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表題作主人公にはなれないけど

室生 海斗
大学2年生
文哉
大学1年生、喫茶バイト、20歳

その他の収録作品

  • 描き下ろしマンガ『3年後』
  • キャラクター話
  • 背景設定・あとがき

あらすじ

物心ついたころからずっと隣にいる
幼なじみ・海斗(かいと)に、長年片想いしている
大学生の文哉(ふみや)。
セフレは作っても恋愛とは無縁の海斗にとって、
一番近い存在は自分のはず――
そうやって恋心を隠し、“幼なじみ兼親友”の
立場に甘んじる日々だ。
ところがある日、仲がいいという大学の先輩・
諒(りょう)を紹介される。
男友達すらとくにいない海斗が
懐くなんて珍しい…。
不思議に思っていた矢先、
諒を見つめるまなざしに、
本人ですら無自覚の思慕を見つけてしまって!?

作品情報

作品名
主人公にはなれないけど
著者
桃子すいか 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784199610394
4.5

(59)

(44)

萌々

(8)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
266
評価数
59
平均
4.5 / 5
神率
74.6%

レビュー投稿数13

収まるところに収まったけど。

桃子すいか先生の作品は他に2作品読んだことがあります。どちらも脇役までしっかりキャラが立っていて魅力的だったので、群像劇っぽい今作も期待して読みました。
が、ハードル上がりすぎていたせいかもしれないけど、今回は肌が合わない部分が多くて、辛めの評価になってしまいました。

まず引っかかってしまったのが、作品の要とも言える“みんな片思い”設定。
主要メンバーは男4人と女1人の計5人。
その5人のうち4人はメンバー内の誰かに片思い。
その4人のうち3人は同性が相手。
その3人のうち2人は明らかに異性愛者。
うーん、さすがに無理がある。特に、海斗→諒というのは(勘違いだったとしても)しっくり来なかったです。

そして、海斗のキャラがどうしても苦手でした。
海斗って、悪い人間ではない。誰かを傷つけようとか利用してやろうとかは思ってない。文哉や一花に対しては優しいところもある。
でも、悪意がなければいいってもんではないというか……むしろ悪意がないからかえって怖く感じてしまう。もう根っから他人の気持ちが汲めない性質の人なんだなって。
最後はいろいろ気づきがあって、心を改めて、収まるところに収まったけど、なんかモヤモヤが残りました。この二人、この先大丈夫なのかなあ。あまり幸せな未来がイメージできなかったです(描きおろしは可愛くて良かったけど)。

有島さんは好きでした。気持ちに寄り添ってくれる安心感。それと、文哉のアパートの前で海斗に牽制をかける大人の余裕……からの、「大人げねぇー」までワンセットで。
一花ちゃんも見ていて気持ちのいい女の子。
諒は最初のほうは騒々しいのが苦手だったけど、途中から良かったです。
カフェのステンドグラスや本棚やコーヒーカップも繊細に描かれていて素敵だったし、いろいろ好きな部分もあるのだけど……肝心の、主人公たちのラブストーリーに萌えられなかったのが残念でした。

1

みんなのレビューが気になる作品!!

読みはじめたら、たくさん登場人物と矢印が飛び交っていて最終地点が気になって一気に読んでしまいました。
そして、読了された皆さんがどんなレビューを書いているのか気になってまっさきに確認してしまいました。
いや、本当に片思い、しんどいですよね!
3人幼なじみの中に大学の先輩諒と喫茶店の常連、有島さんが加わってさらに複雑になっていて…。

自分の気持ちを抑えがちで甘える事が苦手な文哉の長い長い片思い期間、そして付き合ってからの相手に無理をさせてしまっている自分を感じる事への苦しさ、本当にしんどかったです。
ですが、私がこの作品で1番「あぁ好き」となったのは、意外にもヤリチンクズで恋愛何それ??美味しいの??と壊滅的な海斗でした。

この子、本当にぴゅあで真っ直ぐな子なんだと思います。高校の時の花火大会の時のおばあちゃん…普通、友達にあの言葉は言えないですよね?だけど、そこに変な悪意はなくて純粋に文哉が楽になる事を願って口から出たのがあのセリフだったんだなぁと。そんな海斗の気持ちがわかったから文哉も笑って泣けたんだなぁと。

誰かを「愛する」事の意味を色んな人に与えられた「愛」で気づく海斗がどんどん愛おしく思えて来ました。それまでヤリチンクズだった男が、本当の愛を知って「あげたい」って気持ちになるムーブ……あまりにも恋愛童貞のぴゅあ赤ちゃん…で可愛かったです。
本当にどうしようもない、子どもみたいな海斗。愛したらずーっと一途な所も推しちゃう…。あ〜この子本当に愛おしい攻めでした。

2

片想い

読んでいる間、結構つらい時間が多いです。

海斗と文哉、ずっと仲のいい幼馴染だったから、そこに恋愛的な感情が入ってしまうことが本当に怖かったと思います。

海斗と文哉は付き合うことになったけどギクシャクしていて、“このままだったら終わっちゃうよ~!”と思っていたらやっぱり割とすぐに別れてしまって。

そこから海斗は真剣に恋愛とか子どもの頃から隣に当たり前にいた文哉とのことについて色々と考え始めて、やっぱり…ってなるんです。

一度離れてみて良かったんだと思います。きっと二人には考える時間が必要だったのだと。
無事に本当の両想いになれて良かった!

お話の中で、文哉のことをとても好きな社会人の有島さんという人が出て来るのですが、しっかり大人なので、文哉のことを想いつつもそれを表には出さず、結局ひっそりと失恋してしまいます。有島さんにも絶対幸せになって欲しい!

