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表題作おやゆび王子の初恋

グレインロード・フレイアン・ファンファリスタ
100年前に魔女に呪いをかけられた
ミルフェ・ブラネット
ファンファリスタ国に住まう家具屋,19歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

小人になった尊大な王子×恋に夢みる家具職人。官能童話第5弾!

家具職人のミルフェは、老婆の魔女を助けた御礼に花の妖精の種を貰う。立派な青薔薇に成長したその蕾が開くと、中から親指ほどの金髪の美しい男が目を覚ました。男は百年前に魔女に呪われて失踪した王子グレインロードで、稀なる美貌ながら、放蕩者として悪名高き王子だった。悄然とする彼にミルフェは甲斐甲斐しくお世話をし、器用な手先で家具や衣装などを用意する。互いの孤独を埋めるように距離を縮める二人だが、グレインロードの元の大きさに戻りたいという願いを叶えるため、魔女のもとを訪ねようとして…?

作品情報

作品名
おやゆび王子の初恋
著者
犬飼のの 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
人魚姫の弟
発売日
電子発売日
ISBN
9784041144282
4.1

(36)

(16)

萌々

(13)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
148
評価数
36
平均
4.1 / 5
神率
44.4%

レビュー投稿数11

小さいのは知ってたけど

おやゆび王子というタイトルから攻めが小さいのは知ってましたが、いったいどのくらいの大きさなんだろうと疑問を持ちながら読み始めました。
そうしたらある界隈の方々には堪らない内容じゃないですか⁉︎

青薔薇から誕生した時はおやゆびサイズで、そこから転げ落ちた時には6分の1サイズなんですよ。そしてミルフェは人形の家具職人として人気があるんです。ミルフェが作った部屋を占拠するほどの箱庭(模型)の描写なんて堪らなかったです。思わずグレインロードならあのドールかしら、それともあちらかなと妄想を楽しんでしまいました。

そしてストーリーもスッキリとしていて、本筋に関係無さそうなところはカットされてて分かりやすかったです。

本来のおやゆび姫は花の国の王子様と結婚するんですが、グレインロードが花の王国の王の誘惑を振り切ってミルフェの元に戻ろうとするのが面白かったです。この王が人間だった頃のグレインロードの好みドンピシャなんですよ。この辺りの描写が上手くてドキドキしてしまいました。

このお話で好きだったのはミルフェがグレインロードに愛される事によって変わっていくところでした。それはグレインロードも同じで出会ったことで成長する2人に感動でした。

童話を題材にして制限のある中でBLを書くって難しいと思うんですが、上手く書き切っていたと思いました。このシリーズ続いて欲しいです。

6

100年越しの運命

童話やおとぎ話好きならぜひ押さえておきたい作品ですね!かく言う私も童話が大好きで、発売を楽しみにしてました(*´︶`*)

作者さんのBL官能童話シリーズでは6冊目とのこと。私はこのシリーズ6作目にして初めての購入でした。初読みでしたが、やはり童話テイストの物語展開やキラキラ漂う世界観、ドラマチックなファンタジー性がすばらしかった。文章も物腰が柔らかく読みやすかったです。


「おやゆび姫」がモチーフになってる作品なのは、タイトルから一目瞭然。BLなので「おやゆび王子」となってるのが、当たり前だけど面白いです(´∀`*)
おやゆび姫で見たことあるあのシーンやあのシーン…素敵にリメイクされていて興味深く読ませていただきました。オリジナルの部分とリメイク部分が見事に融合していてGood。グレインロード王子と家具職人・ミルフェとのあったか同居生活がとっても素敵に描かれていました。それにミルフェがすごく良い子!彼の幸せを願わずして読むことは出来ません。

本家"おやゆび姫"はちょっとした怖さを感じたものですが、こちらはスッキリとした読後感。複雑な心理描写を絡めた恋愛模様に惹きつけられました。おとぎ話の持つ敷居の低さだったり、設定の可愛さやファンタジー要素のお陰かな、ページを捲る手が止まりません♪( ´▽`)

途中、2人が離れ離れになったときのハラハラやドキドキもストーリーを大いに盛り上げてくれる見せ場となっています。
会えない時間が恋心を育てるって言うんでしょうか…一緒に過ごしていた時より、いない時間の方がより相手を強く想ったりしてね^ ^

好きを増幅させていくグレインロードとミルフェが向かう未来は?見える景色は?
元王子の妖精と人間の恋の結末を楽しんで下さい!!

