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お飾りの花嫁は狼将軍に溺愛される

okazari no hanayome ha ookami shougun ni dekiai sareru

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表題作お飾りの花嫁は狼将軍に溺愛される

ランバート・フォン・シュタインメッツ
プロレシア国の騎士団長,英雄,狼獣人
三木薫人
柴犬獣人,10歳→18歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

外交官だった父の死後、叔父家族に屋敷の権利と財産を奪われてしまった薫人。 使用人のように扱われる日々を送っていたが、亡き父の友人・葛城が持ち込んだ縁談によりその環境は一変する。 縁談のお相手は、幼いころに訪れた国であるプロレシアの英雄と呼ばれるオオカミ獣人のランバートだった。 国同士の懸け橋となるための政略結婚だと自分に言い聞かせながら、覚悟をもってプロレシアを訪れた薫人。 しかし、ランバートは小型犬の獣人である薫人を丁重に迎え、とても優しくしてくれて――。 思いがけない幸福にためらいながらも懸命に務めを果たそうとする薫人。 だがランバートにはある秘密があり、薫人を本当の意味では伴侶にしないままで!?

作品情報

作品名
お飾りの花嫁は狼将軍に溺愛される
著者
はなのみやこ 
イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784344848665
3.5

(22)

(6)

萌々

(4)

(10)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
9
得点
76
評価数
22
平均
3.5 / 5
神率
27.3%

レビュー投稿数9

王道の幸せルートと世界観に陶酔

いやーーー…めっちゃ良かった…
王道の素敵エンディングがさいっこう!
不憫受けが溺愛攻めに愛し倒される、切なさとあまあまが入り混じるストーリー展開に溺れただけでなく、不遇ない扱いをされてもなお強く生きる薫人の勤勉で健気な姿に心打たれました。

何が良いかっていうと、近代日本を想起させる既視感ある舞台設定。日本と北方の国(私はロシア近辺を予想しました)をモチーフにしたであろう世界観が私の萌えどころにズキュンでした。好きなんです、あの時代の異国情緒感^ ^
そこに獣人というファンタジー色を絡める新しさ。独特な世界観が楽しかったです。

時代的には明治〜大正あたりでしょうか。鎖国や不平等条約などの描写設定を考えると、日本史で勉強したその時代の世界がなんとなく頭の中にイメージできると思います。
文明開花の香りがする時代背景と、遠い異国の地にに嫁ぐ薫人の決意が、これから訪れるであろう幸せの布石だと思うとワクワクしました。


昔出会った素敵な異国の貴族騎士の元へ嫁ぐことから始まるシンデレラストーリー。運命の再会劇と、劣悪な環境から薫人を救い出すドラマチックな展開に序盤からテンション上がりました〜!
政略結婚の名目で、愛のない婚姻と思われていたことが実は…実は…の溺愛譚。夫であるランバートの役に立ちたいと頑張る薫人の健気さと、ランバートの不器用な溺愛がぎこちなくも温かい新婚生活にホッコリ嬉しい気持ちになりました。


異国から来た薫人に、差別的に冷たい態度をとる者もいるけど、自分がいまできること、ランバートのためになることを1番に考えて行動できる精神力の強さが彼の強みなんですよね。
体力では異国の獣人たちに敵うわきゃないってんで、頭脳で勝負していく伴侶としての能力開花はマジでシビれた〜〜〜( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

お披露目パーティーで薫人には恥をかかそうとした意地悪獣人にムカつきましたが、ピンチをチャンスに変える薫人がカッコいいんですよ!
これまで見えないところでコツコツ頑張ってきた薫人もすごいけど、ここぞっていう大事な場所で実力以上のものを発揮できることもすごい。
可愛いさとカッコよさを兼ね備えた薫人に、皆の見る目が、薫人への評価が上がっていくのが楽しくてしゃーないです♪
ランバートに守られる薫人も良いけど、知識力と語学力でランバートを守る薫人も素敵だなって思いました。


