『半魔の竜騎士は、辺境伯に執着される』著者最新作!

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表題作迦陵頻伽 ~王の鳥は龍と番う~

燿二郎(燿真君)、王の又従兄弟で、大華一の剣豪と名高い西域を治める燿家の当主。
青祥(天聖君)・迦陵頻伽の若き当主。

あらすじ

――大華が建国されて三千年あまり。この世界には、異能を持ち数百年の時を生きる神族と、数十年を駆け抜ける人間の二種類が存在する。稀有な美しさを持つ『迦陵頻伽』の一族は、皇后と天聖君を代々輩出し、ほかの神族よりも優遇されてきた。その天聖君の地位を継いだ若き当主、祥。彼は、皇帝の在位十年を祝う宴席で、大華一の剣豪と名高い煬二郎と出会う。売り言葉に買い言葉の喧嘩が勃発するが、とあるきっかけから一夜を共に。「二度と会うものか」と思う祥だったが、煬二郎と一緒に、誘拐された嫁入り直前の皇后候補を捜すことになってしまい……!?

作品情報

作品名
迦陵頻伽 ~王の鳥は龍と番う~
著者
矢城慧兎 
イラスト
ヤスヒロ 
媒体
小説
出版社
アルファポリス
レーベル
アンダルシュノベルズ
発売日
ISBN
9784434333163
4.1

(6)

(3)

萌々

(2)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
24
評価数
6
平均
4.1 / 5
神率
50%

レビュー投稿数1

中華ファンタジーの魅力がギュッと濃縮

"迦陵頻伽"……なにそれ?
…って言うのがタイトルを見たときの感想。
今まで聞いたことない言葉と字面にひよったものの、期待したのは中華ファンタジーで漢字四文字だったからです。『天官◯福』や『魔道◯師』など……名作揃いなこともあって、非常に単純な思考ですが、面白そうと思ったのが購入のキッカケです^ ^

さてさて。
迦陵頻伽の意味を調べてみますと、迦陵頻伽とは美しい声を持つ想像上の生き物のことで、美声のたとえにも使われる言葉のようです。作品中ではとある一族の総称として用いられています。

天帝が作りしヒトガタ(息子)に贈られた鳥のことを"迦陵頻伽"といい、この鳥が人の姿となり子孫を増やしてきた者たちのことを迦陵頻伽と呼びます。彼らの長は「王の鳥」のごとく宰相(天聖君)として仕える……というのが、迦陵頻伽一族のルーツ。銀髪・金髪で美形揃いの特別な一族ってところからしてBL感プンプンです^ ^


この作品は、人間、魔族、神族が共存している世界観で、この作品での主軸となるのは神族……とりわけ迦陵頻伽一族コミュニティ内での動きがメインのストーリーとなっています。

最初に言っちゃいますが、すんごく面白かったです!
旅、魔族、バトルといった中華ファンタジーの良さが全面に出ており、飽きさせない演出が随所で光ります。設定やキャラ像が丁寧かつ緻密に練られていて、細部まで行き届いた細やかな描写……BLにしても物語展開にしても伏線にしても魅せてくれました。
中華ファンタジーBLの持つ壮大なスケール感を構えながらも、大味になってないストーリー性は見事。従姉弟が行方不明となった事件や謎を追いかけつつ、そこにしっかりと絡みつく天聖君・祥と燿真君・燿二郎のケンカップルBLの味わいが萌え心をくすぐります(*´꒳`*)

事件の全貌、謎解明、過去回想の濃厚さが際立っていて、BLの主張はそこまで強くないんですが、でもしっかり爪痕を残してくれるんですよね〜
2人は何かと衝突するけど、二郎の方が祥にちょっかい出してケンカが起きる構図は、アレですよアレ。好きな子にちょっかいかけて気を引くヤツです。
祥は恋愛に無頓着なのでスルーしても、二郎の方が抱かせろアピールしつこいわ、いきなりキスしてくるわで、祥の中の眠れる身体の火照りを炙り出しにかかります。経験値の差で祥にグイグイいく二郎のアプローチがBL部分での盛り上がりに繋がっていくので、二郎の動きから目が離せません!

実はこの2人、結末を迎えても"恋人"と名のつく甘い関係に到達しません。ヤることはヤッてんですけどね、どういうわけだかです^ ^
そもそも。好きや愛してるといった明確な言葉も交わしていないので相思相愛なのかも今のところグレーゾーンな感じです。燿二郎の猛烈アピールで繋がってる関係かな、今のところ。
一応まとまりとしては完結といっても通じはしますが、未完…つまりまだ続きがあるといっても納得です。というかあって欲しい!
混乱に陥れた悪役への厳しい制裁と、祥と燿二郎の濃密なBL…つまり名のある関係への進展、これがあってこそのフィナーレだと思います。

これだけの話を作り込む作者さんですから、この先のストーリーの構想があっても不思議じゃない。
続刊を強く切望します!

4

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