5

ハラハラドキドキ一気読み

まるで童話ですね!まあそういうシリーズで設定なんですけど。

先が気になって一気読みでした。童話の元ネタもちゃんと知らないので、ハラハラドキドキ。どうなっちゃうの〜?と。

自信は愛だ!
この言葉につきますね。
ミルフェの自信のなさ、いつか来る別れに諦めと足掻くズルさ。
犬飼ののさんのお話って、主人公のズルさやエッチなことしたいって頭がいっぱいなお話がいくつかありますよね。いいです!

王子がミルフェと出会い身も心も生まれ変わって。あ〜なんて素敵な日だ〜♪
ミルフェを愛しミルフェと共に生きていく覚悟にしびれました。さすが王子、賢い!

駆け足気味な印象もありますが、とっても良かったです。王子がまっすぐで、ズルさや傲慢さもなく。ミルフェもやっぱり良い子だし。

童話要素に沿ったのか王国の部分がなぜ必要?と思いました。いや、元ネタ知らんけど。

ミルフェが幸せの種を自分で育てて、お世話も頑張ったからだよ!って言いたい。

あと印象に残ったのが笠井あゆみさんのイラストが怖くないってことかな?
個人的な印象ですが攻めはいつも怖い顔してるイメージがあって。挿絵はエッチか受けが困ってるところか攻めの悪い顔かが多いと思ってて。
でもこのお話の挿絵は明るい表情やシーンなのが新鮮でした。

3

キラキラと精霊の舞う美しい世界観

大好きなシリーズの5作目。4作目までは少し怖さを感じる耽美な世界観が多かったけれど、本作はキラキラと精霊の舞う美しい世界。子供の頃に読んでいた不思議な世界観の外国童話を思い出す。奔放が過ぎて呪いを受けた美しい王子と、孤独の中で誰かに愛情を注ぎたい家具職人の男の子。職人ゆえに手荒れをしている小さな手の描写には、いたく萌えを刺激されます。受けの美徳に触れるにつけ、心を入れ替えて本来のポテンシャルと甲斐性を発揮し始める攻め。月の作用で親指サイズに戻ってしまった王子が、紆余曲折の冒険の後にボロボロになりながらも受けのところへ帰ってくるシーンにじんと来ました。キラキラの余韻に浸れる読後感◎ このシリーズでタッグを組まれている笠井先生のイラストはいつも美しいですが、今回は特に世界観も相まって超絶美麗で可愛くて切なくて最高。このシリーズの耽美さが気に入ってる勢は戸惑う方も多かったようですが、個人的には一番のお気に入りです。ビタミンBL系お好きな方にもおすすめ。

1

優しくって、そして温かい。

作家買い。
犬飼さんの描く官能童話シリーズの最新刊ですが、個人的にこのシリーズ大好きでして。発売日を心待ちにしていました。シリーズものではありますがそれぞれ全く別のお話なので前作未読でも問題なく読めます。

未読かつ気になった方へご参考までに書きますと、順番としては「人魚姫の弟」(この作品だけフルール文庫さんから刊行されています)→「白雪姫の息子」→「シンデレラ王」→「赤ずきん王子」→「眠れる森の王」、で、今巻に続きます。

