SS付き電子限定版
作者買いです。お互いの過去が描かれていてきちんと過去に向き合っているところ良い。理仁がなぜワンナイトを求めるようになったのか、琥太郎の高校生時代の恋。リオナ先生の作品は心を抱いているだけじゃなくて人生を抱いているところがやっぱり良いし、好き。
卒業式に同級生にフラれるところから始まるというのはありがちですが、告白相手とくっつくわけではないのに親友として登場し続ける斬新さ!リア充を演じながら周りの言葉が気になる、挨拶が返されなくても挨拶し続けるその真面目さ(をさらりと冒頭に描いて琥太郎くんの性格説明をするところ)!早々に私の好きなリオナ先生を感じて嬉しくなります。
終盤は出ました泣く攻め!リオナ先生の作品は結構攻めが泣く。それも弱々しく泣く。この人間味が好きなんです。理仁が琥太郎より浮かれてるってとこが自分的ツボだったので、本編でもっと出して欲しかったこの理仁の可愛い本性を。琥太郎にかわいいなぁと言ってる場合ではないぐらい可愛いぞこの男。
ゲイを隠していた高校時代を脱して、周囲にカミングアウトして大学デビューした琥太郎。
とはいえ実際は「デビュー」なんてしてないの。だって…合コン誘われても女に興味ない〜周りにゲイいない〜おまけに。
親友の和田が、百戦錬磨の琥太郎がセフレじゃなくて本命探してる!って善意で言いふらしてて、誰も寄ってこない。
さてそんな時…
…という冒頭。
大学で唯一の自分以外のゲイ・理仁がストーカー撃退のために勝手に琥太郎を「恋人だ」と巻き込んできて〜……
そこから、本当は全くなんの経験もないピュア太郎が、理仁との偽恋関係でドキドキしたり、アワアワしたり、ムズムズしたり、ムラムラしたり。
というなかなか読み応えのあるストーリーです。
もちろん!理仁の方にも過去色々あって、琥太郎の存在が救いになっていく。
絵柄は本当に良い。読みやすくて最高です。
ストーリーも両者の心の揺れがとても巧みに表現されてる。
起承転結、意外性のある設定、人物の魅力、ハッピーエンディング、などなどがとても良かった!おすすめです。
えっっ8月発売だったのに もう30%オフー?!とおののき、別のクーポンも使ってポチリ(弱い
買っちゃうよね~、まんまと出版業界の戦略にハマるわたくし。
(にんげんだもの み○お)
でも2点モヤりました:
①まず冒頭でつまづいたんです。
「登場人物2人の見分けがさっぱりつかねぇ!w」
ィャ、1~2秒観察すればすぐ分かるんですよ?でもその数秒が読書においては軽めのストレスにつながります。
あそこまで髪色や髪型を変えなくても良かったのに…ィャ、たしかに垢抜けたよねってとこを見せたかったのは分かるんですよ。
それでもやっぱり「あれ?この黒髪2人、どっちが主人公だっけ?」となったので、うーん…、と。
②もとはといえばDTなのに「セフレがいる」って嘘ついた主人公の責任もたしかにあるんですが、主人公の親友、和田の行動=勝手に友人の性的指向(注:性的 "嗜好" ではありません)を第三者にバラす行為、それはアウティングという、通常は やってはいけないことです…。
本人がオープンにしていきたいという意向があっても、です。
(「アウティング 企業 過去事例」でググってみてください。条例で禁止されているため、企業側が謝罪して解決金を支払いました)
まぁ、あれがなきゃこの作品が生まれなかったからしゃーないんですがね…。
でも三国志wwwすきw
お話としては楽しめたので、個人的には満足です。
リオナ先生と言えば社会人の恋愛が多いイメージが強いんですけど、今回は大学生たちということで。嘘から始まるお付き合い…ということで流れは大体王道でわかりやすかったんですが、全然私の中ではリオナ先生の作品ということもあり、ありきたり感は感じられず。長髪攻めということもあり楽しく読ませてもらいました!
一方は過去のことから敢えて恋愛感情を持たずにセフレだけを作る攻め、一方は昔告った親友に善意の意味でチャラい噂を流された受け、えろも程よく挟み込まれており、二人が無事恋人同時になれて良かったです!
リオナ先生の作品はわりと光の腐女子さん好みかな思いました(光の腐女子とか少し前にその単語を知ったアラサーですがwww)
リオナ先生の作品の受けはいつも好みの受けを描いてくださるので次も期待しております♡