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敗北魔王、勇者の末裔と500年後の社会復帰

haibokumaou, yuusha no matuei to 500nengo no shakaihukki

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表題作敗北魔王、勇者の末裔と500年後の社会復帰

オズウェル・レイニア(オズ)
勇者の末裔
アドル
500年の石化から目覚めた元魔王

その他の収録作品

  • 書き下ろし
  • あとがき

あらすじ

―500年前、悪と名高き魔王は勇者によって封印され、世界に平和が訪れた。

   人間と魔族が共存する国・アデルタ国。   
そこで暮らす勇者の末裔で元軍人のオズは、500年の石化刑から復活した魔王・アドルの監視役として共に生活することに。   
アドルの力を警戒するオズだったが、アドルの魔王らしからぬ繊細さに触れ、優しくしたいと思うように。  
またアドルも、復讐心を捨て現代に馴染もうと奮闘する自分を支えてくれるオズに戸惑いながらも惹かれていく。  
2人の距離が近づく中、魔王再臨を望む過激派組織が暗躍し始めており―…!? 

作品情報

作品名
敗北魔王、勇者の末裔と500年後の社会復帰
著者
あかつき雨垂 
イラスト
相葉キョウコ 
媒体
小説
出版社
リブレ
発売日
電子発売日
ISBN
9784799768822
4.3

(37)

(21)

萌々

(10)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
160
評価数
37
平均
4.3 / 5
神率
56.8%

レビュー投稿数10

クライマックスシーンの長さがすごい

考えさせられる系のシリアス感がありながら、ファンタジーとしても面白かった。特に全体の山場ともいえるシーンがすごくて、緊迫感を保ったまま怒涛の展開が繰り広げられ、最後まで一気読み。魔王のキャラもとても好きだった。

世界観は現代とファンタジーがごちゃ混ぜにされてる感じ。スマホを使い、ファストファッションに身を包み、魔法や呪いを操る。“魔王のバイタルチェック”はちょっと笑った。この二つの単語が並ぶことがあるなんて……。

設定は細部までしっかり作られているがゆえに、人間の醜い部分まで描き出されていると思った。感情面でなく、習性面で。魔物と人の対立構造を作り出す過程に説得力がある。ついでに書き手の思想もあふれ出ていると感じた。

アドルは可愛くてカッコ良い。現代文化に触れて戸惑いながらも喜ぶシーンは、異世界モノによくある定番描写なのに、コロっと萌えさせられてしまった。魔王といっても名ばかりで、敵味方両陣営から利用されそうになっているのが辛い。

オズは頼りがいがあるんだかないんだかよく分からない印象だったが、最後に見せた強さはとても良かった。仲間たちとのおふざけ会話がなんか熱くて好き。
終わり方はなるほど、という感じで綺麗。書きおろしのリズのお話は感動的で良かった。

テーマ的に現実社会を忘れさせてくれない性質の作品で、面白いけど楽しく読むのは難しい。もう少し説教臭さは隠してくれた方が好み。作品内に上手く秘めてくれた方が響くし、キャラを使ってストレートに主義主張を述べるのは野暮でダサい。

あとどの場面でも比喩表現が多く、くどい。もっと場面を選んで使ってくれたら印象に残ったんじゃないかと思う。翻訳ものっぽさは好き。

0

憎まれ口叩き合いながら事に及ぶ男前カップル最高!

今年の作品、今年の内に~と思って手を伸ばしたこちらの作品。
いや…、すごく面白かった。(今年の内に読んで良かったーーー!!!)

全体的に翻訳小説のような趣がありました。それが良かった。
シリアスだけど重すぎず、世界観がしっかり構築されていたし、作中の会話も皮肉も交えた小気味のよいやり取りで面白かったです。

序盤少し入り込みにくさはありましたが、過去を含めた説明部分が終わると自然と物語に引き込まれました。

攻め受けの関係性で特筆すべきは、勇者の末裔×魔王のバディ感!
勇者の末裔は色々あって今は腐ってるけど元軍人で強い。左足義足。ちょっとワルぶってるけど誠実で優しい。
魔王は500年前の人なので時代錯誤な話し方をしつつ、魔王だけど1人の人間としては真面目で根は善良な感じ。柔軟で好奇心旺盛だし優雅で美人。
その2人が惹かれ合うのは自然だったし、徐々に信頼関係を築き上げていく様子がたまらんです!バディとしての2人もアツイ~!

