愛くて不憫でにまにまでした(*^^*)

ままならない人生。
それでも生きていくし、その先には違う幸せがあるかもしれない。
そんな、頑張ってみるか、なんて思わせてくれたお話でした。

カワイチハル先生の、雑誌に載っていたおチビさんな2人のイラストがコミカルで大好きだったので、文庫にも入ってて嬉しい。
そうそう、あの時のフレッド、こんなだよねꉂꉂ(>ᗜ<*)

8

とびきり甘い萌えのミルフィーユ

皆さん、大変です。
最高ににやにやしながら読めるBLがここにあります。
最初から最後まで甘く楽しく萌えられる、萌えが詰まりに詰まったまるまる1冊デザートのような作品でした。
これはかわいすぎます…2023年も終わりに近付く中、萌え成分で滅多刺しにされるとんでもなくかわいらしいお話に出会えてほかほかしています。も、も、萌えた〜…!!

フィディが圧倒的信頼を置くフレッドをその曇りなきまなこで真っ直ぐに見つめながら、超絶無自覚なまま殺し文句の数々を口にし、フレッドがノックダウン寸前でどうにか持ち堪える図を目にする度に、私の心の中に住む某楽◯カードマンがクーーーッ!!!と萌えを噛み締めて暴れ出すかのようでした。
強く逞しい肉体を持ち、闘技場の伝説とも言われた元剣奴でもあるフレッドが唯一敵わないのは、何の武器も持たない丸腰で無防備なフィディだけなんですよ…無垢というのは時に何ものよりも強いのかもしれません。

自身の第2性がαだと思っていた者が、想像とは異なる性別判定に苦悩するお話はそこまで珍しくないと思うのです。
そこからどう主人公が動いていくのか?どんな展開のお話になるのか?といったところが見どころになるのかなと。
いやあ、ノンストレスでとても楽しく読めました。
自身がΩ性であることを知り、さらには父に辺境の地に向かわされ一時的にぽっかりと穴が空いたようなフィディでしたが、きちんと自分の中で現実を噛み砕いて未来へ向けて前向きな姿勢に切り替えられる非常に魅力的な人物像なのが気持ち良くって!
そんな彼に共するのは、フィディが幼い頃に闘技場で見初めて従者となった美しい金髪を持つフレッドただ1人。
元々信頼関係が強固な2人ですから、お互いがいれば大丈夫な安心感がありますし、悲壮感もあまりありません。
無垢がゆえの天然殺し文句でフレッドを振り回すフィディと、理性との戦いに8割くらいの確率で負けながらもフィディに徹底的に尽くす、文字通り尻尾を振り回す大型犬っぽさのあるフレッドが織りなす、とろけるような甘さたっぷりの軟禁ライフと恋模様がテンポ良く進んでいきます。
果たして一体何度萌え転がったのか分かりません。

息子を辺境へ従者とたった2人で向かわせた父親に序盤で疑問がわきましたが、その辺りも納得のいく理由で明かされていきますし、何よりフレッド視点で綴られるフィディへ強い想いを抱くに至った理由というのがすごく良くてですね。
あんなに強い攻めの瞳から、希望と幸せにあふれる涙を流させることが出来るのはきっとフィディだけなんじゃないかな。
メイン2人だけではなく、多方面からの愛情がいっぱいで多幸感に包まれる読み心地の良さでした。
なんというか、すごく前向きで素敵なお話なのです。
人生はままならない。きっと多くの人がそうでしょう。
けれども、そんな人生になったとしても少しずつ歩み進めてみるのもまた良きかなと思える結びでこれまた素敵。
なんだか愛着がわいてしまって、読み終えたばかりだというのに彼らの未来の姿が読みたくて仕方がありません。
甘く楽しく前向きなお話を読んであたたまりたい方はぜひ!

8

ままならない人生。だからこその運命

オメガバースの解釈・物語構成・展開が本当に好みど真ん中。オメガバースの嫌な部分に触れつつも、悲壮感を感じさせない前向きなストーリーがスッキリとした読後感に繋げてくれます。

まず、文章が抜群に読みやすい。このレーベルさんの作品にしてはボリュームあるページ数ですが、サラサラと内容が入ってくる文字運びと飽きのこないストーリーの流れ、テンポの良さ、そしてセンスの良いコミカル楽しい会話が、読む手を休ませません。
そんでもって、キャラクター性もすごく魅力にあふれています。

αだと思って生きてきた伯爵家の末っ子・フィディがΩ認定を受け、遠い辺境地に追いやられてしまう冒頭。普通なら心が折れて不憫街道まっしぐら〜…となりそうなところ、フィディはそんなことに屈しません。Ωの自分でも出来ることを探し、社会に貢献できることを考え実行しようとする気概の強さがカッコいいー
そしてそんなフィディを慕う従者のフレッドもこれまた素敵なキャラクターで、金髪キラキラなワンコぶりが可愛いのに恐ろしく腕の立つ猛者。フィディへの献身が深いイケメンαです。

2人だけの遠く離れた地での隔離生活をキッカケに恋が始まるのは、何となく予想がつくもの。この恋愛過程がすっごく面白くってニヤニヤ必至なんですよ〜!特にフレッドによる性教育のお勉強(しかも実践付き)のシーンは最高…(〃ω〃)
先の展開への期待とワクワクが止まらず、フィディの可愛い無知さに溺れました。2人の絶妙に噛み合わない会話は必見ですので、ぜひ実際に読んでその面白さを感じて欲しいです。


前半はコミカルさを含んだ甘さ・溺愛が引き立つ内容で、後半は家族関係に触れたちょっと深い内容です。
前半部は、やたら展開早いし、肝心なことがサラッと流されたりで粗さがあるなぁって印象をでしたが、それは後半でしっかり補完されます。
オメガバースどうこうってよりは、家族の関係だったり自分の人生そのものだったりを考えさせる意味の強いストーリーだったと思いました。

人生観や仕事観、恋愛観や家族観といったものは自分の置かれた環境によって変わるし、環境や状況は不変のものではないんだよと。作者さんからの問題提起をされたようなそんな気持ちにもなっちゃいました。
"人生ままならない"はそこに繋がっていくんですよね。

フィディもΩになったことで、先の目標を切り拓くことができたし、フレッドも波瀾万丈な生き様だったけどフィディと出会うことが出来た。それは人生がままならなかったから導かれた運命なんだと思います。


そんな運命に導かれた2人の物語は最初から楽しくて多幸感に満たされました。
前向きになれる作品は大好物なので購入して良かったです。おススメの作品です。

6

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