想像のできる結末でしたが、分かっていても面白い!
彼らの結婚生活を邪魔する者たちの攻撃をどうかわして乗り越えていくか、嫌なシーンではありますが逆に楽しむことができました。
サクサクストーリーが進むためすごく読みやすかったし、ややこしさもなくストーリーがストンと落ちました。
薫人に悪態をついた者たちが何気に制裁を受けてるところに作者さんの心意気を感じました!ありがとうございます^ ^

お互いに支え合い、想い合う理想の夫夫の姿にニンマリしました。ランバートの溺愛は、ちとぶっ飛んでるところもありますが、いっぱい愛して幸せにして欲しいなと思います。

9

健気受けのシンデレラストーリー

はなの先生の書く健気で可愛く聡明な受けが好きです♡
今作の薫人も正にそれ。外交官だった父の影響も大きいけど向上心があり聡明、謙虚で優しい薫人は可愛かった。父の死で財産等を叔父家族に奪われ、使用人として働いてるのは辛い。けど父の知人から持ち込まれたランバートとの縁談を即決したのは良かった。後に葛城と密約があり苦しむ事になるけど、あの劣悪な環境に居るよりはいい。
結婚相手は父の赴任時代に1度だけ話した憧れの人ランバート。国の英雄でスパダリ、寡黙なのが玉に瑕。
ランバートも使用人達も優しくて夢のような生活だけど、つがいの営みが無いのは悩むよね。理由に驚いたけど、だからこそ薫人と結婚できた訳で、薫人にだけ発情してくれるのは逆に嬉しい。
ランバートに溺愛され華開いていく薫人だけど、本来の性格かルイーゼの登場や密約の為に身を引こうとするのは辛かった。自信を持って!と思うけど、それが薫人なんだなぁ。
ランバートの一途さやローデリックの助けもあり、2人の絆が強固になったのには安堵。こういう子だからこそ薫人には幸せになってほしい。
ラストの弟夫婦との場面は幸せが溢れていて笑顔になれました。
ローデリックの短編も彼の良さが存分に出ていて良かった。ほのぼのと幸せを感じられる作品でした。

7

嫉妬深めな溺愛攻め!

はなのみやこ先生の作品を読むのは、こちらで2作目です。
冒頭からストーリーに入り込みやすく、気が散りがちな私が一度もスマホを開くことなく読了しました!!
国名や地理などの固有名詞や、時代設定の説明がわかりやすく、文章のリズム感が好きです。

政略結婚で外国に嫁いできた受けと、なにやら理由がありそうな攻め。
嫁いですぐの初めの挨拶では攻めがそっけなく、本当に溺愛になるの??とハラハラしましたが、ちゃんと溺愛なので安心してください。
むしろ嫉妬深すぎて心の広さを疑ってしまうくらいです(受けに関わるものだけですが)笑

受けも、ただ嫁いできただけではない秘密があるようで、このあたりの伏線回収はドキドキしました。

王太子がいいキャラでとても好きだったので、どこかでまた読みたいです。
みんなケモ耳尻尾があって、キャラたちの可愛さが5割増しでした!
癒されつつも物語を楽しみたい時にぜひ。

7

手ぬるい

はなのみやこ先生の作品大好きなので、今回も楽しみにしてました。何となく他レーベルの作品と繋がりがあるのでは?と勝手に期待していましたが、残念ながら関係はありませんでした。

そして他にも勝手に期待してた面があるんですが、こちらも残念ながら最後まで触れられてなかったし、コミコミさんの小冊子にも書いてありませんでした。

私は悪いヤツにはそれなりの罰を求めているのですが、薫人の実家を乗っ取った叔父はそのままでしたね。薫人の実家は父親が一から成した財であって、決して叔父には相続権が無いと思うんです。そしてランバートから薫人の嫁入りの支度金として、国家間でやり取りがあったお金さえ奪ってます。この辺りを罰せられなかったのかと不思議でした。

