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これは「悪役令嬢の兄」が、破滅の未来を回避して幸せを目指す物語!
角川文庫ということで、意欲作的な新しいものが読めるかと楽しみにしていた。が、BL好きな元々の作家ファンに向けた作品のようであり、Web小説のようでもあり。ザマァ展開の連続は読むのがしんどかった。
前半は児童書を読んでいる感覚。この方の別作品でも思ったので、そういう作風なのかな。コミカルな雰囲気の中で、イザベラの言動を通し、教訓や道徳を伝えているような。こんな考えの人間になってはいけません、が分かりやすい。
よくあるWeb小説から一捻りしてあるのは、前世の記憶を持った転生者が脇役に配置されていること。
イザークは今作の舞台となる乙女ゲーの世界でBLカプを推していたらしい。痛オタク丸出しの独り言は読みづらく、視点主がユリシスで本当に良かった。
後半はマリアの悪行がバレ、次々と手のひらを返される展開。ラストもユリシスが権力を使ってマリアを追い詰めて、妹を守り切る。
作品世界をリアルとして見れば当然のことでも、外側からマリアを見れば可哀想なところがある。乙女ゲー世界でラブクッキーは悪なのか?そういう価値観の世界なら、なぜ普通に存在しているのか。
イザベラも酷かったが、彼女は叔母の洗脳や教育のせいと同情的な描写がある。
マリアは同情を誘う描写がなく、矯正の機会も与えられず、ただの悪役にされている。イザベラの扱いと不公平感があり、モヤモヤする。
一面的な見方しかされないサブキャラへのザマァ展開を続けられると、心が苦しくなってくる。同じザマァでも、背景描写がしっかりあるメイン級キャラならあまりモヤらない気がする。根っからの悪人かどうか定かでないキャラが堕ちるだけの様子を見ても楽しくない。
人物紹介を見るに、ジハールとユリシスに注目させたかったのかな。特定キャラを貶める展開が多すぎて、後味悪く感じる作品だった。
面白くって読後感もいい。
何度も読み返してます。
悪役令嬢ではなく、その兄ユリウスの側近であるイザークが転生者。
でもでも、イザークがお話を進めるのではなく、ユリウスに進言して、運命を変えていく。
『ではない方』が二重にあり、ストレートではないのに、とても読みやすいし理解しやすい。
イザークより、唯一の家族で大事な妹イザベラが、悪役令嬢となり王子から婚約破棄される運命にある、と予言され、それを回避するため、奔走するユリウス。
わがまま令嬢だったイザベラは、アカデミーに入学する頃には、すっかり淑女に。
もちろんもう1人の転生者である聖女候補が邪魔してくるけど、ユリウスがきっちり守っていて、王子にも喝を入れて、これぞ悪役令嬢もの、とスッキリです。
ユリウスを気に入っている魔族のジハール。
これがきっちりBLだったら、もっと絡みがあるところなのでしょうけどね。
それもいいけど、貴族としての責務を重要視しているユリウスには、きちんと納得出来る理由がないと難しいのではないかなぁ。
私としては婚約者のアンジェリカも好きだったし。
とても面白い悪役令嬢ものでした(*^^*)
BL作品じゃないけど、異世界転生もので夜光花先生!面白そう!と迷わず購入。
今作の主人公は悪役令嬢のお兄さん。破滅に向かってしまう妹を溺愛しています。で、前世の記憶があるのはこのお兄さんではなく、その従者の男性。信頼する彼の言葉にお兄さんは最初信じていませんでしたが、予言が現実に起こったのを機に信じていきます。果たして主従コンビは破滅を回避させられるのか!?というお話。
さすが夜光花先生なのでテンポ良く最後まで楽しめました。ほんのりBL風味…?な関係性もありつつ、すっきり解決!な感じでもなかったので次回作が出てほしいなーと思いました。
若き公爵ユリシスが、側近イザークの未来を予言(と言っても実はワケあり)した言葉により、大切にしている妹をこれ以上悪役令嬢にさせまいと奮闘するところから、色々未来が変化していくお話。
(ざっくりすぎる説明御免です!!)