海斗と文哉のもう一人の幼馴染の一花ちゃん、女の子だけど二人とは全く恋愛のようなものはなく、いつも二人を全力で応援してくれる素敵な人でした。

連載も読んでいてお話は分かっているのに、コミックスで読むとやっぱり滅茶苦茶しんどかったです。
でもこういうしんどさを味わうのもなかなかいいなって思いました。

かきおろしマンガもすごく好きでした!セリフはありませんが中身がぎゅっと詰まっていて色々と想像しちゃいますね…!

1

No Title

本誌で連載を読んでいて、単行本発売されたら購入しようと思ってました。
誌面のときも辛いなーって思うところがあったり、でもハッピーエンドだったなと。改めて読むと、細かい部分で読んでないところがあって、初見の気持ちで読みました。
導入が主人公じゃなくて、途中、誰とくっつくの?て思ったり。片思いの辛さや、それぞれ登場人物の感じてることを表現している回があって、そこもすごく好き。色んな人が登場するけれど、描き分けもしっかりされていてこの人誰だっけ?てならないところも好きで読後感良かったです。

2

しんどいのに読み進めずにはいられない

片想い、しんど……!!
片想い相手がまた誰かに片想い…と
地獄のような片想いの連鎖に息苦しさを感じながらも
最後まで見届けずにはいられませんでした。

大学生の文哉は幼馴染みの海斗にずっと片想いをしています。
けれど、当の海斗は筋金入りのヤリチンで誰とも恋愛はしない主義。

叶わぬ恋は切ないけれど、海斗が誰かのものになることはなく、
せめて親友として隣にいられることに安心していた文哉ですが、
ある日、海斗が友人の諒に片想いしていることを悟ってしまい…。

文哉に片想いする有島(カフェの常連客)。
海斗に片想いする文哉。
諒に片想いする海斗。
一花(文哉と海斗の幼馴染み)に片想いする諒。
…とこの狭い空間の中に片想いが一極集中しているのです。
しかも、誰一人として両片想いではないところがまた切ない予感しかしない。


海斗の片想いを知ってショックを受けながらも
自分の想いを告げることもできずにいた文哉でしたが、
偶然海斗に自分の恋心を知られてしまいます。

このときの海斗の反応がまたどクズ極まれりでして。
確かに海斗自身も親友だと信じていた相手から
恋愛対象に見られていたショックはあったのかもしれないけれど、
海斗の発言には文哉の片想いへの思いやりは微塵も感じられず、
むしろ文哉の気持ちを踏みにじってくる始末。

その後も文哉とこれまで通り傍にいたいからなんて
安易な発想からお付き合いの提案をしてきた海斗。
だけど、今までまともな恋愛をしてきたことはなく、
文哉に対してもそもそも恋愛感情すら抱いていないわけで、
当然上手くいくはずもなくわずか3ヶ月ばかりで破局に。

気持ちもないくせに無理して良い彼氏みたいに振舞って、
だけど無自覚な独占欲だけは一人前で、
喧嘩の末にやっつけ仕事みたいにエッチになだれ込むも
文哉を前にして「おれやっぱり誰とでもできんだな」なんて…
仮にも「俺はお前がいい」とずっと想ってくれていた相手に言うか?
もう………クズにも程がある。

しかも、その言葉に泣き出した文哉に「ごめん…痛くした?」って
傷つけた自覚すらないのがほんとどうしようもねぇなこのクズ男はよ…。

その後も散々文哉の気持ちを蔑ろにしたくせに被害者面して凹み、
有島と文哉が付き合ってると思い込んで当てつけみたいに
即効セフレの所に駆け込んで快楽に逃げようとするし…
ちっとも報われない文哉が不憫すぎて泣けてきちゃいました。

ただ、恋人としては最悪な海斗ですが、親友としては誠実でした。
両親が不倫し合うという最低な家庭環境から恋愛不信に陥り、
それゆえに海斗にとっての恋愛はいつか終わってしまうもので、
友情だけは終わらないものでした。
だからこそ、文哉とは恋人ではなく友達のままでいたいと望んだ海斗。
ヤリチンだし、無神経だし、傲慢な男ではありますが、
見方によっては誰よりも純粋だったのかもしれません。

文哉との別れだっててっきりノーダメージと思いきや、
意外にも失恋を引きずってしっかり打ちのめされちゃっていて、
文哉を失った寂しさから路上で子供みたいに泣きわめく場面では
攻めザマァと思いつつも、うっかり絆されちゃいそうでした。

海斗は人の気持ちに鈍感で無自覚に傷つけるし最低だけれど、
愛が何かを知らないだけで、それが何かを理解はできるんです。
だから、一花に友情と恋愛の違いを諭されて文哉への自分の気持ちが
愛だと気付けたし、愛を知ってしまえば文哉だけを愛する一途攻めに
変貌を遂げています。

手を繋ぎ、キスをするだけで緊張したり幸せを噛みしめたり、
ピュアというか…童貞返りしちゃっている海斗が可愛く見えてしまいました。

海斗はまだ恋も愛もわからないと言うけれど、
キス一つでドキドキしちゃうなんてもうそれ以外思い当たらないのになぁと
思いながら読み終えました。

ラストは文哉に片想いしていた有島さんの切ないシーンで締め括られます。
大人の包容力で文哉の恋を見守り、背中を押してくれた有島さん。
結果的に文哉は彼を選ばなかったけれど、
前半までの海斗のままなら絶対有島さんルートを推してました。

描き下ろしは3年後の海斗と文哉が描かれていて、
本編の切なかった分を糖分で満たしてくれるかのような
イチャイチャが爆発している2人の後日談でした。

文哉への気持ちが恋なのか迷っていたことが嘘みたいに
溺愛モードな海斗に表情筋がゆるゆるになりました♪

4

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