エロな場面でも男前同士で憎まれ口叩き合いながら事に及ぶのも良かったです!想いが通じた後はそこにアツ~い熱量が乗っかってエロいエロい。濃厚です。

今の私達にも通じるような社会問題も織り込みつつ、ファンタジー物語として確立されていて、とても読み応えがありました!1冊の本としての完成度も高い。

本当に読んで良かったし、もっと沢山の人に読んで欲しい作品です。
先生の他の作品も読んでみたくなりました!

1

世界観が楽しい

とても面白かった。
魔族と人間の戦争から500年。勇者に封印された魔王の刑期が終わって、勇者の末裔の攻めが魔王の社会復帰をサポートすることになる。

スマホや車などの現代のテクノロジーと魔法が合わさった世界観が面白かった。電気の代わりに魔力が使われている感じ。洋ドラだとか翻訳小説のようなジョークや皮肉の混じった会話も愉快で楽しかった。

中世ファンタジー世界から一気に現代にタイムスリップした状態の魔王受けは看護師を下男と呼んだりスマホを分解しちゃうし、御伽噺のような古風な言い回しがチャーミング。魔王様が一般人として生きるために現代に適応していく様子が楽しい。

そんな姿を見て、子供の頃に絵本で読んだままの恐ろしくて強大な魔王だったら『悪』として憎んでいられたのに…と情が湧いてしまう攻め。魔王と人間側の板挟みになっている攻めが、それでも魔王には嘘をつかずに受けの味方だと言った言葉を守り通したのも良かった。

攻めの勇者のスキルがとても御伽噺的でロマンティックだったのも好き。

攻めの姪っ子のエピソードも好きだった。真面目な両親とは違って面白くてちょっとワルな叔父さん枠って憧れる。

そして500年経ってもなお残る人間と魔族の溝、人種差別と社会問題というテーマも現代的でファンタジー世界との組み合わせが面白かった。

1

主役二人が最高に格好いい!

好き要素しかない!と電子配信を指折り楽しみに待ってました!敗北した魔王様と勇者の末裔の物語、すっっっっごい面白かったです!!!!
世界観の作りこみもすごかったです。コミカルだったりシリアスだったりとテンポもよく、長い物語ですがするする読み終えてしまいました。
元魔王様の、ジェネレーションギャップに戸惑う姿はかわいらしく、でもその立ち居振る舞いは優雅で優美。そして、心優しい魔王様でした。
勇者の末裔であるもう一人の主人公も、はじめこそ腐ってましたが誠実で男前!そして元軍人なのでつよい!!
孤独を抱える2人が出会い、絆を深めてからのシリアス展開は本当に胸熱です。最後の勇者パワーと魔王パワーには拍手喝采でした。
すっごい面白かった…!

後日談は、本編冒頭にちらっと出てきた姪っ子ちゃんのお話でした。気になっていたので、後日談で彼女のこと、そして仲睦まじい2人の様子が拝読できて満足すぎる後日談です…いいお話だったァ…!

電子版SSも!ふたりはずーっとこうして時を重ねていくんだろうなと思えるお話で。この2人なら何があっても大丈夫!つよいし!と読後感最っ高のお話でした。大満足です!おもしろかった!

1

この2人、最高!

勇者に敗北してひとりぼっちになってしまった魔王アドルと、勇者一族の落ちこぼれで人生なんだか上手くいかないオズ。
その2人がお互いに絆されていく過程が愛おしくて、とてもドキドキしました。濡れ場までも重厚感があって、とっても大満足です。
作中世界観もすごく作り込まれていて、安心して物語へ全体重を預けることができました。
社会のままならないところに振り回されつつ、それでも愛し合う2人で未来を掴む、未来と希望のお話です。
バトルシーンの描写にも痺れました。元軍人のオズがまたかっこいいんだ…。

2

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