新刊となる今作品は、タイトルからも推測できるように「おやゆび姫」をオマージュした作品。




主人公はファンファリスタ国の王都の郊外で一人で家具屋を営むミルフェ。
ある日、彼は犬に襲われていた老婆を助ける。その老婆は自分は魔法使い(「魔女」と呼ばれるのはいやらしいです)だと言い、助けてくれたお礼に願い事を叶えてあげようとミルフェに持ちかける。初めは断るミルフェだったが、魔法使いになかば押し切られる形で彼女に伝えた望みは「話し相手が欲しい」というものだった。魔法使いはミルフェの願いをかなえるべく、「あるもの」をミルフェに渡してくれるがー。

というお話。

ミルフェはもともと一人暮らしだったわけではなく家族がいた。が、事故で一度に家族を失ってしまう。孤独に苛まれるミルフェは話し相手、もっと言うと同性の恋人が欲しいと願っていて。そんなミルフェの願いをかなえる形で、魔法使いはミルフェに一人の男性を与えてくれる。

ワインボトルくらいのサイズの、金髪の、見目麗しい青年を。
かつてこの国で放蕩の限りを尽くしたと言われる、100年前に実在した王子のグレインロード。

魔法使いに封印されてしまい、再びこの世に姿を現すことができるようになったグレインロード。
孤独で、恋人が欲しいと願っていたミルフェ。
一歩間違えると共依存の関係になりがちな二人ではあるのですが、お互い協力しあって生活し、そしてグレインロードが人間のサイズに戻れるように奮闘していくさまがほのぼのな雰囲気で紡がれていきます。

王子だったグレインロードは初め横柄でしてね。
ヤバ、この攻めさん好きになれないかもなあ、なんて思いつつ読み進めましたが、こんなにも立派な正統派の攻めさんになるとは…!と萌えが滾りました。かつて彼が放蕩王子だったのには理由があって、彼はその苦しみを、ミルフェと一緒に乗り越えていく。ムネアツです。

「おやゆび姫」ですから、カエルにさらわれたり、はたまたミルフェ以外の人物に求婚されたり、と身体の小さなグレインロードにはなかなかハードな旅が待っているわけですが、様々なハードルを乗り越えて恋人になる二人の姿に萌えが滾りました。

どちらか一方の身体が小さくなる、というストーリーは時々見かけます。
「〇くんの恋人」とか。
身体が小さくなってしまった恋人たち、という設定って、子どものころに好きだったお人形遊びと近い部分があって、ロマンがある。着せ替えたり、家を整えたり、自分の好きなように楽しめるわけですよ。

が、今巻はミルフェはグレインロードと出会い、彼が生活しやすいように工夫し、そして、元のサイズに戻れるように心を配る。子どものころに楽しんだお人形遊びと、好きな人に少しでも快適に過ごしてほしいと願うミルフェの想いがリンクして、楽しいし萌えるし、心がほっこりするしでめっちゃ良かった。

攻めさんの身体が小さい、ということで、そうです。
エチエチなことはできないわけですよ。どうなっちゃうのかな、と思いつつ読み進めましたが、最後は無事大団円。

犬飼さんの今シリーズは途中ドカンと痛い展開になることもままあるので最後の最後まで気を抜けませんでしたが、終始温かく優しい空気感に満ちた作品でした。

このほのぼのストーリーに色を付けるのが笠井画伯。
可愛い…。
美しい…。
エロ綺麗…。

と、今回も画伯は最高でした。もう表紙!
これはジャケ買いされる方多いでしょうね、うん。と思わざるを得ない可愛らしい絵柄でした。そして、この表紙の可愛さに見合った内容でもあります。


何もかもを持っているように見えて、その実何も持っていなかった裸の王子・グレインロード。その彼が、すべてを失った後で手に入れたものは、彼が欲しくて、望んでやまなかった見返りを求めない深く、温かな愛情。
読み始めた時、家族を失い孤独感に苛まれていたミルフェの恋の成就のお話なんだと。そう思いつつ読み始めましたが、今作品の主人公はグレインロードなんじゃないかな。

読後心がほっこり温かくなる、そんな優しい1冊でした。

9

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