内容的には王道の不憫受けと溺愛攻めのお話で、特に目新しさは感じませんでした。ただ、薫人がずっと感じてたランバートの匂いをもっと設定に活かして欲しかったです。勿体無くてモヤモヤしました。

そして、プライド高くて最後に大恥かいた令嬢がいましたが、ランバートの証言だけだったのでその辺も甘くてモヤつきました。
もっと大恥かいて社交界に出てこられないような設定や描写が欲しかったです。

ランバートの父親もなんですがザマァが手緩くて、消化不良な感じです。もっとバッサバッサやって爽快感を出して欲しかったです。

私はザマァが大好物なんですが、最近の作品の(他作家さまも)ザマァが手ぬるいのは最近の流行りではないから避けるように言われてるのでしょうか?

4

犬獣人 和と洋の融合 甘いロマンス

ランバート ×薫人


一度だけの時からずっと心の中に残っている
淡い恋心が時間が経っても色褪せない。
犬獣人の世界。
2つの国の文化の違いや、
年の差、体格の差もしっかり描かれている
再会の甘いロマンス。

ファンタジーだけど、リアルな部分も感じる。
東の国の瑞穂は着物時代の日本の雰囲気で、
西洋の国のプロレシアは異国の雰囲気が漂っている。

同生婚できる。
発情があるけど、男は子供が産めない。という設定。


瑞穂の国の柴犬獣人の薫人が、
子供の頃、外交官の父と一緒にプロレシアに住んでいた時、
毛の色などで偏見を受けて、
ある日、出会ったのは、
プロレシア国の英雄騎士の珍しい狼獣人・ランバート。
一度だけの短い交流の中で、
勇気をもらい、淡々とした恋心が芽生えた。
瑞穂の国に帰国し、
父の死後、薫人が不憫な境遇に置かれた。
それから8年が経ち、18歳になった薫人の元に、
プロレシアからの突然縁談の話がきて、
なんとそのお相手はーーランバートだ。
心に刻んだランバートとの再会が政略結婚という形で実現する。
この政略結婚の行方の展開が、

優しさに満ちたランバートと周りの人々に大切にされながら、
プロレシアでの幸福の同居生活を続けている。
キスとデートを楽しむ日々の中で、
薫人を不安にさせるのが、
ランバートと関係が肉体的なものではない。

それは、ランバートにはある秘密がある。
ーー発情できないということだ。
(ということで、ランバートは巨根で童貞っぷりだね!)

個人的にはこの作品の一番見どころが、
薫人が発情できないランバートを誘って、
発情させるためにの健気さ!エロキュン!

発情が解決しても、
婚姻の問題はまだまだ残っているのだ。
上流狼獣人社会で、ランバートが婚約者(女)がいる。
その婚約者との対抗ももちろん、
政略結婚伴侶として選ばれたことだけで、
精一杯恩返し薫人の気持ちも可愛い。
そして、狼獣人の血統主義の中で、
子供を産めない男の薫人の苦悩や、
リアルな家族を築くという葛藤にも切り込んでいる。

王族まで巻き込む展開もあって、

薫人の東洋の剣舞のかっこよさに魅了されながら彼を見直す。

それに、可愛い獣人の子供たちも登場して、
世界観の可愛さが爆発して癒しをもたらしてくれる。

ランバートも薫人に対して8年間の想いが最大級に溢れ出して、
2人が偏見や障害を乗り越えていく姿が最高。

エッチシーンが普通に良かったで、
特に、尻尾が色っぽくって、
キスで幸せを味わいながら、
切なさと愛おしさで胸にじんわりと沁みる。

2人が長い間築き上げてきた想いが、
和と洋の調和を見せて、
犬獣人の魅力がバッチリで、
恋愛や家族の甘さと幸福感がいっぱい詰まった作品でした。

9

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