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わぁーーーーお!!
勧善懲悪ストーリーとして、かなりパンチの効いたストーリーですね。
BLの世界線でももちろん楽しめる仕様ですが、主人公2人の背景がとにかくダークかつブラック。暗殺稼業のサイコパスと、父親を殺された青年との因縁の出会いから始まっていく恋愛模様は映画さながらの非常にスリリングな物語展開でした。
父を殺した相手と恋愛関係になっていくなんて、おそろしく闇な感じがしますが、思っていたよりポップに恋愛関係が進んでいくので少しばかり拍子抜けでした(笑)
アダムがノアにゾッコンで、やたらと執着するし甘いんですよ。サイコパスっぽく、ヤンデレ色が強いのもアダムの特徴です。
ノアからは最初の復讐心はいつしか消え、父がした行為とその裏に隠された真実に向き合いながらアダムとどんどん深い中になっていきます。
ノアもだいぶ肝が座ってるというか、怖いもの知らずでヒヤヒヤしますが、あんな事件に巻き込まれた当事者として、目の前にある真実に対峙しようとする姿勢はすごく強い。アダムが惚れ込むだけはありますね。
だけど、サイコパスは愛を知らないと言う。けど、どう見てもノアへの執着や献身や耽溺は愛があるようにしか見えません。つまり、そうしたノアへの態度や大事にしたいと思う感情がイコール愛に結びつくとは知らないから、アダムなに言っちゃってんの?ってなるわけです。どう見ても愛を知ってる行動だろうが、ってね^ ^
そんなチグハグな恋愛をしながらアダムとノアが"愛"に溺れていく一方、ノアの父が犯した犯罪の闇が少しずつ暴かれていきます。
このターンでは、アダムのファミリーが大活躍。養子関係で繋がる兄弟関係のサイコパス集団…まぁ、プロの暗殺者チームのことですが、彼らとノアと、そしてボスである彼ら兄弟の父親とで犯罪者たちに制裁を下していくチーム戦がすげぇ。
スパイファミリーならぬサイコパスファミリー……証拠がないことにより法で裁けない犯罪者たちに死を持って罪を償わせる暗殺ブラザーズの存在感がまーヤバい。社会の掃除屋である彼らが"家族"のチーム感で悪党どもを抹殺していく顛末にゾクゾクしながら見守りました。
綺麗事で済まさない仕事ぶり、ひぇーゾクゾクしました。
多分映像化すると恐ろしい光景でしょうが、少し抑え気味に文字描写してくれているおかげでそこまで生々しく感じず苦手な方でも読めるのではと思います。
一人一人の兄弟たちはまとまりがないのに、制裁のときは妙な家族の一体感が何だかおかしくて、アダムの兄たちの強烈な個性にも注目して読んで下さいね。
愛を知らないサイコパスと、同じく愛を知らない孤独な青年の濃密な恋愛をぜひ。
1本の映画を観たような高揚感は満足の読み応えでした。
市ヶ谷モル先生のイラストが評価の一因にもなっている気がする。モノクローム・ロマンス文庫の新ラインとして売り出しただけあって、担当者のやる気を感じる。
つまるところ"私だけを守ってくれる殺人鬼"です。その上白馬ならぬ高級車に乗ってるときた。サイコパスが話の軸らしいけど、割と序盤にその設定どこ行った?って感じで、人を愛せないとか、愛の感覚が分からないとかほざいてるのが白々しくなってくる。ギャグでやってるのか?いや、それが愛だから!ってツッコミ待ちなのか?と思ってたら、作中でノアがしっかりツッコミをいれてくれました。ですよね。
最後の最後でアダムが笑いながらノアを裏切ったり見放したりしたら、よっサイコパス!って言えたけど、BLロマンス小説としては勿論ダメです。登場人物の属性は、2巻が好みな気がしているので期待。
ゲイリーとノアの関係、ノアのアダムとの関係、犯行現場付近にマルヴァニーの所有物件…ってまぁまぁ危険な橋だと思うんだが大丈夫なのか。
モノクローム・ロマンス文庫のディープエッジラインに相応しい一作目。
全員愛を知らないサイコパスな養父&7人兄弟達が大活躍するシリーズ。
最初はかなり引いてしまったアダムズファミリーが、最後まで読むと必要悪に思えるから不思議ですね。ダークヒーローものです。結末もこのシリーズの一作目を飾る派手な終わり方でした。
アダムとノアのキャラ設定が最初は響いてこなかったのですが、ノアの生い立ちに纏わる事件、復讐劇に引き込まれるうち、二人に対する印象も変わりました。
事件は胸糞が悪く心苦しい題材だった。表現は直接的じゃないけど割とリアルで、想像させられるというか…トラウマになりそうでした。現実にもこういう事件はあるので目は逸らせないかと…。