いやはや。
読了してすぐの感想は、↑のタイトルでも記述したとおり、「続き、いつですか?!!」(両掌を前に差し出しながら)でした。
おそらくイザークが推している通り、ユリシスが幼き頃に助けた魔族で竜となれるジハールとCPになるのかもしれませんが、ジハ×ユリ?? 既定路線なんですかね??
ユリ×ジハも見てみたい気もしますが、今作ではまだユリシスからジハールへの恋としての矢印が小さすぎて、今後の気持ちの変遷が楽しみです。
そして、さすが夜光先生です。
読み応えたっぷりすぎて、あっという間に読めてしまいましたし、キャラクターも魅力的!
イザークとユリシスコンビも好きなんですよね!
それからイザベラもいい子に成長して、応援したくなる健気な子になって…!(目頭を押さえながら)
まさかのユリシスがラストで国王代理になる結末は、さすがに予期せずだったので、おお! と驚嘆の声が洩れました。
その後、絶対あると…信じてます…(大事なことなので3度言った)!
若干19歳にして二大公爵家のひとつモルガン家の当主となったユリシス。
両親を亡くし、たった1人残った愛する妹イザベラを守るために、公爵として必死に働いてきました。それで守れてると思っていました。
が、ある日側近のイザークが、このままではイザベラもユリシスも破滅すると進言してきて驚きます。
イザークは予言者で、「イザベラは婚約破棄されイザークは王位簒奪を図る」と。
可愛いばかりと思っていたイザベラが悪役令嬢予備軍に成長していたことに仰天し、イザベラの矯正から始めるのです。
めっちゃ面白かった。流石ですね。
「なろう」も含めそこそこの数の悪役令嬢、令息物を読んでいますが、これほどの話はなかなかありません。
悪役令嬢の兄だけど、前世の記憶があるわけではない。あるのは側近のイザーク。
イザークは前世女性でユリシス推しで、ユリシスに幸せになってもらいたい、そばで見守りたい(腐女子も混じってる)と側近をしているのです。
ユリシスには前世とか乙女ゲームとかと言ってもわからないので、予言として妹のイザベラが悪役令嬢になって悲惨な末路を辿ると進言するところから話が始まります。
最愛の妹と自分の末路を回避すべく、イザベラの性格の矯正を行い、王子との仲を取り持ち、婚約者の第一王子と第二王子の暗殺を阻止し、学園へはイザベラを守るために人員を配置して、脅威から遠ざかったように見えて、強制力はそんなユリシスの奮闘を嘲笑うかのようにストーリー通りにしようとします。
聖女候補になってしまうわ、ゲーム主人公のマリアに王子がたぶらかされるは、隣国の王子と未来の魔王もやってくるわと次々と難題が降りかかるのです。
最後は大団円で、未来の魔王による匂わせというか、立場が違ったら連れ去られてたかもって感じで終わったけど、それはそれで良き。
ユリシスには婚約者のアンジェリカがいるし。王族のせいで結婚がちょっと先になってしまったけど、ツンデレ気味だけど世話好きないい子だから、結婚して幸せになってほしい。
未来の魔王とはいい友人のままで。
ユリシスが国1番の美貌をまーったく自覚しておらず女性のみならず男性もその笑顔で骨抜きにしてるのに、嫌われてると頑なに思ってるポンコツ具合も面白かった。
ユリシス推しだったイザークが話の展開の結末やらユリシスの無自覚タラシ具合に右往左往してるのも楽しかった。
正義感がそれほどあるわけではなく、徹頭徹尾イザベラだけが大切で、領地とイザベラさえ守れれば、あとはどうでもいいと思ってるのも吹っ切れてていいと思います。
とても綺麗に完結してるから、私はこれで完結でいいかな。余白があるのがいいと思うし。
ユリシスに再び難問を突きつけるなら続編もできると思うけど、蛇足になるかもしれないし。
兎にも角にも、ハラハラしたりニヤニヤしたり、読み進めるの手書き止まらないとても良い話でした。