特別描き下ろし漫画付き
王道に勝るものなし、と改めて実感しちゃいました。
幼馴染み設定の萌えどころがこれでもかというくらい詰まり放題。
幼馴染みがテーマの作品ってこんなにも世の中に溢れているのに、
やっぱりいいんですよねぇ…。
マンションのお隣さんで幼馴染の啓太と倫也。
けれど、ある日、倫也が隣町へ引っ越しすることに。
そして、同時に友達ではない「好き」を告げられて…。
倫也からの突然の告白に戸惑い、
思わずどっきりだろ?なんて誤魔化してしまう啓太。
だけど、不思議と嫌な感覚はなくて、
その日から倫也を意識してしまうようになってしまいます。
明るく素直な啓太ですが、
中身は小学生がそのまま体だけ大きくなったような印象で、
想いを伝えてくれた倫也に対してもデリカシーのない発言ばかり。
しまいには気持ちも自覚できていないのに、
倫也に「付き合おっか」なんて言い出してその無神経さに
腹立たしくなってしまいました。
だけど、それも色恋に耐性がなさすぎるゆえの空回りで、
その発言も倫也が離れていくことへの焦りだとわかってしまうと
こんなにも自分勝手でデリナシーなのに、なんだか憎み切れませんでした…。
倫也の引っ越しが決まってからは寂しくて、構ってほしくて、
これって実は啓太の方が倫也大好きすぎない?と
その無自覚な愛の重みが微笑ましかったです。
そんな啓太だからこそ、倫也も好きになっちゃったのね。
本作では啓太が倫也を好きと自覚するまで、と
その後の二人がちょっぴり描かれているだけですが、
恋人同士になった二人は啓太の方が倫也にベタ惚れで大切にして、
溺愛が滲み出ちゃってるんだろうな、となんとなく想像できてしまいました。
後日談では啓太の反応からお母さんにも二人の関係がバレてしまうのですが、
必死に気付かないフリをしてくれている母の優しさに笑ってしまいました♪
本編、番外編を通してキス止まりで、エロはありません。
アニメイト特典では直接的ではないけれど、
ほんのりアダルト匂わせがあります。
幼馴染の啓太と倫也でしたが、引越をすることになった倫也が啓太に告白するところから始まります。
友達だと思っていた倫也からの告白に戸惑う啓太の心がしっかり描かれていて、こちらまでドキドキします。
ずっと啓太視線で描かれていますが、倫也の言動の端々から倫也の気持ちが伺えて、切なさが募ります。
倫也が引っ越して遠距離になってから両想いとなり、あっという間に高校卒業&大学合格で同棲スタートなので、二人がどう過ごしてきたのかを詳しく知りたかったです!
そして、二人の同棲生活をもっと見たかったです!
キスまでなので修正はありません。
電子共通特典②では倫也が啓太を誘うえっちな姿を垣間見ることが出来たので最高でした!
エロス度☆
おやおや。マンションの部屋が隣同士の幼馴染みの恋模様がアオハルな甘酸っぱさ満開でかわいいですね。
啓太と倫也が紡ぐ祝福の恋物語・・・開幕。
啓太の鈍感さや彼に片想いをし続けてきた倫也の一途さがたまらなく、ずっと一緒にいた倫也の引っ越しと想いを告げられるダブルパンチにいっぱいいっぱいになっている啓太がツボります。
倫也のことをぐるぐる考えて間違ってしまったり、いなくなってしまった倫也の存在をさがしてしまったり・・・啓太の中で倫也への気持ちが大きくなり、特別に意識していくのがグッときました。
17歳の高校生。
そして、隣にいるのが当たり前だった幼馴染ものの良さが詰まっている素敵な作品でした。
柔らかくて、甘酸っぱくて、正直で、ものすごくピュア。
等身大の恋という言葉がぴったりの1冊なのではないかな。
これからもずっと隣にいると疑うことすらしていなかった、長年の幼馴染からの突然の別れと告白。
引っ越しという別れのタイムリミットが迫る中、限りある日々を過ごす彼らのなんともいえないもどかしさと儚さ、やるせなさを感じさせる心理描写がすごく良かったです。
17歳の高校生設定がまた絶妙に効いていて、大人と子供の中間にいる2人だからこその、もっとずっと一緒にいたいとわがままを言いたいのに言えないどうしようもなさが伝わってくるんですよね。
そんな心の不安定さと共に描かれる恋模様…もとい、よちよち歩き状態の恋の始まりがむずがゆくてたまらなかったなあ。
引っ越しが近付くにつれてどんどん減っていく荷物や、2人だけが分かる暗号、埃をかぶった工作人形を介して思い返すあの頃。
あれはかけがえのない宝物のような日々だったんだなと、そこで初めて気が付く細やかな心の動きにグッときました。
もちろん「俺も好き!」と、すぐに両想いなことが分かって付き合い出すのも良いでしょう。
ただ、こちらの作品はそうではなく、じっくりひたすら自分の気持ちと相手への気持ちに向き合い続けているのです。
17歳の少年の心の動きに、こんなにもやさしく丁寧に寄り添った作品に出会えてうれしいです。
始まりから終わりまでとにかく良かった。素敵でした。
とびっきりの素朴さが魅力的な1冊かと思います。
2人の少年の、いつもとは違うひと夏をぜひ見守ってみてください。