ノアがアダムの父に「息子はサイコパスだから誰も愛せない」と言われる設定は萌えた。
生い立ちに歪みがある2人の独占欲が強い執着愛が印象的でした。
他の兄弟の主役の話も全部読みたいな。
他の兄弟も濃いキャラだけれど、謎が多いので気になります。
兄弟全員コンプリートしたいです。
ぜひぜひ全巻出版して欲しいな。
いままでモノクロームロマンスを読んでハマったことがないんです…が、なぜ本作に手を出したのかとゆーと「サイコ」が気になりすぎたからです!書店で「サイコ」を見たときに、割と好きな設定かも~と作品情報検索したら、シリーズ第2弾なんだ!?と知り、1から読んだほうがよいみたいだったので素直に着手したのでした。
確かに!日本の商業BLではあまりない(たぶん)億万長者のサイコパス兄弟、第1弾は末っ子スーパーモデルの愛(メイビー)ということだったんですが、設定モリモリだからサスペンス多めなのかなの予想に反してスケベ多めでしたwサイコパス兄弟が法で裁かれない悪い奴らを成敗する(ちょっとこの表現古くてスミマセン…)、まぁダークヒーローものなわけで、この攻め受けが親の仇というシチュで出会って~っていう展開で、そこからペドの集団暗殺に至るまでなんですが、といってもそんなにペド描写がないのでペド嫌いなひとでも読むことか可能かと思いました。が、なんかこんなに事件の描写がふわっとしてていいんかい?っていう、サスペンスパートへの物足りなさを感じて感じて…まぁ、イカレタ(unhinged)やつらのラブかもしれないストーリーがメインなんだから正解なのかもしれないんですけど、なんかちょっと、ふたりを結び付けた事件の顛末が抽象的な気がして(汗)なんだかいまひとつしっくりこなかったのでした。。
とはいえ、こういう海外小説が翻訳されてこうして日本語で読めるっていう供給は素晴らしいんだよ!って思うわけで(価格も年々上がりますよね…コスト考えたらやむなしですよね…)その辺はありがたいという気持ちを加点してます。必要だと思うんですよ、こういう文化交流も。
というわけで、この世界観にあんまり乗れてなかったのにも関わらず!「サイコ」読みたいんだよな…(キャラ的にはそっちのほうがハマりそうな予感なんだけど)うむ…
シリーズもので、登場キャラが継続、起こる事件は一冊でまとまっている感じかな。原書はサイコパス7兄弟を一人ずつ主役にして進んでいく、全7巻(他にアンソロも1冊有り)の作品。これはぜひシリーズ全冊翻訳版をお願いしたい!
まず一人目のサイコパスはアダム。その特殊な生い立ちは、序盤にさらっと語られる。虐待から保護され、殺人者として育てられるなんて辛くなってしまうが、本人の様子や殺しのターゲットのあまりの酷さに、つい応援したくなってしまう。
原書のシリーズ名“Necessary Evils”の通り、法が役立たない悪を成敗する“必要悪”。兄弟たちには、司法システムの誤りを正すという信念があった。
ちなみに日本語版のシリーズ名“花にして蛇”は秀逸だと思う。作中に記述があるが、サイコパス7兄弟をとても綺麗に表している。
今回アダムが出会ったのは、昔殺した男に関係するノア。いきなり銃口を突きつけてきた相手に、まるで恋でもしているような反応を示すアダム。ノアも殺すつもりだった相手に、キスを許し無防備になる不思議な反応。
急速に近付き、恋人のような関係になる二人だが、サイコパスの人を愛せない性質が障害に。といっても、傍から見れば本人たちが気にし過ぎかな、と。
愛なんて形のないものは、そこに在ると言い張れば良い。ノアのためなら何でもすると決めたアダムが言えば、感情が分からなくても、それはもう愛で良いと思う。
ノアに執着するアダムは、確かにサイコパスの特徴を持っているのかもしれない。でも自分に足りていないところを理解し、できない・分からないことを自己申告したうえで、ノアと関係を築こうとするところが良かった。
ターゲットの犯罪はどこまでも広がっていき、児童売買・虐待から殺害疑惑まで。被害の描写はボカされているので、読みやすかった。ただ、悪を成敗するシーンまで描写がカットされていたのはびっくり。読みたかったわけでなく、ビクビクしながら覚悟してたので。
印象的だったのは「魂についた傷は消えない」というフレーズ。とても重い言葉。
事件の残虐さや犯人たちの醜悪さなど、読んでいてしんどい面もある。権力者による隠蔽や立証の難しさなどから野放しにされ、今も苦しむ子供たちがいる現実。サイコパスなダークヒーローたちに期待したくなるシリーズ。
